孫育てシニアは若々しい!科学が証明する認知症予防の意外な方法

健康

はじめに:孫育てと認知症予防の意外な関係

「孫の面倒を見ることが、認知症の予防につながる」という驚きの研究結果が話題を集めています。
年齢を重ねるにつれ、「もの忘れが増えたかも」「頭の働きが鈍くなってきた」と感じる方も少なくありません。しかし、日々の暮らしの中で“脳を刺激する習慣”を自然に取り入れることで、認知症のリスクを減らすことができるのです。

今回は、「孫育て」がなぜ認知症予防に効果的なのか、科学的な根拠とともに詳しく解説します。
孫と過ごす時間が、シニア自身の心身の健康につながる——そんな前向きなヒントをお届けします。


1.孫の世話が脳にいいって本当?最新研究が示す驚きの結果

JAMA掲載の研究とは

2025年7月、米国の医療学術誌「JAMA Network Open」にて発表された研究結果が注目を集めました。
この研究では、中国の高齢者およそ1万人を対象に、孫の世話と認知症リスクの関係を調査。驚くべきことに、「定期的に孫の面倒を見ている祖父母」は、認知症の発症リスクが統計的に低いことが明らかになったのです。


中国の高齢者1万人を対象にした調査概要

この研究では「親権は持たないが、定期的に孫の面倒を見ている高齢者」に注目しました。
介護や育児を主とせず、週数回など軽度の関わりであっても、「記憶力」「言語能力」「コミュニケーション力」の維持に好影響があることが確認されています。


「非親権で定期的に世話する」人の認知症リスクが低い理由

研究者らはこの結果を、いわゆる「使わなければ衰える」という理論に基づいて解釈しています。
孫とのやり取りでは、身体を動かしたり、会話をしたり、予定を立てたりと、自然と複数の認知機能が働きます。
このように、日常の中に「軽度な身体的・精神的な刺激」が継続的にあることで、脳の健康を保ちやすくなるのです。


2.「孫育て」が認知症対策になる3つの理由

孫の世話が単なる“家族の手伝い”ではなく、シニア自身の脳の健康にもプラスに働く理由は、主に以下の3つにあります。


① 体も頭も使う複合的な活動で脳が活性化

孫の世話には、歩いたり抱っこしたりといった身体的な動作に加え、
「今日のおやつは何にしよう」「明日の送り迎えは何時だっけ?」といった思考力・記憶力を使う行動が自然に含まれます。

たとえば3歳の孫と1日を過ごすと、絵本の読み聞かせ、トイレの補助、話しかけや会話など、
大人が想像する以上に複雑なタスクが連続します。
このような“段取り”や“反応”が求められる行動は、脳の前頭前野をはじめとする重要な部位を活性化させることがわかっています。


② 孫とのふれあいが「社会的つながり」をつくる

高齢になると、孤立感や閉じこもりがちな生活が認知機能の低下を招きやすいといわれています。
孫とのふれあいは、家庭内での定期的な会話笑顔のやりとりにつながり、
自然と“社会的な刺激”を受ける機会が増えることに。

また、孫の成長を見守る中で、「保育園でこんなことがあったの」「最近はこんな遊びが流行っているよ」といった新しい情報にも触れるようになります。
こうした情報の更新も、脳の働きに良い影響を与えるとされています。


③ 子育て経験を活かすことで自己効力感が高まる

「自分の経験が役立っている」「家族に感謝されている」
そんな実感を持てることは、精神的な充実感につながります。

心理学では、こうした「自分にはできる」という実感を“自己効力感”と呼びますが、
自己効力感が高い人はストレスに強く、認知機能の低下も起きにくい傾向があるとされています。

孫育てという形で“役割”を持つことは、年齢に関係なく人間としての自信を育み、
「まだまだ私も現役!」というポジティブな気持ちが、脳と心の健康を支えてくれるのです。


3.無理のない「孫育て」のすすめ方とは

「孫育てが認知症予防に良い」とはいえ、やりすぎてしまっては体や心に負担をかけてしまい、本末転倒です。
ここでは、シニアが無理なく孫との関わりを楽しみながら続けるコツをご紹介します。


毎日の負担にならない距離感を

まず大切なのは、「頑張りすぎない」ことです。
フルタイムの育児のように、毎日長時間関わるのではなく、週に1〜2回、数時間程度のサポートから始めるのがおすすめです。

孫の送り迎えや一緒におやつを食べるなど、短時間で心が通じる関わりでも十分。
「無理なく楽しい」と感じられる頻度を保つことで、長く続けることができます。


家族間でのルール作りや役割分担が大切

祖父母の“がんばりすぎ”を防ぐには、あらかじめ家族間でルールを話し合っておくことが重要です。

たとえば、

・何曜日の何時〜何時までなら対応できる
・食事や風呂は基本的に親が担当する
・体調が悪いときは無理せず休む

など、役割の範囲やお互いの期待値をすり合わせておくことで、トラブルやストレスを防げます。
「お願いしすぎてしまったかな」「断りづらい…」といったお互いの不安を解消することにもつながります。


地域の支援制度やファミリーサポートの活用も

最近では、自治体や地域団体が行っている子育て支援の仕組みを活用するシニアも増えています。
たとえば「ファミリー・サポート・センター」は、子育て中の親と支援できる人(主にシニア)をつなぐ公的な制度で、
「週1で子どもの送迎をお願い」「急な残業時に見てほしい」など、スポット的な依頼に対応できます。

孫がいない方でも参加できる仕組みもあるため、気軽に子どもと関われる環境として知っておくと便利です。


4.「孫がいない人」でもできる!脳に効くふれあい習慣

「孫がいないから、自分には関係ない話かも…」と思った方もご安心ください。
孫に限らず、子どもたちとのふれあいや世代間交流は、シニアの認知症予防に良い影響を与えると考えられています。

ここでは、孫がいない方や、孫と頻繁に会えない方でも取り入れられる“脳に効くふれあい習慣”をご紹介します。


地域の子育て支援ボランティアに参加する

全国の自治体では、子育て世代を支援するボランティア制度が数多く用意されています。
たとえば、地域の児童館での読み聞かせ、保育園での行事手伝い、子ども食堂のスタッフなど、
子どもと関わる機会が自然に得られる場が整ってきています。

これらの活動は、身体を動かすだけでなく、子どもとの会話や気配りなど多面的な脳の働きを促します。
また、他の参加者や親世代との交流もあり、社会的な刺激にもつながるため、まさに“生きた認知症対策”と言えます。


保育園や児童館での交流イベントに出てみる

地域によっては、保育園や子育て支援センターで「シニアとのふれあいイベント」が開催されていることも。
お手玉や昔遊び、紙芝居など、自分の得意なことを活かせる場として楽しめます。

参加には特別な資格や準備は不要なことがほとんどで、まずは一度参加してみるだけでも十分な刺激になります。
「また来てね」と子どもに言われると、自分の存在が社会に必要とされているという実感が得られるという声も多いです。


「シニア×子ども」世代間交流が生むプラス効果

こうしたふれあい活動を通じて得られるのは、単なる楽しさややりがいだけではありません
子どもと関わることによって、新しい情報や価値観に触れることができ、思考や感情が活性化します。
また、「ありがとう」と言われる体験は、自己肯定感や社会参加意識を高め、認知症リスクを下げる要素になるとされています。

「孫育て」がなくても、「地域の子どもと関わる習慣」があれば、同様の効果が期待できるのです。


まとめ:孫との時間が未来の健康につながる

「孫の世話が認知症予防に良い」という研究結果は、多くのシニア世代にとって心強いニュースといえるでしょう。
日常の中で体を動かし、会話をし、笑い合う——そんな何気ない時間が、実は脳にとって最高の刺激になるのです。

大切なのは、「無理のない範囲で続けること」。
孫の面倒を見ることに義務感を持ちすぎるのではなく、自分にとっても楽しく、心地よい関わり方を見つけることが健康長寿の秘訣です。

また、孫がいない方でも、地域の子どもたちとのふれあいやボランティア活動を通じて、同じような効果を得ることができます。
認知症は“脳と社会の孤立”が引き金になると言われる時代だからこそ、世代を超えた交流はとても大きな価値を持っています。

人生100年時代。
「誰かのために動くこと」が、「自分自身の健康を守ること」にもつながる。
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