性格・目的別で選ぶ!シニア世代の「使える資格」完全ガイド

仕事

1.はじめに|シニアにも資格は役立つ?

定年後も「学び直し」が増えている背景

近年、「学び直し」や「リスキリング(再技能習得)」という言葉が注目され、定年後も新しい知識やスキルを学ぶ高齢者が増えています。背景には、人生100年時代を見据えた“長く働く”ライフスタイルへのシフトがあります。

内閣府の「高齢者の就業に関する意識調査(令和元年)」によれば、60歳以上の約7割が「できる限り働きたい」と回答しています。その中でも「何かの資格を取って、別の仕事に挑戦したい」と考える人は少なくありません。

高齢期における学びは、単なるスキル獲得だけでなく、「生きがいの創出」や「社会参加」にもつながる重要な要素です。


資格は“収入”だけでなく“やりがい”や“自信”にもつながる

資格を取得することで、再就職や副業といった経済的メリットを得られるのはもちろんですが、それ以上に「自分にもまだできることがある」という自信や、「新しい世界に関わる楽しさ」が得られるのも大きな魅力です。

たとえば、介護や清掃、販売の現場では、シニアならではの落ち着きや丁寧さが喜ばれるケースが多くあります。資格があれば、そうした現場に安心して飛び込むきっかけにもなります。

このガイドでは、性格や目的に合わせて「本当に使える資格」を紹介していきます。あなたにぴったりの資格がきっと見つかるはずです。


2.性格・目的別|あなたに合った「本当に使える資格」とは?

シニアが資格を選ぶ際に大切なのは、「収入につながるかどうか」だけでなく、自分の性格やライフスタイルに合っているかどうかです。ここでは目的や性格タイプに応じて、実際にシニア世代の仕事や副業で“使える”資格をご紹介します。


①体を動かすのが好きな人向け:介護職員初任者研修・配送関連資格など

「じっとしているより、体を動かす方が性に合っている」という方には、介護・配送系の資格がぴったりです。

おすすめ資格:

介護職員初任者研修
 高齢化が進む中、介護の人材は常に不足しています。未経験からでも始められ、実際に働く現場で即戦力として重宝される資格です。体を動かしながら、人の役にも立てるやりがいのある仕事です。
普通自動車第二種運転免許
 福祉タクシーや高齢者送迎など、ニーズが拡大している分野。運転が得意な方には副業にも最適です。


②人と接するのが得意な人向け:登録販売者・接客系資格など

「人と話すのが好き」「誰かの役に立ちたい」と感じる方には、販売・接客に役立つ資格がおすすめです。

おすすめ資格:

登録販売者
 薬局やドラッグストアで、一般用医薬品(第2・第3類)の販売ができる国家資格。シニアの採用も増えており、パート勤務にも向いています。
サービス接遇検定
 接客マナーやコミュニケーション能力を証明できる資格。スーパーや観光案内所など、地域で活かせる場面も多いです。


③コツコツ作業が得意な人向け:調理師・清掃管理・危険物取扱者など

「一人で黙々と作業するのが得意」「細かいことが気にならない」タイプの方には、裏方業務に役立つ資格が最適です。

おすすめ資格:

調理師
 資格があれば老人ホームや学校給食、地域の飲食店などでも働きやすくなります。料理好きなら楽しみながら続けられる仕事です。
清掃作業監督者/ビルクリーニング技能士
 高齢者にも人気の清掃業。資格があればリーダーや現場指導員としての採用も目指せます。
危険物取扱者(乙種第4類)
 ガソリンスタンドや工場勤務などで必要とされる資格。短期間で取得でき、需要も安定しています。


④知識を活かしたい人向け:ファイナンシャルプランナー・宅建士など

「知識を活かしてアドバイザー的な仕事がしたい」という方には、相談業務や事務系に役立つ資格が向いています。

おすすめ資格:

ファイナンシャルプランナー(FP)
 年金、税金、資産運用などの幅広い知識が身に付きます。家計相談や副業アドバイザーなどにも活用できます。
宅地建物取引士(宅建士)
 不動産会社での契約業務などに必要とされる国家資格。経験者であれば、シニアでも十分戦力になります。


⑤趣味を活かして働きたい人向け:写真技能士・色彩検定・パソコン関連資格など

「趣味や好きなことを仕事にできたら理想的」という方には、クリエイティブ系やパソコン系の資格がおすすめです。

おすすめ資格:

写真技能士/フォトマスター検定
 地域イベントやシニア向け写真教室の講師、副業としての撮影依頼などに発展できる可能性も。
色彩検定/カラーコーディネーター
 ファッションやインテリア、店舗ディスプレイなどに興味がある方におすすめ。趣味と実益を兼ねた資格です。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
 Word・Excelの実践スキルを証明する資格。事務パートや在宅ワークにも役立ちます。


3.資格取得にかかる費用と期間の目安

資格を取る際に気になるのが、「どのくらいお金と時間がかかるのか?」という点です。
ここでは、資格取得までの費用感期間を、学習方法ごとに比較しながら解説します。


通信講座・通学・独学など方法別比較

学習スタイル特徴費用の目安学習期間の目安
通信講座自宅で自分のペースで学べる。添削や質問対応付きのことが多い。約3万〜10万円2〜6ヶ月
通学講座講師から直接学べる。仲間と一緒に学びたい人向き。約5万〜20万円1〜3ヶ月(短期集中もあり)
独学教材を自分で購入し、完全に自己管理で進める。約3,000円〜1万円(参考書・過去問など)1ヶ月〜半年(資格による)

たとえば、「介護職員初任者研修」は通信講座であれば5〜8万円程度、通学なら10万円前後。
一方、危険物取扱者などは独学でも十分合格可能で、受験料(4,600円)とテキスト代だけで済みます。


高齢者の学割や助成金制度の活用

費用が気になる方には、各自治体やハローワークで実施されている助成金や割引制度の活用もおすすめです。

シニア向けの職業訓練(公共職業訓練)
 ハローワーク経由で無料受講できるコースもあり。パソコン、介護、清掃など、就職に直結する内容が多く用意されています。
地域によっては受講費一部補助もあり
 例:東京都「シニアしごと応援塾」など、講座費用の補助制度を設けている自治体も。
教育訓練給付制度(雇用保険加入歴がある場合)
 通信講座やスクール受講時に費用の20%(最大10万円)まで戻ってくるケースもあります。

こうした制度を活用すれば、負担をぐっと抑えて資格取得が目指せます。


4.資格を活かして再就職・副業するには?

資格を取得しただけでは、仕事につながるとは限りません。
大切なのは、資格をどう活かすか、そして仕事探しや面接でどうアピールするかです。ここでは、シニアが資格を武器に新しい仕事を見つけるためのポイントをご紹介します。


資格が活きる求人の探し方

資格を活かせる求人を見つけるには、シニア世代を対象にした専門求人サイト地域密着型のサービスを活用するのが有効です。

おすすめの探し方:

シニア向け求人サイトの利用(例:「キャリア65」など)
 年齢を問わず応募できる仕事や、資格取得者を歓迎する案件が多数掲載されています。
ハローワークでの相談
 シニア専門の就職相談員がいる窓口もあり、資格と希望職種に合った求人を紹介してもらえます。
自治体のシルバー人材センター
 軽作業や短時間勤務中心ですが、清掃や調理、講師などの資格を活かせる仕事もあります。


実務経験がない場合の伝え方と工夫

「資格は取ったけど、経験がないから不安…」という方も多いかもしれません。しかし、未経験でもしっかり伝え方を工夫すれば、十分にチャンスはあります。

面接や履歴書でのアピールポイント:

・「なぜこの資格を取ったのか」を明確に伝える
 例:「人の役に立ちたいと思い、介護職員初任者研修を取得しました」
シニアならではの強みを加える
 「長年の社会経験」「落ち着いた対応力」「継続力」は、多くの職場で歓迎されるポイントです。
実技講座やボランティア経験があれば強調
 たとえば、清掃講座や地域活動などの実績も立派な経験として伝えましょう。

また、仕事に慣れていくうちに実務経験が積めるため、最初は“補助的な業務”から始めるのも効果的です。小さな一歩を積み重ねることが、安定した働き方につながります。


5.まとめ|資格を「人生の再スタート」に活かそう

定年後の人生は、決して“余生”ではありません。新たな挑戦や社会とのつながりを築く、大切な“第二の人生”です。そんな中、資格はあなたの可能性を広げ、再び社会に関わるための強力なパスポートになります。

本記事で紹介したように、資格は単に収入を得るための手段ではなく、自分の性格や価値観に合った働き方を実現する手段でもあります。

たとえば、

・「体を動かすのが好きだから、介護や清掃の現場へ」
・「人と話すのが得意だから、販売や接客にチャレンジ」
・「趣味を活かして、写真やパソコンを仕事に」

というように、あなた自身の「好き」や「得意」を大切にしながら、無理なく社会と関わり続けることができます。

また、資格取得は自信にもつながります。「まだまだやれる」「自分の力を活かせる」という気持ちが、日々の生活に張りをもたらし、健康維持にもつながるのです。

年齢はただの数字。70代からの資格取得・仕事探しは、きっと人生を豊かにしてくれる“前向きな第一歩”になるはずです。
「まだ間に合うかな?」と思った今が、始めどきです。

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