1.【いきいき健康エクササイズとは?】高齢者にやさしい運動習慣の特徴
「いきいき健康エクササイズ」は、シニア世代の心身の健康をサポートするために考案された、やさしく無理のない運動プログラムです。激しい動きは必要なく、体力に自信がない方でも安心して取り組めるのが大きな特徴です。特に70代以降の方にとっては、日常生活の延長線上でできる運動が求められており、このエクササイズはまさにそのニーズに応えるものです。
主な内容は、以下のようなシンプルな動きが中心です。
・関節や筋肉をほぐすストレッチ
・椅子に座ったままでできる上半身の運動
・足腰の筋力を保つスクワットや足踏み運動
・深呼吸を取り入れたリズム運動
これらの運動は、テレビやラジオ体操と同じように習慣化しやすく、継続することで姿勢の改善、歩行の安定、さらには転倒予防などにも効果があるといわれています。
また、名称にある「いきいき」という言葉が象徴するように、単なる健康維持ではなく、日々を前向きに楽しむ気持ちを大切にする点もこのエクササイズの魅力のひとつです。自宅でのセルフケアとして取り入れられるだけでなく、地域の交流サロンや高齢者向け教室などで集団活動としても実施されています。
たとえば東京都健康長寿医療センター研究所によると、高齢者が週1回以上の軽度な運動を継続すると、要介護になるリスクが30~40%減少するという研究結果も報告されています(※参考:東京都健康長寿医療センター研究所 調査結果)。
このように「いきいき健康エクササイズ」は、体力だけでなく、心の健康や社会とのつながりも育むための土台となる活動として、全国のシニアに注目されています。
2.【健康維持の秘訣】なぜシニア世代にエクササイズが必要なのか
年齢を重ねると、筋力や柔軟性、バランス感覚が少しずつ衰えていきます。とくに70代以降は、日常の動作ひとつひとつに「転びやすくなった」「疲れやすい」「息切れしやすい」といった変化を感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、こうした体の変化は「老化だから仕方ない」と諦める必要はありません。適度な運動を習慣にすることで、体の衰えを緩やかにし、健康寿命を延ばすことができるのです。
実際に、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、65歳以上の高齢者に対して「強度を問わず1日40分以上の身体活動を行うこと」が推奨されています(※参考:厚生労働省|健康づくりのための身体活動基準)。
さらにエクササイズがもたらすのは身体面のメリットだけではありません。以下のような効果も期待できます。
・認知症の予防:軽い運動でも脳が活性化し、記憶力や判断力の低下を抑制
・ストレス解消:深呼吸やゆったりした動きにより、自律神経のバランスが整う
・社会参加のきっかけに:運動教室や地域の体操サークルなどで仲間づくりができる
とくに退職後の生活では、活動量が大きく減る傾向があります。そのため、あえて「体を動かす時間」を作ることが、元気な毎日を支える“生活習慣病予防”の一歩となります。
また、日々のちょっとした体の不調を見逃さず、運動によって改善していくという意識を持つことも大切です。軽いエクササイズであっても、「昨日より体が軽い」「今日はよく眠れた」という小さな変化が、心の自信につながっていきます。
「元気に働き続けたい」「まだまだ社会の役に立ちたい」と考えるシニア世代にとって、いきいき健康エクササイズは、自分の可能性を広げるための“健康への投資”とも言えるでしょう。
3.【こんな人におすすめ】運動不足・孤独・体力低下を感じたら
「最近、なんとなく体がだるい」「階段の上り下りがつらくなってきた」──そんな小さな変化を感じている方にこそ、「いきいき健康エクササイズ」はおすすめです。特に以下のような悩みや不安を抱えるシニア世代に、実践するメリットがあります。
運動不足が気になる方へ
退職後は外出の機会が減りがちで、知らず知らずのうちに運動量が低下します。歩く距離が減ると足腰の筋力も衰え、転倒や骨折のリスクが高まります。「家にずっといるだけで体が固まるような感じがする」と感じている方には、椅子に座ったままできる体操や、テレビを見ながら行うエクササイズがぴったりです。
孤独感を抱えている方へ
人との接点が少なくなると、気づかないうちに心の健康も損なわれます。「話し相手がいない」「笑う機会が減った」──そんな方は、地域のいきいき教室やシニア向けのサロン活動を通じて、運動と交流を同時に楽しむことができます。体を動かしながら自然と会話が生まれ、気持ちも前向きに。
体力や気力の低下を感じている方へ
「昔のように元気に動けない」「仕事をしたいけど体力が心配」と感じている方は、まず“体をならす”ことが大切です。いきいき健康エクササイズは、日常生活の動きを少し強化する程度のものからスタートできるため、無理なく始められます。慣れてくると「もっと動きたい」という気持ちも芽生えてくるでしょう。
一歩を踏み出すきっかけに
運動を始めるのに、年齢も体力も関係ありません。たとえ70代であっても、「これからの人生をよりよく生きるための手段」として健康エクササイズは大きな役割を果たしてくれます。
「やってみようかな」と少しでも思った瞬間が、人生をいきいきと変えるスタートラインです。
4.【エクササイズ例】毎日3分から始められる!おすすめの動き5選
いきいき健康エクササイズは、特別な道具も広いスペースも必要ありません。短時間でできるシンプルな動きでも、続けることで効果を実感できます。ここでは、70代の方でも無理なく始められるおすすめのエクササイズを5つご紹介します。
1. 椅子に座ったまま足踏み運動(1分)
椅子に深く腰掛けて、背筋を伸ばし、左右の足を交互に上げ下げするだけ。呼吸を意識しながら、リズミカルに動かしましょう。太ももや股関節の筋力を刺激し、血行促進や足腰の強化につながります。
2. 肩回しストレッチ(1分)
肩こりや姿勢改善に効果的。両肩をゆっくりと前回し・後ろ回しに各10回ずつ回します。ポイントは「深く呼吸しながら動かす」こと。縮こまりやすい上半身がスッと楽になります。
3. 背伸び&深呼吸(30秒)
両手を頭上に上げて、背中から腰にかけて伸ばしながら、ゆっくりと深呼吸を行います。胸を開くことで呼吸がしやすくなり、リラックス効果も得られます。朝のスタートや、作業の合間におすすめ。
4. 手のグーパー体操(30秒)
肩こりや冷え性に悩む方に効果的なのが、手先の血行を促す「グーパー体操」。両手を前に出して、グー・パーをリズミカルに繰り返すことで、脳の活性化や手の柔軟性維持にもつながります。
5. 軽いスクワット(1分)
足を肩幅に開いて、椅子に軽く腰をかけるようなイメージでスクワット。無理は禁物なので、5〜10回程度から始めましょう。太もも・お尻・背中と広範囲の筋肉を動かす万能エクササイズです。
毎日少しずつがコツ
これらの動きはすべて合わせても5分程度。慣れてくれば、テレビを見ながら、朝の習慣に、就寝前のリラックスタイムにと、自分の生活に自然に組み込めるようになります。
「体力に自信がないから不安…」という方も、まずは1つだけでもOK。小さな一歩が、やがて“元気に働ける体”を育む第一歩になります。
5.【仲間と続けるコツ】地域のサロンや教室でつながりを育もう
エクササイズを継続するうえで、「一人だと続かない」「つい忘れてしまう」という悩みを抱える方は多いものです。そんなときに力になってくれるのが、地域で行われているサロン活動や健康教室です。
サロンや教室で得られる3つのメリット
1.仲間ができることで習慣化しやすい
人と一緒に運動することで、励まし合いながら自然と習慣になります。週1回の教室参加が生活リズムの軸になり、健康意識も高まります。
2.孤独感の解消・メンタル面の安定
運動しながらの軽い雑談、教室の前後での交流が心の支えに。「誰かと会う予定がある」と思うだけで日々の張り合いが生まれます。
3.運動の正しい方法が学べる
地域の健康づくり事業やNPO法人などが開催している教室では、介護予防運動指導員などの専門家が安全に配慮したプログラムを提供しています。
参加できる場所の探し方
・市区町村の広報紙、役所の健康課
・地域包括支援センター
・老人福祉センターや公民館
・スーパーの掲示板や地域新聞
最近では、民間のスポーツクラブでも「シニア向け健康体操」や「ゆる運動教室」などが用意されているケースも増えています。
気軽に参加することが第一歩
「運動経験がない」「初対面の人は苦手」という方でも大丈夫。多くのサロンや教室では、見学や体験参加を受け付けており、スタッフや参加者もシニア世代が中心なので安心してなじめます。
一人では続かないことも、仲間となら楽しみながら続けられる。体と心の両方を元気にしてくれる“居場所”として、地域のエクササイズ活動をぜひ活用してみてください。
6.【仕事にも効果あり】健康な体が“働ける自信”につながる理由
「もう一度働きたい」「できる範囲で社会に貢献したい」──そう考えても、年齢や体力の不安が一歩を踏み出すブレーキになることがあります。しかし、いきいき健康エクササイズを継続することで、体力面の不安が和らぎ、自信を持って仕事に向き合えるようになる方が増えています。
身体の安定が“働ける力”に直結
年齢を重ねると、立ち仕事や移動のある仕事に不安を感じがちですが、定期的な運動習慣によって以下のような変化が期待できます。
・姿勢が安定し、疲れにくくなる
・転倒やケガの予防につながる
・関節の可動域が広がり、動きがスムーズに
特に高齢者に人気のある仕事(清掃、施設管理、軽作業など)は、一定の体力を求められます。「体を動かすことに慣れている」状態であれば、業務中の負担も少なく、長く続けやすくなります。
「できる自分」に自信が持てるように
身体を動かすことは、心にも良い影響を与えます。とくに運動を習慣にしている方は、自律神経が整いやすく、前向きな気持ちを保ちやすいとされています。
「今日もちゃんと動けた」「少しずつ筋力が戻ってきた」──そんな実感が自己肯定感につながり、「自分にもまだ役割がある」「働けるだけの力がある」と思えるようになるのです。
仕事と健康は好循環で回る
いきいき健康エクササイズを通じて体が元気になる
→ 元気になると「働いてみよう」と思える
→ 働くことで社会とのつながりができ、さらに健康が保たれる
このように、エクササイズと仕事は相互に影響し合いながら、“健康と充実”の好循環をつくっていきます。
「何か始めたい」と思ったときこそ、まずは体づくりから。未来の選択肢を広げるためにも、今日の3分の運動が、明日の“働ける体”を支えてくれるのです。
7.【まとめ】エクササイズで見つける健康と社会参加の好循環
「年齢を重ねても元気でいたい」「もう一度働きたい」「人とのつながりを大切にしたい」──そう願うシニア世代にとって、いきいき健康エクササイズはそのすべてをつなぐ“入り口”になります。
本記事では以下のポイントをご紹介しました。
・いきいき健康エクササイズは、無理なく続けられるシニア向けの運動習慣
・運動不足、体力低下、孤独感の解消に効果的
・自宅でできる簡単な動きから、地域での仲間づくりまで幅広く活用可能
・健康な体が、「働きたい」という気持ちを支える土台になる
たった1日数分の運動でも、それを続けることで得られるメリットは計り知れません。体力の回復、心の安定、そして新しい人間関係や仕事との出会い——エクササイズは、シニアの毎日に前向きな変化をもたらしてくれます。
「やってみようかな」と思った瞬間が、変化の始まりです。年齢に関係なく、自分らしく元気に働き続けるために。まずは今日、体を少し動かしてみませんか?
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