定年後の生きがいを見つけるには?70代からの充実生活のヒント

仕事

1.定年後、なぜ“生きがい”が大切になるのか

仕事がなくなった後の“心の空白”に気づくとき

定年を迎えると、それまで当たり前だった「仕事」が突然なくなります。毎朝決まった時間に起きて、出勤し、誰かと関わり、何かを成し遂げる。このリズムが失われると、思った以上に“ぽっかりと空いた時間”に戸惑う人が多いのです。

ある調査(第一生命経済研究所「シニアの生活意識調査2022」)によると、60代後半から70代前半の約65%が「定年後に目標ややりがいを見失った」と感じた経験があると回答しています。経済的な心配ももちろんありますが、それ以上に「自分の存在意義」をどう見つけるかが、大きな課題となっているのです。


家族との時間だけでは埋まらない“自分の役割”

「家族とゆっくり過ごすのが夢だった」という方も、実際にその時間が増えると、ふと“物足りなさ”を感じることがあります。家族との時間は大切ですが、それだけでは満たされない「社会的役割」への欲求もまた、人間らしさの一部。

特に70代男性は、現役時代に「仕事を通じた社会との接点」が大きかった世代。そのため、家庭だけに軸足を置く生活に違和感を覚えやすい傾向があります。だからこそ、定年後も「自分の居場所」や「人の役に立っている実感」を持てる場が必要になるのです。


2.社会とのつながりが健康と心に与える効果

孤立を防ぐ“緩やかな関係”の大切さ

歳を重ねると、友人や仕事仲間との距離が自然と遠くなりがち。ですが、厚生労働省の調査(平成30年 国民生活基礎調査)によると、「日常的に会話をする相手がいない高齢者」は約15%にも上ります。

孤立は、うつや認知症、生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。逆に言えば、無理なく続けられる“緩やかな人間関係”を維持することが、心身の健康を保つ秘訣。

地域の趣味サークルやボランティア活動、ご近所付き合いなど、大きな負担を感じない範囲での社会参加が、70代以降の生活にハリをもたらします。


ちょっとした外出や会話がもたらす活力

「今日は誰かと話す予定がある」「ちょっと出かける用事がある」――それだけでも、一日の気分はガラリと変わります。高齢者にとって、こうした“ちょっとした予定”が生活のリズムを作り、心身の衰えを防ぐカギとなるのです。

東京都健康長寿医療センターの研究では、日常的な外出頻度が高い高齢者ほど、認知機能や運動機能が良好に保たれるというデータもあります(2019年報告)。「無理をしない範囲で、でも定期的に外へ出る」ことは、充実した老後のためのシンプルかつ有効な習慣です。


3.70代からの“働く”は生きがいを育てる手段

“お金のため”だけじゃない、働くことで得られるもの

70代になって働く理由は、単なる「収入の確保」だけではありません。もちろん年金だけでは生活が厳しい方も多いですが、それ以上に「役に立っている実感」「自分の居場所を持つこと」が、働く意味として重視されています。

内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」では、70代以上のシニアが働く理由として「健康維持のため」「社会とのつながりを保つため」といった項目が上位に挙がっています。逆に「収入のため」は3位以下という結果も。

つまり、働くこと自体が“生活のリズムを取り戻す手段”であり、“生きがいを感じる方法”として、多くのシニアに選ばれているのです。


自分のペースで続けられる「心地よい仕事」とは

70代からの働き方において大切なのは、「無理をしない」「自分に合ったペースで働く」こと。たとえば以下のような仕事は、身体への負担が少なく、社会参加もできるため人気があります。

・施設管理や清掃など、適度に身体を動かす仕事
・公園やマンションの巡回、見守り業務
・スーパーやドラッグストアでの品出しやレジ補助
・地域の子ども見守り隊やボランティア的な仕事

「働き方改革」という言葉は若者向けに聞こえがちですが、実はシニアこそ“無理なく、でも社会と関わり続ける”働き方が求められているのです。


4.無理なく始める70代の働き方・見つけ方

体力・経験を活かせるシニア向けの仕事例

70代でも十分に活躍できる仕事はたくさんあります。特に、これまでの人生で培った「経験」や「人との接し方」は、どの世代よりも大きな武器になります。

【シニア向けの具体例】

マンション管理員:接客と巡回業務で適度な運動に
警備スタッフ:施設や工事現場での立哨や案内業務
企業のアドバイザー:業界経験を活かした指導や助言
地域のボランティア活動:スキルや特技を地域貢献に活かす

また、週2~3回の勤務や短時間労働など、シフトや時間を調整しやすい仕事も増えてきています。まずは“自分の得意なこと”を見つけ、それを活かせる場を探すのが第一歩です。


新たな挑戦で生きがいを広げる“学び直し”や“ボランティア”

定年後は「新しいことを始める絶好のタイミング」でもあります。最近では、シニア向けのオンライン講座や地域の生涯学習講座が盛んで、パソコンスキルや語学、趣味の習い事まで幅広い分野で学び直しが可能です。

また、動物保護や子育て支援、高齢者施設での傾聴ボランティアなど、“人とのつながり”を感じられる活動も、生きがいを得る場として人気があります。

働くことにこだわらず、「社会に関わり続ける」という意味で、ボランティアや学び直しも非常に有効な選択肢です。


まとめ:70代こそ、働くことが人生を豊かにする

70代を迎え、定年後の生活が始まると、多くの方が「これからの時間をどう過ごすか」を改めて考えるようになります。年金だけでは心もとない経済面の不安、日々の生活リズムの変化、社会とのつながりが薄れることによる孤独感――こうした悩みは誰しもが直面する課題です。

ですが、視点を変えれば「自分のペースで、自分らしく生きがいを見つけられる時期」とも言えます。働くことは、その生きがいを育てる大きな手段。収入を得るだけでなく、健康維持や社会参加、自己肯定感の向上といった多くのメリットが得られます。

大切なのは、「無理をしない働き方」を選ぶこと。フルタイムでバリバリ働くのではなく、週に数日、短時間でも良いのです。自分の体力や生活に合った働き方を選び、社会とつながることで、70代以降の毎日はより豊かで充実したものになります。

さらに、新しいことへの挑戦やボランティア活動など、収入にこだわらない「社会参加」も大きな生きがいにつながります。人生100年時代と言われる今、70代はまだまだ現役。これまで培った経験や知識を活かし、自分らしいペースで社会に関わり続けることが、心身の健康を保つ秘訣です。

「働く」ことは、70代からの新しい“生きがい作り”の入り口。焦らず、無理せず、でも一歩を踏み出すことで、あなたの人生はもっと輝きます。

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