1. はじめに:70歳からのキャリアチェンジとは
70歳以降に“もう一度働く”という選択肢は、昭和・平成の時代にはまだ一般的ではありませんでした。しかし、少子高齢化の進行や平均寿命の延伸、そしてライフスタイルの多様化を背景に、シニア層の「働きたい意欲」は年々高まっています。
例えば、年金だけでは生活を賄うのが難しいケースや、健康で体力に自信があるうちは社会との接点を持ちたいという思いから、70歳以上でも就労を希望する人が増加しています。
キャリアチェンジとは、これまで慣れた仕事からまったく異なる業界へ挑戦することも含みます。趣味や地域活動を仕事に結びつけたり、人と接する仕事へ転向したりなど、柔軟な発想が求められます。
このような背景を踏まえ、本記事では「シニア向け職業紹介サービス」がどのように使えるか、どんな仕事が見つかるか、成功事例などを通して具体的にお伝えします。
2. シニア向け職業紹介サービスのメリット
シニア向け職業紹介サービスには、以下のようにさまざまなメリットがあります。これらを理解することで、利用時の期待値を整理しやすくなります。
1.専門的なサポート体制
・キャリアカウンセラーが年齢・経験を踏まえたアドバイスを行う
・履歴書・職務経歴書の書き方を個別指導してくれる
・面接練習や模擬面接を通じて、当日の対応力を養える
・勤務条件や就業時間、体力負荷などを相談できる(無理のない働き方を提案)
2.シニア向け求人の取り扱い
・通常の求人サイトには載らない「年齢不問」「定年なし」「シニア歓迎」の仕事を紹介
・地域密着型や中小企業の求人も扱っており、地元で働く選択肢が増える
・短時間勤務や週数日勤務、在宅勤務などの柔軟な働き方を提示できる場合も
3.人的ネットワークの拡大・維持
・紹介サービスを通じて、求人先企業や他の利用者との接点が増える
・同年代や異なる世代との交流を通じ、社会的孤立を防げる
・就業後もフォローアップを受けられるケースがあり、困った時に相談しやすい
4.安心感・マッチング精度の向上
・年齢や健康、希望条件を考慮したうえで企業を斡旋してくれるので、ミスマッチが起きにくい
・採用側に「シニア活用への理解ある企業」が多く含まれていることが多い
・無料で利用できるケースがほとんどなので、コストリスクが低い
これらを総合すると、シニア向け職業紹介サービスは「単なる求人紹介」以上の価値を持ち、安心・効率的に再就職を目指す上で強力な支援になります。
3. どのような仕事が見つかるのか
シニア向け職業紹介サービスでは、上記のような仕事以外にも以下のようなバリエーションがあります。自分の得意分野・体力・希望時間帯に応じて選ぶことができます。
・配送/軽作業スタッフ:荷物の仕分けや配送補助、倉庫作業など体力に応じた業務
・警備/見守り業務:施設やイベント会場での巡回、来訪者対応。夜間・深夜帯の募集もある
・保育補助/見守り:保育園や児童館での補助業務、子どもとの関わりを楽しみたい人向け
・清掃/メンテナンス:施設やマンション、公園などの清掃や設備点検作業
・講師/教室サポート:カルチャーセンターや学習塾、地域サークルで講師やアシスタントとして活動
・在宅ワーク/軽作業:データ入力、リモート事務補助、文章校正、軽いデザイン補助など
・地域ボランティア型仕事:地域の見守り活動、地域イベントの運営、人手支援など有給or助成付き
これらの職種は、勤務時間や体力負荷に幅があり、無理なく取り組めるものも多く含まれています。
さらに、自分の過去経験・趣味・特技を活かした仕事を紹介してもらうケースも増えてきており、“好きなことを仕事にする”いわば第二のキャリアも視野に入ります。
4. 職業紹介サービスの利用方法
効果的に職業紹介サービスを活用するためには、下記のステップを意識して進めるとよいでしょう。各ステップで意識すべきポイントも含めて紹介します。
1.登録(プロフィール記入)
・基本情報(氏名・住所・年齢・連絡先)を正確に記入する
・これまでの職歴・技能・資格を具体的に書き出しておく
・働きたい時間帯、勤務地域、通勤手段、体力的制限などを明記
・健康状態や希望条件(週何日・何時間程度かなど)も事前に考えておく
2.キャリアカウンセリング・面談
・カウンセラーと話し合い、自分の強み・課題を見つける
・「やりたいこと」「働けること」「無理なこと」を切り分けて希望条件を整理
・過去の実績・得意分野・趣味などを踏まえて仕事の方向性を議論
3.求人紹介・マッチング
・カウンセラーから紹介された求人を丁寧にチェックする
・仕事内容・勤務時間・給与・通勤方法・職場環境などを比較検討
・もし条件が合わなければ、遠慮せずに調整交渉を依頼
4.応募手続き・面接準備
・履歴書や職務経歴書をカウンセラーとともにブラッシュアップ
・応募書類の提出前に再チェック、誤字脱字や見映えを意識
・模擬面接を通じてよく質問される内容(志望動機、体力面や年齢への対応など)を準備
・清潔感のある服装や明るい表情・話し方を心がけ、面接官に安心感を与える
5.就業後のフォローアップ・定着支援
・就職後も定期的にカウンセラーとの連絡を取る
・職場で困ったこと、体調や勤務時間の調整希望などを相談
・場合によっては配置転換や更新支援などサポートを受けられる
このように、ただ登録するだけでなく、意欲的にカウンセリングを受けたりフォローアップを活用したりすることで、サービスの利点を最大限引き出すことができます。
5. 成功事例:70歳からの再スタート
Aさん(仮名)は、定年後に退職してから数年間、年金に頼った生活を送っていましたが、支出や医療費の増加で経済的な不安を感じ始めました。そこでシニア向けの職業紹介サービスに登録し、キャリアカウンセリングを受けることにしました。
カウンセラーとの面談で、Aさんは「人と話をすることが好き」「細かい数字よりもコミュニケーション重視の仕事がしたい」と話し、これまでの店長経験を活かせる仕事内容を希望。
紹介された求人の中に、小売店のカスタマーサービス業務がありました。勤務時間は週3日、半日勤務で、体力への負荷も比較的少ないものでした。Aさんは応募し、面接対策を重ねた結果、採用が決定。
就業後、Aさんは午前中を中心に勤務を始め、顧客対応や電話応対、クレーム処理、売上データの入力などを担当。最初は慣れない点もありましたが、職場の同僚や上司の理解もあってスムーズに馴染み、2〜3ヶ月後には安心して業務を続けられるようになりました。
経済面では、月あたり定年後の年金収入に+5〜8万円の副収入を得られるようになり、家計のゆとりを取り戻しました。また、職場での対人交流や日常のリズムが再びできたことで、心身ともに充実感を感じています。
このように、年齢を重ねても、自分の強みや希望条件を整理し、適切なサポートを受けながら活動すれば、70歳からでもキャリアの再スタートが可能です。
6. 成功事例:新しい人間関係と充実した生活
Bさん(仮名)は、70歳という年齢になっても社会とのつながりを保ちたいという思いが強くありました。定年後は地域のサークル活動や趣味に打ち込んでいましたが、仕事を通じて新しい出会いを得たいという希望を持っていました。
職業紹介サービスを通じ、地域のコミュニティセンターで受付業務の求人にマッチングされました。その仕事は、来訪者対応、会場予約受付、イベント案内、電話対応など。勤務時間は午前と午後に分かれており、無理のないシフトであったため体力面の不安も抑えられていました。
出勤初日こそ緊張しましたが、センター利用者や職員との交流の機会が多く、自然と会話や相談をする中で顔見知りが増えていきました。
ある利用者とは趣味が合い、仕事外でお茶の約束をするようになり、Bさんにとっての“職場以外の居場所”が増えました。仕事をきっかけに、ほかのシニアの方々とも交流が広がり、趣味や地域活動につながる輪ができました。
さらに、出勤によって生活リズムが整い、朝起きる時間・就寝時間が安定。毎日の活動量が増え、軽い運動を取り入れる余裕も生まれ、心身の健康にも好影響となりました。
このように、仕事を通じて「収入」以上の価値を得ることができる――それがBさんの成功例の一つです。
7. シニア向けのおすすめ職業紹介サービス
シニア世代に特化した職業紹介サービスを選ぶ際は、以下のような観点を基準に比較するとよいでしょう。
・サービス対応エリア(全国対応or地域限定)
・求人数/求人の幅広さ
・サポート体制(面談/応募支援/フォローアップ)
・利用料/手数料(ほとんどは無料ですが、一部有料オプションあり)
・得意分野(在宅勤務・介護系・オフィス系 etc.)
以下は、そのような視点を踏まえたおすすめサービスの一例です。
・シニアジョブ
シニア向け求人の掲載数が多く、週1〜3日勤務、定年なし求人など多彩な働き方を提案している。専任カウンセラーが在籍しており、求職者個別の支援が充実。
・シルバー人材センター
全国各地に拠点を持ち、地域密着型の求人を扱う。地元自治体や公共団体との連携が強く、短時間勤務や日雇い、定期就業など柔軟な働き方を選べる利点。地域密着型だから通勤負荷も抑えられる。
・シニア求人ナビ
オンライン型の求人マッチングサービスで、シニア層向けの求人を専門に集めている。使いやすい検索機能や条件絞り込み機能があり、希望条件に合った求人を探しやすい。
・その他の選択肢
└高年齢者雇用支援センター:公共機関による支援が手厚く、就業支援プログラムを併設している場合あり
└地方自治体のシニア就労支援窓口/NPO:地元での活動を重視した求人多数
└大手人材会社のシニア部門:大企業や規模のある企業とのパイプが強く、専門性の高い求人を扱うことも
どのサービスを選ぶにしても、まずは複数を比較し、実際に面談して自分の希望条件や相性を確認することが重要です。
8. まとめ:シニア世代が輝くために
70歳を過ぎても、自分の人生を自ら彩ることは十分に可能です。ただ、現実として体力や健康・働き方の制約もありますから、無理をせず、自分に見合ったスタイルで働くことが大切です。
このため、以下のポイントを抑えておくと、より充実したキャリアを築きやすくなります。
・自分の価値を見つめ直す:長年培った経験/スキル/人脈を整理し、強みを明確に
・希望条件を妥協せず伝える:勤務時間/勤務地/負荷などは遠慮せず相談
・複数サービスを併用する:選択肢が広がり、マッチングの可能性も上がる
・焦らず段階を踏む:最初は週1〜2日の勤務から始め、徐々に慣らしていく
・健康管理を重視する:無理をしないペースで、休息や体調管理を計画的に
・継続的なスキルアップを:ICTリテラシー/コミュニケーション力など学び直しを取り入れる
最終的には、年齢や過去の肩書きにとらわれず、「自分がやってみたいこと」や「社会とつながる場」を持つことが、心豊かなシニアライフにつながります。
ぜひ、この機会に一歩踏み出し、あなたらしい第二のキャリアを描いてみてください。
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