1. シニア世代が介護職を選ぶ理由|収入確保・健康維持・社会参加の3つのメリット
「年金だけでは少し厳しい」「もう少し働いて収入を安定させたい」。
こう感じて介護職を選ぶシニアは年々増えています。最近では、定年後に介護の仕事を選ぶシニアも増えており、多くの現場で「60代・70代のスタッフが戦力」として活躍しています。年齢よりも人柄や経験が評価される職場が多いのも、介護職の大きな特徴です。
収入面の安心感
介護職は「未経験でも働ける」「定年後の再雇用が多い」「週2~フルタイムまで選べる」などの特徴があり、自分の収入目標に合わせて働ける点が大きな魅力です。
特にパートやアルバイトでは、身体への負担を配慮した業務を選ぶことができ、無理なく働き続けられます。
健康維持につながる“適度な運動”
介護の仕事は重いものを持つイメージがありますが、実際には 見守り、話し相手、配膳、掃除、簡単な移動介助など、体力に合わせて任される業務も多く存在します。
・家にいると身体を動かす機会が減る
・通勤や立ち仕事が適度な運動になる
こうした理由から、「働くこと自体が健康維持になる」という声も多く聞かれます。
社会とのつながりや生きがいの創出
定年後に孤独感や喪失感を抱く方は少なくありません。介護の仕事は、“ありがとう”がダイレクトに感じられる職種。
利用者の笑顔に触れ、「誰かの役に立っている」という実感を得られることが大きな励みになります。
また、若いスタッフと共に働くことで、世代を超えた交流が生まれ、新しい視点に触れる機会となります。
2. 60代からでも活躍できる介護の仕事|体力に合わせて選べる職種とは?
介護職=“重労働”というイメージを持つ方も多いですが、実際の現場には、60代・70代が無理なく続けられる業務が多く存在します。
介護の仕事は大きく「身体介助が中心の業務」「生活サポート中心の業務」「コミュニケーションが中心の業務」に分かれ、体力・経験・性格に応じて選択できます。
① 生活サポート中心の仕事(体力負担が少ない)
・食事の配膳/下膳
・洗濯/掃除
・シーツ交換
・買い物付き添い
・植物の水やりや環境整備
特にシニアの採用が増えているのが 「介護助手」や「生活支援スタッフ」 というポジション。
身体を持ち上げたり、医療行為を行ったりする仕事ではなく、“暮らしを支えるスタッフ”として現場をサポートする役割です。
メリット
・未経験でもスタートしやすい
・体への負担が少ない
・会話を楽しみながら働ける
② 見守りやレクリエーション中心の仕事
・転倒防止の見守り
・お散歩や移動の付き添い
・レクリエーションのサポート
特に、工作や歌、体操などの趣味を活かしてレクリエーションを企画したり進行したりする場面では、シニア自身の人生経験が大きな強みになります。
若いスタッフにはできない「安心感」や「親近感」は、利用者にとって心の支えになることもあります。
③ 資格を活かして働く仕事(興味があれば)
・介護職員初任者研修を取得してヘルパー業務
・実務者研修を経て、さらにステップアップ
資格を取得すればできる業務の幅が広がり、勤務日数や収入の選択肢も増えます。
「まずは週2回から」「慣れてきたら資格取得に挑戦」など、段階的にステップアップできるのも介護業界の魅力です。
体力に不安があっても選択肢は広い
60代で“フル介助の現場”にいきなり入る必要はありません。
「身体を動かしたい人」「人と話すのが好きな人」「経験を活かしたい人」それぞれに合ったポジションがあります。
介護の仕事は、一つの職種名でまとまっているように見えますが、実際には多彩な働き方が可能で、セカンドキャリアの受け皿として非常に柔軟です。
3. 未経験でも安心!資格なしから始められる介護職と取得して役立つ資格
介護の仕事は「資格がないとできない」と思われがちですが、実は 資格なし・未経験からスタートできる仕事が多数存在します。
最初は生活サポートや見守り業務を中心に始め、慣れてから資格取得を目指す方も多いのが特徴です。
資格なしでも始められる仕事
| 職種 | 主な業務 | 特徴 |
|---|---|---|
| 介護助手 | シーツ交換、掃除、配膳、見守り | 体力に合わせて無理なく働ける |
| デイサービス補助 | 送迎補助、レクの準備、話し相手 | 日中だけ・週数日から |
| 生活支援員 | 料理補助、買い物、洗濯など | 家事スキルが活かせる |
多くの施設は 年齢より「人柄」や「協調性」を重視 します。
高齢者の気持ちに寄り添える姿勢や、穏やかなコミュニケーション能力は、シニアならではの強みです。
取得しておくと有利な介護資格
| 資格 | 難易度 | 取得期間の目安 | メリット |
|---|---|---|---|
| 介護職員初任者研修 | やさしい | 1〜2ヶ月 | 基本の介助ができ、時給も上がりやすい |
| 実務者研修 | 中程度 | 6ヶ月 | キャリアアップに必要 |
| 介護福祉士(国家資格) | 難関 | 実務経験3年 | 専門職として安定的に働ける |
特に入門資格の 「介護職員初任者研修」 は、多くの事業者が取得を支援しており、
受講費用の補助、資格取得後の給与アップ制度などを設定する施設も増えています。
資格取得を急がなくても大丈夫
「資格がないから応募できない」と迷う必要はありません。
むしろ最初は現場を知り、向いている仕事や得意なコミュニケーションのスタイルを掴んでから、資格取得を考える方が負担が少なく、挫折しにくい傾向があります。
資格取得のメリットは“自信になる”
資格を取ることで業務の幅が広がるのはもちろん、
「学び直しの達成感」「まだまだ成長できる」という実感が自信につながります。
これは収入面だけでなく、自己肯定感や生きがいの向上にも寄与します。
4. 介護の現場で求められるのは“経験値”|人生経験が武器になる瞬間
介護の仕事は、単に身体の支援をするだけではありません。
もっと大切なのは 「人の感情に寄り添い、安心感を与えられるコミュニケーション」です。
この分野で シニアの経験値は大きな武器になります。
誰かの不安に寄り添う力は、人生経験の積み重ね
介護施設に入居される方の多くは、大きな不安を抱えています。
「家で暮らせなくなる寂しさ」
「できていたことができなくなる悔しさ」
「家族に迷惑をかけたくない気持ち」
こうした感情を理解し、丁寧に声をかけられるのは、人生で多くの経験を積んだシニア世代だからこそできることです。
例えば、仕事・子育て・介護など、過去の経験を持つ人なら、
「わかりますよ」「大変でしたね」と寄り添う言葉に重みが生まれます。
利用者に安心感を与える“距離感”の取り方
若いスタッフが一生懸命介助しても、
「優しいのだけど距離が近すぎて戸惑う」
と感じる利用者もいます。
一方、シニアスタッフの場合、
・必要以上に踏み込まない
・焦らず待つ
・自然に声をかける
こうした自然な距離感が利用者の安心感につながることが多いのです。
対話や会話が仕事になる
介護現場では、“話を聞くこと”が大切な支援のひとつです。
若い職員は業務に追われ、ゆっくり話をする時間を取れないことも多いため、
シニアの見守り役が、ゆっくり話す時間をつくるだけでも利用者の表情は変わります。
高齢者が高齢者を支えるこの構図は、
「私もあなたと同じ立場だった」という共感から、生きがいを共有する貴重な場になります。
周囲のスタッフも助かる存在になる
介護の仕事はチームで行います。
些細な気配りや声掛けが職場を円滑にし、若いスタッフの負担も軽減します。
・レクの進行をサポート
・利用者の気分の変化を報告
・困っている職員を手助け
「現場が明るくなる」「空気が和らぐ」といった声は多く、
シニアが職場にいることで、全体の雰囲気が良くなることも珍しくありません。
介護は“人の力”が生きる仕事
介護の現場では、体力よりも 相手の心に寄り添う姿勢が評価されます。
そのため、60代からのスタートでも遅くなく、むしろ現場では歓迎されるケースが増えています。
「経験してきたことが無駄にならない」
「これまでの人生が人のためになる」
介護はそんな“セカンドキャリアの喜び”を実感できる仕事です。
5. 60代から介護職を始めるための具体的ステップ|応募~研修~職場定着まで
介護職に興味を持っても、「何から始めればいいのか分からない」という方は多いです。
ここでは、60代から介護の仕事を始めるための流れを、できるだけ分かりやすく整理しました。
ステップ① 自分の希望に合う働き方を整理する
まずは働き方を大まかに考えます。
・週何日働きたいのか
・通勤距離はどれくらいか
・身体介助を含む仕事か、生活支援中心か
・資格取得がしたいか、せずに働きたいか
ここを明確にすることで、応募する施設や求人の選択がスムーズになります。
POINT
「条件が多いと応募しづらい」と思われがちですが、介護業界では「働き方の柔軟さ」が求められており、短時間・週2・業務分担など、多様な働き方が広がっています。
ステップ② 求人を探し、応募する
求人は介護系求人サイト、ハローワーク、地域の福祉センターなどで探せます。
シニア歓迎の求人が増えており、「年齢不問」「未経験OK」などを明記した募集も多く見られます。
応募時にアピールしたいのは 「協調性」「穏やかな対応」「無理のない範囲で長く働きたい気持ち」 です。
介護の現場では、これらが即戦力と判断されることも少なくありません。
ステップ③ 研修を受けながら現場に慣れる
採用後、以下のような研修を受けることが一般的です。
・基本的な介助方法
・感染対策
・コミュニケーション
・緊急時対応
未経験者向けに丁寧な研修を用意している施設は多く、不安なく現場に入れるサポートが整っています。
また、介護職員初任者研修の取得費用を補助する会社 も増加しています。
厚生労働省の「介護人材確保支援事業」では、自治体を通じて費用助成や研修受講支援も行われています。
ステップ④ 職場に定着するための工夫
最初の3カ月が“慣れる期間”です。
・分からないことはすぐ聞く
・できないことは無理に抱え込まない
・仕事を詰め込みすぎず、余裕を作る
・業務後の振り返りを習慣にする
特にシニア採用では、継続できる働き方の調整 が重要です。
シフトを調整したり、負担の少ない業務に変更したり、職場と話しながら進めていくことで長く働くことにつながります。
介護職は段階的にスタートできる仕事
最初は「週2日・短時間・生活支援だけ」で始めても、慣れてきたら「資格取得」「勤務拡大」を目指すことができます。
段階的にステップアップできるのは、60代のセカンドキャリアにとって大きな魅力です。
“できることから少しずつ”
これが続けられる秘訣です。
6. 長く続けるための働き方|無理なく働くためのシフトと環境選び
介護職は「長く続けられるか」がとても重要です。
特にセカンドキャリアとして選ぶなら、無理なく働ける環境を選ぶことが成功のポイントになります。
自分のペースで働けるシフトを選ぶ
介護の仕事にはさまざまな勤務形態があります。
| 働き方 | 特徴 |
|---|---|
| 週1〜2日の勤務 | 体力と生活に合わせて働ける |
| 午前のみ・午後のみ | 家庭や趣味と両立しやすい |
| デイサービス勤務 | 夜勤なしで日中のみ |
| 短時間パート | 健康維持目的で働きたい人向け |
特に デイサービス は、利用者が日中に通所する形態のため 夜勤がなく、生活リズムを崩さない働き方が可能です。
「朝早いのはつらい」「夜はゆっくり過ごしたい」という方にも向いています。
職場の「雰囲気」と「相性」は大切な判断材料
介護の仕事はチーム体制で進められるため、人間関係が働きやすさに大きく影響します。
・明るく声かけをする雰囲気か
・丁寧に教えてくれる職場か
・年齢や経験を尊重してくれるか
・話し合いやすい環境か
実際の現場の空気は、面接だけでは分かりません。
可能であれば 職場見学 ができる求人を選ぶと、雰囲気が把握しやすく失敗を防げます。
無理なく続けるためには“抱え込まないこと”
仕事で不安を感じたとき、つい抱え込んでしまう人は少なくありません。
しかし介護の仕事はチームで支えるものであり、分からないことは質問する方が信頼を得ることも多いです。
・できること/まだ苦手なことを共有する
・シフトの負担を相談する
・同僚に経験談を聞く
こうした積み重ねが、自分にも職場にも無理のない働き方をつくります。
健康と仕事のバランスを保つことが最優先
シニアの働き方でもっとも大切なのは「健康を維持しながら働くこと」です。
働くことが健康につながり、健康が働く力を支えます。
・定期的に休みを取る
・不調時は無理しない
・運動や睡眠の習慣を整える
“長く続ける”ことをゴールにするなら、無理せず、自分を大切にしながら働くことが成功の鍵です。
無理のない環境と仲間が、長く続ける支えになる
介護の仕事は「いつまで働けるか?」ではなく、
「どんな環境なら続けられるか?」がポイントです。
・自分の体力に合わせた働き方
・コミュニケーションが取りやすい職場
・助け合える仲間がいる環境
これらが揃えば、介護の仕事は60代からでも問題なく続けることができます。
7. まとめ|介護職は収入・健康・生きがいを支える“セカンドキャリアの有力候補”
60代からのセカンドキャリアとして、介護の仕事は「収入」「健康」「社会参加」という、シニアが求める三つの価値を自然と満たす働き方です。
・年金に加え、生活の安心を生む収入が得られる
・体を適度に動かすことが健康維持につながる
・利用者やスタッフとの交流が社会的つながりになる
高齢者の利用者に寄り添う力、相手を尊重する姿勢、人生経験から生まれる言葉の重み——
これらは、長い人生を歩んできたシニアだからこそ持つ“仕事の武器”です。
また、資格がなくても始められる間口の広さがあり、慣れてから資格取得を目指すことも可能。
段階的にステップアップできる柔軟さは、まさにセカンドキャリアに適しています。
介護職は単なる仕事以上に、
「誰かの役に立つ喜び」
「ありがとうと言ってもらえる幸せ」
「社会の一員として必要とされる実感」
を得られる職業です。
もし、「もう一度働いてみたい」「人の役に立つ仕事をしたい」と思うなら、
介護職はその願いを叶える現実的な選択肢となるはずです。
人生100年時代、60代はまだスタート地点。
これまでの経験を活かしながら、無理なく続けられる働き方を見つけていきましょう。
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