1.【はじめに】再就職は“健康維持”のチャンスにもなる
「70歳を過ぎたら、もうのんびりするだけ」と思っていたはずが、実際に定年後の生活に入ってみると、毎日が長く、体もなまってしまう──。そんな声をよく聞きます。しかし実は、再就職は「健康維持」にもつながる絶好のチャンスです。
高齢者にとって「働くこと」は、単に収入を得る手段にとどまりません。適度に体を動かす、生活にリズムが生まれる、人と会話をする──これらすべてが、心身の健康を支える重要な要素となります。
近年では、シニア向けに柔軟な勤務形態を用意した仕事も増えており、「週2日だけ」「午前中だけ」といった働き方も可能に。無理のない範囲で社会参加できる点が、多くの高齢者に支持されています。
また、働くことが目的となることで、生活にハリが生まれ、自己肯定感の向上や生きがいの再発見にもつながります。まさに、再就職は“元気を取り戻す”第一歩。今のあなたの体力と気力を活かし、充実したシニアライフを目指しましょう。
2. 70代でもできる!身体を動かすシニア向け仕事例
70代になっても、無理なく体を動かせる仕事は多く存在します。体力に不安があっても、短時間勤務や軽作業を選べば、無理なく働けて健康維持にもつながります。
代表的な仕事例
職種 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
施設清掃スタッフ | 公共施設やオフィスの清掃 | 一定の運動量で体力維持に効果的 |
マンション管理人 | 建物内の巡回や簡単な修繕対応 | 身体を動かしながら人と関わる仕事 |
公園・緑地の管理作業 | 植栽管理、落ち葉清掃など | 自然と触れ合いながら健康的に働ける |
配達スタッフ(徒歩圏内) | 地域内のチラシ・郵便物の配達など | 負担が少なく、日々の運動代わりになる |
シニア農業パート | 地域の農家で収穫や出荷作業補助 | 土に触れることでメンタル面の安定にも |
これらの仕事に共通しているのは、「単調すぎず、身体を自然に動かせる」という点です。過度な負荷がかからず、長く続けやすいというメリットもあります。
また、外で働くことで日光を浴び、体内時計が整い、睡眠の質が向上するという副次的な健康効果も。
「お金のために」だけでなく、「健康のために」選ばれている仕事だといえるでしょう。
3. 働くことで得られる3つの健康効果|心身・社会・生活習慣
「働くこと=疲れる」と感じている方もいるかもしれません。しかし、シニア世代にとっての“働く”は、むしろ健康維持に欠かせない生活習慣のひとつです。ここでは、働くことで得られる代表的な3つの健康効果をご紹介します。
1. 心身の健康維持
定年後に活動量が急激に減ると、筋力の低下や生活習慣病のリスクが高まることがわかっています。
しかし、週2〜3回でも体を動かす仕事を行えば、軽い運動効果が得られ、筋力や柔軟性の維持につながります。
また、働くことで「目的を持って行動する」ことになり、脳の活性化にも有効です。特に、人と会話する機会がある仕事では、認知症予防の観点からも効果があると報告されています(※厚生労働省「認知症予防と社会参加の関係」より)。
2. 社会とのつながりの維持
働くことで、職場の同僚や地域の人々と接点が生まれます。これは、高齢期に陥りがちな「孤立」や「閉じこもり」から自分を守るうえで非常に重要です。
とくに男性は、定年退職を機に人間関係が急激に減る傾向があります。再就職は、自然なかたちで「社会との接点」を再構築できる手段なのです。
3. 生活習慣の安定
再就職をすると、自然と「朝起きる時間」「外出するきっかけ」「食事のリズム」が整います。このような規則正しい生活は、生活習慣病やうつ予防にも効果的です。
また、働くことで「自分の役割がある」「今日も誰かに必要とされている」という気持ちが得られ、精神的にも大きな支えになります。
4. 自分に合った働き方の見つけ方|無理なく続けるために
シニアの再就職で最も大切なのは、「がんばりすぎないこと」です。若い頃のようにフルタイムでバリバリ働く必要はありません。自分の体力や生活スタイルに合った働き方を選ぶことで、健康を損なうことなく、長く安心して働くことができます。
まずは「働く目的」を明確に
・生活費の補填が第一?
・外に出るきっかけがほしい?
・誰かの役に立ちたい?
このように、自分が「なぜ働きたいのか」を明確にすることで、仕事の内容や時間帯の優先順位が見えてきます。
勤務時間・日数の目安を決めておく
多くのシニア求人は、週1〜3日、1日2〜4時間といった短時間勤務が可能です。特に70代の場合、
「午前中だけ」や「隔日勤務」など、自分のペースで働ける条件を探すことが、無理なく続けるコツです。
通勤距離や勤務環境も要チェック
体への負担を考えると、「自宅から徒歩圏内」「エレベーターあり」など、職場の環境にも注目しましょう。
また、休憩室やトイレが整っているか、椅子に座れる時間があるかなども、体調管理の面で見逃せないポイントです。
周囲の理解を得ることも大切
家庭内での役割や通院など、プライベートとの両立も考えながら働くには、家族や職場の理解が不可欠です。
特に「何かあったときに相談できる人がいるか」は、継続の安心感につながります。
体力や気力には個人差がありますが、大切なのは「続けられるかどうか」。
無理をせず、自分にとって“ちょうどいい働き方”を見つけていきましょう。
5. 再就職前にチェックしたい健康状態とサポート制度
再就職に前向きでも、「まずは体の状態を確認すること」が長く安全に働く第一歩です。
年齢を重ねると、体力や持病の有無などが仕事選びに大きく影響します。ここでは、働き始める前にチェックすべきポイントと、利用できる支援制度についてご紹介します。
健康チェックのポイント
まずは、次のような基本的な健康項目を確認しましょう。
・持病の有無(高血圧、糖尿病、心疾患など)
・服薬の状況
・長時間の立ち仕事が可能か
・重い物を持てるかどうか
・視力、聴力、関節の状態
これらは、日常的な仕事の安全性や継続性に大きく関わります。
できれば、かかりつけ医に「この働き方で問題がないか」を相談すると安心です。
自治体の健康支援・就労支援制度を活用しよう
多くの自治体では、高齢者向けの健康診断や生活支援のほか、以下のような「再就職支援制度」も整備されています。
・シルバー人材センター:地域の軽作業や短期業務をマッチングしてくれる制度。健康に配慮した仕事も多数。
・ハローワークの高年齢者窓口:シニア向け求人の紹介や職業相談、健康に応じた職種の提案が可能。
・高年齢者就業支援コーナー(都道府県労働局):再就職セミナーや就労能力評価なども行っている。
また、一定の条件を満たせば、医療費助成や介護予防支援なども受けられます。働くことと福祉制度をうまく併用することで、無理のない再就職が実現できます。
年齢や持病を理由に「もう無理かも」とあきらめる必要はありません。
自分の体と向き合いながら、安心して働ける環境を整えていきましょう。
6. 【まとめ】再就職で得る“収入・健康・つながり”という三重の喜び
定年後の再就職は、「生活費の補填」だけが目的ではありません。むしろ、“働くこと”によって手に入るのは、次の3つの大きな価値です。
1. 収入の安心感
年金だけでは不安な時代。
少しでも収入が増えることで、食費・医療費・交際費などの支出にゆとりが生まれます。
「働くことで自由に使えるお金がある」ことは、シニア世代にとって大きな安心材料です。
2. 健康の維持と増進
軽作業でも、定期的に体を動かすことが健康につながります。
また、生活リズムの安定や、人との会話が脳と心を活性化させることも大きなメリット。
再就職は、まさに“働きながら健康になる”ライフスタイルといえます。
3. 社会とのつながり
退職後は孤立しやすいと言われますが、仕事を通じて人と接する機会が自然と増えます。
「ありがとう」と言ってもらえること、「役に立てた」と実感できることは、自己肯定感にもつながり、生きがいをもたらしてくれます。
70代という年齢は、まだまだ“現役”でいられる時代。
無理なく、自分に合った働き方を選べば、再就職は人生を豊かにしてくれる大きなきっかけになります。
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