1.スライドストーンとは?|漬物石から生まれたユニークなニュースポーツ
スライドストーンとは、日本の家庭に昔からある「漬物石」を改良して作られたストーンを滑らせて競うニュースポーツです。見た目はカーリングに少し似ていますが、氷の上ではなく、体育館や公民館の床、専用マットの上で行うため、転倒のリスクが低く、高齢者でも安全に楽しめるのが大きな特徴です。
この競技は、神奈川県伊勢原市で考案されたとされており、「重たい漬物石を少し滑らせて遊んだこと」からヒントを得て生まれました。地域のお年寄りが集まるレクリエーションの中で、「ボウリングやゲートボールよりも、もう少し頭を使うゲームがしたい」という声をきっかけに、現在の形に進化したと言われています。
スライドストーンの最大の魅力は、特別な運動能力や瞬発力がなくても、戦略とコントロールで勝負できることです。力任せに投げる必要はなく、石を「そっと」「狙った場所へ」滑らせるだけ。68歳の施設管理員の方でも、無理なく参加できますし、むしろ長年の経験や落ち着きがプレーに活きる場面が多くあります。
また、ルールも非常にシンプルで、「チームで交互にストーンを滑らせ、的(ターゲット)にどれだけ近づけられるか」を競うだけ。初めての人でも10分も説明を聞けばプレーできるため、地域の体験会や高齢者サロンなどでも導入しやすいスポーツとして広がっています。
運動が苦手な人でも、「これはゲームみたいで楽しい」「気づいたら体を動かしていた」という感覚になりやすく、健康づくり・交流・生きがいを同時に満たせる点が、今シニア世代から注目されている理由です。
2.どんなルール?|カーリングに似たシンプルで奥深い遊び方
スライドストーンのルールは、初めての人でもすぐ理解できるほどシンプルです。基本的な考え方は「カーリングの床版」のようなもので、ストーンと呼ばれる円盤状の重りを、的(ターゲット)に向かって滑らせ、どれだけ中心に近づけられるかを競います。
基本の流れ
一般的なルールは次のような形です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人数 | 1チーム2〜4人が一般的 |
| 使用する石 | 1チーム6個前後 |
| 目的 | ターゲットの中心に最も近い石を置く |
| 勝敗 | 各エンド(1ラウンド)ごとに得点を競う |
各チームが交互にストーンを滑らせ、すべて投げ終えた時点で、中心に一番近い石を持つチームが得点します。相手の石を弾き飛ばしたり、自分の石をガードとして使ったりできる点も、カーリングと同じで、ここに戦略性が生まれます。
力はいらない、コントロールがすべて
スライドストーンがシニアに向いている最大の理由は、強く投げる必要がまったくないことです。むしろ大切なのは、
・どのくらいの力で押せば止まるか
・どの角度で滑らせると狙った場所に行くか
・相手の石をどう避けるか、どう弾くか
といった「距離感と判断力」です。長年、仕事や生活で培ってきた感覚が、そのままプレーに活かされるため、「年齢がハンデにならない競技」と言われることもあります。
だから続く
ルールが簡単で、1ゲームが10〜15分ほどで終わるため、体力的な負担も少なく、「ちょっと休んで、また1試合」というペースで楽しめます。施設や公民館でのレクリエーションでも、「最後まで参加できる人が多い」「途中で疲れて抜ける人が少ない」といった声がよく聞かれます。
3.なぜシニアに人気?|体力にやさしく、頭と体を同時に使える理由
スライドストーンがシニア世代に支持されている最大の理由は、「がんばらなくても楽しい」という点にあります。多くのスポーツは、スピードや筋力、反射神経が必要になり、年齢とともにハードルが上がっていきます。しかしスライドストーンは、その真逆です。
「体力勝負」ではなく「経験勝負」
この競技で勝敗を分けるのは、腕力ではなく距離感・読み・戦略です。
たとえば、
・相手の石の位置を見て、どこに置けば有利になるか考える
・少し弱めに滑らせて、相手の進路をふさぐ
・あえて弾き合わず、最後の一投に勝負を託す
といった判断が重要になります。これは、長年仕事や家庭で「段取り」「先読み」「バランス感覚」を使ってきたシニア世代が得意とする分野です。
「できる」実感が自信につながる
68歳の施設管理員の方のように、「まだ働ける」「まだ役に立てる」という感覚は、健康にも心にもとても大きな影響を与えます。スライドストーンでは、初心者でもすぐに成功体験が得られます。的に近づけられた、相手の石を弾けた、チームに貢献できた――こうした小さな達成感が積み重なり、「自分はまだ大丈夫」という自己肯定感につながります。
会話が自然に生まれる
さらに、この競技はチーム戦で行うことが多く、自然と会話が生まれます。
「次はここを狙おう」
「さっきの投げ方、上手だったね」
「この距離感が難しいね」
こうしたやり取りが、孤立しがちな定年後の生活に「居場所」と「つながり」を作ります。運動が目的というより、「人と会う理由」になるスポーツであることが、人気の背景にあります。
4.スライドストーンの健康効果|運動・認知・メンタルへの良い影響
スライドストーンは「軽いレクリエーション」に見えますが、実はシニアの健康維持にとても理にかなった運動が組み込まれています。特別なトレーニングをしなくても、プレーするだけで自然と体と脳を同時に使う設計になっているのです。
① 足腰とバランス感覚を無理なく刺激
ストーンを滑らせるときには、前に一歩踏み出し、上半身を少し傾けながら腕を伸ばします。この動作は、
・太もも、ふくらはぎ
・体幹(お腹、背中)
・股関節と肩
をバランスよく使います。スクワットのようなきつい動きではないのに、転倒予防に重要な「下半身の安定性」をしっかり刺激します。
高齢者の転倒は要介護につながりやすいと言われていますが、こうした「バランスをとる動作」を日常的に行うことは、予防の観点でも非常に重要です。
② 脳を使う「戦略型スポーツ」
スライドストーンは、単なる的当てではありません。相手の配置を見て、どこに置くかを考え、結果を予測しながら投げます。これは、
・視覚情報の処理
・空間認識
・判断と計画
といった認知機能を使う活動です。こうした「考えながら動く運動」は、ウォーキングなどの単調な運動よりも、脳の刺激が大きいとされています。
③ メンタル面へのプラス効果
人と一緒に笑いながら体を動かすことは、ストレスの軽減や気分の安定にも役立ちます。実際、地域のニュースポーツ活動では、「参加してから外出する機会が増えた」「気持ちが明るくなった」という声が多く聞かれます。
定年後、仕事が減り、家にこもりがちになると、気分の落ち込みや孤独感が強まりやすくなります。スライドストーンは、運動と交流を同時に満たす“心の健康ツール”としても価値があるのです。
5.一人でもできる?|自宅練習とチームプレーの楽しみ方
スライドストーンはチームで楽しむイメージが強いですが、実は一人でも十分に練習できるスポーツです。この「一人でも・みんなでも」という柔軟さが、シニア世代にとって続けやすい理由になっています。
自宅でできる基本練習
専用のストーンがなくても、ペットボトルに少し水を入れたり、重さのある円盤状の物を使えば、似た動きを再現できます。廊下やリビングの床に、新聞紙やテープで的を作り、そこに向かって滑らせるだけでOKです。
この練習で身につくのは、
・力加減
・方向のコントロール
・距離感
です。これらは実際のプレーでも最も重要な要素なので、5分〜10分の自宅練習でも十分に上達につながります。
チームでやるから楽しい
一方で、スライドストーンの本当の魅力はやはり人と一緒にやることにあります。地域のサロンや体育館で集まってプレーすると、自然と役割分担が生まれます。
「あなたは狙うのが上手い」
「あなたは守りが得意」
「最後の一投を任せたい」
こうした言葉が飛び交うことで、「自分はこのチームに必要な存在だ」という感覚が育ちます。これは、仕事を引退した後に失われがちな「役割意識」を取り戻すうえで、とても大切です。
天候に左右されないのも強み
屋内でできるため、雨や暑さ、寒さの影響を受けません。体調や気候を気にせず、「今日は少し動こうかな」と思ったときにすぐできるのも、長く続けられるポイントです。
6.どうやって始める?|体験会・教室・地域イベントの探し方
スライドストーンを始めたいと思ったとき、「どこでできるの?」と感じる方が多いですが、実は探し方はとてもシンプルです。多くの場合、自治体・公民館・シニア向けの地域団体が入口になっています。
① 公民館・高齢者センターをチェック
まずおすすめなのが、住んでいる地域の公民館や高齢者センターの掲示板・ホームページです。ニュースポーツや健康づくり教室の一環として、スライドストーンやそれに近い競技が紹介されていることがあります。
特に、
「健康づくり教室」
「いきいきサロン」
「シニアスポーツ体験会」
といった名前の企画は要チェックです。
② 自治体の広報誌・HP
市区町村の広報誌や公式サイトには、スポーツ推進課や高齢福祉課が主催するイベント情報が載っています。スライドストーンは「ニュースポーツ」や「レクリエーションスポーツ」の枠で紹介されることが多いため、そのカテゴリーで探すと見つかりやすいです。
③ 既存のグループに参加する
すでに活動しているグループに入るのが、もっとも早く楽しめる方法です。多くの地域では、「初心者歓迎」「道具は貸し出し」といった形で間口を広くしています。最初は見学だけでもOKで、無理に競技者として参加しなくても、準備や片付けを手伝うだけでも歓迎されることがよくあります。
この「関わり方の選択肢が多い」点も、体力や生活リズムに不安のあるシニア世代にとって安心材料になります。
7.スライドストーンを“生きがい”に変えるコツ|仲間・役割・社会参加
スライドストーンは、ただの趣味にとどまらず、定年後の「生きがい」や「居場所」に発展しやすいスポーツです。続けるうちに、自然と人とのつながりや役割が生まれてくるからです。
仲間ができると、外出の理由が増える
「毎週○曜日はスライドストーンの日」という予定ができるだけで、生活にリズムが生まれます。誰かが待っている場所があると、「今日は行こう」という気持ちが自然と湧いてきます。これは、健康面でもとても大きな意味を持ちます。
役割が生まれる
続けていくと、プレー以外の役割も増えていきます。
・初心者にルールを教える
・ストーンの準備や片付けを担当する
・記録係や進行役を引き受ける
こうした役割は、まさに「仕事」に近いものです。施設管理員として働いてきた方のように、「段取り」「気配り」「責任感」を持っている人ほど、重宝されます。
社会との接点になる
地域イベントや交流大会に参加すると、他の地域の人とつながる機会も生まれます。これがきっかけで、ボランティアや地域活動に声をかけられることもあります。スライドストーンは、社会参加の入口にもなり得るスポーツなのです。
8.まとめ|スライドストーンは「健康・仲間・生きがい」を同時にくれる
スライドストーンは、漬物石から生まれたというユニークな背景を持ちながら、今のシニア世代にとてもフィットしたニュースポーツです。強い体力やスピードは必要なく、経験・判断力・落ち着きがそのまま武器になります。
体を無理なく動かせることで健康を守り、仲間と集まることで孤立を防ぎ、役割を持つことで「自分はまだ社会の一員だ」と実感できる。これは、定年後の生活で多くの人が求めている価値そのものです。
「何か新しいことを始めたい」「人とつながりたい」「健康を維持したい」と感じているなら、スライドストーンはとても良い選択肢になります。趣味として始めても、地域活動として続けても、きっとあなたの毎日に小さな楽しみと大きな意味を与えてくれるはずです。
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