1.【はじめに】緑のボランティアとは?|自然を守るシニアの新しい社会参加
定年後の生活に「やりがい」や「人とのつながり」を求める人が増える中、近年注目されているのが「緑のボランティア」です。
これは、森や公園、河川敷など自然環境の保全・再生活動に参加する地域ボランティアの一種。樹木の手入れ、外来植物の除去、落ち葉掃除、里山づくりなど、作業内容は多岐にわたり、特別な資格や経験がなくても始められるのが魅力です。
とくにシニア世代にとっては、
・無理なく身体を動かせる
・自然の中で過ごすことでリフレッシュできる
・地域や世代を越えた仲間ができる
といったメリットがあり、仕事と趣味、社会貢献が融合した“理想の働き方”としても人気が高まっています。
2. なぜ今「シニア世代」に緑のボランティアが注目されているのか
高齢化が進む日本では、65歳以上の人口が全体の約30%を占めています(※総務省「令和5年版 高齢社会白書」より)。こうした背景の中、シニア世代の「再び社会とつながりたい」「健康でいたい」「誰かの役に立ちたい」といった想いが高まっており、緑のボランティアはその受け皿として注目を集めています。
特に以下の理由から、シニアとの親和性が高いのが特徴です。
① 心身の健康維持につながる
外で体を動かすことは、生活習慣病の予防やストレス解消に効果的。医療機関や自治体の健康づくり事業でも、自然とふれあう活動は「心身のリハビリ」として推奨されています。
② 社会参加のハードルが低い
緑のボランティアは、週1回や月2回など、無理のないペースで参加できることが多く、仕事や家庭の都合に合わせやすいのが魅力です。服装や道具も基本的に貸し出される場合が多く、初心者でもすぐに始められます。
③ 自分の経験や知識を活かせる
造園、建設、農業などの経験がある方なら、知識や技術がそのまま活かせる場面も多々あります。また、若い世代に指導する立場になることもあり、自己肯定感や存在価値の再確認にもつながります。
地域資源の保全と、高齢者の活躍推進を同時に実現できる活動として、自治体・NPO・企業なども緑のボランティアを支援しており、社会的ニーズは今後さらに高まると見られています。
3. 活動内容とメリット|無理なく体を動かして健康維持&仲間づくり
緑のボランティアは、自然環境の保全や美化を目的とした活動で、主に地域の公園、森林、川沿い、学校の緑地などで行われます。参加する団体や地域によって活動内容は異なりますが、以下のような作業が代表的です。
主な活動内容
・雑草や外来種の除去
・花壇や植栽エリアの手入れ
・落ち葉やごみの清掃
・植樹や苗木の管理
・森林の間伐、整備
・子どもや市民向けの自然観察会サポート
これらは道具の使い方や作業手順を事前に教えてもらえることがほとんどで、体力に応じた範囲で作業できます。高所作業や重作業は若いメンバーやスタッフが担当するなど、分担も工夫されています。
緑のボランティアに参加する5つのメリット
1.健康維持に役立つ
軽作業中心で、無理なく運動量を確保できます。日光を浴びながらの作業はビタミンDの生成にも◎。
2.生活にリズムが生まれる
定期的な活動が日々の生活の張り合いに。外出するきっかけにもなります。
3.仲間ができる
年齢や職業の垣根を超えた交流が生まれます。共通の目的があるため、自然と会話が増えやすいのも特徴。
4.知識やスキルが身につく
植物の名前や整備の知識、簡単な土木・園芸スキルなどが自然と学べます。
5.地域への愛着が深まる
自分が関わった場所が美しく変わっていくのを実感でき、地域への誇りや愛着が育まれます。
4. 緑のボランティアに参加するには?|主な募集団体と探し方ガイド
「興味はあるけれど、どうやって始めればいいのかわからない」という声は多く聞かれます。緑のボランティアは、特定の資格や履歴が必要ない一方で、地域や団体によって活動の頻度・場所・内容が異なるため、まずは情報収集が大切です。
以下に、主な募集先や探し方のコツを紹介します。
主な募集団体
団体名 | 主な活動内容 | 探し方・連絡先 |
---|---|---|
地方自治体(市区町村の環境課など) | 公園・街路樹・公共緑地の整備など | 各自治体のHP・広報誌に情報掲載 |
NPO法人・市民団体(例:NPO法人グリーンボランティア) | 森林保全、里山整備、自然観察会など | 全国的なネットワークで募集多数 |
環境系公益財団法人(例:自然環境保全協会) | セミナー・講座つきの活動もあり | Webサイトで募集情報掲載 |
ボランティアセンター | 幅広い活動を紹介 | 各市区町村の社会福祉協議会に設置 |
探し方のポイント
1.まずは地域の自治体HPをチェック
「緑のボランティア」「環境保全」「まち美化」などのキーワードで検索。
2.地域名+ボランティアでネット検索
「○○市 緑のボランティア 募集」など、具体的なエリアで探すとヒットしやすいです。
3.ボランティア募集サイトを活用
たとえば「ボラ市民ウェブ」「ボランティアプラットフォーム」なども掲載あり。
4.近隣の活動に“お試し参加”する
見学OKの団体も多く、まずは一度体験してみるのもおすすめです。
地域によっては人気が高く定員制のところもありますが、多くは“誰でも歓迎”のスタンス。申し込みから参加までも比較的スムーズで、「思い立ったらすぐ参加できた」という声もよく聞かれます。
5. 続けるコツと注意点|長く関わるために知っておきたいポイント
緑のボランティアは一度きりの参加ではなく、継続的に関わることでその楽しさややりがいが深まっていく活動です。しかし、無理をすると体への負担や人間関係のストレスにつながることも。ここでは、長く楽しく続けるためのコツと注意点をご紹介します。
✅ 続けるための5つのコツ
1.「頑張りすぎない」が基本
体力に応じて「自分のペース」で参加することが大切。週1回、月2回など、無理のない頻度を選びましょう。
2.仲間づくりは“ゆっくり”でOK
初対面のメンバーばかりでも心配いりません。作業を通じて自然と交流が生まれていきます。焦らず少しずつ関係を築いていきましょう。
3.体調管理を最優先に
暑い日や寒い日の活動もあります。帽子や飲み物を準備し、必要なら事前に参加を見合わせる判断も大切です。
4.活動後はしっかりケアを
慣れないうちは筋肉痛になることも。帰宅後は入浴やストレッチで体を労わりましょう。
5.目標を“ゆるく”持つと長続きする
「今日は木の名前を一つ覚えよう」「今月は3回行けたらOK」など、小さな目標がやる気につながります。
⚠️ 注意したいこと
・ケガや事故への備え
多くの団体はボランティア保険に加入しており、費用も団体側が負担してくれる場合が多いですが、事前に確認しておきましょう。
・服装と持ち物に注意
動きやすい服装、軍手、帽子、長靴など、最低限の装備が必要です。貸し出しがあるかどうかも要チェック。
・自分に合う団体か見極める
活動頻度や雰囲気、メンバー構成などが自分に合うかは重要なポイント。一度体験してみてから判断するのもおすすめです。
緑のボランティアは「続けること」が地域と自分自身を豊かにしていきます。だからこそ、無理をせず“楽しく続けられる形”を見つけていきましょう。
6. 【まとめ】自然と人、どちらもつながる働き方の選択肢
定年後の生活は、収入だけでなく「生きがい」「つながり」「役割」といった心の充実が求められる時代です。そんな中、「緑のボランティア」は、自然の中で体を動かし、地域や人とつながりながら、無理なく続けられる新しい“働き方”とも言える存在になっています。
この活動は、単なる草むしりや掃除ではありません。自分が関わった木々が育ち、整備した道を子どもたちが歩く――そんな“目に見える成果”を通じて、地域の未来を支えているという実感を得ることができます。
また、健康面でも社会的な孤立防止という面でも、多くのシニアにとって大きなメリットがある活動です。経済的な補填だけでは得られない、「必要とされる喜び」や「仲間とのつながり」は、年齢を重ねたからこそ深く味わえる価値ではないでしょうか。
まずは気軽に見学や体験参加から始めて、自分に合ったスタイルを見つけてみましょう。自然とともに、地域とともに歩む――そんな豊かな第二の人生が、緑のボランティアから始まります。
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