1.頸長筋とは?シニア世代こそ知っておきたい“姿勢のカギ”
頸長筋(けいちょうきん)は、首の前側の深い位置にある細長い筋肉で、背骨の中でも頸椎(けいつい)と呼ばれる部分に沿って存在しています。一般にはあまり知られていませんが、体のバランスや姿勢を保つうえで非常に重要な筋肉のひとつです。
とくにこの筋肉は、「首を安定させる」役割を担っています。スマホやパソコンの普及、また加齢による筋力低下によって、この頸長筋が衰えてしまうと、頭を支えきれずに前に出てしまう「ストレートネック」や「猫背」などの不良姿勢を引き起こします。
シニア世代にとって、この筋肉の状態は「見た目」だけでなく「健康維持」に直結します。頭の重さを支えきれず姿勢が崩れると、首・肩・背中の筋肉に負担がかかり、慢性的な肩こりや頭痛の原因にもなります。
健康に働き続けたいシニアにとって、頸長筋を知り、正しく整えることは「若さと活力を保つ第一歩」と言えるでしょう。
2.頸長筋が弱るとどうなる?年齢とともに起きやすい不調
頸長筋が弱まることで、日常生活においてさまざまな不調が現れるようになります。以下のような症状に心当たりがある方は、頸長筋の衰えが関係している可能性があります。
・猫背、ストレートネック:頸長筋が機能しなくなると、首の自然なカーブが失われ、頭が前に出て姿勢が悪くなります。
・肩こり、首のこり:不自然な姿勢が続くことで、僧帽筋や肩周辺の筋肉に負担がかかり、コリや痛みが慢性化します。
・誤嚥のリスク:首周りの筋肉は飲み込む動作にも関わっており、頸長筋の機能低下は嚥下機能の低下につながると指摘されています。
・疲れやすさ:姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、身体の酸素供給が低下して日常的に疲れやすくなります。
ある調査では、65歳以上の高齢者の約6割が姿勢の悪化を自覚しているという報告もあります(参考:日本整形外科学会「高齢者の体力と姿勢」2023年発表資料)。頸長筋の衰えは、見過ごされがちですが、シニアの不調の背景に隠れている“原因筋”かもしれません。
3.簡単にできる!頸長筋を鍛えるストレッチとトレーニング
頸長筋は、特別な器具がなくても日常的に鍛えることができます。ここでは、シニア世代でも無理なくできるトレーニング法を2つ紹介します。
① チンイン(あご引き)運動
首の後ろを伸ばし、あごを軽く引く動作です。
やり方:
1.背筋を伸ばして椅子に座る。
2.あごを「後ろに引く」ように軽く動かす(うなずくのではなく、水平にスライド)。
3.3秒キープして、元に戻す。
4.10回を1セット、1日2〜3セットを目安に行う。
② 頭押しトレーニング
手のひらと頭で押し合うことで、インナーマッスルに刺激を入れます。
やり方:
1.額に手のひらをあてる。
2.手で頭を後ろに押しつつ、首の力で前に戻すように5秒キープ。
3.頭の側面や後頭部でも同様に行う。
4.各方向2〜3回ずつ行う。
無理せず、ゆっくりした動きで行うのがコツです。呼吸を止めず、痛みを感じたら中止してください。継続することで、首の支えがしっかりし、姿勢の安定や肩こりの軽減が期待できます。
4.頸長筋を整えることで得られる3つのメリット
頸長筋を鍛えることは、単に首まわりの見た目が整うだけではありません。以下のような健康効果が、シニアの生活全体を豊かにしてくれます。
1.姿勢が良くなり若々しく見える
猫背が改善されることで、自然と背すじが伸びて見た目の印象が若返ります。面接時の第一印象や、仕事中の立ち振る舞いにも良い影響を与えます。
2.疲れにくくなる
姿勢が整うことで呼吸が深くなり、酸素の取り込み量が増え、日常の疲労感が軽減します。これにより、長時間の仕事や活動にも対応しやすくなります。
3.肩こり・頭痛の予防
頸長筋が働くことで、頭部の重さを分散しやすくなり、首や肩の負担が減少。慢性化していた肩こりや頭痛の軽減が期待できます。
こうしたメリットは、日常生活だけでなく「働き続けるための体づくり」にもつながります。
5.健康な体が働く意欲につながる!体づくりが再就職の第一歩
70代でも「まだ働ける」「まだ役立てる」と思える体を維持するには、筋力と姿勢の維持が欠かせません。とくに施設管理員や清掃業、家事代行など、体を動かす仕事に就く場合、頸長筋のケアは「土台作り」となります。
体の痛みや不調があると、働く意欲も自然と低下してしまいます。しかし、日々の運動やストレッチで頸長筋を整え、姿勢が安定すると、自信や行動力も取り戻すことができます。
働くことで得られる収入だけでなく、社会とのつながり、自己肯定感も高まり、より充実した人生が送れるでしょう。体力に不安がある方こそ、まずは「姿勢の根本=頸長筋」から見直してみてはいかがでしょうか。
6.まとめ:頸長筋ケアで“まだ働ける体”を手に入れよう
頸長筋は、普段意識することの少ない首の深層筋ですが、年齢を重ねたシニア世代にとっては、健康的な生活を支える“土台”ともいえる存在です。
姿勢を保ち、首や肩の負担を軽減し、体全体のバランスを整えるこの筋肉が衰えると、猫背や肩こりだけでなく、誤嚥のリスクや疲れやすさといった生活の質に直結する不調につながります。
一方で、頸長筋を意識してケアすることで、以下のようなポジティブな変化が期待できます。
・見た目が若々しくなる
・動くのが苦にならず、疲れにくくなる
・首、肩の不快感が軽減し、表情も明るくなる
・自信を持って人と接することができるようになる
こうした変化は、再就職や社会参加を目指すシニアにとって、大きな後押しになります。特別な道具は必要なく、毎日数分の運動を続けるだけで、少しずつ体が変わっていくのを感じられるはずです。
定年後も社会とつながり、役割を持って働き続けるためには、まずは「自分の体を整える」ことが何より大切です。頸長筋という小さな筋肉のケアが、これからの人生を大きく支えてくれます。
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