人とつながり、収入も得る！シニアに広がる「タクシードライバー」という選択肢

1．【再注目の理由】なぜ今、シニア世代にタクシードライバーが選ばれているのか
2．【仕事内容を解説】タクシードライバーの一日と働き方の特徴とは
3．【資格や条件は？】未経験からでも始められる？必要な免許と準備
4．【人とつながる仕事】高齢になっても社会との関わりを実感できる理由
5．【収入と生活のバランス】無理なく働けて家計も助かる仕組み
6．【仕事の見つけ方】シニアがタクシードライバーとして働くための求人探しのコツ
7．【まとめ】収入・健康・つながりを得られる“第二の人生”の選択肢

1．【再注目の理由】なぜ今、シニア世代にタクシードライバーが選ばれているのか

定年を迎えた後も、もう一度働きたいと考えるシニア世代が増えています。理由はさまざまですが、年金だけでは生活が心もとない、健康のために適度に体を動かしたい、社会との接点を持ち続けたい——そんな思いから、再就職を目指す方が多くなってきました。

その中で今、シニアに注目されているのが「タクシードライバー」という仕事です。特に都市部では交通需要が安定しており、観光地や病院への送迎、高齢者や訪日外国人の移動手段としても不可欠な存在となっています。また、多くのタクシー会社がシニア世代の採用に前向きで、60代・70代でも現役で働いている人が多数います。

国土交通省の「タクシー事業の現状」によれば、タクシー乗務員の平均年齢は60歳を超えており、70代のドライバーも珍しくありません。年齢や経験を問わず挑戦しやすい環境が整っていることが、再注目の理由のひとつです。

2．【仕事内容を解説】タクシードライバーの一日と働き方の特徴とは

タクシードライバーの仕事は単に「運転する」だけではありません。お客様の命を預かる責任ある職業である一方、接客や気配り、地域への理解も求められる、まさに“人と人をつなぐ”仕事です。特にシニア世代には、人生経験を活かした落ち着いた対応力が求められる場面も多く、適性のある方が多い職種でもあります。

■ 一日の流れ（例：日勤の場合）

１．出勤・点呼・アルコールチェック
２．車両点検・乗車準備
３．午前：通勤客や通院する高齢者の送迎
４．昼食・休憩
５．午後：買い物や観光、ビジネス客の送迎
６．帰庫・日報記入・車両清掃・退勤

勤務形態は以下のように多様です。

■ 働き方の選択肢

・日勤のみ：朝から夕方まで、規則正しい生活に合いやすい。
・隔日勤務：1日働いて翌日休むスタイル。月12〜13日勤務で高収入を狙いやすい。
・パート勤務：週2〜3回、短時間でも可能なケースがあり、体力的に不安な方にも安心。

また、多くのタクシー会社では「配車アプリ」や「無線配車」を活用しており、待ち時間なく効率的に仕事を進めることができる点も魅力のひとつです。

60代で新たにタクシードライバーとして働く場合も、体力や生活リズムに合わせた働き方を選びやすいのがこの職業の大きな特徴といえるでしょう。

3．【資格や条件は？】未経験からでも始められる？必要な免許と準備

タクシードライバーになるために必要な資格は、「普通自動車第二種運転免許（通称：二種免許）」です。この免許があれば、対価をもらってお客様を乗せることが可能になります。とはいえ、多くのタクシー会社ではこの二種免許の取得支援制度を用意しており、未経験者でも安心してスタートできる仕組みが整っています。

■ 必要な資格と条件

・普通自動車運転免許（第一種）取得後3年以上経過していること
・健康状態が良好であること（診断書の提出が求められる場合あり）
・二種免許の取得（タクシー会社負担で取得できるケースが多い）

シニア世代の場合、「視力」「反応速度」などのチェックもありますが、運転に支障がなければ年齢での制限はほとんどありません。実際に、60代で新たにタクシードライバーとして働き始める人も増えています。

■ 未経験でも安心のサポート制度

・養成制度、教習費用全額会社負担
・入社後の研修あり（接客マナー・地理・無線機の使い方など）
・新人期間中の給与保障制度（例：3ヶ月間月給25万円保証など）

特に都市部のタクシー会社では人手不足から「未経験歓迎」「シニア歓迎」といった求人も多く見られ、実際に65歳以上の採用実績を公表している企業もあります。

免許があればすぐにでも働ける環境が整っており、シニア世代にとって“今からでも始められる”現実的な仕事といえるでしょう。

4．【人とつながる仕事】高齢になっても社会との関わりを実感できる理由

タクシードライバーの魅力のひとつは、「人と直接ふれあえる仕事」であることです。車内は、ほんの数分でもお客様との会話が生まれる空間。年齢や職業、目的地もさまざまな人々と出会い、言葉を交わすなかで、自分自身の存在が誰かの役に立っていることを実感できます。

特にシニア世代にとっては、「ありがとう」と言われる経験が、社会とのつながりを保ち、心の健康にもつながります。人との関わりが減りがちな退職後の生活の中で、タクシーという仕事は“適度な距離感のある人間関係”を持続できる理想的な職場環境でもあります。

■ 社会的な役割を感じられるシーンの例

・通院する高齢者を安全に送り届けたとき
・忙しい朝に急いでいるビジネスパーソンを効率よく送ったとき
・地方からの観光客に街の見どころを教えたとき

また、乗務員どうしの交流や、タクシー会社の社内イベントなどもあり、同世代の仲間とのつながりが生まれやすい環境でもあります。

孤独を感じがちなシニア期において、タクシードライバーという仕事は「人の役に立つ実感」「適度な社会参加」「新たな出会い」という3つの要素を満たしてくれる、希少な職種だと言えるでしょう。

5．【収入と生活のバランス】無理なく働けて家計も助かる仕組み

年金収入だけでは不安……という声が多いなか、タクシードライバーは「働いた分だけ収入を得られる」仕組みが特徴です。特にシニア世代にとって、無理なく働きながら生活費を補える点が大きな魅力となっています。

■ 基本は「歩合制」＋「保証給」

タクシードライバーの給与体系は一般的に「歩合制」が基本ですが、未経験や高齢者のために一定期間の固定給（保証給）を設けている会社もあります。これにより、はじめてでも安定した収入が得られる仕組みになっています。

＜例＞
・乗務開始から3か月間は月給25万円保証
・それ以降は売上に応じて50～60％程度が収入に
（※金額は地域や会社によって異なる）

■ 勤務日数・時間も自分で調整しやすい

シニア層向けに「週2日勤務」「日勤のみ」「短時間勤務可」といった求人もあり、自分のペースで働ける点も安心材料です。特に体力に自信がない方でも、無理のないスケジュールで続けられるよう柔軟な勤務体制を選べる会社が増えています。

■ 想定される月収（都内例）

・週2～3日勤務：月5～10万円程度
・フルタイム勤務：月20～30万円程度
　※年齢、地域、稼働時間により差があります

このように、「稼ぎたい額」「働きたいペース」に合わせて選べる仕事であることが、70代の働き手にとって大きな魅力です。家計を支えるだけでなく、気持ちにも余裕をもたらしてくれる選択肢といえるでしょう。

6．【仕事の見つけ方】シニアがタクシードライバーとして働くための求人探しのコツ

タクシードライバーとして働きたいと考えたとき、どのように求人を探せばよいのでしょうか？　特にシニア世代にとっては、自分の年齢や体力に合った働き方ができる会社を選ぶことが大切です。ここでは、シニア向け求人を見つけやすい方法とポイントを紹介します。

■ 1. シニア歓迎・未経験歓迎の求人サイトを活用する

年齢不問・シニア歓迎の求人に特化したサイトや、再就職支援に力を入れている行政サービスを活用しましょう。
たとえば、
・ハローワークインターネットサービス
・キャリア65（シニア専門求人サイト）
・タクシー求人専門サイト（例：タクQ、ドライバーズワーク）
などが挙げられます。

これらのサイトでは、「70代も活躍中」「免許取得支援あり」「週2日から勤務OK」など、シニアにやさしい条件で絞り込みが可能です。

■ 2. 会社選びのポイント

・研修制度があるか：未経験でも安心して始められるサポート体制は重要です。
・勤務スタイルが選べるか：日勤・短時間勤務など、自分に合う働き方があるか確認しましょう。
・無線配車、アプリ配車の比率：流し営業より効率的な働き方ができるかどうかも収入に直結します。
・高齢者の採用実績：実際に70代の社員がいるかどうかも安心材料になります。

■ 3. 説明会や会社見学も活用しよう

最近では「会社説明会」や「体験乗務会」を開催するタクシー会社もあります。実際の職場環境や車両の使いやすさ、人間関係の雰囲気などを確かめてから応募できるのは大きなメリットです。