1. 足の8020とは?──「80歳で20本の歯」から「生涯元気に歩ける足」へ
「8020運動」といえば、“80歳で20本の歯を残そう”という歯科医療の健康運動が有名ですが、近年はこれに着想を得た「足の8020」という新たな取り組みが注目されています。
これは “80歳でも20分間しっかり歩ける足を目指す” という考え方で、超高齢社会の日本において“足腰の健康寿命”を延ばすことを目的に広がっています。
なぜ今、“足”に注目されるのか?
厚生労働省のデータによると、介護が必要となる原因の約24%が「運動器の障害(ロコモティブシンドローム)」です(令和4年 国民生活基礎調査より)。
特に高齢者にとって 「自力で歩けるかどうか」 は、生活の質を大きく左右する要素となります。
働きたいシニア世代にとっても、体力や移動手段の確保は大きな課題。足腰が衰えることで、日常生活だけでなく、働くことさえ難しくなるリスクがあるのです。
そこで「足の8020」は、「元気に働き続けるための体づくり」 を支えるキーワードとして広がりつつあります。
年齢に関係なく、“自分の足で立ち、動き続ける” ことこそが、生涯現役を目指すシニアにとって欠かせない土台となるのです。
2. 足の健康が働ける体をつくる!歩行能力と健康寿命の関係
「元気に働きたい」「まだまだ社会に貢献したい」と考えるシニアにとって、“足の健康”は何よりも大切な資本です。
単に動けるだけでなく、疲れにくく、安定して動ける体があってこそ、仕事や社会活動を長く続けることができます。
ロコモティブシンドローム予防の重要性
足腰の筋力やバランス能力が衰え、日常生活に支障をきたす状態を「ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)」と呼びます。
厚生労働省の「健康寿命延伸プラン」によると、ロコモは要介護や寝たきりになる最大のリスク因子とされ、予防が強く推奨されています。
70代以上の高齢者の約半数が、歩行能力やバランス機能に何らかの低下を感じているという調査結果もあります(日本整形外科学会「ロコモチャレンジ!」より)。
足の健康は仕事選びにも影響する
「ちょっとした移動が辛い」「立ち仕事は無理かも」と感じると、選べる仕事の幅は一気に狭まります。逆に、足腰がしっかりしていれば、軽作業や施設管理、警備業務など、70代でも続けられる仕事は多いのが現実です。
また、足の健康は 「疲れにくさ」や「安全性」 にも直結します。
転倒やケガを防ぐ意味でも、働くシニアにとっては“足を鍛える”ことが自己防衛策となるのです。
健康寿命=働ける期間
足腰が元気であれば、外出や運動も増え、心肺機能も高まり、全身の健康にも好影響が広がります。
つまり、「足の健康=働ける期間の延長」なのです。
働ける期間が延びれば、経済的な安心感だけでなく、社会とのつながりや生きがいも得られ、心身ともに充実した日々を送ることができます。
3. 毎日の習慣で差がつく!足の8020を実践する簡単トレーニング
「足の8020」を実現するために、特別な道具やジム通いは必要ありません。
大切なのは、“毎日の小さな積み重ね”。
シニア世代でも無理なく続けられる、簡単なトレーニング方法をご紹介します。
自宅でできるストレッチ・筋トレメニュー
(1)かかと上げ運動
足首からふくらはぎ、太ももの筋肉を鍛える基本メニュー。
1.壁や椅子に手を添えてバランスを取りながら
2.ゆっくりとかかとを上げ下げする(10回×3セット)
(2)スクワット(イスを使った簡易版)
太もも・お尻の筋肉を効果的に鍛える。
1.イスに座った状態から立ち上がる
2.ゆっくり座る、を繰り返す(10回×2セット)
※深くしゃがまなくてもOK。無理のない範囲で。
(3)足指グーパー運動
足の指をグー・パーと動かすことで、足裏の筋肉を鍛え、バランス力を高めます。
座ったままでもできるので、テレビを見ながらでもOK。
日常生活に取り入れやすい“ながら運動”
忙しい毎日の中でも、以下のような“ながら運動”なら無理なく続けられます。
・歯磨き中の「かかと上げ」
・エレベーターを使わず階段を利用
・買い物袋を軽く持ち上げる“腕・足の同時トレーニング”
・10分だけ近所を散歩
これらの習慣を積み重ねることで、1日5分でも十分に足腰は強くなるのです。
継続こそ最大の効果
最も重要なのは、「無理なく毎日続けること」。
いきなり激しい運動をする必要はありません。
「今日も5分やれた」 その積み重ねが、将来の健康寿命を大きく変えるのです。
※参考:「健康づくりのための身体活動基準2013」(厚生労働省)
4. 実際に「足の8020」で元気に働くシニアの体験談
理屈は分かっても「本当に効果があるの?」と思う方も多いはず。
ここでは、実際に“足の8020”を意識しながら働いているシニア世代の声をご紹介します。
体験談1:70代男性(元メーカー勤務・現在は施設管理員)
「定年退職後、年金だけじゃ生活が不安で働き口を探しました。でも最初は、立ちっぱなしや動き回る仕事に自信がなくて…。
そんな時に“足の8020”を知り、まずは毎朝のかかと上げ運動から始めました。
半年もすると、階段の昇り降りが楽になり、施設内を動き回るのも平気に。
今では週5日、元気に勤務しています。続けることで“働ける足”が手に入った実感がありますね。」
体験談2:60代女性(清掃パート勤務)
「ずっと座り仕事だったので、60代に入ってから足腰がガクッと弱くなって…。
仕事を始めたくても、“立ち仕事は無理”と思ってましたが、友人に誘われて“足の8020体操”に参加。
家でも簡単なストレッチを続けているうちに、足の疲れが軽減。
今では、ビル清掃の仕事で1日6000歩以上歩いています。
働くことで毎日が充実し、健康維持にもつながっています。」
体力維持が仕事や趣味にも好循環
「足の8020」を実践することで得られるのは、単なる筋力アップだけではありません。
・外出が楽になる
・転倒の不安が減る
・身体が軽く感じる
これらの変化が、働く意欲を後押しし、趣味や交流にも前向きになれるのです。
元気に働ける自分を取り戻すことが、経済的な安心感だけでなく、生きがいの再発見にもつながっています。
5. 健康な足を維持することで得られる“働く喜び”と“社会とのつながり”
「足の8020」を続け、足腰が元気になることで、シニア世代には多くの“良いこと”が訪れます。
その中でも特に大きいのが、「働く喜び」と「社会とのつながり」です。
健康が自信につながるメンタル面の効果
足腰がしっかりしていると、「まだまだ自分もやれる」という自信が湧いてきます。
実際、身体機能が改善すると気持ちも前向きになり、
・出かける機会が増える
・新しいことに挑戦する意欲が湧く
・人と話すことが楽しくなる
といったメンタル面での好影響が数多く報告されています。
高齢者向けの運動プログラム参加者の約7割が、「足が軽くなって気持ちまで前向きになった」と回答している調査もあります(厚生労働省「健康日本21」推進報告書より)。
働くことで広がる新しい出会いと役割
元気に働くことで、家庭以外の居場所や仲間ができます。
・職場でのコミュニケーション
・お客様とのやり取り
・後輩スタッフへのアドバイス
こうした人との関わりが、毎日の充実感につながります。
また、仕事を通じて「自分が役に立っている」と感じられることも、シニア世代にとっては大きな生きがいです。
「足の健康」は人生の選択肢を増やす
足腰が丈夫であれば、働くだけでなく趣味やボランティア、旅行など、人生を楽しむ幅も広がります。
つまり、「足の8020」を続けることは、経済的・精神的・社会的な豊かさを手に入れることに直結するのです。
6. まとめ:「足の8020」で健康も収入も!今すぐ始めよう
「足の8020」は、単なる健康法ではありません。
“働ける体をつくり、人生を豊かにするための習慣” です。
・年齢に関係なく元気に動ける体を維持する
・経済的な不安を和らげ、自分らしく働ける
・社会とのつながりを持ち続け、心も豊かになる
これらすべてが、「足の8020」を意識することで手に入るメリットです。
特にシニア世代にとって、「足腰が元気でいること」は、生きがいや幸福度に直結します。
たった1日5分の習慣でも、将来の自分に大きなリターンをもたらします。
「もう遅い」なんてことはありません。
思い立った今日が一番若い日。
まずは簡単なかかと上げや散歩から、“働ける足”を手に入れる一歩を踏み出しましょう。
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