仲間づくりにも◎ 「サーキットトレーニング」の魅力|教室の選び方と続ける工夫

健康

1.サーキットトレーニングとは?シニアにも続けやすい理由

サーキットトレーニングとは、いくつかの簡単な運動を順番に行い、短時間で全身を動かす運動方法です。
「筋トレ→有酸素運動→ストレッチ」といった動きを、休憩をはさみながら“ぐるっと一周(=サーキット)”するのが特徴です。

この運動が、70歳前後のシニア世代にも向いている理由は、大きく3つあります。


① 運動時間が短く、体力に合わせて調整できる

サーキットトレーニングは、1回10〜30分程度で完結するケースがほとんどです。
1種目あたりの運動時間も30秒〜1分ほどと短く、「長時間続けなければいけない」というプレッシャーがありません。

また、

・回数を減らす
・椅子に座って行う
・動きを小さくする

といった調整がしやすく、その日の体調に合わせて無理なく参加できる点も、シニア世代に支持されている理由です。


② 全身をまんべんなく使えるため、日常動作がラクになる

サーキットトレーニングでは、

・下半身(立つ / 歩く)
・体幹(姿勢を保つ)
・上半身(物を持つ / 支える)

といった日常生活に直結する筋肉をバランスよく使います。

そのため、

・仕事中に立っているのがラクになった
・階段や外出が億劫でなくなった
・姿勢が安定し、疲れにくくなった

といった変化を感じる人も少なくありません。
「運動のための運動」ではなく、生活や仕事を続けるための体づくりとして取り入れやすい点が特徴です。


③ 「一人で黙々」ではなく、場の空気に支えられる

ウォーキングや自宅トレーニングは、どうしても一人になりがちで、
「今日はやめておこう」と中断しやすい面があります。

一方、サーキットトレーニング(特に教室型)は、

・同じ空間で
・同じ流れの運動を
・それぞれのペースで行う

というスタイルのため、頑張りすぎず、サボりすぎない“ちょうどよさ”が生まれます。
この点が、「運動が苦手」「三日坊主になりやすい」と感じている人にも続きやすい理由です。


2.なぜ“仲間づくり”につながるのか?サーキットトレーニングの特徴

「運動はしたいけれど、人付き合いが少し不安」
そんな気持ちを持つ人にこそ、サーキットトレーニングは向いています。
その理由は、人と距離が近すぎず、でも孤立しにくい“ちょうどいい関係性”が生まれやすいからです。


① 会話を目的にしなくても、自然に顔なじみが増える

サーキットトレーニングの教室では、参加者全員が同じ空間で、同じ順番の運動を行います。
ただし、話すこと自体が目的ではありません

・同じタイミングでスタートする
・同じ種目を順番に回る
・終わる時間もほぼ同じ

こうした「共有体験」があることで、
最初は挨拶だけだった関係が、
「今日は少し暑いですね」「この動き、きついですね」
と、一言二言の会話につながりやすくなります

無理に自己紹介をしたり、輪に入ろうと頑張ったりしなくてもよい点は、シニア世代にとって大きな安心材料です。


② 競争がないから、気後れしにくい

サーキットトレーニングは、記録や順位を競う運動ではありません。
それぞれが自分の体力やペースを尊重されるため、

・運動が得意な人
・体力に不安がある人
・久しぶりに体を動かす人

同じ場にいても、居心地の悪さを感じにくいのが特徴です。

「できない自分を見られるのが恥ずかしい」
「周りに迷惑をかけたくない」
そんな不安を抱えやすい人ほど、この“競わない空気”が心地よく感じられます。


③ 定期的に顔を合わせることが、安心感につながる

週1回、決まった曜日・時間に通うことで、

・顔を覚えてもらえる
・自分も相手の存在を覚える
・「来なかったら少し気にかけてもらえる」

といった、ゆるやかなつながりが生まれます。

これは、仕事をリタイアした後に感じやすい
「誰にも必要とされていない感じ」
「一日誰とも話さなかった」
といった孤立感を、やさしく和らげてくれます。


④ 「運動+人との接点」が、外に出るきっかけになる

サーキットトレーニングは、

・健康のため
・体力維持のため

という目的で始めた人が多く、価値観が近い人が集まりやすい傾向があります。
そのため、「運動仲間」から「顔見知り」「ちょっとした話し相手」へと、関係が自然に深まっていくケースも珍しくありません。

結果として、
「今日は教室があるから外に出よう」
「運動の後に少し買い物をしよう」
と、生活全体のリズムが整うことにもつながります。


3.70歳前後でも安心!サーキットトレーニングで期待できる効果

サーキットトレーニングは、若い人向けの激しい運動というイメージを持たれがちですが、内容を調整すれば70歳前後でも十分に安全に取り組める運動です。
特にシニア世代にとっては、「できることが増える」「生活がラクになる」という実感を得やすい点が大きな魅力です。


① 体力・筋力・バランスを同時に鍛えられる

サーキットトレーニングでは、

・椅子から立ち上がる
・その場で足踏みをする
・軽い負荷で腕や肩を動かす

といった日常動作に近い動きを繰り返します。

そのため、

期待できる効果日常生活での変化
下半身の筋力向上立ち上がり・歩行が安定する
体幹の安定姿勢が崩れにくくなる
バランス感覚の向上転倒リスクの低下

といった形で、生活の質(QOL)に直結する効果が期待できます。


② 疲れにくくなり、仕事や外出を続けやすくなる

パートタイムで働いている人や、これから働くことを考えている人にとって、
「体力が続くかどうか」は大きな不安材料です。

サーキットトレーニングは、短時間でも心拍数を適度に上げる有酸素要素が含まれるため、

・夕方まで体力が持つ
・仕事後の疲れが残りにくい
・翌日にだるさが残りにくい

といった変化を感じやすくなります。
「無理なく働き続ける体づくり」という視点でも、相性の良い運動です。


③ 達成感が得られ、気持ちが前向きになる

サーキットトレーニングは、
「今日は○周できた」「最後までやり切れた」
といった小さな達成感を毎回得やすいのが特徴です。

この積み重ねが、

・自分にもまだできることがある
・年齢を理由に諦めなくていい
・次も参加しよう

という前向きな気持ちにつながります。
これは、退職後に感じやすい「役割の喪失感」や「自信の低下」を和らげる助けにもなります。


④ 医療・介護の予防という意味でも注目されている

厚生労働省や多くの自治体では、筋力・持久力・バランスを組み合わせた運動が、
フレイル(虚弱)予防や要介護予防に有効であると示しています。

サーキットトレーニングは、まさにこれらの要素を同時に取り入れられる運動方法であり、
シニア向けの健康教室や地域プログラムでも広く活用されています。

※一般的な考え方としては、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」などでも、
継続可能な複合的運動の重要性が示されています。


4.失敗しないサーキットトレーニング教室の選び方

サーキットトレーニングは、「どこで・誰と行うか」によって、続けやすさが大きく変わります。
特に70歳前後の女性の場合、運動内容だけでなく「安心感」や「人との距離感」も重要なポイントになります。

ここでは、初めてでも失敗しにくい教室選びの視点を整理します。


① 「シニア向け」「初心者歓迎」と明記されているか

まず確認したいのは、対象年齢やレベルが明確に書かれているかどうかです。

・シニア向け
・60代 / 70代歓迎
・運動初心者OK
・体力に合わせて調整可能

といった表記がある教室は、
最初から「無理をさせない前提」でプログラムが組まれていることが多く、安心して参加できます。

逆に、若い世代向けのジムや強度の高いプログラム中心の教室は、
雰囲気やペースが合わず、通うこと自体が負担になる場合もあります。


② 少人数制・見守り型の指導があるか

シニア世代にとって理想的なのは、

・参加者が多すぎない
・指導者が全体を見渡してくれる
・動きがつらそうな人に声をかけてくれる

といった見守り型の教室です。

特にサーキットトレーニングは、複数の種目を順番に回るため、
フォームや動きのクセをその場で軽く修正してもらえる環境があると安心です。

「できているか不安」「間違っていないか心配」と感じやすい人ほど、
指導者との距離が近い教室が向いています。


③ 自治体・地域団体の教室も有力な選択肢

サーキットトレーニングは、民間ジムだけでなく、

・市区町村の健康づくり教室
・地域包括支援センター主催の運動教室
・公民館 / コミュニティセンターでの講座

などでも行われています。

これらの教室は、

・参加費が比較的安い
・同年代が多い
・住まいの近くで通いやすい

というメリットがあります。
「まずは試してみたい」「運動を生活の一部にしたい」という人には、特に相性がよい選択肢です。


④ 体験参加・見学ができるかを必ず確認する

教室選びで後悔しないためには、体験参加や見学ができるかを必ず確認しましょう。

・雰囲気が合うか
・年齢層は近いか
・指導の声かけが丁寧か

こうした点は、実際に足を運ばないと分かりません。

「続けられるかどうか」は、運動内容以上に空気感との相性で決まることも多いのです。


⑤ 人間関係が不安なら「運動中心」の教室を選ぶ

「仲間づくりには興味があるけれど、最初から交流が多すぎるのは苦手」
そんな場合は、

・雑談やイベントが少なめ
・運動そのものが中心

の教室を選ぶのがおすすめです。

サーキットトレーニングは、続けるうちに自然と顔なじみが増える運動
最初から無理に輪に入らなくても、問題ありません。


5.人間関係が不安な人へ|無理なくなじめる参加のコツ

「運動はしたいけれど、人付き合いが少し不安」
これは、サーキットトレーニングを始める多くの人が感じる、ごく自然な気持ちです。
特に、退職後や生活のリズムが変わった後は、新しい場所に入ること自体がハードルに感じられます。

ここでは、無理をせず、自然になじめるための考え方とコツを紹介します。


① 最初は「挨拶だけ」で十分

教室に通い始めたばかりの頃は、
「何か話さなければ」「仲良くならなければ」と思わなくて大丈夫です。

・目が合ったら軽く会釈
・「こんにちは」「お疲れさまでした」と挨拶する

それだけで十分です。
サーキットトレーニングは、会話がなくても成立する運動なので、無言で参加しても違和感はありません。

挨拶を交わすだけでも、「知っている人」が少しずつ増え、安心感につながります。


② 運動が“共通の話題”になる

サーキットトレーニングでは、運動そのものが共通体験になります。

「この動き、意外ときついですね」
「今日はいつもより楽でしたね」

といった一言は、特別なコミュニケーション能力がなくても自然に出てきます。

無理に自分のことを話す必要はありません。
運動についての感想だけでも、十分な会話になります。


③ 通う回数が、距離を縮めてくれる

人間関係は、「何を話したか」よりも、どれだけ顔を合わせたかで深まることが多いものです。

・毎週同じ曜日
・いつもの時間
・いつもの場所

こうした“繰り返し”が、
「よく見かける人」
「自然と存在を意識する人」
へと関係を変えていきます。

焦らず、まずは通い続けることを目標にしましょう。


④ 深く関わらなくても、十分価値がある

仲間づくりというと、「親友をつくる」「プライベートでも付き合う」と想像しがちですが、
サーキットトレーニングにおける人間関係は、もっと軽やかなものでも構いません。

・顔見知りがいる
・軽く声をかけ合える
・同じ空間で過ごせる

それだけでも、
「一人ではない」
「社会とつながっている」
という感覚を得ることができます。


⑤ 「合わない」と感じたら、変えてもいい

もし、

・雰囲気が合わない
・気を遣いすぎて疲れる
・通うのが億劫になる

と感じたら、教室を変えるのも立派な選択です。

サーキットトレーニングは、場所や形式の選択肢が多い運動です。
「続けられる環境」を選ぶことが、何より大切です。


6.自宅でもできる?教室と併用した続け方の工夫

サーキットトレーニングは、教室に通うだけで完結させなくてもOKです。
むしろ、「教室+自宅」をうまく組み合わせることで、無理なく長く続けやすくなります。

ここでは、70歳前後の方でも取り入れやすい併用の工夫を紹介します。


① 教室は「ペースメーカー」と考える

教室に通う最大の役割は、生活リズムの軸をつくることです。

・週1回、決まった曜日に外出する
・人と会う予定がある
・指導者に見てもらえる

この「約束」があることで、運動習慣が途切れにくくなります。

一方で、教室だけに頼ろうとすると、
「次の教室まで何もしない」という状態になりがちです。
そこで、自宅での軽い運動を“補助”として取り入れるのが効果的です。


② 自宅では「10分だけ」で十分

自宅トレーニングは、短く・簡単にが基本です。

例えば、

種目例ポイント
椅子からの立ち座り太もも・お尻を意識
その場足踏み転倒防止のため支えを確保
ペットボトル体操水を入れたペットボトルを軽い重り代わりに使い、肩や腕をゆっくり動かす

これらを1種目1分×5〜10分行うだけでも、十分な刺激になります。

「今日は教室がない日でも、少し体を動かせた」
という実感が、継続のモチベーションにつながります。


③ 曜日と時間を決めると、習慣になりやすい

運動を続けるコツは、「やる気」よりも仕組み化です。

・月 / 木は朝食後に10分
・テレビを見る前に体を動かす
・買い物前に軽く足踏み

など、生活の流れに組み込むことで、
「やるかどうか迷う時間」を減らせます。

特にシニア世代は、決まったリズムがあるほど続けやすくなります。


④ 記録は“できた日”だけでいい

運動の記録というと、
「回数」「時間」「内容」を細かく書くイメージがありますが、
そこまでしなくて大丈夫です。

・カレンダーに○をつける
・手帳に「体操できた」と一言書く

これだけでも、「続いている」という実感が得られます。
大切なのは、できなかった日を責めないことです。


⑤ 教室と自宅、それぞれの役割を分ける

・教室:安全確認 / 刺激 / 人とのつながり
・自宅:習慣化 / 体を動かす感覚の維持

このように役割を分けることで、
「どちらかができなくても、もう一方が支える」状態をつくれます。

結果として、運動が特別なイベントではなく、日常の一部になります。


7.まとめ|体を動かすことが“次のつながり”をつくる第一歩になる

サーキットトレーニングは、
「体力づくりのための運動」であると同時に、
生活のリズムと人とのつながりを取り戻す“きっかけ”にもなる運動です。

短時間・自分のペースで取り組めるため、
70歳前後でも無理なく続けやすく、
運動が苦手な人や久しぶりに体を動かす人にも向いています。

また、

・同じ空間で同じ流れの運動をする
・会話を目的にしなくても成立する
・続けることで自然と顔なじみが増える

といった特徴から、
頑張らなくても人とつながれる環境が生まれやすいのも魅力です。

教室に通うことで外に出るきっかけができ、
自宅で少し体を動かす習慣が加わることで、
「今日は何もしなかった」という日が減っていきます。

体を動かすことは、
健康のためだけでなく、
「まだ自分は動ける」「まだ社会と関われる」
という実感を取り戻す行動でもあります。

サーキットトレーニングは、
そんな前向きな変化を、静かに、でも確実に支えてくれる選択肢と言えるでしょう。

体力づくりで「まだ働ける自信」が戻ってきたら、次は一歩前へ。
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