1.「固定電話じまい」とは?その意味と背景を解説
「固定電話じまい」とは、自宅の固定電話契約を解約し、日常生活の連絡手段をスマートフォンや携帯電話に一本化することを指します。
近年、総務省の調査(情報通信白書2023年版)によると、固定電話の世帯普及率は年々減少しており、2022年時点で約69.5%まで低下。一方で携帯電話・スマホの普及率は94.5%と圧倒的です。
特に若い世代は「家に固定電話がない」のが当たり前。これに伴い、高齢者世代でも「固定電話は必要ないのでは?」と考え始める人が増えています。
また、固定電話を持ち続けることで発生する基本料金(月額1,700~2,000円程度)や通話料も無視できない出費。使わないまま払い続けることに疑問を感じ、見直しを考える人が増えているのです。
2.なぜ今、シニア世代で「固定電話じまい」が増えているのか
シニア世代で「固定電話じまい」が進んでいる背景には、以下のような理由があります。
1.使う機会がほとんどない
多くの人がスマホを使うようになり、家の電話が鳴ること自体が減少。セールスや迷惑電話ばかりがかかってくる現状にうんざりしているシニアも多いのが実態です。
2.コスト削減の意識が高まっている
年金生活で限られた収入の中、固定電話の維持費が「もったいない」と感じる人が増加。実際に、年間2万円以上の節約が見込めるケースもあります。
3.災害時もスマホの方が便利
「災害時には固定電話が安心」と思われがちですが、停電時に使えないコードレス電話も多く、スマホの方がバッテリーやモバイルバッテリーで対応しやすいという現実もあります。
これらの要素が重なり、固定電話じまいが「時代の流れ」としてシニア世代にも浸透しつつあります。
3.「じまい」を始める前に確認すべき3つのポイント
実際に「固定電話じまい」を始める前に、以下の3つは必ず確認しておきましょう。
1. 連絡先に登録されているかを確認
病院や行政機関、知人などが固定電話番号を登録している場合、変更手続きが必要です。うっかり忘れると「連絡が取れない」という事態になりかねません。
2. インターネット回線との契約状況
光回線やADSLを利用している場合、固定電話とセット契約になっていることもあります。解約によってネット料金が高くなる場合もあるため、料金プランを再確認することが大切です。
3. 家族との意思疎通
同居している家族がいる場合、急に固定電話をやめると「不便だ」と反発されることもあります。じまいを決める前に、家族としっかり話し合いましょう。
4.固定電話じまい後の“代わり”はどうする?スマホやIP電話の選択肢
「固定電話をやめたら、どうやって電話をかけるの?」
この疑問に対する主な選択肢は2つあります。
1. スマートフォンやガラケー
もっとも一般的な代替手段。今ではシニア向けに操作が簡単なスマホも増えており、携帯キャリア各社もシニア専用プランを用意しています。
2. IP電話(050番号)
インターネット回線を使った電話サービスで、月額料金が安いのが特徴。プロバイダーによっては月額500円以下で使えるプランもあります。固定電話感覚で使える据え置き型IP電話機もあるため、スマホが苦手な方でも安心です。
状況やライフスタイルに合わせて、どちらを選ぶか検討するのがベストです。
5.「電話番号がなくなる不安」はどうする?大切な連絡手段の確保法
固定電話じまいを考える際、「自分の電話番号がなくなる」という不安を持つ方も少なくありません。
1. 携帯電話番号の活用
携帯電話番号を“メインの連絡先”として活用すれば、ほとんどの問題は解決します。名刺や年賀状、各種登録情報を一度見直し、携帯番号に変更しましょう。
2. IP電話で“自宅番号”を残す
「家の電話番号がなくなるのは抵抗がある」という方は、IP電話で“自宅用の番号”を確保する方法もあります。050番号が付与されるため、自宅用と仕事用を分けて使いたい方にもおすすめです。
3. 緊急連絡先の確認と更新
病院や役所、金融機関に登録している電話番号が固定電話になっていないかチェック。連絡がつかなくなるリスクを防ぐためにも、最新情報への更新が重要です。
まとめ:自分に合った「固定電話じまい」で、快適な暮らしを手に入れよう
「固定電話じまい」は、時代の流れとともに選択する人が増えている現実的なライフスタイルの見直しです。特にシニア世代にとっては、
「もうほとんど使わないのにお金を払い続けている」
「迷惑電話や営業電話にうんざり」
といった悩みを解決する良いタイミングでもあります。
しかし、ただ解約するだけではなく、自分に合った連絡手段をしっかり確保することが重要です。
スマホのシニア向けプランや、IP電話による代替手段も今は充実しており、無理なく移行できる選択肢が増えています。
また、固定電話じまいは“節約”の側面だけでなく、
「生活をシンプルにする」「災害時の対策を見直す」「連絡手段を一元化して管理しやすくする」
といったメリットも大きいのです。
最初は不安でも、一つひとつ確認しながら進めれば大丈夫。
自分や家族にとって、本当に必要なものを見直す良い機会として、固定電話じまいを前向きに考えてみてください。
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