1.【固定シフト制とは】どんな働き方?自由シフト制との違い
「固定シフト制」とは、勤務する曜日や時間帯があらかじめ決まっている働き方 のことを指します。
たとえば、
・毎週「月曜/水曜/金曜」の 9:00〜13:00
・毎週「火曜/木曜」の 17:00〜21:00
など、働く時間が固定されており、毎月ほぼ同じリズムで働き続けられる のが特徴です。
これに対し「自由シフト制」は、働く側の希望で出勤日を提出し、企業側の調整によってシフトを決めます。
自由度が高い反面で自由シフト制は、
・時間がバラバラになりやすい
・収入が安定しにくい
・毎月希望が通るとは限らない
といった側面もあります。
固定シフト制が特にシニアと相性が良い理由
シニア世代が働く上で大切なのは、無理なく続けられること。
年金と合わせて家計を支えるためにも、働く時間が大きく変動すると生活プランを立てにくく、不安にもつながります。
固定シフト制の仕事であれば、
・食事や通院など 生活のリズムを保てる
・毎月の収入が 読みやすい
・家族との時間配分が 調整しやすい
・趣味/地域活動/ボランティアと両立できる
というメリットがあります。
また、長年の経験によって 「自分のペース」が確立されている年代 だからこそ、リズムを崩さず働けることは精神的な安心感にもつながります。
定年後の新しい生活リズムをつくりたい方にとっては、固定シフト制は最適な働き方の一つです。
2.シニア世代が固定シフト制で働くメリット|健康管理と生活リズムを整える
年齢を重ねるほど、生活リズムの安定は健康維持に直結します。
固定シフト制は、働く時間が決まっているため、食事、睡眠、運動、通院などの生活習慣を組み立てやすく、健康管理の面で大きなメリットがあります。
健康維持にプラスの影響
「同じ時間に起き、同じ時間に活動する」という一定のリズムは、体内時計(サーカディアンリズム)を整える効果があるとされます。
不規則なシフトは睡眠障害や生活習慣病のリスクを高めると言われており、特に夜勤や変則シフトはストレスや疲労に繋がりがちです。
固定シフト制なら、
・身体を動かす仕事を選べば 適度な運動 に
・就業後の時間が読めるので 趣味や家族時間も確保
・通院や薬の受け取りの予定も 計画的に
「働く=健康維持の習慣」として、日常に運動量を取り入れることができる点も、シニアには大きな価値です。
精神的な負担が少なく安心感が持てる
自由シフト制では
「今月はどのくらい入れるだろう…」
「提出した希望が通るかな…」
と、毎月の調整が負担になるケースがあります。
固定シフト制では、スケジュールがほぼ変わらないため、精神的にも負担が少なく、「予定が立てやすい」ことが安心につながります。
特に夫婦二人暮らしの場合、
・食事の支度
・同居家族の予定
・趣味や地域の集まり
など、家庭と両立しやすいのは大きなメリットです。
収入が安定しやすく、人生設計が立てやすい
「年金だけでは少し不安」「月に数万円でもプラスになれば安心」
という方は多いものです。
固定的に働く時間が決まっていれば、月ごとの収入の見通しが立ちやすく、
・生活費の補填
・旅行の積立
・趣味や習い事
などの計画が立てやすくなります。
特に、再就職をしたいシニア世代にとって、継続できる働き方であることが長期的な安心につながります。
3.固定シフト制が向いている仕事|施設管理員・清掃・警備など
固定シフト制は、業務内容が比較的一定で、長期的に勤務時間が変わりにくい仕事 に多く見られます。特に、継続性や責任感が求められる分野では、決まった時間に決まった人がいることが重視されるため、固定シフト制が導入される傾向があります。
シニア世代にも人気があり、未経験でも始めやすい具体的な仕事を紹介します。
① 施設管理員・マンション管理員
マンションや商業施設などで、
・設備の簡単な点検
・清掃のサポート
・郵便物の預かり
・来訪者の案内
などを行う仕事です。
「午前だけ」「平日のみ」や「夕方のみ」の固定シフトが多く、生活との両立がしやすい仕事の代表例 といえます。
特に元職の経験が活かせるケースもあり、工場勤務・技術系の業務経験があるシニアには相性が良い仕事です。
② 清掃スタッフ(ビル・公共施設・商業施設など)
清掃の仕事は、時間帯が決まっていることが多いため、固定シフト制に向いています。
・開店前の朝時間
・人通りの少ない昼間
・閉店後の夕方~夜
など、同じ時間帯の作業が習慣化しやすい のが魅力。
体を動かす機会にもなるため、健康維持を目的として働くシニアにも人気があります。
③ 警備・巡回スタッフ
警備の仕事は「施設の安全を見守る」という役割を担います。
特に「立ちっぱなしではなく、施設内を巡回する」スタイルは、適度に体を動かし、健康管理にもなります。
また、巡回の時間帯が固定されているケースが多く、
・商業施設
・病院
・駐車場
など、さまざまな場所で採用されています。
④ 公共施設・観光地の受付・案内スタッフ
図書館、博物館、観光案内所などは固定シフト制が多い職場です。
落ち着いた環境で、地域の人と関わる機会があるため、社会とのつながりを感じながら働きたい人に向いています。
「人に案内するのが好き」「地域活動にやりがいを感じる」という方には特に魅力的な仕事です。
⑤ 事務スタッフ(データ入力・受付・電話対応など)
事務の仕事は、勤務時間が固定されていることが多く、無理なく続けたいシニア世代にも向いています。
たとえば、
・データ入力
・書類整理
・電話や来客対応
・受付業務
など、仕事の内容が比較的ルーティン化されており、慣れると自分のペースで進めやすい点が特徴です。
特に最近は、
「PC入力ができればOK」「未経験歓迎」「ブランクOK」 といった求人も増えており、
工場勤務や営業職など、事務経験がなくても挑戦できるところがプラスです。
さらに、事務の仕事は落ち着いた環境で人と話す機会があるため、社会とのつながりを感じたい人にも向いています。
受付や窓口対応などは、穏やかなコミュニケーション力が重視されるため、経験や年齢が信頼につながる場面もあります。
POINT|スキルよりも“誠実さ”が重視される場面が多い
固定シフト制の仕事は、
・決まった時間にきちんと来られる
・無断欠勤や遅刻が少ない
・人とコミュニケーションが取れる
こうした 「人柄」や「誠実さ」 が評価されることが多い点も、シニア世代にチャンスのある理由です。
4.固定シフト制で働く際の注意点|人間関係・急な予定変更・体力面
固定シフト制は生活リズムを整えやすい働き方ですが、メリットだけでなく、事前に理解しておきたい注意点も存在します。特にシニア世代が長く続けるためには、「無理なく」「誠実に」働ける環境を選ぶことが大切です。
① 人間関係が固定されるため、相性が影響しやすい
自由シフト制と異なり、固定シフト制では 毎回同じメンバーと勤務することが多い 傾向があります。
そのため、
・些細なことが気になる
・コミュニケーション不足
・考え方のズレ
が積み重なり、ストレスにつながるケースもあります。
ただし、これは裏を返せば、信頼関係と働きやすい雰囲気が作りやすい環境 でもあるということ。
挨拶や報連相を丁寧にするだけで、職場の空気は大きく変わります。
② 病院や家庭の予定変更に柔軟に対応しづらい場合がある
固定シフト制では、急な予定変更が難しいことがあります。
・通院の予約が変わった
・家族の事情が発生した
・地域の行事に参加したい
このような場合、早めの相談と引き継ぎが必要 です。
ただ、企業側も高齢者採用が進んでいる昨今、「家庭事情への理解がある職場」も増えています。面接時や採用前の段階で、柔軟性について確認しておくと安心です。
③ 体力面の計画が必要 ― “昔と同じ感覚”では無理をしない
60代/70代になると、
・疲れが残りやすい
・回復に時間がかかる
・夏場や冬場に体力を消耗しやすい
といった変化が起きます。
固定シフト制はルーティン化しやすい反面、「毎回同じ時間に確実に働く」事が求められます。
→ 例)
・夏場は早朝の仕事に変更できるか
・休憩の頻度は確保できるか
・屋外仕事は負担がないか
など、応募前に働く環境を実際に見学することが重要です。
事前の確認と職場選びが継続の鍵
固定シフトは無理なく続けられる働き方ですが、「職場の雰囲気」「業務内容」「自分の身体の状態」を冷静に見て選ぶことで、長く快適に働けます。
不安があれば、応募前や面接時に遠慮なく質問し、疑問を残さないことが安心して働く第一歩です。
5.固定シフトで働く仕事を見つけるコツ|求人検索のポイントと面接で確認すべきこと
固定シフト制の仕事を希望する場合、「求人の探し方」と「応募時の確認ポイント」によって、その後の働きやすさが大きく変わります。
シニア世代が後悔しない選び方を具体的に解説します。
① 求人検索では“シフトの表現”を読み取る
求人票には、固定シフト制が明確に書かれているケースもあれば、表現が曖昧な場合もあります。
以下のような表現は「固定シフト制」である可能性が高いです。
| 求人票の記載例 | 期待できる働き方 |
|---|---|
| 月・水・金の午前のみ | 曜日固定で働ける |
| 17:00〜21:00勤務 | 時間帯固定 |
| 週3日、曜日応相談 | 面談で曜日を指定できる場合あり |
| 週2日~OK、固定勤務歓迎 | 固定を受け入れてくれる職場の可能性 |
逆に「シフト制」「自己申告制」とだけ書かれている場合は、毎月変動する自由シフト制の可能性が高いため、応募前に確認しましょう。
② 面接で確認すべきポイント
面接は「こちらも職場を選ぶ場」です。
以下を確認しておくと、後々のミスマッチを防げます。
・固定勤務は毎週同じ曜日でしょうか?
→「繁忙期だけ変更あり」「1ヶ月に1度調整あり」など職場によって差があります。
・通院や家庭の事情での変更相談はできますか?
→シニアの働き方に理解のある会社は柔軟です。
・実際に働いている人の年齢層や女性比率
→年代が近い仲間がいると安心できます。
・見学は可能ですか?
→「職場を見て決めたい」という要望は歓迎されるケースが多いです。
「聞きづらい」と思う方もいますが、働き始めてからでは遅い場合もあります。
面接は相手だけが判断する場ではなく、自分の安心のために質問すべき場 です。
③ シニア向けの求人媒体を活用する
近年、シニア採用に積極的な企業が増えており、
50代・60代のための求人サイトや、年齢不問の求人を取り扱う専門サービスも登場しています。
一般的な求人サイトでは「応募年齢の制限」は明記されていないことが多く、
応募しても採用につながりにくいケースもありますが、シニア歓迎の求人に特化したサービスなら効率的に探すことができます。
“固定”を優先すると働きやすさが手に入る
「自由が利きそうだから」と自由シフトの仕事を選び、
「思っていたより疲れる」「収入が安定しない」と感じて辞めるケースもあります。
固定シフト制は、生活と両立しやすく、継続しやすい働き方。
特に“長く働きたい”と思うシニアにとって、優先して探す価値があります。
6.固定シフト制は“安心して続けられる”シニアの働き方
固定シフト制は、シニア世代にとって 安心して長く続けられる働き方 といえます。
・生活リズムを崩さない
・健康管理がしやすい
・予定が組み立てやすい
・収入の見通しが立つ
こうした点は、年齢を重ねるほど価値が増し、「働くこと」そのものが生活を支えてくれる重要な要素になります。
また、仕事を続けることは、
「社会とのつながり」
「役割意識」
「自分の経験が活かせる場」
といった精神的な満足感にもつながります。
固定シフト制は、ただ決まった時間に働くだけではなく、
生活のリズムを整えながら、無理なく働ける選択肢。
第二の人生を見据えるなら、
「続けられる働き方」を選ぶことが、充実した毎日をつくる鍵になります。
固定シフトで無理なく働ける仕事を探すなら、シニア歓迎の求人が豊富な専門サイト「キャリア65」でチェック。あなたに合う働き方がきっと見つかります。


