1. 【はじめに】定年後も働きたい理由とは?高齢者が“仕事”に求めるもの
人生100年時代といわれる現代、定年を迎えても「まだ働きたい」と考える高齢者が増えています。厚生労働省の「高年齢者の雇用状況(令和5年)」によれば、70歳以上でも働いている人は過去最多となっており、今や「定年後も働く」ことは特別なことではなくなりました。
では、高齢者が仕事を続けたいと思う理由はどこにあるのでしょうか。
● 主な理由は「収入の補填」「健康維持」「社会とのつながり」
多くのシニア世代が働く理由として挙げているのが、以下の3点です。
・年金だけでは生活費が足りない
・健康を維持したい(身体を動かす目的)
・人と関わることで孤立を防ぎたい
特に70代前後の世代では「家にこもると体力も気力も衰える」と感じる方が多く、週に数日だけでも“働く場所があること”を大切にしています。
● 働くことで得られる“幸せ”
定年後の仕事は、ただの収入源ではなく、「役割」や「自己肯定感」にもつながります。働くことで自分の存在価値を再確認でき、生きがいにつながる人も少なくありません。
2. 無理なく続けられる働き方のポイント|体力・柔軟性・やりがいがカギ
70代の働き方で大切なのは、「続けられるかどうか」です。
無理をして体調を崩しては元も子もありません。高齢者が安心して働き続けるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
● 体への負担が少ないことが第一条件
年齢とともに筋力や持久力は徐々に低下します。これを前提に、「長時間の立ち仕事」「力仕事」などは避けたほうがよいでしょう。
理想的なのは、1日3〜5時間程度・週2〜3回から始められる仕事です。
また、外出が難しい日もあることを想定して、自宅や近所でできる仕事も選択肢に入れておくと安心です。
● 柔軟なシフト制・短時間勤務が可能か
シニア世代の多くは、家庭内の用事や通院など、若い世代よりも時間に制約がある場合があります。
そのため、「午前だけ」「週に1〜2回だけ」など、ライフスタイルに合わせて調整しやすい働き方が向いています。
コンビニや施設清掃など、短時間で交代制を導入している職場は、特に人気があります。
● “やりがい”を感じられる仕事かどうか
続けられる仕事のもうひとつの条件は、やりがいです。
たとえば、「誰かに感謝される」「地域の役に立っている」といった実感が得られると、働く意欲も高まりやすくなります。
高齢者支援や子育て支援など、人生経験が活かせる職種は、特にシニアに人気です。
このように「体力」「柔軟性」「やりがい」の3つのバランスを意識することで、70代からでも無理なく働き続けることができます。
3. 高齢者に最適な仕事ランキング10選【2025年版】
70代からでも無理なく働ける仕事は、年々多様化しています。ここでは、体力的・精神的な負担が少なく、かつシニア世代に人気のある仕事をキャリア65が厳選してご紹介します。
ランキング | 職種名 | 特徴 |
---|---|---|
第1位 | 施設・ビルの清掃員 | 短時間・軽作業中心。運動代わりにもなる |
第2位 | マンション管理人 | 一人作業が中心で落ち着いた環境 |
第3位 | 介護施設の補助業務 | 資格不要・人生経験が活かせる現場 |
第4位 | 警備スタッフ | 座ってできる業務も多く、初心者歓迎が多い |
第5位 | 事務スタッフ | 簡単なPC操作や来客応対が中心で負担が少ない |
第6位 | 家事代行スタッフ | 掃除や料理など、日常スキルを活かせる |
第7位 | ベビーシッター | 子育て経験を活かし、短時間勤務も可能 |
第8位 | 農業・園芸作業 | 体を動かしたい方に。地域の人との交流も魅力 |
第9位 | 配送サービス | 軽い荷物の配達中心。短時間勤務も可能 |
第10位 | 在宅ワーク(内職・軽作業) | 自宅で作業でき、天候や体調の影響を受けにくい |
● ランキングの選定基準
このランキングは、以下の視点で選定しました。
・体力的負担が少ない(短時間勤務、軽作業中心)
・年齢不問、未経験歓迎の募集が多い
・やりがい、人との関わりが持てる仕事
・地域密着型または在宅でできる柔軟性の高い働き方
たとえば、「清掃員」や「事務職」は、定年退職後に初めて働く方でもスタートしやすい人気の職種です。
4. ランキングに入った仕事を詳しく紹介!仕事内容・メリット・注意点
ここでは、ランキングの上位5職種について、仕事内容やメリット、働く際の注意点を具体的にご紹介します。自分に合う働き方を見つける参考にしてください。
● 第1位:施設・ビルの清掃員
仕事内容:オフィスビルや公共施設、マンションの共用部などの清掃(床のモップがけ、トイレ清掃、ごみ回収など)
メリット:
・短時間勤務が多く、週2〜3日から始めやすい
・身体を動かすため、健康維持にもなる
・一人で黙々と作業できるため、精神的なストレスが少ない
注意点:
・多少の屈伸動作や移動があるため、膝や腰に不安がある人は無理しないこと
・夏場や冬場は空調のない環境になることもあるので体調管理が重要
● 第2位:マンション管理人
仕事内容:居住者対応、共用部の簡易清掃、備品チェック、宅配の一時受け取りなど
メリット:
・常駐または日中数時間だけの勤務など、時間に融通が利く
・特別なスキルが不要で、未経験でも始めやすい
・近隣住民との交流があり、孤立を防げる
注意点:
・基本的に一人勤務なので、緊急時の対応を覚えておく必要がある
・一定のコミュニケーション能力が求められることも
● 第3位:介護施設の補助業務
仕事内容:高齢者の生活支援(配膳・片付け・お話し相手・見守りなど)。身体介助がない場合も多い。
メリット:
・感謝される機会が多く、やりがいが感じられる
・人生経験がそのまま活かせる現場
・短時間、日勤のみの求人も多数
注意点:
・利用者の状況によっては、気配りや丁寧な対応が求められる
・一部の施設では夜勤がある場合もあるため、条件をよく確認すること
● 第4位:警備スタッフ
仕事内容:駐車場や施設での巡回・立哨、入退場管理、イベント警備など
メリット:
・座って行う警備もあり、体への負担が少ない
・日勤、夜勤、短時間など、働き方の選択肢が多い
・年齢不問、未経験歓迎の求人が多い
注意点:
・制服着用や長時間の待機があるため、寒暖差への対策が必要
・資格(例:警備業法による研修)が必要な場合もあるので、事前確認を
● 第5位:事務スタッフ
仕事内容:電話応対、簡単なパソコン入力、来客対応、資料整理など
メリット:
・座って働けるため、体力的な負担が少ない
・以前の職歴(事務経験)が活かせる場合が多い
・一定のルーチン業務があり、覚えやすい仕事
注意点:
・パソコンスキルが全くない場合は、習得に少し時間がかかることも
・目や肩の疲労には注意が必要(定期的な休憩が大切)
● 第6位:家事代行スタッフ
仕事内容:掃除・洗濯・簡単な調理・買い物代行など
メリット:
・家事経験をそのまま活かせる
・感謝される機会が多く、やりがいを感じやすい
・短時間、直行直帰の仕事も多い
注意点:
・高齢者宅では体力に加え気配りも求められる
・移動が多い場合は体への負担に注意
● 第7位:ベビーシッター
仕事内容:保護者不在時の子どもの見守り、遊び相手、食事補助など
メリット:
・子育て経験がそのまま強みになる
・子どもとのふれあいで心が元気になる
・短時間やスポットでの依頼も多数
注意点:
・緊急時の対応や安全配慮が必要
・子どもとの相性によっては負担に感じることも
● 第8位:農業・園芸作業
仕事内容:野菜の収穫・苗の植え付け・雑草取りなどの軽作業
メリット:
・外で身体を動かすことで健康維持に役立つ
・季節の変化を感じられる仕事
・地域の人とつながるチャンスも多い
注意点:
・屋外作業のため、熱中症/寒暖差対策が必要
・雨天中止など、天候に左右されることがある
● 第9位:配送サービス
仕事内容:ネット通販や弁当などの小型配送業務(自転車・バイク・車)
メリット:
・配達ルートが固定されていれば負担が少ない
・動くことで自然な運動量が確保できる
・一人の時間を大切にできる仕事
注意点:
・重い荷物や階段移動が発生する場合もあるため、体力確認を
・交通安全への意識が不可欠
● 第10位:在宅ワーク(内職・軽作業)
仕事内容:チラシ封入、シール貼り、データ入力、ネット商品の梱包など
メリット:
・自宅でできるため、天候や通勤の負担なし
・自分のペースで作業できる
・スキル不要の仕事も多く、始めやすい
注意点:
・報酬単価が低いものもあり、収入目的なら注意
・詐欺的な「高収入在宅ワーク」には要警戒
5. 働き方別に見る|週1回・短時間・在宅などの柔軟な選択肢
70代の働き方は、以前よりも格段に自由度が増しています。「毎日フルタイムで働く」以外にも、体調や生活リズムに合わせた働き方が選べる時代になりました。ここでは、シニア世代におすすめの“柔軟な働き方”を紹介します。
● 週1〜2回から始められる仕事
「まずは体を慣らすところから始めたい」「家事や通院の合間に働きたい」という方には、週1〜2回から勤務可能な仕事が向いています。
・例:マンション管理人、清掃スタッフ、介護施設の補助
・メリット:身体的負担が少なく、長く続けやすい
・注意点:求人の絶対数がやや少なめなため、こまめなチェックが必要
● 1日2〜4時間の短時間勤務
「長時間は難しいけれど、少しずつ働きたい」方には、午前中だけ、午後だけといった短時間勤務がおすすめです。
・例:事務補助、配送サービス、家事代行
・メリット:体調管理がしやすく、疲労が蓄積しにくい
・注意点:通勤時間とのバランスも考慮するのがポイント
● 在宅ワークという選択肢
「外に出るのが不安」「自宅で落ち着いて仕事したい」方には、内職やパソコンを使った在宅ワークという方法もあります。
・例:封入作業、データ入力、ネット販売の発送業務など
・メリット:天候や体調に左右されず、自分のペースでできる
・注意点:報酬単価が低いものもあるため、収入目的なら相場を確認
● “働きながら選ぶ”という考え方もアリ
実際に働いてみないと、自分に合っているかどうかはわからないものです。最初は「試してみる」「お試し勤務」から始めて、合わなければ別の仕事に切り替える、という柔軟な発想が今のシニアには求められています。
体調や家族との時間を大切にしながら、ムリなく働く。それが今の高齢者にとって“最適な働き方”の基本形です。
6. 【まとめ】自分らしい“第2の仕事”で、豊かな毎日を手に入れよう
高齢者にとっての働き方は、「収入を得る」ことだけが目的ではありません。
70代になっても「体を動かす」「人と関わる」「役に立てる」という実感が、心身の健康を支え、生きがいとなっていきます。
本記事で紹介したように、清掃や管理業務、家事代行、在宅ワークまで、多種多様な選択肢があり、自分の体力や生活リズムに合わせて無理なく続けることが可能です。
● 今だからこそ選べる“働き方”がある
人生経験を重ねた今だからこそ、「自分に合った働き方」を選ぶ視点が重要です。
たとえば――
・週に1〜2回だけ働いて社会とつながる
・自宅でできる仕事で体調に配慮しながら収入を得る
・子育てや人生経験を活かして人の役に立つ
このように、「働く=しんどいこと」ではなく、「働く=自分らしい生活をつくる手段」へと変化しています。
● 就職支援や求人サイトの活用もおすすめ
最近では、高齢者専門の就職支援サービスや求人サイトも充実しています。「年齢が理由で断られるのでは…」と心配する必要はありません。
高齢者を積極的に受け入れる企業は確実に増えており、自分に合った職場がきっと見つかります。
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