1. 70代でも働ける!今シニア世代に仕事が求められている理由
かつては「定年後は悠々自適に過ごす」というのが一般的でしたが、今や70代でも働くのが当たり前という時代になりつつあります。その背景には、社会全体の高齢化と人手不足、そしてシニア自身の就業意欲の高まりがあります。
高齢化社会と労働力の現状
日本はすでに「超高齢社会」に突入しており、総務省の統計(※1)によれば、2024年時点で65歳以上の人口は3,600万人を超え、総人口の約29%を占めています。その中で70代の人口も年々増加しており、労働力としての潜在性が注目されています。
また、企業側も人手不足の対策として、高齢者の雇用に目を向けるようになってきました。特に小売業や清掃業、施設の受付など、経験と人柄が重視される仕事ではシニアの需要が高まっています。
70代でも「働きたい」人が増えている
厚生労働省の調査(※2)によると、65歳以上の約6割が「収入のため」「健康維持のため」などの理由で働くことを希望しています。特に70代は、年金だけでは生活が不安という理由に加え、「社会とのつながりを持ちたい」「自分の役割を持ち続けたい」といった前向きな動機も多く見られます。
年齢に関係なく活躍できる社会へ
高年齢者雇用安定法の改正により、企業には70歳までの就業機会確保が努力義務として課されています。この制度改革によって、「年齢を理由に働けない」という壁は徐々に取り払われつつあります。今後は、70代が当たり前に働く時代がさらに広がると考えられています。
※1:総務省統計局「令和6年 高齢者の人口」より
※2:厚生労働省「高年齢者の雇用状況(令和5年)」より
2. シニアに人気の仕事一覧!70代でも始めやすい職種とは?
70代から始められる仕事には「経験を活かせる」「体力的な負担が少ない」「働く時間が柔軟に調整できる」といった共通点があります。ここでは、特にシニアに人気のある代表的な職種を紹介します。
日常清掃スタッフ
マンションやオフィスビル、スーパーなどの日常清掃は、朝の数時間だけの勤務が多く、体力に不安のあるシニアでも無理なく働ける点が魅力です。細かな気配りが求められるため、丁寧な作業が得意な人にはぴったりの仕事です。
家事代行スタッフ
自分がこれまで経験してきた家事スキルをそのまま仕事にできるのが家事代行。掃除、洗濯、整理整頓など、利用者の自宅で日常的な家事を代行する仕事です。高齢の利用者と年代が近いことで、親しみやすく信頼されやすいという利点もあります。
施設管理・見守りスタッフ
老人ホームや公民館、企業の寮などでの施設管理や宿直業務も、シニアに人気の仕事の一つです。夜間に建物の安全を見守ったり、来訪者の受付対応をしたりするだけで、重い作業はほとんどありません。責任感を持って取り組める方に向いています。
ベビーシッター・子育て支援員・家事代行スタッフ
子育て経験を活かして働きたい人には、ベビーシッターやファミリーサポートの支援員という選択肢もあります。最近では「シニアシッター」として70代以上が活躍するケースも増えており、若い親世代にとって心強い存在になっています。
施設の受付・案内スタッフ
公共施設や病院、企業の受付・案内業務も、70代が活躍しやすい仕事です。人と接することが好きな方には最適で、笑顔と落ち着いた対応が求められる業務です。立ち仕事が多くない点も人気の理由です。
このように、70代の方でも無理なく取り組める仕事は多数あります。体に負担をかけず、自分の経験や得意を活かせる職種を選ぶことで、長く続けやすく、働くこと自体が生きがいにもなっていきます。
3. 働くことが健康に!シニアが働くメリットとは?
70代になっても働くことで、単なる収入確保以上の多くのメリットを得られます。特に健康や生活の質に大きな好影響を与えることがわかってきています。
働くことが健康寿命を延ばす
厚生労働省の調査によると、就業している高齢者は、非就業者と比較して身体機能や認知機能が高く保たれる傾向があります(※1)。日常的に適度な運動が伴う仕事や、頭を使う業務を行うことで、心身ともに活性化されるのです。
さらに、定期的に外出し、社会との接点を持ち続けることが、うつや引きこもりの予防にもつながります。
社会とのつながりで孤独を防ぐ
シニア世代にとって、「誰かに必要とされている」「役に立っている」と感じることは、精神面において非常に大きな支えになります。仕事を通じて人との関わりを持つことは、孤立感の軽減に有効です。
職場では異世代の人と交流する機会もあり、自分とは違う価値観に触れることで、視野が広がり、新しい刺激を得ることもできます。
規則正しい生活で体調管理も万全に
定期的な勤務スケジュールがあることで、自然と早寝早起きの習慣が身につきやすくなります。生活にリズムができると、体内時計が整い、食事・運動・睡眠のバランスがとれた生活を送れるようになります。
「健康のために働く」という意識が高いシニアほど、日々の生活も意識して整えるようになり、結果的に長く元気に過ごせるという好循環が生まれます。
働くことが「元気の秘訣」
70代でも働くことで、健康面・精神面の両方でプラスの効果が得られます。無理のない範囲で社会との関わりを持つことが、いきいきとした毎日の鍵になるのです。
※1:厚生労働省「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」より
4. 新しい挑戦も!70代から学び直して仕事に活かすという選択肢
「もう70代だから遅い」と思っていませんか? 実は今、70代から「学び直し」に挑戦し、新たな仕事に就いているシニアが増えています。人生100年時代、学びは何歳からでも遅くありません。知識やスキルを磨くことで、仕事の幅を広げ、やりがいも手に入れることができます。
資格取得で仕事の選択肢が広がる
たとえば、以下のような資格は70代からでも比較的取りやすく、シニア向けの求人にも直結します。
・整理収納アドバイザー:片付けの知識を活かして家事代行業などに活かせる
・見守りサービス従事者講座:地域の高齢者見守り事業などに参加可能
・子育て支援員:自治体の保育補助やベビーシッターに活かせる
・防災士:地域活動や公共施設での防災啓発スタッフに活用可能
通信講座や自治体主催の講習会、オンライン学習など、学びの手段も多様です。資格を取ることで自信にもつながり、「まだ自分にもできることがある」と前向きになれます。
デジタルスキルも無理なく習得できる
「パソコンは苦手」「スマホは電話しか使ってない」という方でも、デジタルスキルを身につけることで、求人検索や応募の幅も広がります。近年では、シニア向けのスマホ教室やシンプルなパソコン講座も人気です。
メールの使い方やオンライン応募の方法がわかるだけでも、求人選びのハードルがぐっと下がります。中には、シニア世代がパソコンスキルを習得し、事務補助やデータ入力の仕事に就いた例もあります。
学びが生きがいになる
「仕事に直結するかどうか」はさておき、新しいことを学ぶという行動自体が、心身にとって非常に良い刺激になります。特に定年後は時間に余裕があるからこそ、自分のペースで学び直すには絶好のタイミングです。
学びは、新しい仕事の道を開くだけでなく、自分自身の世界を広げてくれる手段でもあります。
70代こそ学び直しの好機
年齢にとらわれず学び続けることで、仕事の選択肢が増え、毎日がもっと充実します。「やってみたい」と思った瞬間が、始める一番のチャンスです。
5. 仕事選びで失敗しないためのポイントとは?
70代から仕事を始めるにあたって大切なのは、「無理なく、長く続けられる仕事」を見極めることです。収入面だけに目を向けると、体力や環境に合わない仕事を選んでしまい、早期に辞めてしまうケースも。ここでは、失敗しない仕事選びのポイントをご紹介します。
1. 体への負担が少ない仕事かを確認
年齢を重ねると、筋力や持久力が若い頃とは違ってきます。重い荷物の持ち運びや長時間の立ち仕事は、知らず知らずのうちに身体に負担をかけてしまいます。
体への影響を最小限に抑えるためには、以下のような点をチェックしましょう。
・長時間勤務ではなく、短時間/週数日の勤務が可能か
・座って行える作業か
・空調が整っている職場環境か
2. 通勤のしやすさ・距離も重要
70代になると、移動時間や通勤の負担も見逃せないポイントです。なるべく自宅から近く、電車やバスに長く乗らなくて済む場所の仕事を選ぶと、体力の消耗を防げます。
最近では「徒歩圏内の仕事」「自転車で通える距離」など、距離を条件に検索できる求人サイトも増えています。
3. 自分の「得意」や「経験」を活かせるか
70代の仕事探しで強みになるのが「人生経験」です。これまでの職歴や家庭での経験を振り返り、「自分が無理なく、楽しんでできること」を整理してみましょう。
例えば:
・子育て経験 → ベビーシッター、保育補助
・きれい好き → 清掃、整理整頓サービス
・人と話すのが好き → 受付、案内、地域サポート
得意なことや慣れていることを活かせば、学び直しの負担も少なく、スムーズに職場に溶け込めます。
4. 無理なく続けられるペースかを見極める
最初は「週に1〜2日」「午前中だけ」といった柔軟な勤務スタイルを選ぶのがおすすめです。働きながら自分のペースをつかんでいくことで、無理なく長く続けられる働き方を見つけやすくなります。
自分に合った働き方で“やめない”仕事を
「せっかく始めたのに、すぐに辞めてしまった…」という失敗を避けるためにも、仕事内容・勤務時間・通勤距離・職場環境など、事前にチェックすべきポイントを押さえて、自分にフィットする仕事を見つけましょう。
6. まとめ:70代でも輝ける仕事はたくさんある!元気に働いて充実した毎日を
70代だからといって、仕事の選択肢が限られる時代ではありません。実際に多くのシニアが、清掃・家事代行・受付・施設管理・子育て支援など、さまざまな分野で活躍しています。重要なのは「年齢に合った働き方」を選ぶことです。
働くことは、収入以上の価値をもたらす
経済的な安定だけでなく、仕事は健康の維持、社会とのつながり、そして生きがいの源にもなります。「誰かの役に立つこと」「人と関わること」が、日々の生活にハリをもたらしてくれます。
さらに、学び直しや新しい挑戦にも年齢の壁はありません。資格取得やデジタルスキルの習得によって、自分の可能性を広げている70代は増えています。
自分らしく働ける環境を見つけよう
仕事選びでは、無理のない時間帯・自宅からの距離・体力面の負担などをしっかりと考慮し、自分のペースに合った仕事を選ぶことが長続きの秘訣です。これまでの経験や得意なことを活かせば、未経験の仕事でも十分に活躍できます。
「まだ働ける」ではなく「これからどう働くか」
70代の働き方は、決して「余生を過ごす手段」ではなく、充実した第二の人生を築くための手段です。
自分に合った働き方を見つけて、収入・健康・やりがいのすべてを手に入れましょう。
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