若い世代と一緒に働くときのコツとは?シニアが円滑に職場になじめる5つのポイント

仕事

はじめに|なぜ今、世代を超えた職場づくりが重要なのか

少子高齢化が進む日本では、60代以上の方が職場で活躍する機会が急増しています。特にパートや契約社員として再就職する高齢者が増える一方で、職場には20〜30代の若い世代も多く働いており、「世代間のコミュニケーション」に戸惑う声も少なくありません。

厚生労働省によると、2022年時点で65歳以上の就業者数は912万人を超え、過去最多を更新しました(※出典:総務省「労働力調査(基本集計)」2023年発表)。つまり、今や「若い世代と一緒に働く」という状況は、特別なものではなくなっているのです。

世代の違いによる価値観や働き方のギャップをうまく乗り越えることは、より円滑な職場環境をつくるうえで非常に大切なテーマです。お互いを理解し、気持ちよく働ける関係を築くことができれば、仕事も毎日ももっと楽しくなります。

この記事では、シニア世代が若い世代と一緒に働くうえで知っておきたい「注意点」や「心構え」を5つのポイントでお伝えしていきます。


1.世代間ギャップはあって当然!まずは「違い」を理解しよう

「最近の若い人は何を考えているのかわからない」と感じたことはありませんか?
実はその感覚、決してあなただけではありません。
世代ごとに育った環境や価値観、教育、社会背景が異なるため、考え方や行動に“違い”があるのは自然なことなのです。

たとえば、団塊世代やバブル世代は「努力・根性・我慢」が美徳とされていた一方、今の若い世代(Z世代と呼ばれる20代前半〜30代前半)は「自分らしさ」や「効率性」を重視します。働く目的も、「出世」や「長く勤める」ことより、「ワークライフバランス」や「やりがい」が大切と感じている人が多い傾向にあります。

こうしたギャップに対して、「最近の若者は…」と否定的な見方をしてしまうと、関係がぎくしゃくしてしまう可能性も。まずは「自分と違うのが当たり前」と受け止め、相手の考え方や価値観を知ろうとする姿勢が、信頼関係を築く第一歩です。

ポイントは、“違いを乗り越える”のではなく、“違いを楽しむ”という気持ちを持つこと。たとえば、「今どきの言葉」や「最近のトレンド」などを教えてもらうことで、会話が広がることもあります。世代を超えた交流には、あなた自身の視野を広げるチャンスも詰まっているのです。


2.若手との円滑な関係づくりに効く“5つのコツ”

世代の違いがある中でも、良好な人間関係を築くことは十分に可能です。以下では、若い世代と気持ちよく働くためにシニア世代が意識したい5つのポイントをご紹介します。

①「教えすぎない」姿勢が信頼を生む

シニア世代は豊富な経験を持っていますが、それが時に「上から目線」と受け取られてしまうことも。若手に助言をするときは、「私の経験ではこうだったよ」と“提案型”に伝えると好印象です。


② わからないことは素直に聞く

「こんなことも知らないの?」と思われたらどうしよう…とためらわず、遠慮せずに聞くことが大切。若い世代は、質問を受けることで信頼されたと感じ、関係が深まるケースも多くあります。


③ 自分の価値観を押しつけない

「昔はこうだった」「普通こうするでしょ」という言葉は、知らず知らずのうちに壁をつくってしまいます。今のやり方や考え方にも耳を傾け、「なるほどね」と受け止める柔軟性が円滑な関係の鍵です。


④ 雑談の中で共通点を探す

世代が違っても、家族の話、テレビの話、食べ物の話など、共通の話題はたくさんあります。休憩中の何気ない会話が、お互いの距離を縮める大きなきっかけになります。


⑤ 無理に若者に合わせようとしすぎない

若者の流行や言葉を無理に使おうとすると、かえって不自然に見えてしまうことも。無理をせず、自然体で接することが大切です。「わからないことは教えて」と頼る姿勢の方が、親しみやすく映る場合もあります。


大切なのは、お互いにリスペクトを持ち合うこと。年齢差があっても、一緒に働く仲間として信頼を築く努力が、職場での居心地のよさにつながります。


3.トラブルを避けるために知っておきたいNG行動とは?

若い世代と気持ちよく働くためには、よかれと思った言動が“地雷”にならないよう注意することも大切です。ここでは、シニア世代がついやってしまいがちな「避けたい行動」とその理由を解説します。

● NG①:昔の価値観を押しつける

「俺の若いころは…」「そんなことで疲れたなんて言うな」は要注意。時代背景が違えば、働き方や考え方が違うのは当たり前です。こうした言葉は、「話が通じない」「理解しようとしていない」と受け取られ、溝が深まってしまいます。


● NG②:若い人を“若いから”とひとくくりにする

「最近の若い人は〇〇だからね」といった発言も避けたいところ。年齢で括られるのは、どの世代にとっても嬉しいものではありません。一人ひとりを個人として尊重することが大切です。


● NG③:敬語を使わない・雑な対応をする

年下の上司や先輩に対して、呼び捨てやタメ口を使ってしまうと、相手に「軽んじられている」と感じさせてしまいます。年齢にかかわらず、礼儀あるコミュニケーションを心がけましょう。


● NG④:教える時に感情的になる

「どうしてわからないの?」「そんなことも知らないの?」といった言い方は、指導する側の感情が表に出すぎてしまいます。相手が萎縮してしまい、その後の関係にも悪影響が出るおそれがあります。


こうした“ちょっとしたこと”が、信頼を崩すきっかけになることもあります。逆にいえば、相手の気持ちに配慮することで、信頼はすぐに育ちます。人間関係のトラブルを防ぐには、「尊重」と「距離感」を意識することが何より大切です。


4.新しい環境を楽しむ気持ちが、あなたの価値を引き出す

シニア世代の再就職では、「自分が職場に溶け込めるだろうか」「若い人とうまくやれるか不安」という声をよく聞きます。けれども実際には、前向きな姿勢で新しい環境に飛び込んだ方ほど、若い世代から信頼され、職場でも大切な存在になっていく傾向があります。

新しい仕事や人間関係に挑戦することは、たしかにエネルギーが必要です。しかし、その分得られる“喜び”や“気づき”も大きく、あなたの人生に新たな彩りを加えてくれます。

◆「学ぶ姿勢」は年齢に関係なく歓迎される

若い世代の中には、年上の方とどう接すればよいか悩む人もいます。そんなとき、「教えてもらえてうれしい」「ありがとう」と素直に言ってくれるシニアの存在は、若者にとっても安心できる存在になります。年齢よりも「人柄」や「関わり方」が信頼を生むのです。


◆「自分らしさ」を大切に

無理に若者のように振る舞う必要はありません。あなたには、これまで積み上げてきた経験と、人生の深みがあります。それを押しつけるのではなく、自然ににじませることで、あなたの“価値”は自然と伝わります。


◆小さな変化や成長を楽しもう

たとえば、新しい用語を覚えたとき、新しいシステムに慣れたとき。そんな「できた!」の積み重ねが、日々の充実感につながります。シニア世代こそ、「まだまだ伸びしろがある」という楽しさを実感できる世代でもあるのです。


新しい環境を「不安」ととらえるか、「楽しみ」ととらえるかで、日々の働き方は大きく変わります。あなたの前向きな姿勢は、周囲にもよい影響を与え、世代を超えた信頼関係を育てていくことでしょう。


まとめ|年齢の違いを超えて、働きやすい職場を築こう

若い世代と一緒に働くことは、最初は少し戸惑うかもしれません。しかし、年齢が違うからこそ、お互いの考え方や価値観を知ることができ、それが新しい学びや喜びにつながることもあります。

今回ご紹介したように、世代間の違いを理解し、敬意をもって接することで、職場での関係性はぐっと良くなります。「教える」より「一緒に考える」、「主張する」より「耳を傾ける」姿勢が、信頼を築くカギです。

特にシニア世代は、人生経験や落ち着いた人柄が大きな強みとなります。若手と接する中で、自分では気づいていなかった“価値”や“役割”が見えてくることもあるでしょう。

一方で、思わぬ一言がすれ違いや誤解を生むこともあるため、日々のコミュニケーションにはちょっとした配慮も必要です。それさえ意識すれば、世代の違いを越えて「働きやすさ」は自分の手でつくることができます。

働くことは、生活のためだけでなく、心の充実や社会とのつながりを得る手段でもあります。年齢にとらわれず、互いに学び合い、支え合える関係を築くことで、職場はもっと居心地の良い場所になっていくはずです。

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