1.血管年齢とは?見た目ではわからない“体の老化”サイン
「見た目は若々しいけど、健康診断の結果が悪くて…」そんな話を耳にしたことはありませんか?
これは、血管年齢が実年齢よりも進んでいるサインかもしれません。
血管年齢とは?
血管年齢とは、血管の柔軟性や弾力性などをもとに推定される血管の“健康年齢”のことです。
年齢とともに血管は少しずつ硬くなり、血液の流れが悪くなります。この変化が、動脈硬化や心疾患のリスクを高める原因となるのです。
たとえば、実年齢が70歳でも血管年齢が60歳相当であれば、血管の状態は良好。逆に、80歳相当であれば血管はかなり老化している可能性があります。
つまり、「血管年齢=体の中の若さの指標」ともいえるのです。
見た目と健康は一致しない
「肌ツヤがいい=健康」と思われがちですが、内側の血管状態はまったく別の問題です。
血管の老化は、高血圧・高血糖・喫煙・運動不足・ストレスなどによって進行し、生活習慣病にも直結します。
特にシニア世代は、これまでの生活習慣が血管に蓄積されている時期。見た目に惑わされず、体の内側からの“老化のサイン”を見逃さないことが大切です。
2.自宅で簡単!血管年齢セルフチェックの方法とは?
血管の老化具合が気になるけれど、「病院に行くほどでも…」「まずは自分でチェックしてみたい」という方も多いのではないでしょうか?
ここでは、自宅でできる簡単な血管年齢チェックの方法をご紹介します。
方法1:指の第一関節を曲げるチェック
1.両手の人差し指をそれぞれ第一関節から曲げる(90度くらい)
2.両方の指の腹を合わせるように近づける
3.指先が触れるかどうかを確認
指先が自然に触れない場合は、血管が硬くなっているサインともいわれています。これは動脈の柔軟性が低下している可能性があり、血管年齢が高めかもしれません。
方法2:ふくらはぎの硬さチェック
1.座った姿勢で片足を前に伸ばす
2.両手の指でふくらはぎを軽くつまんでみる
3.柔らかさをチェック
ふくらはぎの筋肉や血流状態も血管年齢に関わっています。つまんでも弾力がない、冷たい、硬い場合は、血流が悪く血管の老化が進んでいる可能性があります。
方法3:血圧計やスマホアプリを活用
最近では、家庭用血圧計の中に「血管年齢測定機能」が搭載されているモデルもあります。
また、スマホのカメラ機能やセンサーを使った血管年齢チェッカーアプリ(例:「カラダ年齢測定」など)も登場しています。
特におすすめなのは、定期的に測定して記録をつけること。朝と夜で数値が大きく異なることもあるため、日々の変化を見ることで自分の傾向をつかむことができます。
3.血管年齢が高いとどうなる?シニア世代が抱えるリスク
血管年齢が実年齢より高い――これは、体の中で“見えない老化”が進行しているサインです。特にシニア世代にとって、血管の老化は命に関わる病気の引き金になることも。ここでは、血管年齢が高いことで起こり得るリスクについて解説します。
動脈硬化の進行
血管が硬くなると、動脈硬化が進行します。動脈硬化とは、血管の内壁にコレステロールや脂肪がたまり、血流が悪くなる状態のこと。
厚生労働省によると、動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の主な原因とされています(出典:厚生労働省e-ヘルスネット)。
高血圧や糖尿病との関係
血管が硬くなると、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならず、高血圧を引き起こす原因にもなります。
また、血管内皮機能の低下は糖尿病の悪化にもつながり、血管の劣化と生活習慣病は密接に関係しています。
認知症リスクの増加
意外に思われるかもしれませんが、血管の老化は脳の血流不足=認知症のリスクとも深く関係しています。
血流が悪くなると脳細胞への酸素供給が不十分になり、“血管性認知症”の原因となることがあるのです。
仕事継続への影響も
働きたい気持ちがあっても、血圧の急上昇や脳血管障害による体調不良が続くと、安定した就労が困難になってしまいます。
定年後も働くことを望む人にとって、「血管の健康を守ること=仕事を続けるための基礎体力づくり」と言えるでしょう。
4.血管を若く保つには?今日からできる健康習慣
血管年齢を若く保つことは、健康的なシニアライフを送るうえで欠かせません。特別なトレーニングや高額なサプリを買わずとも、日々の生活習慣を少し見直すだけで血管の若返りは目指せます。ここでは、無理なく始められる5つの健康習慣をご紹介します。
1. バランスのとれた食生活を心がける
特に意識したいのが、塩分・糖分・脂肪のとりすぎを防ぐこと。
野菜や果物に多く含まれる抗酸化物質(ポリフェノールやビタミンC・Eなど)は、血管の老化を防ぐ効果があります。
また、魚に含まれるEPAやDHAは血液をサラサラにし、動脈硬化の予防に役立ちます。
ポイント:1日350g以上の野菜を摂取することが厚生労働省からも推奨されています。
出典:健康日本21(第二次)
2. 毎日の軽い運動を継続する
ウォーキングやラジオ体操、足踏み運動など、軽度でも継続的な運動が血管の柔軟性を保ちます。
特に「ふくらはぎの筋肉」は第二の心臓とも呼ばれ、血流をサポートする重要な働きを担っています。
目安は1日6,000歩、または30分程度の有酸素運動。
3. 質の高い睡眠を確保する
睡眠不足は血圧を上げ、ストレスホルモンの分泌を増やします。
夜更かしを控え、毎日同じ時間に寝起きするリズムを整えることが、血管の回復にも効果的です。
4. ストレスをためない生活
慢性的なストレスは交感神経を刺激し、血管を収縮させて高血圧を招く要因になります。
趣味の時間や深呼吸、日光浴などで、心身をリラックスさせる時間を意識的に確保しましょう。
5. 喫煙・過度な飲酒は控える
タバコは血管収縮を促進し、ニコチンによる酸化ストレスで血管内皮を傷つけます。
また、飲酒も適量を超えると血圧を上げるため、習慣的な飲酒がある方は見直しが必要です。
5.仕事を続けるための体づくりに“血管年齢チェック”が効く理由
定年後も働きたいと考えるシニアにとって、「元気な体でいること」は何より大切な条件です。その中でも、血管の健康は“働ける体”を支える土台といえるでしょう。では、なぜ血管年齢チェックが重要なのでしょうか?
1. 病気のリスクを早めに察知できる
血管年齢は、高血圧・糖尿病・脳梗塞・心筋梗塞といった生活習慣病の予兆を見つけるための有力な指標です。
見た目や体感ではわからない「内側の変化」を数値として可視化することで、本格的な病気になる前に生活改善ができるチャンスになります。
2. 働く意欲を保つための“安心材料”になる
年齢を重ねると、体のちょっとした不調が「もう働くのは難しいかも…」という不安につながることがあります。
しかし、「血管年齢が実年齢より若い」ことを知ると、自信につながり、働く意欲も高まります。
体の状態を把握しておくことは、メンタル面にも良い影響を与えるのです。
3. 健康習慣の継続につながる
血管年齢を測ることが、「運動をしよう」「食事に気をつけよう」という意識のきっかけになります。
さらに、測定→改善→測定、というサイクルができることで、習慣の継続にもつながります。
4. 再就職時の健康アピールにもなる
再就職やアルバイトを探す際、「健康状態が安定している」ことは大きなアピールポイントになります。
企業側も、「安心して任せられる人材」として受け入れやすくなるため、血管年齢という数値を把握しておくのは就業面でも有利です。
働くための“体力貯金”として、血管の健康は欠かせません。
だからこそ、まずは一度、自分の血管年齢を知ることから始めてみましょう。
6.まとめ:健康な血管は“働ける体”への第一歩!
定年後の働き方を考える上で、体の健康管理は「収入」や「やりがい」にも直結する重要な要素です。特に血管の健康は、見た目ではわからない「体の中の年齢」を教えてくれる重要な指標です。
血管年齢をチェックすることで、
・自分の体の状態を客観的に把握できる
・生活習慣を見直すきっかけになる
・働き続けるための安心材料になる
というメリットがあります。
また、日々のちょっとした工夫──食生活、運動、睡眠、ストレス管理など──によって、血管の健康は十分に改善可能です。
「まだまだ働きたい」「健康に過ごしたい」と願うなら、まずは自分の血管年齢を知ることから始めましょう。
そしてその結果を活かして、無理のない範囲で日常を整えることが、70代以降の充実した毎日へとつながっていきます。
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