仕事も趣味も楽しめる体に!シニアのための腸腰筋トレーニング入門

健康

1. 腸腰筋とは?シニアが注目すべき理由

腸腰筋(ちょうようきん)は、腰から太ももの付け根にかけて存在するインナーマッスルの総称で、「大腰筋」と「腸骨筋」をあわせた名称です。この筋肉は、主に股関節を曲げる・脚を上げるといった動作に関与しており、歩行や階段の上り下り、椅子からの立ち上がりなど日常の動作に欠かせない役割を担っています。

とくに高齢者にとっては、腸腰筋の強さが「歩行能力の維持」「転倒予防」「姿勢の安定」などに大きく関係します。年齢を重ねると自然に筋肉量が減少していきますが、腸腰筋は日常の活動だけでは鍛えづらく、意識してトレーニングしなければ衰えやすい筋肉のひとつです。

「最近つまずきやすくなった」「歩くのが億劫になってきた」というシニアの方にこそ、腸腰筋を鍛える意識が必要です。


2. 腸腰筋が衰えるとどうなる?日常生活への影響

腸腰筋が衰えると、体のバランスをとる力や脚を持ち上げる筋力が低下し、つまずきや転倒のリスクが高まります。特に高齢者は転倒によって骨折しやすく、それがきっかけで寝たきりになるケースも少なくありません。

また、腸腰筋の衰えは姿勢の悪化や腰痛の原因にもなります。歩幅が狭くなったり、前かがみになったりといった変化に心当たりがある方は、腸腰筋の弱化が進行しているサインかもしれません。

【参考データ】 厚生労働省「健康寿命の延伸に向けた取組」では、高齢者の要介護原因の第1位が「運動器の障害(骨折・転倒含む)」とされており、腸腰筋のトレーニングが重要な予防策となることがわかります。


3. 無理なく始められる!シニアにおすすめの腸腰筋トレーニング

腸腰筋のトレーニングと聞くと、「きつそう」「運動は苦手」と感じる方もいるかもしれません。しかしご安心ください。腸腰筋は激しい運動をしなくても、毎日の生活の中に取り入れられる簡単な動きで効果が出る筋肉です。ここでは、70代の女性でも無理なく取り組める、初心者向けのトレーニングをいくつかご紹介します。


【1】もも上げ体操(立ったままでできる基本運動)

効果:股関節の可動域を広げ、バランス力・脚力の向上に効果的

方法:

1.安定した椅子や手すりの前に立ち、背筋を伸ばす
2.片方の膝をゆっくりと持ち上げ、ももが床と平行になるくらいまで上げる
3.3秒間キープし、ゆっくり下ろす
4.左右それぞれ5〜10回を目安に

    ポイント:

    ・息を止めずに自然な呼吸を意識
    ・慣れてきたら回数を少しずつ増やす
    ・フラつく場合は壁や机を支えにして


    【2】椅子に座った膝上げ運動(テレビを見ながらでもOK)

    効果:腸腰筋の強化に加え、太もも全体の筋力アップにも効果的

    方法:

    1.背筋を伸ばして椅子に浅めに座る
    2.両足を床につけた状態で、片方の膝を真上にゆっくりと引き上げる
    3.3秒キープしてゆっくり戻す
    4.左右交互に10回ずつ行う

      ポイント:

      ・足を上げる高さは無理のない範囲でOK
      ・食後すぐは避け、軽く体が温まったタイミングがベスト


      【3】寝ながらできる腸腰筋ストレッチ(運動が苦手な方向け)

      効果:筋肉の柔軟性を保ち、筋トレ前後のケアにも最適

      方法:

      1.仰向けに寝た状態で、片膝を両手で抱える
      2.胸に引き寄せるようにして20〜30秒キープ
      3.反対の足も同様に行う

        ポイント:

        ・ゆったりとした呼吸でリラックスしながら
        ・腰が浮かないように背中を床につける意識で


        取り組みの目安とアドバイス

        最初は週2〜3回から始め、慣れてきたら毎日に近づけていきましょう。継続することで少しずつ変化を感じられ、歩行や立ち座りの動作が軽やかになります。習慣化のコツは「短時間・簡単・継続」です。

        医師や理学療法士と相談してから始めると、安心してトレーニングに取り組めます。


        4. 腸腰筋を鍛えることで得られる仕事と生活へのメリット

        腸腰筋がしっかり機能していると、シニアの仕事や日常生活に大きな好影響を与えます。

        通勤や通所が楽になる:歩行の安定性が増し、外出が億劫でなくなります。
        立ち仕事の疲れが軽減される:姿勢を保つ筋力がつき、腰や膝の負担が減少。
        疲れにくくなる:筋肉が効率的に動くことで、日々の活動が楽になります。
        自信が持てるようになる:体の動きがスムーズになり、人と会う機会が増え、気持ちも前向きに。

        「働きたいけれど体力に不安がある」という方は、腸腰筋を鍛えることから始めるとよいでしょう。


        5. 毎日の習慣にするコツと注意点

        腸腰筋トレーニングを継続するためには、無理のない習慣化がポイントです。

        毎朝の習慣に組み込む:ラジオ体操と一緒に行うなど、ルーティンに組み込むと忘れにくい
        日常動作と結びつける:「洗濯物を干す前に10回もも上げ」など動作の“ついで”にする
        記録をつける:日記やカレンダーにシールを貼ると、達成感が得られやすい


        【注意点】

        ・腰や膝に痛みがある場合は無理に行わない
        ・バランスが不安定な方は必ず支えを使って行う
        ・医師に相談してから始めると安心


        6. まとめ:腸腰筋を鍛えて、健康的な第二の人生を楽しもう

        腸腰筋は、シニア世代の健康維持において非常に重要な役割を果たす筋肉です。特に70代以降は筋力の低下が加速しやすく、意識して鍛えないと日常生活に支障をきたすリスクが高まります。しかし、逆に言えば、腸腰筋を鍛えることで得られるメリットは計り知れません。

        転倒リスクを減らせることはもちろん、歩行がスムーズになり、外出への意欲も高まります。これは仕事だけでなく、買い物や旅行、友人との交流といった「生活の楽しみ」にもつながる重要な要素です。また、体の安定性が向上すると「自分の体を自分で支えられる」という自信が生まれ、精神的な前向きさや生活意欲の向上にもつながります。

        とくに、再就職や地域でのパートタイム勤務を考えているシニアにとっては、体力や動作のスムーズさが採用後の働きやすさや継続性にも大きく影響します。筋力をつけることは、健康面だけでなく「働く準備」としても非常に価値があるのです。

        腸腰筋トレーニングは、自宅で今日からすぐに始められます。特別な器具や大きなスペースは必要なく、短時間の積み重ねで確実に効果が現れます。体を動かすことが習慣になれば、生活のリズムも整い、気持ちにもハリが生まれてきます。

        「もう歳だから」とあきらめるのではなく、「今からでもできること」に目を向けて、まずは腸腰筋の強化から始めてみませんか?健康的な体があれば、仕事も趣味ももっと楽しくなります。腸腰筋を鍛えて、あなたらしい第二の人生をいきいきと歩んでいきましょう。

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