「ありがとう」は最高の健康習慣!心と体が元気になる毎日の習慣とは

生活

1.「ありがとう」が健康習慣として注目される理由

なぜ“感謝”が体にいいのか?脳科学・心理学の視点から

「ありがとう」という言葉は、単なる挨拶や礼儀ではなく、実は脳や体にポジティブな影響を与える“健康習慣”としても注目されています。特にシニア世代にとって、この習慣が心身の健康を支える「鍵」になり得るという研究も数多く発表されています。

脳科学の観点では、「ありがとう」と感謝の気持ちを持つと、脳内でセロトニンやオキシトシンといった“幸せホルモン”が分泌されることがわかっています。これらはストレスを緩和し、気分を安定させる効果があり、うつ状態の予防や不安の軽減にもつながります。

また、心理学の分野でも感謝の習慣が人の幸福度を高め、自己肯定感や対人関係の質を改善することが報告されています。米国心理学会(APA)の研究によれば、感謝の気持ちを日常的に表現している人は、心身の健康状態が良好である傾向が高いとされています【参考:American Psychological Association, 2019】。

このように、「ありがとう」を意識して使うだけで、脳の働きが活性化し、前向きな感情が増え、人生への満足感が向上していきます。感謝の気持ちを抱くことが、実は自分自身の健康にもつながっているのです。


「ありがとう」がもたらすストレス軽減・免疫力アップ効果

もうひとつ注目すべきは、「ありがとう」がもたらす生理的な効果です。ある研究によると、感謝の言葉を口にする習慣のある人は、そうでない人に比べてストレスホルモン(コルチゾール)の分泌量が低く、免疫機能も高い傾向があることが示されています【参考:Emmons & McCullough, “Counting Blessings vs. Burdens”, 2003】。

これは、「ありがとう」を言うことがリラックス状態を生み、自律神経のバランスを整えてくれるためです。副交感神経が優位になることで、呼吸が落ち着き、心拍数も安定。自然と気持ちも穏やかになり、体の回復力が高まるのです。

特にシニア世代においては、加齢とともにストレス耐性や免疫力が低下することがあります。「ありがとう」を習慣化することは、日々のちょっとしたストレスを和らげ、風邪や感染症などの予防にもつながる「最高のセルフケア」といえるでしょう。


2.シニア世代にうれしい「ありがとう」の具体的な健康効果

心が前向きになることで生活習慣も自然と改善

「ありがとう」という言葉を日常的に使うと、自然と心が前向きになり、それが生活習慣の改善につながるという好循環が生まれます。たとえば、感謝の気持ちを意識することで、日々の出来事に対してポジティブに受け止められるようになり、「どうせ無理だ」と思っていたことにも挑戦する意欲が湧いてくるようになります。

これは行動科学の分野でも裏付けられています。筑波大学の研究チームによると、高齢者が感謝を表現することで「自己効力感(自分にはできるという感覚)」が高まり、運動や食事管理、外出といった行動が積極的になることが報告されています【参考:筑波大学 心理学系「高齢者の感謝体験と心理的健康に関する研究」2021年】。

日々「ありがとう」と伝えることが、ただの気持ちの問題にとどまらず、「今日は散歩しよう」「野菜を多めに摂ろう」といった健康的な行動を自然に後押しする。そんな好循環をつくれるのです。


孤独感や不安の軽減にもつながる“言葉の力”

高齢期に入ると、人とのつながりが少なくなり、孤独感や将来への不安を感じやすくなります。しかし、「ありがとう」と人に伝えることは、そのつながりを取り戻す第一歩になります。

特に、誰かに感謝を伝えるという行為は、“自分が誰かに支えられている”“人との関係が存在している”という実感につながります。これは精神的な安定感を生み出し、「一人じゃない」という安心感をもたらしてくれます。

実際、国立長寿医療研究センターが実施した高齢者対象の調査では、「日常的に感謝を伝える習慣がある人は、孤独感を感じる割合が低く、抑うつ症状も少ない」という結果が出ています【参考:国立長寿医療研究センター『感謝の感情が高齢者の心理的健康に及ぼす影響』2020年】。

「ありがとう」は、人と人との心の距離を縮め、地域や家族とのつながりを保つための“架け橋”となる言葉。まさに、孤立を防ぎ、精神的な健康を保つための力強い習慣なのです。


3.毎日に取り入れたい!「ありがとう」を習慣にするコツ

ひとりでもできる簡単な感謝ワーク

「ありがとう」を日々の習慣にするために、特別な道具や時間は必要ありません。誰でも今日から始められる簡単な“感謝ワーク”をご紹介します。

<感謝日記をつける>
1日1回、寝る前に「今日あった嬉しかったこと」「誰かにしてもらってありがたかったこと」をノートに3つ書き出すだけのシンプルな方法です。これは「グラティチュード・ジャーナル(感謝日記)」と呼ばれ、米国カリフォルニア大学のロバート・エモンズ教授がその効果を実証しています。

この習慣を2週間続けたグループは、幸福感や人生満足度が上がり、睡眠の質や人間関係の改善も見られたとのことです【参考:Emmons & McCullough, 2003年 “Counting Blessings vs. Burdens”】。

<「ありがとう」を心の中で唱える>
誰かに感謝を伝えるのが難しいときでも、自分の中で「ありがとう」とつぶやくだけでも効果があります。朝起きたときや食事の前後、散歩中などに「今日もありがとう」「元気に歩けてありがとう」など、小さなことでも意識することで、感謝の感情が自然と育っていきます。

「ありがとう」は、外に向けて発信するだけでなく、自分の内面を整える言葉としても力を発揮するのです。


家族・職場・地域での実践例

感謝の気持ちは、周囲の人との関係性を豊かにするきっかけにもなります。たとえば、家庭内での一言「ありがとう」は、夫婦の会話を柔らかくし、毎日の生活に温かみを与えます。

職場でも同様です。施設管理員として働いているAさんは、以前は黙々と作業していましたが、同僚に「ありがとう」と声をかけるようになってから、話しかけられる機会が増え、職場での居心地が良くなったと感じているそうです。

また、地域の活動やボランティアで「ありがとう」と言葉を交わすことは、シニア世代にとって新たな“居場所”を作るきっかけにもなります。自分の役割や存在価値を再確認できる場として、感謝の言葉がつながりを生む原動力になるのです。

大切なのは、完璧な言い方をすることではなく、「ありがとう」と口にする“回数”を意識して増やすこと。続けるうちに、言葉が自然と心を前向きに導いてくれるはずです。


4.年齢に関係なく始められる、“ありがとう”習慣の第一歩

今からでも遅くない!感謝の力を人生に取り入れるコツ

「ありがとう」を習慣にしたいと思っても、いきなり毎日意識するのは難しそう…そんな不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、感謝の習慣は年齢や経験に関係なく、誰でも・いつからでも始められるものです。

まず大切なのは、“完璧を目指さないこと”。毎日3回でも、1回でも、「ありがとう」と意識して言えたらそれだけで十分です。たとえば、次のようなシーンで意識的に感謝を伝えることから始めてみましょう。

・スーパーのレジで「ありがとうございます」と笑顔で言う
・家族に「いつも助かってるよ、ありがとう」と一言伝える
・自分自身に「今日も頑張ったね、ありがとう」と声をかける

こうした行動が、無理なく「ありがとう」の回数を増やしていく第一歩になります。

また、感謝を習慣にするためには“見える化”も有効です。たとえば、日記に「今日言えたありがとう」を1行だけ書く、カレンダーに〇をつけるなど、目に見える形で記録すると、自然と続けやすくなります。


小さな「ありがとう」が自分を変える——続けるための工夫とは

習慣として定着させるには、「ありがとう」と言いやすい環境づくりも重要です。

たとえば、職場や地域活動で「ありがとう」が飛び交う空気があれば、自分も自然とその言葉を口にしやすくなります。逆に、あまり言葉が交わされない場でも、自分から率先して「ありがとう」と言ってみることで、周囲の雰囲気が変わっていくこともあります。

また、続けるためには“自己評価のハードル”を下げることも大切です。
「今日は1回しか言えなかった…」と落ち込むのではなく、「1回でも言えた自分、えらい」と自分を肯定すること。それが継続の秘訣です。

「ありがとう」は、毎日繰り返すうちに自然と口をついて出るようになります。そして、それが周囲とのつながりを深め、自分自身の気持ちも安定させ、気づけば生活全体が心地よくなっている——そんな“変化の始まり”になるのです。


5.まとめ|「ありがとう」は誰でもできる最高の健康習慣

健康のために運動を始めたり、栄養バランスに気を配ったりするのももちろん大切ですが、「ありがとう」と感謝の言葉を習慣にすることも、同じくらい体と心に大きな影響を与えます。

感謝の気持ちは、脳や心の働きを整え、ストレスをやわらげ、免疫力を高めてくれる——科学的にも実証された“心の栄養”です。そして何より、「ありがとう」はお金も時間もかからず、誰でも、いつからでも始められる習慣です。

特にシニア世代にとっては、孤独感の軽減や社会とのつながり維持といった側面でも大きなメリットがあります。人との関係性が変化しやすい年代だからこそ、自分の言葉で人とつながる力はとても大切です。

「ありがとう」を1日1回でも意識する。
小さな一歩が、やがて前向きな日々をつくり出します。

健康の秘訣は、特別なことではなく、「あたりまえの中に感謝を見つける力」。
“ありがとう”を習慣にして、心も体もいきいきとしたシニアライフを歩んでいきましょう。

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