スキルを活かして社会とつながる!シニア世代の新しい働き方とは?

仕事

1. 定年後こそスキルの出番!“活かせる経験”とは?

「自分にできる仕事なんて、もうないかもしれない」——そんなふうに感じているシニアの方は少なくありません。ですが、定年までの長い職業人生の中で培ってきたスキルや経験は、実は今だからこそ求められている“財産”です。

たとえば、製造業や工場勤務での経験がある方は、「安全管理」「段取りの工夫」「ミスを防ぐ手順づくり」といった“現場を円滑に動かす力”を身につけています。これは、施設管理や清掃、マンションの管理人業務などで重宝されるスキルです。

また、事務職や営業、接客などの職歴がある方であれば、「報告・連絡・相談のスムーズさ」「丁寧な言葉づかい」「トラブルへの柔軟な対応力」など、人との信頼関係を築く力があります。こうした力は、案内係、受付、見守りサポートなど、人と接する仕事で大きな強みになります。

重要なのは、「資格」や「肩書き」ではなく、“人として積み重ねた経験”をどう活かすかを考えることです。誰かの役に立ちたいという気持ちがあれば、今までのスキルが新たな場所で花開くチャンスは必ずあります。


2. スキルを活かせるシニア向けの仕事例【体を動かす編】

「じっとしているより、体を動かして働きたい」
そんなシニアにぴったりなのが、体力を活かしながら無理なく働ける“動きのある仕事”です。特に、製造業や現場勤務の経験がある方は、その経験が活かされる場面が多くあります。

● 清掃スタッフ

公共施設やオフィスビル、病院、スーパーなどの清掃業務は、年齢を問わず採用されやすく、需要が安定しています。決まった時間にコツコツ働ける方、丁寧な作業が得意な方に向いています。


● 施設管理・マンション管理員

設備の点検、見回り、簡単な修繕、入居者対応など、細やかな気配りと責任感が求められる仕事です。工場勤務経験のある方なら、設備や安全への意識が自然と身についており、非常に相性の良い職種です。


● 警備スタッフ

施設や工事現場、イベント会場などの警備業務は、「責任感」や「観察力」が重視される仕事。シニア世代の落ち着いた対応力や経験が評価され、特に夜間・日中の巡回業務では年齢に配慮した配置も多く見られます。研修制度も整っており、未経験でも挑戦しやすい点が魅力です。


● 家事代行・ベビーシッター

長年の生活経験や育児経験を活かせるのがこの分野。家事代行では、掃除・洗濯・調理など、日々の家事スキルがそのまま活躍します。ベビーシッターでは、落ち着いた対応や子どもへの優しい目線が求められ、孫世代との交流が得意な方にぴったりの仕事です。


3. スキルを活かせるシニア向けの仕事例【人と関わる編】

「人と話すのが好き」「誰かの役に立ちたい」――そんな思いを持つシニアの方に向いているのが、人と接する仕事です。人生経験に裏打ちされた落ち着いた対応や、誠実な姿勢は、若い世代ではなかなか代えがたい魅力です。

● 見守り・送迎サポート

高齢者施設や学童保育の送迎補助、地域の見守りスタッフなど、“安全を支える”役割が求められる仕事です。穏やかで落ち着いた人柄が信頼につながり、「そこにいてくれる安心感」が仕事になります。運転免許を活かして、シニア送迎ドライバーとして活躍する方も増えています。


● 図書館・公共施設の受付・案内スタッフ

地域の図書館や市民センターなどでは、受付対応や館内案内、貸出手続きといった業務があります。丁寧な接客や説明、落ち着いた物腰が求められるため、社会人経験の豊富なシニア層にとっては親和性の高い職種です。


● 講師・語り手・体験指導員

これまでの職歴や趣味、特技を活かして“教える側”に回ることも選択肢のひとつです。たとえば、昔の暮らしを語る「地域の語り部」、工作・木工などの体験教室指導員、元職を活かした「安全講習」「衛生管理」の講師などがあります。NPOや地域活動の一環として始めやすいのも特徴です。


● イベント案内・観光ガイド

自治体イベントや観光地での案内業務、ガイドスタッフも、地域に詳しいシニアに人気の仕事です。歩きながら案内したり、来場者とコミュニケーションを取る場面も多く、「人と話すのが好き」という気持ちを活かせます。


4. 働くことで得られる“つながり”と“役割”の再発見

定年後、ふと感じるのが「誰とも話す機会が減った」「一日が長く感じる」といった孤立感や喪失感です。これは、仕事をしていた頃に当たり前のようにあった“つながり”や“役割”が、急になくなることによる心理的な変化です。

しかし、たとえ週2~3日でも社会の中で何かしらの役割を担うことで、生活のリズムが整い、心にハリが生まれます。たとえば、近所の小学生の登校を見守る仕事や、公共施設の受付として「おはようございます」と声をかけること――そうした日常的な関わりの中に、シニア世代の大きな存在価値があるのです。

また、「ありがとう」「助かりました」という感謝の言葉を受け取ることは、自己肯定感や幸福感を高める効果があります。内閣府が公表した『令和5年版 高齢社会白書』でも、働く高齢者は働いていない高齢者と比べて「生活満足度」が高く、「生きがい」を感じる割合も多いというデータがあります(※出典:内閣府 高齢社会白書(令和5年版))。

そして、働くことを通じて若い世代との交流が生まれることも、大きな刺激になります。自分の知識や経験を伝える機会は、次世代への“橋渡し役”としての喜びを感じる瞬間です。これは、単なる労働ではなく「地域社会の一員として生きる」ことそのものだと言えるでしょう。


5. 70代からの仕事選びで意識したいポイントとは?

70代からの仕事選びは、若い頃のように「やりがい」や「キャリアアップ」だけで決めるのではなく、自分の健康状態や生活リズム、体力とのバランスを考慮することがとても重要です。無理なく、続けられることが長く働く秘訣です。

● 体力と仕事内容のバランス

「体を動かす仕事」といっても、8時間フルタイムの立ち仕事では負担が大きいことも。週に数日、1日4~6時間程度の勤務からスタートできる仕事や、屋内での作業など、自分の体力に合った内容を選ぶことが大切です。


● 通勤距離・通勤手段

通勤がストレスになってしまうと、せっかくの仕事も続けづらくなります。徒歩圏内や自転車・バスで無理なく通える勤務地を選ぶことで、負担を軽減できます。最近では、地域密着の求人サイトなどで地元の仕事を探す人も増えています。


● シフトの柔軟性や相談しやすさ

家庭の都合や体調に合わせてシフトを調整しやすい職場かどうかもポイントです。少人数の職場や、シニアの就労実績がある会社は、事情を理解してくれる傾向にあります。「急な通院があっても理解してもらえるか?」という視点も持っておきましょう。


● ブランクがあっても安心できる仕事か

「もう長く働いていなかったから不安」という方も少なくありません。ですが、受付や見守り、施設管理などは“社会人経験そのもの”が重視される職場も多く、再スタートに適した職種です。研修制度の有無や、OJT(現場研修)の内容も事前に確認しておきましょう。

70代はまだまだ社会で活躍できる年齢です。無理なく働けて、少しでも楽しいと思える仕事を選ぶことが、充実した“セカンドキャリア”の第一歩になります。


6. スキルを活かして社会とつながる生き方を始めよう

これまでの仕事や人生経験の中で身につけたスキルは、定年を迎えても「終わり」ではなく「新しい役割のはじまり」です。今の自分にできることは何か——その問いに向き合ったとき、自分のスキルが人の役に立つ場面は思った以上にたくさんあります。

「話を聞いてくれるだけで安心した」「ありがとう、助かったよ」
こうした一言が、働くシニアにとって何よりのやりがいになります。収入を得ることだけが目的ではなく、人と関わり、地域とつながることで、自分自身の存在意義を再確認する——それが、今の時代における“働く意味”ではないでしょうか。

また、今はインターネットや地域の支援センターなどを通じて、シニア向けの求人情報も見つけやすくなっています。
特に、以下のような支援の場がスタートを後押ししてくれます:

  • ハローワークの高齢者向け窓口
  • 自治体が運営する就業支援センター
  • シニア専門の求人サイト(※記事末に紹介)

「まずは週2日から」「短時間から始めてみる」そんな気軽なスタートでかまいません。大切なのは、一歩踏み出してみること。誰かに必要とされる喜びは、年齢に関係なく、人生に活力を与えてくれます。

70代になった今だからこそ、自分のスキルをもう一度社会で活かすチャンス。新しい働き方を通じて、今後の人生をさらに豊かにしていきましょう。

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