自宅で簡単にできる!シニア向け骨盤底筋トレーニングで元気な毎日を手に入れよう

健康

1.骨盤底筋とは?シニア世代に重要な理由

骨盤底筋の役割と働き

骨盤底筋は、骨盤の底にある筋肉群の総称で、膀胱・直腸・前立腺(男性の場合)などの臓器を下から支える重要な役割を担っています。目には見えない部分ですが、排尿や排便、姿勢の安定、内臓の位置保持など、日常生活を支える多くの働きに関与しています。

特に排尿に関しては、骨盤底筋が弛緩・収縮をコントロールすることでスムーズな排尿が可能になります。筋力がしっかりしていれば、くしゃみや咳をした時に尿が漏れることを防ぐこともできます。


加齢による衰えと影響(尿もれ・姿勢の乱れなど)

加齢によって骨盤底筋は徐々に衰えていきます。筋肉の弾力が低下し、支える力が弱まることで以下のような不調が現れやすくなります。

尿もれや頻尿:日常のちょっとした動作で漏れてしまう、夜間に何度もトイレに起きるなど。
姿勢の悪化:骨盤周りの筋肉が弱くなると、体幹の安定が損なわれ、猫背や腰痛の原因にも。
下腹部のたるみ:内臓を支える力が落ちることで、お腹がぽっこり出るケースもあります。

こうした状態は、健康寿命を縮める原因にもなりかねません。ですが、骨盤底筋は意識して鍛えることができる筋肉です。とくに70代以降のシニア世代にとっては、「ただの老化」とあきらめず、健康維持の第一歩として取り組む価値があります。


2.自宅でできる!簡単な骨盤底筋トレーニング法

基本の「締める」トレーニング(椅子に座ってできる方法)

骨盤底筋を鍛える基本は、「筋肉を意識して締めること」です。まずは、椅子に座ったままできるシンプルなトレーニングをご紹介します。

やり方:
1.背筋を伸ばして椅子に座り、肩の力を抜きます。
2.肛門や尿道を「中に引き込むようにギュッと締める」イメージで、5秒間キープします。
3.5秒経ったら、ゆっくり力を抜きます。
4.これを10回繰り返します。1日3セットを目安に行いましょう。

    このとき、腹筋やお尻の筋肉ではなく、下腹部の内側を締める感覚を意識するのがポイントです。はじめは感覚がつかみにくいかもしれませんが、毎日繰り返すことで筋肉が目覚めてきます。


    寝たままできるトレーニング(初心者向け)

    起きている間にやるのが難しいという方には、寝た状態でのトレーニングもおすすめです。布団やベッドの上で気軽にできます。

    やり方:
    1.仰向けに寝て、ひざを軽く曲げます。
    2.深呼吸をしながら、骨盤底筋を意識して5秒締めます。
    3.その後ゆっくり緩めて5秒休みます。
    4.10回を1セットとして、1日2~3セットが理想です。

      朝起きたときや、就寝前のルーチンに組み込むと、自然と習慣化しやすくなります。


      習慣化のコツと注意点

      骨盤底筋トレーニングは毎日続けることが最も大切です。特別な器具や広いスペースも必要ないため、生活の中に取り入れやすいのが利点です。

      習慣化のヒント:
      ・歯磨きのタイミングやテレビを見ているときに行う
      ・カレンダーにチェックを入れて「見える化」する
      ・家族やパートナーと一緒に取り組む

      注意点:
      ・呼吸は止めず、ゆっくりと自然に行うこと
      ・痛みや違和感がある場合は無理をしない
      ・高血圧の方や前立腺に疾患がある方は、医師に相談のうえ実施を

      無理なく、自分のペースで継続できる方法を見つけることが、長く元気に動ける体づくりへの近道です。


      3.骨盤底筋を鍛えるとどんな効果がある?

      尿トラブルや腰痛の予防

      骨盤底筋トレーニングの大きな効果のひとつが、尿もれや頻尿といった排尿トラブルの予防です。加齢によって緩んだ筋肉が再び引き締まり、尿道をしっかりと支えるようになるため、咳やくしゃみ、重いものを持ったときなどに起こる「腹圧性尿失禁」を防げるようになります。

      また、骨盤周辺の筋肉が安定すると、腰や背中の負担が軽減され、慢性的な腰痛の改善にもつながります。骨盤は全身のバランスを支える要です。骨盤底筋がしっかりすると、連動して腹筋や背筋も安定し、日常動作がぐっと楽になります。


      姿勢改善と運動能力の維持

      年齢とともに、猫背になったり背中が丸くなったりするのは、骨盤の支えが弱くなっていることが原因のひとつです。骨盤底筋を鍛えると、体幹がしっかりと安定し、自然と姿勢がよくなります

      また、体の軸が整うことで、歩くときのふらつきや転倒リスクの軽減にもつながります。高齢者にとって転倒は重大な事故につながるため、「足腰が弱ったから」とあきらめる前に、骨盤底筋を見直すことが重要です。


      自信と活力を取り戻すメンタル面の効果

      骨盤底筋のトレーニングは、身体面だけでなく、心理的にも大きなメリットがあります。

      「トイレが近くて外出が不安」「動作がぎこちなくて人に見られるのが恥ずかしい」──そんな悩みが改善されることで、自信と活力が戻ってきます。シニア世代にとって、このような「人とのつながりを保てる状態」を維持することは、健康寿命を延ばす大きな要因にもなります。

      また、何か新しいことにチャレンジし、「自分にもできた」という体験を積み重ねることで、自己肯定感が高まり、日々の生活に前向きな気持ちが生まれるのです。


      4.トレーニングを続けて働きやすい体をつくる

      体の安定が仕事のパフォーマンスに直結

      70代になっても働きたい、あるいは働かざるを得ないというシニア層にとって、「動ける体」を維持することは何よりの武器です。骨盤底筋を含む体幹がしっかりしていると、立ち作業や軽作業、歩行を伴う業務も安全かつスムーズにこなせるようになります。

      実際、施設管理や清掃、警備、受付といった高齢者向けの仕事では、姿勢の安定性や転倒リスクの低減が重要視されます。骨盤底筋の安定=下半身の安定とも言えるため、日頃からトレーニングを習慣づけることで、体への負担を軽減し、業務効率もアップします。

      また、膀胱トラブルの予防にもつながるため、勤務中のトイレ回数が減ることも仕事の集中力維持に有利です。


      無理せず続けるコツ(時間・負荷・場所)

      「働きながら健康づくり」と聞くと、忙しさや疲れから続けるのが難しそうに感じるかもしれませんが、骨盤底筋トレーニングの良さは短時間・低負荷・どこでもできることにあります。

      継続のコツは以下のとおりです
      時間帯を決める:朝の歯磨き前、昼休憩中、就寝前などルーチンに組み込む。
      無理に回数を増やさない:1回5分からでOK。まずは毎日続けることが大切。
      「ながらトレーニング」を活用:通勤中、信号待ち、テレビを見ながらでも可能。

      また、周囲に「運動をしている」と見えにくいので、職場でもこっそり実践しやすいのも魅力です。たとえば、デスクに座ったまま肛門を締める動作は、まわりからはまったく気づかれません。

      年齢に関係なく、「鍛えることで改善する」という経験は、働くうえでも自信につながります。骨盤底筋トレーニングは、まさに“シニア世代のための働きやすい体づくりの第一歩”といえるでしょう。


      5.まとめ:骨盤底筋を鍛えて毎日をもっと快適に

      まずはできることから始めよう

      骨盤底筋トレーニングは、特別な道具も場所も必要なく、今日から始められる健康習慣です。年齢とともに衰える体の機能を、自分の努力で取り戻せるという点で、多くのシニアにとって心強いトレーニングといえるでしょう。

      「難しそう」「やり方がわからない」と感じている方も、まずは椅子に座って1日数回「締めて・ゆるめる」だけでも効果があります。数週間から1か月続けることで、尿もれが軽減された、姿勢が良くなった、歩くのがラクになったといった変化を実感できる方も多いのです。


      健康な体がシニアの働き方を広げる

      骨盤底筋を鍛えることで、日常生活だけでなく、仕事に対する自信も生まれます。定年後の再就職や継続雇用を目指すシニア世代にとって、「動ける体」は採用時の大きなアピールポイントです。

      健康で快適な体は、働くことだけでなく、趣味や旅行、地域活動など、自分らしい暮らしを楽しむ土台にもなります。「働くこと」と「健康づくり」は両立できる──その第一歩が、骨盤底筋トレーニングなのです。

      日々の積み重ねが未来の自分をつくる。まずは今日から、小さな一歩を踏み出してみませんか?

      元気な体で、もう一度働きたい方へ!シニア歓迎の求人情報をシニア向け求人サイト「キャリア65」で今すぐチェックして、自分に合った仕事を見つけましょう。

      タイトルとURLをコピーしました