ゆるく働く?しっかり稼ぐ?60代が仕事を選ぶときの判断基準とは

仕事

1.定年後の仕事選び、あなたは「ゆるく」派?「しっかり」派?

60代を迎えると、多くの人が「これからどう働いていこうか」と一度立ち止まって考えます。年金だけでは生活が不安という方もいれば、体力的に無理をしたくないという方もいるでしょう。

「ゆるく働いて健康維持や社会参加をしたい」
「しっかり稼いで生活費や趣味の資金を確保したい」

――そのどちらも間違いではありません。むしろ、重要なのは“自分に合った働き方”を選ぶこと。特に70歳前後での仕事選びでは、「体力」「収入」「生活リズム」「やりがい」など、複数の要素を見極める力が求められます。

この記事では、定年後に自分らしく働くために必要な「判断基準」を5つの視点から解説します。あなたが後悔しない仕事選びをするためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。


2. 自分の今の体力・健康状態を正しく見極める

60代以降の仕事選びで最も大切なのが、「今の自分の体調や体力に合った働き方」を知ることです。どんなにやる気があっても、身体に無理がかかれば、継続できずにかえって健康を損ねてしまう可能性もあります。

▶ なぜ「体力チェック」が必要なのか?

高齢者雇用に関する調査(※総務省「高齢者の就業状況」2023年版)によると、60代後半で働いている人のうち、約65%が「体に無理のない範囲で働ける職場」を重視して就職先を選んでいることがわかっています。
つまり、「続けられるかどうか」は、仕事の条件だけでなく“体の状態”に大きく左右されるということです。


▶ 自分の健康状態を見直すチェック項目

以下のような項目を、自分自身に問いかけてみましょう。

・毎日どのくらい歩けるか?(疲労感や足腰の調子も含めて)
・長時間の立ち仕事や移動は負担にならないか?
・定期的に病院通いが必要な持病はあるか?
・暑さ、寒さへの耐性はどうか?

「健康だからフルタイムでも大丈夫」と思っても、週3日・4時間勤務からスタートするなど“余裕を持つ働き方”も視野に入れることが、長く続けるポイントです。


▶ 定期健診や主治医の意見も参考に

自分の体力を客観的に知るために、定期的な健康診断や主治医のアドバイスも取り入れましょう。高血圧や心疾患、腰痛などがある場合は、仕事内容に制限が必要な場合もあります。

「働きたい」気持ちと、「今の自分の体調」にギャップがあると、せっかく見つけた仕事も長続きしません。まずは“無理なく続けられるか”を最優先に判断しましょう。


3. 収入重視?それとも生活バランス?目的で変わる働き方

60代以降の仕事選びでは、「なぜ働くのか?」という目的を明確にすることが非常に大切です。収入を重視するのか、生活リズムや心の安定を優先するのかによって、選ぶべき仕事の種類や勤務形態が大きく変わってきます。

▶ 収入重視タイプのあなたへ

「年金だけでは足りない」「家計を支えたい」「趣味や旅行の資金を稼ぎたい」といった経済的理由が大きい場合は、しっかり稼げる仕事を選ぶのがポイントです。

例:
・警備員(夜勤やシフト制あり/時給1,200円〜1,500円)
・清掃スタッフ(フルタイム勤務/安定収入が得やすい)
・工場の軽作業(単純作業でも高時給案件あり)

このような仕事は体力が必要な場合もあるため、前項の「健康状態チェック」と合わせて無理のない範囲で選ぶことが重要です。


▶ 生活バランスタイプのあなたへ

「家族との時間を大切にしたい」「趣味を続けたい」「毎日のリズムを整えたい」という方は、時間や曜日に融通が利く仕事が向いています。

例:
・施設管理、マンション管理(見回りや軽作業が中心)
・図書館スタッフ、受付業務(座り仕事・接客が少なめ
・ベビーシッター、家事代行(週数日・短時間でも可)

収入は控えめでも、心と体のバランスが取りやすく、「続けやすい」というメリットがあります。


▶ “どちらも”を目指す働き方もある

「ある程度の収入を得ながらも、無理なく働きたい」という方には、週3~4日勤務や午前中だけの仕事といった“中間タイプ”の働き方もおすすめです。

▶ 例:シニア歓迎の企業のパート勤務
▶ 例:公的機関の臨時職員(地域の高齢者支援など)

収入と生活のバランスをうまくとることで、長く安定して働ける環境が整います。


4. 働く日数・時間・場所で選ぶ「自分にちょうどいい」仕事とは

定年後の働き方では、「収入」や「やりがい」だけでなく、働く日数・時間・場所といった“生活とのフィット感”も極めて重要です。自分にとって「ちょうどいい働き方」を見つけることで、無理なく長く働き続けられます。

▶ 日数で選ぶ:週何日働けそうか?

60代・70代になると、週5日勤務は負担に感じることも。まずは週2〜3日からの勤務を選べば、身体への負担も少なく、体調や家族の予定とも両立しやすくなります。

例:
・マンション管理(週2~3日・午前中だけ)
・市区町村の臨時スタッフ(短期・短時間の募集が多い)
・企業のパート清掃(曜日相談可の職場も増加)


▶ 時間で選ぶ:朝型?午後型?夜型?

ご自身の生活リズムに合わせて、「午前中だけ」「午後だけ」「夕方から」など、時間帯の選択肢がある仕事を選ぶのも有効です。

・午前中メイン → 清掃、仕分け、農作業
・午後メイン → 販売補助、事務補助
・夜間、早朝 → 警備、ホテルの受付

体調や家庭の事情に合わせて選ぶことで、心身の負担を軽減できます。


▶ 場所で選ぶ:近所で働く?通勤あり?

通勤の負担も高齢者の継続率を左右します。徒歩圏内や自転車で通える近場の仕事は、継続しやすく非常に人気があります。

・スーパーやドラッグストアの品出し
・公共施設の受付や案内係
・地元の保育園での補助スタッフ

一方、電車で移動する通勤スタイルも、都心部なら選択肢が広がるというメリットがあります。交通費支給や送迎付きの職場も要チェックです。


自分の生活ペースや体力に合った“働き方の条件”をしっかり把握することが、快適なシニアライフの第一歩です。


5. 社会とのつながりややりがいを感じられる仕事の選び方

60代・70代で再び働く理由は、収入の確保だけではありません。「誰かの役に立ちたい」「人と関わりたい」「社会とのつながりを持ち続けたい」という気持ちも、シニア世代の大きな原動力です。

▶ 「やりがい」や「社会貢献」を重視する仕事

以下のような仕事は、特に人との関わりが多く、感謝される機会が多いため、精神的な充実感が得られます。

・ベビーシッター、保育補助:若い家庭や子どもたちとの交流が生まれる
・高齢者の生活支援:同世代を支える側に回ることで誇りを感じられる
・図書館、公共施設の受付:地域の方と挨拶やちょっとした会話が日常に

やりがいのある仕事は「ありがとう」と言われる場面も多く、孤独感の解消や自己肯定感の向上にもつながります。


▶ 交流を通じて生まれる新しい喜び

若い世代と一緒に働くことで、新しい価値観に触れることができるのも魅力です。「経験を活かして頼られる」「新しいことを教えてもらう」という双方向の関係性が、日々の刺激になります。

さらに、自分の過去のキャリアを活かせる仕事(例:職業訓練講師、技術アドバイザー、業務指導役)であれば、“第二のキャリア”としてのやりがいも得られるでしょう。


▶ 趣味・活動と仕事を組み合わせる発想も

最近では、地域のスポーツ指導員や観光ガイド、カルチャースクールの講師など、“好き”を活かした働き方をしているシニアも増えています。

「少しだけ収入があって、好きなことをしながら社会とつながれる」――そんな働き方も、60代・70代にぴったりです。


6. 後悔しないために!60代の仕事選びで押さえるべき判断ポイントまとめ

60代・70代になってからの仕事選びでは、「体力・収入・やりがい・生活とのバランス」など、多くの要素を考慮する必要があります。
しかし、一番大切なのは、「自分にとって無理がなく、納得して働けるかどうか」です。

▶ 判断ポイントを5つに整理

判断基準チェック内容
健康状態体力・持病・通院の有無を把握する
収入目標月いくら必要か?年金+αの目安を決める
勤務条件日数・時間・通勤距離は無理がないか?
やりがい人との関わりや社会貢献を感じられるか?
継続性長く続けられそうか?家族の理解があるか?

これらを事前に整理しておくことで、焦って仕事を選んで「やっぱり合わなかった」と後悔するリスクを減らせます。


▶ 自分に問いかけたい「3つの質問」

1.この仕事は、1年後も続けていたいと思えるか?
2.働くことが、生活の負担にならずに楽しめそうか?
3.この仕事で自分の役割や存在価値を感じられるか?

これらの問いに「YES」と答えられる仕事こそ、あなたにとって最適な“第二の仕事”です。


▶ まとめ:正解は人それぞれ。だからこそ「自分基準」で選ぼう

「ゆるく働く」「しっかり稼ぐ」、そのどちらも間違いではありません。
大切なのは、自分の人生のフェーズや価値観に合った選択をすること。今の自分を大切にしながら、前向きな気持ちで仕事を選べば、働くことが新たな喜びになります。

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