1.はじめに|“脳も心も若返る”新しい健康習慣「シナプソロジー」とは?
「最近、物忘れが増えた気がする」「人と話す機会が減ってなんだか元気が出ない」――そんな悩みを抱えるシニア世代にいま注目されているのが、“脳を活性化させながら楽しく体を動かすプログラム”=シナプソロジーです。
シナプソロジーは、スポーツクラブ「ルネサンス」が開発した認知機能トレーニングで、体を動かしながら“あえて混乱する状況”をつくることで、脳に刺激を与えるのが特徴です。たとえば、「右手でグー、左手でチョキを出す」「数字を言いながら反対方向に足踏みする」といった、簡単だけれど“ちょっと考える”動作を組み合わせて行います。
この“混乱”こそが脳を活性化させるポイント。普段使わない脳の領域を働かせることで、前頭前野(思考や判断をつかさどる部分)や海馬(記憶を司る部分)を刺激し、認知機能の維持・向上が期待できます。実際、大学との共同研究でも、シナプソロジーを週2回・3か月続けたグループは、注意力や判断力が有意に向上したという結果も報告されています(シナプソロジー研究より)。
また、シナプソロジーは「笑いながらできる」「みんなでワイワイ楽しめる」ことも魅力。運動が苦手な人でも参加しやすく、同世代との交流を通じて“社会とのつながり”を自然に取り戻すことができます。健康維持だけでなく、心のリフレッシュにもつながる、新しいタイプの“脳活”として人気が広がっています。
2.なぜ今、シニアにシナプソロジーが注目されているのか?
高齢化が進む日本では、健康寿命(介護を受けずに自立して生活できる期間)を延ばすことが大きなテーマになっています。特に近年は「体の健康」だけでなく、心と脳の健康をどう維持するかが注目されています。
厚生労働省の「健康日本21(第二次)」でも、認知症予防や社会参加の促進が重点項目に掲げられています。こうした流れの中で、運動と脳トレを組み合わせたシナプソロジーは、まさに時代のニーズに合った取り組みとして関心を集めています。
実際、シナプソロジーの特徴は「難しいことをしない」「笑いながらできる」「人と関わりながら行う」という点にあります。つまり、“運動+会話+笑顔”が自然に生まれるプログラムなのです。
これは脳科学的にも理にかなっており、笑いや会話によって脳内の血流が促進され、ドーパミンやセロトニンといった“幸せホルモン”が分泌されやすくなるとされています。
また、コロナ禍以降、外出や人との接触が減り、気分の落ち込みや認知機能の低下を感じるシニアが増えました。そうした中で、「家に閉じこもらず、楽しく脳を使う」シナプソロジーのような活動は、社会的孤立の解消にもつながるとして、自治体や介護施設、スポーツクラブで導入が進んでいます。
さらに、参加者の多くが「続けやすい」と感じている点も人気の理由です。1回30分ほど、音楽に合わせて体を動かすだけなので、体力に不安がある人でも気軽に始められます。運動習慣がない人にとっても、シナプソロジーは“楽しみながらできる脳の健康づくり”として、今後ますます広がっていくでしょう。
3.シナプソロジーの効果|脳の活性化・認知症予防・ストレス軽減
シナプソロジーは、単なる体操や軽運動とは異なり、脳に“混乱”を与えることで神経ネットワークを活性化させるという独自の特徴があります。普段使い慣れていない動作を組み合わせることで、脳の複数の領域を同時に刺激できるのです。
たとえば「右手で三拍子を刻みながら、左手で数字を数える」といった動作は、左右の脳をバランスよく使う訓練になります。これにより、情報処理能力・注意力・判断力が高まり、認知機能の維持や認知症の予防効果が期待されます。
実際に、早稲田大学スポーツ科学学術院との共同研究では、シナプソロジーを一定期間継続した高齢者グループで、「注意機能」「抑制機能」など前頭前野の働きが改善したという結果が報告されています(シナプソロジー研究所)。このように、脳科学的にも効果が裏づけられている点が、多くの専門家から評価されています。
また、シナプソロジーは身体面だけでなく、心理的なリフレッシュ効果も大きいのが特徴です。音楽や掛け声に合わせて笑いながら取り組むことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が減少し、リラックス効果が高まるとされています。参加者の中には、「気分が前向きになった」「夜ぐっすり眠れるようになった」といった声も多く聞かれます。
さらに、グループで行うシナプソロジーでは、人との交流を通じた社会的刺激も得られます。笑顔や会話によって、孤独感や不安感が軽減され、心の健康にも好影響を与えます。つまり、シナプソロジーは「脳を鍛える」だけでなく、「心と社会性を取り戻す」活動でもあるのです。
このように、シナプソロジーは――
・認知機能の維持/向上
・ストレスの軽減
・社会的つながりの回復
という三つの効果をもたらす、“トータルな健康法”として、多くのシニア世代に支持されています。
4.具体的なやり方|誰でもできる基本動作と楽しい応用例
シナプソロジーの魅力は、「いつでも・どこでも・誰でもできる」シンプルさにあります。特別な道具や広いスペースがなくても、日常生活の中で取り入れられるのが特徴です。ここでは、基本の動作から応用まで、実際に行える例をご紹介します。
基本動作①|左右の動きを変える「グー・チョキ・パー」
最も基本的なトレーニングは、左右の手で違う動きをすること。
右手でグー、左手でチョキを出し、次に右手をパー、左手をグーに変える――このように左右で異なる指の動作を繰り返すだけで、脳が瞬時に混乱し、前頭前野が活性化します。慣れてきたらリズムに合わせてスピードを上げてみましょう。
基本動作②|動き+声を組み合わせる「数えステップ」
軽く足踏みをしながら「1、2、3」と声に出して数えます。慣れてきたら「偶数のときだけ拍手」「3の倍数のときだけジャンプ」など、条件を加えて変化をつけるとより効果的です。
体を動かしながら考えることで、脳と身体の連携が強化され、運動機能や注意力の維持に役立ちます。
応用例①|チームで楽しむ「拍手リレー」
複数人で輪になり、リズムに合わせて順番に拍手をつなげていく遊びです。途中で「逆回り」「2回拍手でスキップ」などのルールを加えると、瞬時の判断力とコミュニケーション力が鍛えられます。笑いが生まれ、場が一気に明るくなるのも魅力です。
応用例②|音楽に合わせた「リズムシナプス」
お気に入りの曲に合わせて、上半身の動作(手拍子・腕回しなど)と下半身の動作(ステップや足上げ)を組み合わせます。テンポに変化をつけることで、集中力や記憶力のトレーニングにもつながります。好きな曲を選ぶとモチベーションもアップしますね。
ポイント:無理せず、楽しく続ける
大切なのは「完璧にやること」ではなく、「笑いながら続けること」です。脳を混乱させること自体に意味があるため、間違ってもOK! むしろ“失敗を楽しむ”姿勢が脳の活性化を促します。
1回5〜10分からでも効果があるとされており、朝のウォーミングアップや休憩時間の気分転換にもおすすめです。
5.シナプソロジーを続けるコツ|仲間と一緒に楽しく続ける方法
どんな健康習慣も「続けること」が大切。シナプソロジーも例外ではありません。短時間でできるとはいえ、1人で黙々と続けるのは難しいものです。そこで効果的なのが、仲間と一緒に取り組むスタイルです。
ルネサンスの研究によると、グループで行うシナプソロジーは、個人で行う場合に比べて継続率が約1.5倍高いという結果も出ています。人と笑い合いながら行うことで「楽しい」「またやりたい」という気持ちが生まれ、自然と習慣化しやすくなるのです。
また、仲間と取り組むことで“社会的つながり”も強化されます。たとえば、週に1回のサークル活動としてシナプソロジーを行うと、会話や笑顔が増え、孤独感の軽減やうつ予防にもつながるとされています。特に一人暮らしの高齢者にとっては、「会う人がいる」「待ってくれる人がいる」という安心感が、生活の張り合いにもなります。
さらに、継続のコツとしておすすめなのが次の3点です。
続けるためのコツ | 内容 |
---|---|
① 予定を決める | 毎週◯曜日・◯時とスケジュールを固定すると、習慣化しやすくなります。 |
② 記録をつける | 日付と簡単な感想をメモすると、「続けている実感」がモチベーションに。 |
③ 小さな目標を立てる | 「1曲最後までできた」「新しい動きに挑戦した」など達成感を味わう工夫を。 |
また、家族や友人を誘って一緒に取り組むのも効果的です。「最近、ちょっと物忘れが気になるの」「一緒に脳トレしない?」といった会話をきっかけに、笑顔の輪が広がります。
無理なく、笑顔で、仲間とともに――それがシナプソロジーを長く続けるいちばんの秘訣です。体と心、そして人とのつながりを育む時間として、“楽しむこと”を何よりも大切にしていきましょう。
6.シナプソロジーを体験できる場所|自治体・スポーツクラブ・オンライン講座
「興味はあるけれど、どこで体験できるの?」という方も多いでしょう。シナプソロジーは全国的に広がっており、自治体や介護施設、スポーツクラブなどさまざまな場所で体験可能です。ここでは主な実施場所と、初心者におすすめの参加方法をご紹介します。
① 自治体・地域包括支援センター
多くの市区町村では、高齢者向けの健康教室や「介護予防教室」の一環としてシナプソロジーを取り入れています。自治体主催のプログラムは無料または低料金で参加できるのが魅力。保健センターや地域包括支援センターに問い合わせると、開催スケジュールを教えてもらえます。
また、地域ボランティアが運営する「シナプソロジーサークル」も増加中。週1回程度、近所の公民館などで開催され、気軽に仲間づくりができます。
② スポーツクラブ・介護予防施設
シナプソロジーを最も体系的に学べるのが、開発元であるスポーツクラブ ルネサンスです。全国のルネサンス店舗では、インストラクターによる定期クラスを開催しており、正しい動作と楽しい雰囲気を両立しています。
また、介護予防型のデイサービスやシニア向けフィットネスクラブでも、転倒予防運動やレクリエーションの一環として導入されています。指導員が優しくサポートしてくれるため、運動が苦手な方でも安心です。
③ オンライン講座・動画配信サービス
外出が難しい方には、オンライン講座がおすすめです。YouTubeやルネサンス公式チャンネルでは、無料のシナプソロジー動画も公開されており、自宅で手軽に体験できます。
また、Zoomを使ったオンライン教室では、インストラクターとリアルタイムでやり取りができるため、双方向の交流を楽しめるのが特徴です。家にいながら、全国の参加者と笑顔を共有できるのは嬉しいポイントですね。
④ 体験の探し方
シナプソロジー公式サイト(https://synapsology.com)では、全国の認定インストラクターや講座情報を検索できます。近くの教室を探したり、体験会の日程を確認したりできるので、まずは覗いてみるのがおすすめです。
「気軽に、楽しく、続けられる」――それがシナプソロジーの魅力。自分に合った環境で始めてみることで、きっと新しい発見や仲間との出会いが待っています。
7.まとめ|脳を鍛え、つながりを育む“シナプソロジーライフ”を始めよう
シナプソロジーは、単なる運動や脳トレではなく、「心」「体」「つながり」を同時に育む健康習慣です。体を動かしながら頭を使うことで、脳の神経回路が活性化し、注意力や判断力を高める効果があります。さらに、グループで笑い合いながら取り組むことで、社会的なつながりや心の安定にもつながります。
いまや、人生100年時代。健康寿命を延ばすためには、筋肉だけでなく「脳の健康」を意識することが欠かせません。特に60代後半以降は、家に閉じこもりがちになりやすく、活動量の低下が認知機能の衰えに直結します。そんなときこそ、シナプソロジーのような“楽しく継続できる脳活”が力を発揮します。
続けることで、日々の生活にも変化が生まれます。
・「朝から頭がすっきりするようになった」
・「会話が増えて毎日が楽しくなった」
・「新しい友人ができて外出が楽しみになった」
といった声も多く聞かれます。
そして何より大切なのは、「できる・できない」を気にせず、笑いながら取り組むこと。失敗を恐れず楽しむ気持ちが、脳をもっと柔軟にしてくれます。
あなたも今日から、「脳を鍛える×人とつながる」シナプソロジーライフを始めてみませんか? きっと、心と体が軽くなる新しい毎日が待っています。
心も体も元気になった今こそ、次は“社会とのつながり”を広げる番。
あなたに合った働き方をシニア向け求人サイト「キャリア65」で見つけてみませんか?