1.なぜ今“無料採用”が注目されているのか?
採用コストが上がり続ける今、広告費の見直しは必須
採用活動における最大の課題のひとつが「コスト」です。かつては数万円で済んでいた求人掲載も、近年では1件あたり10万〜30万円を超えるケースも少なくありません。特に中小企業では、限られた人件費や予算の中で採用活動を行わなければならず、「求人広告にお金をかけたのに応募ゼロ」という事態も発生しています。
また、採用市場全体で求職者の取り合いが激しくなり、掲載料を支払ったからといって応募が保証されるわけではありません。こうした背景から「まずは無料でできることをやってみたい」という企業が増えており、“広告費ゼロ”でも成果を出す採用手法に注目が集まっています。
高齢者や副業人材など多様な人材が求職中の今がチャンス
さらに追い風となっているのが、求職者層の変化です。高齢化社会が進む中で、60代・70代でも「まだ働きたい」と考える人が増加。実際、総務省「労働力調査(2024年)」によれば、65歳以上の就業者数は約940万人と過去最多を記録しています。また、週2〜3日だけ働きたいという副業人材や主婦層も活発に動いており、企業側がうまく「短時間・柔軟な仕事」を用意すれば、無料媒体でも十分にマッチングが可能です。
このように、多様な人材が市場にあふれている今こそ、広告費に頼らない採用手法を始めるチャンスといえるでしょう。
2.広告費ゼロで応募を集める3つの実践方法
方法①:ハローワークを最大活用する
無料で採用活動を始める際、まず真っ先に活用すべきなのが「ハローワーク」です。全国に設置されている公的な職業紹介機関で、求人の掲載・応募者紹介ともに完全無料。特に地元での採用を目指す企業にとっては、地域のシニアや主婦層との接点を築く手段として非常に効果的です。
ハローワークを効果的に活用するポイントは、「求人票の書き方」にあります。仕事内容を具体的に記載し、週2日〜や1日4時間〜といった柔軟な働き方を明示することで、応募者の安心感が増し、問い合わせや応募に繋がりやすくなります。最近では、求人票をPDFで下書きしてから窓口で修正・登録することも可能ですので、事前に戦略を練ったうえで活用しましょう。
方法②:無料で掲載できる求人サイトを使う(Indeed・エンゲージ・求人ボックス・げんきワーク・キャリア65など)
求人サイトというと「高い」というイメージがあるかもしれませんが、実は無料で使える媒体も多数存在します。以下のようなサービスは初期費用・掲載費用ともに無料で求人掲載が可能です(※一部、採用時に成果報酬が発生するサービスあり):
サービス名 | 特徴 |
---|---|
Indeed | 世界最大級の求人検索エンジン。無料掲載も可能(表示順位は有料に劣る) |
エンゲージ | エン・ジャパン提供。自社採用サイトを無料で作れる機能付き |
求人ボックス | カカクコム運営。無料登録でWeb全体にリーチ可能 |
げんきワーク | 掲載申請型の無料求人サイト。即時反映されるためスピーディーな運用が可能 |
キャリア65 | シニア層専門の求人サイト。初期費用・掲載費用無料、2人目以降の採用時に成果報酬が発生 |
このような無料求人サイトは、広告費をかけなくても一定のアクセスを見込めます。また、シニア向けに特化したサービス(キャリア65など)では、求人情報が適切な層に届けられるため、マッチングの精度も高まります。
方法③:紹介・リファラル制度+アルムナイ採用(元社員の再雇用)を活かす
もうひとつ、費用をかけずに応募を増やす強力な方法が「紹介制度(リファラル採用)」です。すでに働いている社員や関係者からの紹介で人材を獲得する方法で、採用コストは限りなくゼロに近く、しかも離職率が低いのが特徴です。
加えて、近年注目されているのが「アルムナイ採用」──かつて在籍していた元社員を再び迎え入れる手法です。すでに自社のカルチャーを理解しており、即戦力となるケースが多く、採用後のミスマッチも少なく済みます。特に高齢者の再雇用においては「退職後も元気で働きたい」というニーズと合致しやすく、双方にメリットのある方法といえるでしょう。
3.無料採用を成功させるためのポイントとは?
応募が来る求人票の書き方
無料の採用方法を使っても「求人票の質」が悪ければ応募は集まりません。無料であっても、多くの企業が同じ土俵に立っている以上、「選ばれる求人票」でなければ見てもらえないのです。
ポイントは以下の3点です。
・仕事の具体性を明記する:「雑務全般」「補助業務」など曖昧な表現は避け、実際の業務内容(例:来客対応、清掃、データ入力)を記載しましょう。
・勤務時間、日数の柔軟性を打ち出す:週2日〜、1日3時間〜など、高齢者や副業希望者が応募しやすい条件を明記すると効果的です。
・年齢や経験に配慮した文言を入れる:「年齢不問」「未経験歓迎」「60代以上活躍中」などの一文があるだけで、安心して応募されやすくなります。
特にハローワークやシニア向け媒体では「60歳以上歓迎」や「再雇用あり」といった文言が強く響く傾向があります。
応募後のスムーズな選考フロー構築
せっかく応募が来ても、選考対応が遅ければ辞退や音信不通につながりかねません。無料で採用するには「速さ」も重要です。
以下のポイントを押さえましょう。
・応募から3営業日以内に連絡する
・電話やメールだけでなく、SMSやLINEなどの連絡手段も検討
・面接日程の調整は柔軟に、1回で完結できるように工夫
また、シニア層の中には「面接が不安」「スマホが苦手」という方もいるため、事前に電話で仕事内容を丁寧に説明するなど、心理的ハードルを下げる工夫も有効です。
法制度や助成金をうまく活用する
無料で採用するだけでなく、「助成金」などの制度を活用すれば、むしろ採用活動が収益を生む可能性すらあります。
たとえば、以下のような制度が存在します:
制度名 | 内容 | 支給対象 |
---|---|---|
特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース) | 高齢者(60歳以上)を新規雇用した場合に支給 | ハローワーク経由での採用など条件あり |
65歳超雇用推進助成金 | 定年の引き上げや継続雇用制度の導入に対する支援 | 常時雇用する労働者を有する事業主 |
こうした制度は申請手続きにやや手間がかかりますが、採用計画に組み込むことでコスト削減以上の効果をもたらします。ハローワークや社会保険労務士と連携し、情報をキャッチアップしておきましょう。
4.無料でも成功できた企業の実例紹介
採用コスト0円で即戦力のシニアを採用した物流会社のケース
東京都のある中堅物流会社では、コロナ禍以降に慢性的な人手不足に直面していました。特に早朝の荷受け・仕分け作業など「短時間での労働力」が求められていましたが、求人広告に月10万円以上かけても応募がまったく集まらず、採用担当者は頭を抱えていたといいます。
そんな中で活用したのが、ハローワーク+キャリア65 の組み合わせ。週3日・朝6時〜9時勤務の求人を出したところ、「早起きが得意な高齢者層」からの応募が入り、1名を採用しました。
採用コストは0円。採用担当者は「60代・70代の方は責任感が強く、急に来なくなることもなく、助かっています」と語っています。
この会社ではさらに、高年齢者雇用開発助成金(生涯現役コース)の活用も検討しており、「コストゼロ+助成金」で採用の好循環を生み出そうとしています。
紹介制度で人材獲得に成功した介護事業者の事例
大阪府の小規模介護施設では、正社員の採用が困難な中、パートタイム人材を確保するためにリファラル(社員紹介)制度を強化。従業員に「知人を紹介して採用されたら1万円の食事券を進呈」という簡単な仕組みを設けたところ、1か月で2人の応募があり、どちらも即採用となりました。
そのうちの1人は、かつてその施設で働いていた元職員(=アルムナイ)で、ブランクがあったにもかかわらず「仕事内容がわかっていたので復帰しやすかった」と語っています。
紹介者・紹介された側ともに満足度が高く、今後はアルムナイ向けのLINEグループを立ち上げ、復職の機会を継続的に提供していく予定とのこと。求人広告に頼らず、社内資源を活用した好例といえるでしょう。
5.まとめ:お金をかけずに、良い人材と出会う時代へ
まずは“できること”から着手を
採用にお金をかけなくても、人材を確保する方法は確実に存在します。
大切なのは「何から始めるか」。たとえば、ハローワークに相談する、無料求人サイトに登録してみる、社内で紹介制度を整備する──こうした一歩が、広告費ゼロの成功採用へとつながります。
無料採用においては、「求人票の書き方」や「タイミング」が成功を左右する重要な要素です。採用媒体に費用をかけずとも、戦略的に情報を発信することで十分に応募を集めることが可能です。
特に高齢者層は、安定志向・地域志向が強いため、地元密着・短時間・軽作業といった条件がマッチしやすく、無料媒体との相性も非常に良好です。
採用に悩んだら、無料求人サービスを活用しよう
本記事で紹介した方法はすべて、「今すぐ、無料で始められる」ものばかりです。採用にお金をかける前に、まずは無料で試せる手段をしっかり活用してみましょう。
そして、60代以上の即戦力人材を探しているなら、シニア専門の求人サービスも検討の価値があります。ニーズに合った求人媒体を選び、コストを抑えながらも質の高いマッチングを実現していきましょう。
無料と有料を賢く使い分けるのが成功のカギ
とはいえ、すべての採用が無料で完結するわけではありません。たとえば、短期間で大量採用が必要な場合や、専門スキルを持つ人材をピンポイントで探したい場合には、有料媒体や人材紹介サービスの併用も効果的です。
無料施策で一定の応募が見込めないと感じたときは、有料オプションの活用も視野に入れ、「費用対効果」を意識したバランスのよい採用戦略を検討しましょう。
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