1.【なぜ足りない?】年金月10万円以下という現実と生活の実態
65歳を過ぎて年金生活に入ったものの、「年金だけでは生活が苦しい」と感じている人は少なくありません。実際、厚生労働省の令和5年版『年金制度基礎調査』によれば、老齢基礎年金のみを受給している人の月額平均は約5万5,000円。さらに、厚生年金を含めた全体の平均年金月額でも約14万円程度に留まり、単身者や夫婦世帯でも月10万円台の年金収入しかないケースは珍しくないのが現実です。
例えば、総務省の「家計調査」(2023年)によると、高齢夫婦無職世帯の月平均支出は約25万円。年金が10万円前後しかない場合、月に15万円近い不足が発生することになります。この差額を埋めるためには、貯金の取り崩しだけでは限界があり、再就労による収入の確保が現実的な選択肢になってきます。
こうした背景から、「年金に上乗せする形で働く」というライフスタイルが、今のシニア世代にとってごく当たり前の選択肢になってきました。65歳を超えてからの働き方には、「自由度」「健康」「社会とのつながり」といった要素もあり、経済的理由に加えて生きがいや生活のハリを求める声も増えています。
2.【収入の柱を増やす】65歳からでも始められる仕事とは?
「今さら新しい仕事なんて無理では?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、65歳以上でも無理なく始められる仕事は意外と多く、体力やスキルに応じて選べる選択肢が広がってきています。
たとえば、以下のような仕事は、シニア世代に人気です。
■ 1. 施設管理・清掃スタッフ
公共施設やマンション、オフィスビルなどでの清掃・管理の仕事は、勤務時間が短く、身体的な負担も比較的軽いため、長く続けやすい職種です。
■ 2. 警備員(施設警備・交通誘導)
施設警備やイベント会場での誘導などは、シニア男性の再就職先として根強い人気があります。シフト制で自由に働けるのも魅力です。
■ 3. 配送・配達サポート
ネット通販の拡大に伴い、軽貨物や自転車での配達業務も需要が高まっています。宅配会社のサポート業務なども含め、未経験から始める人も多数います。
■ 4. スーパーや飲食店のスタッフ
レジ係や品出し、厨房補助など、短時間勤務が可能で人手不足の現場では、高齢者の雇用が進んでいます。接客に抵抗がなければ選択肢として有力です。
■ 5. 家事代行スタッフ
料理・掃除・洗濯・ベビーシッターなど、日常の家事をサポートする仕事です。特に一人暮らしの高齢者や共働き世帯の増加により需要が高まっています。これまで家庭で培った家事スキルをそのまま活かせる点が魅力で、未経験から始めるシニアも多数。1日数時間の短時間勤務も可能なため、体力に自信がない方にもおすすめです。
地域での子どもの見守りや高齢者の送迎支援など、「人と人をつなぐ」やさしい仕事もあります。報酬は少なめですが、やりがいと社会参加の面で満足度は高いです。
これらの仕事は、資格や経験が必須でない場合も多く、「まずは短時間から」「週2~3日だけ」など、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。年齢を理由に遠慮する必要はなく、むしろシニアだからこそ求められる職場も増えています。
3.【仕事選びのポイント】体力・収入・やりがいのバランスを考える
65歳を超えて再び働く場合、「若い頃と同じように」と無理をする必要はありません。大切なのは、現在の自分の体力・健康状態、家庭の事情、生活費の必要額に応じた“バランスの良い働き方”を見つけることです。
● ポイント1:体力との相談
年齢を重ねると、疲れやすさや回復の遅さを実感することもあります。長時間勤務や力仕事は避け、短時間・軽作業・座り仕事を軸に仕事を選ぶのが理想です。週2~3日の勤務から始め、体に合うかを見極めましょう。
● ポイント2:収入の目標を明確に
「月にいくら稼げば安心か?」という目標を持つと、仕事の種類や働き方が明確になります。例えば、年金に加えて月3〜5万円の収入があれば、日々の生活が大きく変わるという人も多いはずです。無理にフルタイムで働くのではなく、“必要な分だけ”働く設計が心の余裕にもつながります。
● ポイント3:やりがいのある仕事を選ぶ
収入だけでなく、「人との会話がある」「感謝される」「地域に貢献できる」などのやりがいも仕事を長続きさせる大切な要素です。自分の経験や強みが活かせる場であれば、自己肯定感も高まり、働くことが「楽しい時間」になります。
● ポイント4:通勤距離や勤務時間も重要
家から遠すぎたり、朝が早すぎる仕事は、続けるうちに負担になることも。できるだけ自宅近くで、通勤に負担のない職場を選ぶのも、継続のコツです。最近では、在宅でできるシニア向けの仕事も徐々に増えてきています。
再就職を「お金のためだけ」と捉えると、気力も体力も続きません。だからこそ、自分にとって無理なく続けられる働き方を見つけることが、“長く元気に働く”秘訣になります。
4.【収入アップの工夫】年金+月5万円を実現する働き方のコツ
「年金だけでは足りない。でも、フルタイムで働くのは体力的に不安…」
そんな声に応えるために、無理なく“月5万円の副収入”を得るためのコツをご紹介します。これは「週3日、1日4時間前後」の勤務でも十分に実現可能です。
● コツ1:時給より“安定して稼げる仕事”を選ぶ
たとえば、清掃スタッフや施設管理、警備、家事代行などは長期で安定した勤務がしやすく、時給1,000円前後でも週3日の勤務で月5万円に到達できます。短時間でもコツコツ働くことで、着実に収入を積み重ねられます。
● コツ2:複数の仕事を組み合わせてみる
1つの仕事で十分な収入を得るのが難しい場合は、「午前は清掃、週末はイベント警備」など、掛け持ちも視野に入れることで調整できます。働く時間も分散できるため、体への負担も軽減されます。
● コツ3:交通費や食事補助など“実質収入”にも注目
時給ばかりを見がちですが、企業によっては交通費支給・制服貸与・昼食補助など、手元に残る金額が増える待遇もあります。これらを含めた“実質収入”を見れば、実際には月5万円以上の価値を得ていることも。
● コツ4:シニア歓迎の職場を狙う
近年は「シニア人材の経験や人柄」を評価して、65歳以上の採用に力を入れる企業も増えています。特にスーパー・介護・警備・マンション管理・軽作業などの分野では「年齢不問」や「70代も活躍中」といった求人も多く見られます。
月5万円という数字は、1日あたりに直すと約1,700円。これなら現実的に達成できる金額ですし、ちょっとした旅行費や医療費、交際費の補填にもなります。まずはできる範囲で「小さく稼ぐ」ことから始めてみましょう。
5.【働くメリットはお金だけじゃない】社会参加と健康維持の好循環
「働く」と聞くと、多くの人は真っ先に「収入」を思い浮かべるかもしれません。しかし、65歳以降のシニア世代にとって、働くことにはお金以上の大きなメリットがあります。とくに注目したいのが、「社会参加」と「健康維持」の視点です。
● 外に出ることが“健康寿命”を延ばす
高齢者の健康を左右する要素の一つが「外出頻度」です。人と会話をしたり、体を動かしたり、軽いストレスを感じるような刺激が脳や身体の活性化につながることは、医学的にも知られています。
厚生労働省の調査によれば、週に3回以上外出する人は、そうでない人より介護状態になるリスクが低いことが示されています(※出典:厚労省「高齢期における社会参加と健康」)。
● 人と関わることが“心の張り”になる
仕事を通じて誰かと関わることは、孤独や無気力を防ぐための大きな手段になります。「ありがとう」と言われる場面や、「自分が役に立っている」と感じる経験は、年齢に関係なく人の自己肯定感を高めてくれます。
特に定年後、急に社会との接点が減ってしまうと、心の健康にも悪影響が出やすいため、週に数回の仕事でも社会とつながり続けることは大切です。
● 働くことが生活リズムを整える
仕事があることで、朝決まった時間に起きる・着替える・移動するという規則正しい生活習慣が自然と身につきます。こうしたルーティンは、加齢による生活の乱れを防ぎ、心身の安定にもつながる要素になります。
● お金と健康、両方を手に入れる働き方へ
収入はもちろん大切ですが、働くことで得られる“生きがい”や“健康効果”は、目に見えにくいけれど確実に実感できるものです。「無理なく・人と関われて・ちょっと収入もある」──そんな仕事こそ、これからのシニアにとって最適な選択肢だと言えるでしょう。
6.【まとめ】年金に頼りきらない生き方で、安心のシニアライフを
年金だけでの生活に不安を感じるのは、決してあなただけではありません。年金月額が10万円前後という方は少なくなく、「働きながら生活を支える」という考え方は今や多くのシニアにとって現実的な選択肢です。
65歳を過ぎても、できる仕事はたくさんあります。たとえば清掃・警備・家事代行・配送・施設管理などは、未経験でも始められ、体力的負担も少なめな仕事が中心です。また、自分の体調や希望に合わせて「週2〜3日だけ働く」「午前中だけの短時間勤務にする」など、無理のない働き方を選ぶことで、長く続けることができます。
そして何より、働くことで得られるのはお金だけではありません。社会とのつながり・生活のリズム・人とのふれあい・自分の役割を再確認できる時間など、多くの“見えない価値”が生まれます。
これからの時代、年金だけに頼らない生き方を選ぶことは、より自由で安心なシニアライフを手に入れる第一歩です。まずは小さくても一歩を踏み出すことで、収入と健康、そして笑顔を両立する毎日が始まります。
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