- 1.なぜ今、求人広告だけではシニア人材が集まりにくいのか
- 2.シニア採用がうまくいく企業の共通点|“集め方”を設計している
- 3.求人に頼らない採用チャネル①|アルムナイ・リファラルで信頼ベースの採用を増やす
- 4.求人に頼らない採用チャネル②|看板・ポスター・ポスティングで地域に直接届ける
- 5.求人に頼らない採用チャネル③|地域コミュニティ・企業とのコラボで接点をつくる
- 6.求人に頼らない採用チャネル④|自治体・合同就職説明会を活用した母集団形成
- 7.求人に頼らない採用チャネル⑤|自社サイト・SNSで“直接応募”を増やす
- 8.採用コストを抑えながら安定採用するための仕組みづくり
- 9.まとめ|シニア採用は「広告」ではなく「接点づくり」が成功のカギ
1.なぜ今、求人広告だけではシニア人材が集まりにくいのか
人手不足が続く中、多くの企業が求人広告に予算を投じていますが、「掲載しても応募が来ない」という声は年々増えています。特にシニア人材の採用においては、従来型の求人広告だけでは十分に届かないケースが目立つようになっています。
その理由の一つは、シニア層の求職行動が若年層と大きく異なる点にあります。スマートフォンで常に求人サイトをチェックする若手とは違い、シニア世代は「たまたま知った」「知人に紹介された」「近所で見かけた」といったきっかけで仕事を見つけることが多い傾向があります。つまり、求人媒体に掲載するだけでは、そもそも情報が届いていない可能性があるのです。
また、求人広告は企業間の競争が激しく、条件面だけで比較されやすいという特徴もあります。給与や勤務時間などの表面的な情報で並べられると、資本力のある企業が有利になり、中小企業は埋もれがちになります。結果として、掲載費用をかけても応募が安定しないという状況が生まれやすくなります。
さらに、シニア採用では「安心感」や「知っている会社かどうか」が応募の決め手になることも少なくありません。地域で見かけた会社、誰かが働いている会社、以前関わりのあった会社など、心理的な距離の近さが応募意欲に大きく影響します。これは求人広告の情報だけでは伝えきれない部分です。
つまり、これからのシニア採用では「求人を出す」という発想だけでなく、「どこで接点をつくるか」という視点が重要になります。広告はあくまで入口の一つに過ぎません。応募のきっかけを増やすためには、より多様な集め方を組み合わせていく必要があります。
2.シニア採用がうまくいく企業の共通点|“集め方”を設計している
シニア採用が安定している企業には、ある共通点があります。それは「良い人が来るのを待つ」のではなく、「人が集まる仕組み」を意識的につくっていることです。求人広告を出すこと自体が悪いわけではありませんが、それだけに頼らず、複数の接点を設計している企業ほど採用が安定しています。
例えば、社員紹介を通じて応募が来る会社、地域のつながりから自然と人材が集まる会社、自社ホームページから直接応募が入る会社などは、求人媒体に大きく依存していません。こうした企業は、広告費を増やすよりも「どこで知ってもらうか」「どう関係性をつくるか」という視点を大切にしています。
特にシニア人材の場合、「信頼できる情報源」からの接点が重要になります。元社員からの声かけ、知人の紹介、地域活動での出会いなど、安心感のあるルートを通じて応募につながるケースが非常に多いのが特徴です。企業側が意図的に接点を増やしているかどうかで、採用結果に大きな差が生まれます。
また、採用がうまくいっている企業は、「募集のタイミング」ではなく「日常的な発信」を重視しています。常に会社の存在を知ってもらうことで、「働きたい」と思ったタイミングで自然に応募につながる状態をつくっているのです。これは、求人を出した瞬間だけ母集団をつくるのではなく、継続的に人材とつながる考え方とも言えます。
つまり、シニア採用において重要なのは「求人を出すこと」ではなく、「人が集まる入口をいくつ持っているか」です。採用が安定している企業ほど、広告・紹介・地域・自社発信などを組み合わせ、母集団形成を“設計”しています。この発想の転換が、採用コストの削減と応募数の安定につながっていきます。
3.求人に頼らない採用チャネル①|アルムナイ・リファラルで信頼ベースの採用を増やす
求人広告に頼らずにシニア人材を集めたい企業にとって、まず取り組みやすく効果が出やすいのが「アルムナイ」と「リファラル」です。アルムナイとは、過去に自社で働いていた元社員とのつながりを活かす採用手法、リファラルは社員や関係者からの紹介による採用を指します。どちらも“信頼”をベースにした採用であり、シニア採用との相性が非常に良い方法です。
特にシニア層の場合、過去の勤務経験や人間関係が応募のきっかけになることが多く、「一度働いたことがある会社」や「知っている人がいる職場」には安心感を持ちやすい傾向があります。定年退職した元社員に短時間勤務で戻ってきてもらう、以前の取引先に声をかける、現役社員に「知り合いで働きたい人がいないか」と相談するなど、小さな声かけが応募につながるケースは少なくありません。
また、紹介で入社した人材は、職場の雰囲気や仕事内容を事前に理解しているため、ミスマッチが起きにくいというメリットもあります。結果として定着率が高まり、再び別の紹介が生まれるという好循環が生まれやすくなります。採用コストがほとんどかからない点も大きな魅力です。
アルムナイ採用を強化するには、退職者と完全に縁を切らないことが重要です。年賀状や定期的な連絡、OB会の案内など、ゆるやかな関係性を保っておくだけでも、「また働きたい」という気持ちが生まれるきっかけになります。特に60代以降は「少しだけ働きたい」「社会とつながっていたい」というニーズが強くなるため、短時間や軽作業などの選択肢を用意しておくと声をかけやすくなります。
リファラルについても、特別な制度をつくらなくても始められます。「良い人がいたら紹介してください」と日常的に伝えるだけでも、情報は少しずつ広がっていきます。シニア採用においては、“広告”よりも“人づて”のほうが強いケースが多いことを意識し、まずは身近な人間関係から接点を広げていくことが重要です。
4.求人に頼らない採用チャネル②|看板・ポスター・ポスティングで地域に直接届ける
シニア採用において意外と効果が高いのが、「看板・ポスター・ポスティング」といったアナログな集め方です。求人サイトを頻繁に見ない層に対しては、生活圏の中で自然に目に入る情報のほうが強く印象に残ります。特に徒歩圏・自転車圏で働きたいと考えるシニアにとって、「近くで募集している」と知ること自体が応募のきっかけになります。
例えば、施設の入口や駐車場に設置する看板、事業所の窓に貼るポスター、近隣の掲示板やスーパーへの掲示依頼などは、低コストで始められる方法です。「週2日からOK」「午前中だけ」「定年後の方も歓迎」といったシンプルでわかりやすい言葉を大きく載せることで、求人媒体よりも直感的に伝わることもあります。
また、ポスティングも有効な手段の一つです。事業所の近隣エリアに限定してチラシを配布することで、「通勤時間が短い仕事を探している人」に直接アプローチできます。特にシニア世代は、長距離通勤を避けたいというニーズが強いため、「歩いて通える」「自転車で通える」といった距離の近さは大きな魅力になります。
さらに、こうした手法は“会社の存在を知ってもらう”という意味でも効果があります。今すぐ働きたい人だけでなく、「そのうち何か仕事をしたい」と考えている人の記憶にも残りやすく、数か月後に応募につながるケースも珍しくありません。求人広告のように掲載期間が終われば見られなくなるのではなく、地域に常に情報が出ている状態をつくれる点が強みです。
シニア採用では、「どこで知ったか」が応募の決め手になることが多くあります。実際に、「近くを通ったときに見かけた」「ポストに入っていたチラシを家族が見つけた」といったきっかけで応募につながる例も少なくありません。デジタルだけに頼らず、地域の生活動線に入り込む情報発信は、安定した母集団形成につながる重要なチャネルと言えるでしょう。
5.求人に頼らない採用チャネル③|地域コミュニティ・企業とのコラボで接点をつくる
シニア採用を強化するうえで、地域とのつながりを活かすことは非常に有効です。特に、自治会やシニアクラブ、趣味のサークル、地域のボランティア団体などは、働く意欲を持つ人が自然に集まる場所でもあります。求人広告を見て応募するというより、「知っている人に誘われた」「地域で話を聞いた」というきっかけのほうが、シニア世代には行動につながりやすい傾向があります。
例えば、地域の集まりで会社の紹介をする、掲示板に求人情報を貼らせてもらう、イベント時に簡単な説明の機会をもらうといった小さな接点づくりでも効果があります。顔が見える関係の中で情報が広がることで、「安心して働けそう」という印象を持ってもらいやすくなります。これは、インターネット上の情報だけでは生まれにくい信頼感です。
また、地域の企業との連携も有効な手段です。例えば、「定年退職した社員の再就職先として紹介し合う」「繁忙期に人材を融通し合う」「共通の求人チラシを置き合う」といった協力関係を築くことで、新しい人材の流れが生まれます。特に同じ地域で事業を行っている企業同士は、生活圏が重なっているため、相性の良い人材が見つかりやすいというメリットがあります。
さらに、地域に根ざした企業として認知されることで、「この会社なら知っている」「近所だから安心」という心理的なハードルが下がります。シニア世代にとっては、企業の知名度よりも「地域との距離感」が応募の判断材料になることも少なくありません。日頃から地域行事に参加したり、施設を開放したりする取り組みも、結果的に採用につながるケースがあります。
シニア採用は、単なる人材確保ではなく「地域との関係づくり」とも言えます。地域の中で信頼を積み重ねていくことが、長期的に安定した母集団形成につながり、求人広告に頼らない採用基盤をつくっていくことになります。
6.求人に頼らない採用チャネル④|自治体・合同就職説明会を活用した母集団形成
シニア人材を安定的に確保したい企業にとって、自治体との連携や合同就職説明会への参加は非常に有効な方法です。地域の行政は、高齢者の就労支援や生きがいづくりを重要な施策として位置づけており、さまざまな就労イベントや相談窓口を設けています。こうした場に参加することで、「働きたい」と考えているシニア層と直接出会う機会をつくることができます。
例えば、市区町村が主催する就職面接会やシニア向け就労相談会、地域の合同企業説明会などは、求人広告とは異なり、企業と求職者が直接会話できる点が大きな特徴です。仕事内容や職場の雰囲気をその場で伝えられるため、「まずは話を聞いてみたい」という段階の人にも興味を持ってもらいやすくなります。結果として、応募前の不安を解消でき、応募率の向上につながることも少なくありません。
また、自治体が運営する高齢者向けの就労支援窓口やシルバー人材センターなどを通じて、人材を紹介してもらえるケースもあります。これらの機関は地域のシニア層との接点を多く持っており、「短時間で働きたい」「体力に無理のない仕事を探している」といったニーズを把握しています。そのため、自社の仕事内容とマッチする人材に出会える可能性が高まります。
さらに、自治体との関係づくりは、単発の採用だけでなく継続的な人材確保にもつながります。一度イベントに参加して顔を覚えてもらうことで、次回以降のイベント案内をもらえたり、個別に相談が入ったりすることもあります。企業側としても、「地域の雇用に貢献している企業」という信頼を得られる点は大きなメリットです。
求人広告は「情報を見つけてもらう」手法ですが、自治体や合同説明会は「直接出会う」手法です。シニア採用では、この“対面での接点”が応募の後押しになるケースが多く、母集団形成の重要なチャネルの一つと言えるでしょう。
7.求人に頼らない採用チャネル⑤|自社サイト・SNSで“直接応募”を増やす
求人広告に頼らない採用を実現するうえで、見落とされがちなのが「自社からの情報発信」です。自社サイトやSNSを活用し、働く環境や仕事内容を日常的に発信していくことで、求人媒体を通さずに直接応募につなげることが可能になります。特にシニア採用では、「どんな会社か分かる」「雰囲気が見える」といった安心感が応募の決め手になることが多く、情報発信の積み重ねが大きな効果を生みます。
例えば、自社ホームページに採用専用ページを設け、「どんな人が働いているのか」「どんな働き方ができるのか」を写真や文章で紹介するだけでも印象は大きく変わります。シニア層に向けては、「未経験でも可能」「短時間勤務あり」「体力に配慮した仕事」など、安心材料になる情報を分かりやすく掲載することが重要です。これにより、「自分にもできそう」と感じた人が直接問い合わせや応募をしてくるようになります。
また、SNSは若年層向けと思われがちですが、シニア世代も家族とつながるために利用しているケースが増えています。会社の日常風景やスタッフの様子、地域活動への参加などを発信していくことで、本人だけでなく家族が情報を見て「ここなら安心して働けそう」と後押しすることもあります。特に地元密着型の企業ほど、こうした情報発信が信頼づくりにつながります。
さらに、自社発信の強みは“資産になる”ことです。求人広告は掲載をやめると応募も止まりますが、自社サイトやSNSの情報は残り続け、いつでも見てもらえる状態をつくれます。「以前からこの会社を知っていた」「ホームページを見て興味を持った」という応募は、応募意欲が高く定着にもつながりやすい傾向があります。
広告費を増やすのではなく、会社の魅力を伝える場所を自社で持つ。この発想を取り入れることで、長期的に安定した採用基盤を築くことができます。求人媒体は“きっかけの一つ”として活用しつつ、自社発信による直接応募を増やしていくことが、これからのシニア採用には欠かせない戦略です。
8.採用コストを抑えながら安定採用するための仕組みづくり
ここまで紹介してきたように、シニア採用は「求人広告に掲載する」だけではなく、さまざまな接点を組み合わせることで安定していきます。重要なのは、単発の施策で終わらせるのではなく、自社に合った採用の仕組みとして定着させることです。仕組み化できれば、採用コストを抑えながら継続的に人材が集まる状態をつくることができます。
まず意識したいのは、「1つの方法に依存しない」ことです。アルムナイやリファラル、地域での情報発信、自治体との連携、自社サイトからの直接応募など、複数のチャネルを少しずつ育てていくことで、どれかが不調でも他で補える状態になります。結果として、広告費をかけ続けなくても一定の応募がある状況が生まれます。
また、シニア採用は“急に人が必要になったとき”だけ動くのではなく、日常的に関係性をつくっておくことが大切です。地域イベントに参加する、元社員とつながりを保つ、看板やポスターを常に掲示しておくなど、「いつでも応募できる状態」を整えておくことで、タイミングが合った人材が自然と集まってきます。
さらに、採用後の定着も重要な要素です。シニア人材は、働きやすい職場であれば長く活躍する傾向があります。定着率が上がれば、社員紹介が増え、地域での評判も高まり、さらに応募が増えるという好循環が生まれます。これは広告ではつくれない“企業の信頼資産”です。
採用コストを抑える企業ほど、「募集」よりも「関係づくり」に力を入れています。日常的に接点を持ち続けることで、求人を出さなくても人が集まる状態に近づいていくのです。シニア採用は短期的な成果を追うよりも、長期的な仕組みとして整えることが成功のカギになります。
9.まとめ|シニア採用は「広告」ではなく「接点づくり」が成功のカギ
人手不足が続く中、多くの企業が求人広告に依存していますが、シニア採用においてはそれだけでは限界があるのが現実です。むしろ、安定して人材を確保できている企業ほど、「どこで出会うか」「どう知ってもらうか」という接点づくりに力を入れています。
アルムナイやリファラルによる信頼ベースの採用、看板やポスティングによる地域への直接アプローチ、自治体やコミュニティとの連携、自社サイトやSNSでの情報発信など、方法は一つではありません。こうした複数のチャネルを持つことで、求人広告の掲載状況に左右されない、安定した母集団形成が可能になります。
特にシニア人材は、「安心して働けるか」「知っている会社かどうか」を重視する傾向があります。そのため、単に条件を提示するだけでなく、日頃から地域との関係性を築き、会社の存在を知ってもらうことが重要です。接点が増えるほど、「働きたい」と思ったタイミングで自然と応募につながる可能性が高まります。
また、こうした採用の仕組みは、コスト面でも大きなメリットがあります。広告費を増やし続けるのではなく、紹介や直接応募の比率が高まれば、採用単価は徐々に下がっていきます。さらに、紹介入社が増えることで定着率も高まり、結果として採用活動全体の負担が軽くなっていきます。
これからのシニア採用は、「募集する」から「関係をつくる」へ。求人広告はあくまで手段の一つとして活用しながら、地域・人・情報発信を組み合わせた採用設計を行うことが、長期的な人材確保の鍵になります。
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