シニア世代に人気の音楽スクールとは?趣味と社会参加を両立する新習慣

生活

1.シニアに「音楽スクール」が人気の理由とは?

近年、「音楽スクールに通うシニア世代」が増えています。定年を迎えた後、時間にゆとりができる一方で、「何か新しいことを始めたい」「社会とつながり続けたい」と考える人が増えているためです。

特に人気なのが、“学び直し”としての音楽。若い頃に楽器に憧れながらも機会がなかった人が、60代・70代になってようやく夢を実現するケースも多く見られます。

また、音楽には「人と人をつなぐ力」もあります。個人レッスンだけでなく、グループレッスンや合唱・アンサンブルといった共同体験を通じて、自然なかたちで新たな人間関係が築けるのも大きな魅力です。

さらに、シニア世代の習い事として“無理なく続けやすい”のもポイント。体力を酷使することが少なく、天候に左右されにくい室内活動であるため、健康維持と趣味を両立できる点も評価されています。

このように、音楽スクールは「生きがい・健康・交流」を同時に満たす場として、シニア世代の新たな定番になりつつあります。


2.音楽がもたらす5つのメリット|健康・脳・人間関係にも効果あり

音楽を“聞く”だけでなく、“演奏する”ことには、さまざまな健康効果があることがわかっています。ここでは、シニア世代にとって特にうれしい5つのメリットをご紹介します。

① 脳の活性化

楽器の演奏や歌唱は、指や口を使うだけでなく、譜面の読み取りや音感・リズム感の調整など、複数の脳領域を同時に使います。
カナダのモントリオール大学の研究によれば、楽器演奏は高齢者の認知機能維持に効果的であるとされています。音楽活動は「頭の体操」にもぴったりです。


② ストレス解消・気分転換

音楽には、心を落ち着かせたり、明るく前向きにしたりする心理的効果もあります。お気に入りの曲を歌ったり、メロディを奏でることで、心がスッと軽くなるのを感じる人も少なくありません。


③ 呼吸機能・姿勢の改善

歌唱や管楽器の演奏は、自然と腹式呼吸を使うため、呼吸筋を鍛える効果があります。また、良い音を出すためには背筋を伸ばす必要があるため、姿勢改善にもつながります。


④ 社会的なつながりの形成

音楽スクールでは、同世代だけでなく、若い世代と一緒に学ぶこともあります。世代を超えた交流が生まれることで、孤立感の解消や地域での居場所づくりにも効果的です。


⑤ 自己肯定感の向上

「この年齢で新しいことができた」「発表会で演奏できた」という体験は、大きな自信になります。音楽は“成果が目に見えやすい”習い事であり、上達を実感しやすいのも魅力です。


3.どんなジャンルが人気?シニア世代におすすめの音楽コース

音楽スクールではさまざまなジャンルのコースが用意されていますが、シニア世代にとって「始めやすく、続けやすい」ことは大切なポイントです。ここでは、特に人気のあるジャンルを5つご紹介します。


① ピアノ(エレクトーン含む)

指先を使うピアノは、脳の活性化や手先の器用さを保つためにも最適。
童謡や懐かしの昭和歌謡など、自分のペースで楽しめるレパートリーも多く、独学経験者が再挑戦するケースも多数あります。


② ボーカル・歌唱(ポップス・演歌・合唱など)

呼吸機能の向上や感情表現の訓練にもつながるため、心と体の健康を保つのにぴったり。
グループレッスンも多く、発表会やカラオケイベントなど、交流の機会も豊富です。


③ ウクレレ

軽くてコンパクト、指にも優しく、和音も比較的簡単に押さえられるため、「初めての弦楽器」として大人気。
ハワイアンからJ-POPまで幅広く対応でき、1日15分の練習でも上達が感じられるのが魅力です。


④ ハーモニカ

手軽に始められる上に持ち運びも楽な楽器。
演奏中に呼吸を深く行うため、肺活量の維持・強化に貢献するとして、健康づくりの一環として注目されています。


⑤ 和楽器(三味線・尺八など)

伝統文化への関心が高まるなか、和楽器にも人気が集まっています。
地域のサークルや演奏会での披露など、学びの先に“発信”の場があるのも魅力です。


楽器がなくてもOK!貸出制度や教室内使用も

多くの音楽スクールでは、初心者向けに楽器のレンタルや教室内使用を無料・低価格で提供しています。「まずは試してみたい」という方にもハードルは低くなっています。


4.初心者でも安心!音楽スクールの選び方とチェックポイント

「興味はあるけど、音楽なんて小学校以来…」「楽譜も読めないのに大丈夫?」
そう感じている方も多いのではないでしょうか。音楽スクールは、初心者でも無理なくスタートできる環境が整っています。ここでは、シニア世代が安心して通える教室を選ぶためのポイントを解説します。


① 初心者向けクラスや個別対応があるか

音楽スクールには「初心者大歓迎」とうたっていても、実際にはある程度の経験者向けという場合もあります。体験レッスンや問い合わせ時に、完全初心者への対応状況や教材の内容を確認しましょう。
個別レッスンやパート練習など、細やかな対応ができる教室がおすすめです。


② 講師との相性や指導スタイル

講師の年齢や雰囲気も意外と大事です。若い講師が多いスクールでは、テンポが速すぎると感じる方もいるかもしれません。
「ゆっくり丁寧に教えてくれる」「できたことを褒めて伸ばす」ようなスタイルの講師がいる教室は、モチベーションの維持にもつながります。


③ 通いやすさ(立地・時間・費用)

長く続けるには「通いやすさ」が欠かせません。駅近や自宅から徒歩圏内にあるか、駐車場があるか、バス路線が通っているかなどをチェックしましょう。
また、月謝の平均は地域差がありますが、個人レッスンで月8,000~12,000円程度が目安です。見学や体験時に無理なく続けられるか確認を。


④ 楽器のレンタル制度があるか

「楽器を買うのはちょっと…」という方も多いはず。ピアノやウクレレ、ハーモニカなどは教室での貸し出し対応がある場合もあります。
まずはレンタルで試してから、自分に合っていれば購入を検討するのも賢い方法です。


⑤ 発表の場やイベントがあるか

定期的な発表会や交流イベントがある教室は、学びにメリハリが生まれ、達成感も得られます。とくにシニア世代には、「誰かに見てもらう」経験が自己肯定感を高めるきっかけになることも。


▼チェックリスト表:スクール選びの確認ポイント

チェック項目確認すべき内容
対応レベル初心者対応・個別指導の有無
講師のスタイルゆっくり丁寧・褒めて伸ばす・相性の良さ
アクセスと費用通いやすさ(月謝・立地・時間)
楽器レンタルの有無貸出対応や初期費用を抑えられるか
発表・イベント機会交流やモチベーションにつながるか

⑥ 自宅近くの音楽スクールを探すには?

無理なく通い続けるためには、まず「近くにどんなスクールがあるか」を調べることが大切です。
以下の方法を活用して、通いやすい教室を見つけましょう。

● Web検索やGoogleマップ、Yahoo!ロコなどの地図検索
「音楽スクール 〇〇市」や「ピアノ教室 ○○駅周辺」などと検索すると、近隣のスクールが地図付きで表示されます。口コミ評価や写真も見られるため、雰囲気をつかみやすいです。

● 市区町村の広報誌・高齢者支援センターに相談
自治体の広報誌や、高齢者向けの「地域包括支援センター」などでも、地元の習い事や音楽サークルの情報が掲載されていることがあります。民間スクールだけでなく、公民館主催の低価格レッスンが見つかることも。

● 習い事比較サイトの活用
「ストアカ」「EPARKスクール」など、年齢別・目的別で検索できる習い事比較サイトもおすすめです。自宅近くの教室の体験レッスンを予約できるサイトも増えています。


5.音楽スクールが“仕事”につながることも?活かし方と実例

音楽スクールでの学びが、趣味にとどまらず「仕事」や「地域活動」につながるケースも増えています。
ここでは、音楽スキルを活かした実例と、収入ややりがいにつながる方法をご紹介します。


● 地域イベントや高齢者施設での演奏ボランティア

ピアノやウクレレ、歌などを練習しているシニアの中には、地域の夏祭りや敬老会、福祉施設の訪問イベントなどで演奏する機会を得る方もいます。
とくに高齢者施設では、「同世代による演奏」は入居者の心を動かし、共感を呼ぶと好評です。これは感謝されるだけでなく、自分の存在価値を再確認できる貴重な経験にもなります。


● 子ども向け音楽教室のアシスタント講師

長年の社会経験と温かい人柄を持つシニアは、子どもとの相性が良いとされており、音楽教室での「サポートスタッフ」や「アシスタント講師」として求められるケースも。
例えば、ピアノ教室で子どもの手指補助や練習の見守りを担当するなど、資格がなくても務まる業務もあります。教室によっては時給制での採用もあり、ちょっとした収入にもなります。


● オンライン発信や副業としての活用

最近では、自宅で演奏した動画をYouTubeやSNSで発信し、視聴者を集めているシニアも登場しています。
特に「70代から始めたウクレレ」や「夫婦で昭和歌謡」など、シニアならではのストーリーは注目されやすく、広告収益やレッスン依頼が来るケースもあります。


● 実例紹介:65歳から音楽で地域とつながったAさん

定年後にウクレレを始めたAさん(元営業職・65歳)は、地元の音楽スクールに週1回通いながら、町内のイベントや老人会での演奏依頼を受けるようになりました。
「音楽を通じて再び人と関わる場ができ、生活にハリが戻った」と話し、今では同世代向けにミニ講座も開いています。趣味が“役割”になる瞬間です。


「好きなこと」が「誰かのため」になり、さらには「収入」にもなる――
音楽スクールでの学びは、人生をもう一歩前に進めるきっかけにもなります。


6.まとめ|音楽スクールで“学び”と“つながり”のある生活を始めよう

音楽スクールは、単なる趣味の場ではありません。
シニア世代にとって、音楽は「健康を支え」「社会とつながり」「自己実現を叶える」ための、非常に価値あるツールです。

指を動かし、声を出し、仲間とリズムを合わせる。こうした行為が脳を刺激し、体を整え、心を満たしてくれる――それが音楽の力です。

また、「人生の新たなチャレンジ」として始めた音楽が、思わぬ形で地域や仕事に役立つこともあります。演奏を通じたボランティア、教室のサポート、そして発信活動。どれも自分の存在を実感できる大切な場になるでしょう。

年齢を理由にあきらめる必要はありません。むしろ、これまでの人生経験があるからこそ、音楽の深さや楽しさを味わえるという側面もあります。

さあ、次はあなたの番です。
一歩踏み出せば、新しい仲間、新しい自分にきっと出会えるはずです。

「学び」を活かして働きたい方へ。シニア歓迎の求人が見つかるシニア向けサイト「キャリア65」はこちら!今すぐチェック▼

タイトルとURLをコピーしました