「肌乾燥」の原因と対策|シニア世代におすすめの簡単スキンケア習慣

健康

1.肌乾燥とは?年齢とともに増える悩みの正体

年齢を重ねるにつれて「肌がカサつく」「かゆみが出やすい」といった肌乾燥の悩みを感じる方は多くなります。特にシニア世代では、若い頃のように皮脂や水分を十分に保てなくなるため、乾燥が慢性的に起こりやすいのです。

肌乾燥とは、皮膚の表面にある角質層の水分量が減少し、肌を守るバリア機能が低下した状態を指します。バリア機能が弱まると、外部からの刺激を受けやすくなり、ちょっとした摩擦でもかゆみや赤みが出たり、炎症を起こすこともあります。

厚生労働省によると、日本人の高齢者の約7割が「皮膚の乾燥に関する悩みを持っている」とされており【参考:厚生労働省「国民生活基礎調査」2022】、乾燥は多くのシニアに共通する問題といえます。

また、乾燥は冬だけでなく、一年を通じて起こるものです。夏はエアコンによる冷風で水分が奪われ、冬は湿度の低下と暖房による乾燥が重なり、肌に大きな負担を与えます。つまり、肌乾燥は「年齢」「環境」「生活習慣」が重なって生じる身近なトラブルと理解することが大切です。


2.シニア世代に多い肌乾燥の原因

シニア世代になると、若い頃には気にならなかった肌トラブルが増えてきます。その代表的なものが「乾燥」です。原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起こります。

加齢による皮脂分泌の低下

年齢を重ねると、皮脂腺や汗腺の働きが衰えてきます。その結果、肌の表面を覆う皮脂や汗が少なくなり、水分を保持する力が弱まってしまいます。皮脂は天然の保湿クリームのような役割を果たしているため、それが不足すると乾燥しやすくなるのです。


ホルモンバランスの変化

特に女性は閉経後、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンには肌の水分保持やコラーゲン生成を助ける働きがあるため、その減少は肌の乾燥や弾力低下に直結します。


紫外線や冷暖房など外部環境の影響

日常生活における環境も大きな原因となります。紫外線は肌のバリア機能を破壊し、乾燥を進行させます。また、冷暖房による空気の乾燥や、外出時の寒暖差も肌への負担となり、水分が奪われやすい状態をつくります。

このように「体の内側」と「外側」両方の要因が、シニア世代の肌乾燥を悪化させているのです。


3.毎日の生活でできる肌乾燥対策

肌乾燥は年齢による自然な変化でもありますが、日常の工夫によって大きく改善できます。特にシニア世代では「肌を守る」「水分を補う」「環境を整える」の3つを意識することが大切です。

保湿ケアの基本(洗顔・化粧水・クリーム)

まず基本となるのが「保湿」です。洗顔は刺激の少ない石けんや洗顔料を使い、ゴシゴシこすらずやさしく洗いましょう。洗った後はすぐに化粧水で水分を補給し、乳液やクリームでフタをすることで水分の蒸発を防ぎます。特に入浴後の保湿はゴールデンタイムと呼ばれ、10分以内に保湿することが推奨されています。


食事からのアプローチ(たんぱく質・必須脂肪酸・ビタミン類)

食事も肌の潤いを左右します。たんぱく質は肌の土台となるコラーゲンの材料になり、青魚やナッツ類に含まれる必須脂肪酸(オメガ3)は細胞膜をしなやかに保ちます。また、ビタミンCはコラーゲン生成を助け、ビタミンEは血流を促して肌の新陳代謝をサポートします。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、バランスの取れた食事が皮膚の健康維持に重要とされています。


室内環境を整える(加湿・換気・衣類の工夫)

住環境の工夫も効果的です。冬は加湿器を使って湿度を50〜60%に保つと、肌の水分蒸発を防げます。換気をしながら過度な乾燥を避けることも大切です。また、肌に直接触れる下着や衣類は、綿などの肌にやさしい素材を選ぶことで摩擦を減らし、乾燥やかゆみの悪化を防ぎます。

こうした小さな習慣を積み重ねることで、肌乾燥の進行を和らげ、健やかな肌を保つことができます。


4.シニア世代におすすめのスキンケア習慣

肌乾燥を防ぐためには、特別な化粧品に頼るだけでなく、毎日の生活習慣そのものを見直すことが効果的です。ここではシニア世代が取り入れやすい実践的な習慣をご紹介します。

入浴時の注意点(熱すぎないお湯・入浴後すぐの保湿)

熱すぎるお湯は皮脂を過剰に洗い流し、肌の乾燥を悪化させます。38〜40度程度のぬるめのお湯でゆったり入浴するのがおすすめです。石けんやボディソープは低刺激のものを選び、こすらずに優しく洗うのがポイントです。入浴後はすぐにタオルで押さえるように水分を拭き取り、10分以内に保湿剤を塗ることで乾燥を防げます。


外出時の紫外線対策

紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでおり、肌の乾燥やシミ・しわの原因になります。外出時は日焼け止めを顔や首だけでなく、手の甲や耳の後ろなどにも忘れずに塗りましょう。帽子や日傘を活用することで、紫外線を物理的に防ぐことも効果的です。


規則正しい生活と適度な運動

肌の健康は生活リズムとも密接に関係しています。十分な睡眠をとることで肌のターンオーバー(新陳代謝)が整い、乾燥や老化を防ぐことができます。また、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は血流を改善し、肌に必要な栄養や酸素を届けやすくします。これらの習慣を継続することが、美しい肌を保つ近道です。

シニア世代にとって、無理のない範囲で取り入れられる小さな習慣の積み重ねが、乾燥を防ぎ「しっとり健康な肌」を守る秘訣といえるでしょう。


5.まとめ|肌乾燥を防いで快適な毎日を

シニア世代にとって「肌乾燥」は誰にでも起こり得る身近な悩みです。加齢による皮脂や水分保持力の低下、ホルモンバランスの変化、そして紫外線や冷暖房といった外部環境が重なることで、乾燥は一層進行してしまいます。

しかし、日常のちょっとした工夫で肌の状態は大きく変わります。洗顔や入浴後の保湿を徹底すること、食事から必要な栄養素を取り入れること、室内の湿度や衣類に気を配ること、これらはすべて今日から始められる実践的な対策です。さらに、紫外線対策や規則正しい生活習慣を意識することで、肌だけでなく心身の健康全体に良い影響をもたらします。

肌の乾燥を防ぐことは「見た目の若々しさ」を保つだけではありません。かゆみや炎症といった不快な症状を予防し、快適で活動的な毎日を送るための大切な健康習慣でもあるのです。シニア世代だからこそ、自分の肌を大切に守り、心地よく暮らす工夫を積み重ねていきましょう。

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