「定年後も活躍したい!」セカンドキャリアの見つけ方と実践ステップ

仕事

1.なぜ今「セカンドキャリア」が注目されているのか

近年、「セカンドキャリア」という言葉を耳にする機会が増えています。これは、定年退職後や長年の仕事を一区切りつけた後に、新たにスタートする仕事や活動を指します。特に高齢化が進む日本において、セカンドキャリアは単なる“再就職”ではなく、自分らしく生きる第二の人生を意味する重要な選択肢となっています。

人生100年時代、年金だけでは不安が残る

内閣府「高齢社会白書(2023年版)」によると、日本人の平均寿命は男性81.5歳、女性87.6歳。人生100年時代と言われる中、定年後20〜30年もの時間があるにもかかわらず、公的年金だけで生活するのは厳しいと感じる方も少なくありません。特に、年金額が月10〜15万円程度の世帯では、生活費・医療費・住居費などをカバーするには不十分とされます。


働くことが「健康」「生きがい」につながる

内閣府の調査※によると、高齢者のうち約8割が「できる限り働きたい」と考えており、その理由には「収入のため」だけでなく、「健康維持」「社会とのつながり」「やりがいを感じるため」などの声が多く寄せられています。

特に仕事を通じて適度に体を動かす人と交流するという習慣は、認知機能や身体機能の維持にも効果があるとされ、セカンドキャリアは「生きがい」「健康」「経済」の3本柱を支える選択肢として注目されています。

※参考)内閣府: 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果


2.セカンドキャリアを考える前に整理したい3つの視点

セカンドキャリアを始めるにあたって、まず大切なのは「何を基準に仕事を選ぶか」を整理することです。収入だけで判断してしまうと、長続きしなかったり、体力的に無理をしてしまったりする可能性もあります。ここでは、定年後の仕事選びで見落としがちな3つの視点を紹介します。

1. 収入・健康・家庭環境のバランスを考える

定年後の生活には「無理のない働き方」が求められます。フルタイムで働くと家事や健康管理に手が回らない…ということも起こりがちです。週2〜3日程度、半日だけ働くといった“ゆるやかな労働”も選択肢に入れて、自分や家族にとって負担の少ない働き方を見つけましょう。

たとえば、日常生活に支障をきたさない程度の収入があればよい、という場合は、時給よりも通勤距離や仕事内容の負担軽減を重視した方が長続きします。


2. 自分が大切にしたい価値観とは?

仕事の内容そのものよりも、「どんなふうに人と関わるか」「社会とどうつながっていたいか」といった価値観の整理が、ミスマッチを防ぐカギになります。

・「人と話すのが好き」→接客業やボランティア系の仕事
・「静かにコツコツ働きたい」→清掃や施設管理などの業務

こうした価値観は、履歴書や職務経歴書には書きにくいものですが、実は働く上で非常に重要な要素です。


3. 「働く目的」は定年前と変わってきている

定年前の働き方は、「家族のために収入を得る」という目的が強かったかもしれません。しかし、セカンドキャリアでは、「誰かの役に立ちたい」「社会とつながりたい」という内面的な動機が増える傾向にあります。

自分にとっての「働く意味」を再定義することで、選ぶ仕事も変わってきます。例えば、「地域の人と関わる仕事をしたい」と思えば、シルバー人材センターや地域のNPOの活動も候補に入ります。


3.シニア世代におすすめのセカンドキャリア例

セカンドキャリアを考える上で、自分に合った仕事のジャンルを知ることは重要です。ここでは、体力・経験・性格などを活かしながら、無理なく続けられるシニア世代に人気の仕事例をタイプ別に紹介します。

1. 体力を活かせる仕事:清掃・警備・施設管理など

体を動かすのが好きな方や、健康維持を意識している方には、軽作業系の仕事が向いています。

清掃スタッフ:公共施設やオフィスビルなどでの清掃作業。黙々と作業ができるため、人間関係のストレスが少ない点も魅力。
警備員:建物の巡回や出入り管理などが主な業務。夜勤を避ければ比較的体に優しく、制服着用によるメリハリもあり。
施設管理員:住宅やマンションの共用部のチェックや軽作業。過去に技術系職種の経験があれば、特に活かしやすい分野です。


2. 経験を活かせる仕事:相談員・講師・事務補助など

長年のキャリアで培った知識や判断力を活かせる仕事も多数あります。

地域の生活相談員:市町村や福祉団体が募集するケースも多く、人生経験を活かせるやりがいのある仕事です。
シニア向け講座の講師:趣味や専門分野を教える立場に。英会話・囲碁・パソコンなど幅広いジャンルがあります。
一般事務、経理補助:PCスキルや事務経験があれば、パート勤務や在宅勤務の案件も選択肢に入ります。


3. 人との関わりがある仕事:販売・接客・送迎など

人と話すことが好きな方には、接客やサービス業が適しています。

スーパーやドラッグストアのスタッフ:レジ・品出しなど。勤務時間が選びやすく、地域密着型で通いやすい。
送迎ドライバー:介護施設や幼稚園などでの送迎業務。運転が得意であれば非常にニーズが高い分野です。
観光ガイドやイベントスタッフ:地域イベントや観光事業でも高齢者の活躍が進んでおり、やりがいと交流を同時に得られる仕事です。


4.セカンドキャリアを成功させるための準備と学び直し

セカンドキャリアでの成功は、思い立ってすぐに始めるよりも、事前の準備とリスキリング(学び直し)をしておくことで、選択肢が広がり、より満足度の高い仕事につながります。ここでは、シニア世代が無理なく取り組める「学び直し」と「準備のコツ」を紹介します。

1. 仕事に役立つ資格・スキルのヒント

「何か資格を取らなければ」と焦る必要はありませんが、簡単なスキルや資格を身につけることで、応募できる求人の幅が大きく広がります。

たとえば以下のようなものは、比較的取得しやすく、シニア世代にも人気があります。

資格・スキル名活用できる職種特徴
防火管理者施設管理、ビルメンテ講習1日で取得可。マンションやビルで重宝される
初任者研修(旧ヘルパー2級)介護スタッフ高齢者支援の現場で即戦力に。働きながら取得も可能
普通自動車二種免許送迎ドライバー福祉施設や観光業界でニーズあり
パソコン基礎(Excel・Word)事務、データ入力在宅ワークや短時間パートにも活用可能

また、国家資格でなくとも、地域の講座修了証実務経験を評価してくれる求人も増えてきています。


2. 地域の講座やオンライン学習を活用しよう

近年では、シニア向けの学習機会も充実しています。

シルバー人材センターや市区町村主催の講座
 → 清掃・植木・パソコン・接客など、無料または格安で参加可能。
オンライン学習(Udemy、YouTube、eラーニング)
 → スマホやパソコンがあれば自宅で学べ、時間も自由。
公共職業訓練(ハロートレーニング)
 → 介護・事務・建築などの実践的な職業スキルを無料で学べる制度(雇用保険を受給していないシニアも対象のコースあり)。

準備や学び直しを経て、スムーズにセカンドキャリアへ移行する人は多く、「再就職の自信」につながるだけでなく、心の充実にもつながります。


5.求人探し・応募のコツと注意点

「セカンドキャリアを始めたい」と思っても、いざ求人を探す段階で戸惑うシニアの方は少なくありません。ここでは、シニア歓迎の求人を見つけやすくする方法と、応募時に注意したいポイントを紹介します。

1. シニア歓迎の求人の探し方

まずは「シニア歓迎」「60代・70代OK」などのキーワードで求人検索をするのが基本です。以下のような媒体を活用すると、効率よく探せます。

シニア向け求人サイト(例:シニア求人ナビ、シニアジョブ、キャリア65)
 → 年齢制限がなく、シニアに特化した検索機能が充実。
ハローワーク
 → 地域密着型で公共機関ならではの安心感。職業相談も活用できる。
シルバー人材センター
 → 地元の短期・軽作業中心だが、ゆるやかに働きたい方には最適。
地域の回覧板や公民館・スーパーの掲示板
 → 小規模事業者の求人が見つかることも。

最近では、スマートフォンで使える求人アプリやLINEで応募できる求人も増えており、デジタルに苦手意識がある場合でも、少し慣れれば便利に活用可能です。


2. 応募書類・面接で伝えるべきポイント

シニア世代が応募する際には、次のような点を意識すると、印象がよくなります。

・「なぜ今この仕事をしたいのか」を明確にする
 → 「健康のため」「人と関わりたい」「経験を活かしたい」など、働く目的を前向きに。
柔軟性、協調性、安定感をアピール
 → 若手と違い、シニアには「長く落ち着いて働ける」ことが期待されている。
履歴書には職歴を絞って記載
 → 長い職歴をすべて書くより、応募職種に関連する部分をピックアップ。


3. 年齢をハンデにしない“伝え方”

面接で「体力は大丈夫ですか?」などと聞かれることもありますが、年齢を理由にした不採用は法律上禁止されています(高年齢者雇用安定法)。ただし、現場では暗黙の不安を持たれることもあるため、以下のような前向きな伝え方を心がけましょう。

・「以前の仕事でも体を動かしていたので、今も問題なく働けます」
・「週3回の勤務であれば、無理なく長く続けられると考えています」

このように“安心して任せられる印象”を与えることが、採用の鍵となります。


6.まとめ|セカンドキャリアで得られるものとは?

セカンドキャリアは、単なる「収入確保の手段」ではありません。自分に合った働き方を選ぶことで、経済面だけでなく、心と体の健康、社会とのつながりといった多くの価値を得ることができます。

セカンドキャリアがもたらす3つの豊かさ

1.経済的な安心感
 年金にプラスして月数万円でも収入があることで、生活の自由度が高まり、不安を軽減できます。

2.身体・脳の健康維持
 仕事を通じて規則正しい生活リズムが整い、適度な運動や会話の習慣が心身の活性化につながります。

3.役割と自己肯定感
 「まだ誰かの役に立てる」という実感は、シニア世代にとって大きな励みとなり、生きがいを感じるきっかけにもなります。


セカンドキャリアに年齢の壁はない

60代後半や70代になってから働き始めた人も多数います。大切なのは、「できることから無理なく始める」こと。たとえ週に数日・短時間の勤務であっても、その一歩が新しいつながりややりがいを生み、人生をより豊かなものにしてくれます。

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