知らないと損!申請しないともらえないシニア向け給付金・支援金まとめ

お金

1. 申請しないと受け取れない?高齢者向け支援金の仕組みとは

日本には、一定の条件を満たせば高齢者が受け取れる給付金や助成金制度が数多く存在します。しかし、これらの多くは「申請主義」に基づいて運用されており、自動的に支給されるわけではありません。つまり、自分から申し出ない限り、もらえるお金がそのまま“受け取り損ね”になってしまうのです。

たとえば、介護保険の住宅改修費助成制度高額療養費制度などは、対象者であっても手続きをしなければ支給されません。これは国の制度に限らず、自治体が独自に設けている支援策でも同じです。

また、年金受給者の中にも、「すでに年金をもらっているから他の支援は受けられない」と誤解している人も少なくありませんが、それは大きな誤解です。年金受給と併用できる支援策も多く、生活費の一助や医療費の軽減、就労支援など、幅広いサポートが用意されています。

重要なのは、「申請しないと何も始まらない」ということ。次の章からは、具体的な支援内容を確認していきましょう。


2. 意外と知られていない!代表的な給付金・助成金一覧

ここでは、高齢者が対象となる「申請しないと受け取れない」代表的な給付金・助成金を紹介します。いずれも条件を満たせば受給できる可能性があり、生活費や医療費の負担軽減に直結する制度です。


【1】高額療養費制度(健康保険)

医療費が一定の自己負担限度額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。70歳以上の高齢者であれば自己負担は月額57,600円(※一般所得者の場合)が上限となり、それを超えた分は申請により返金されます。

出典:厚生労働省「高額療養費制度


【2】介護保険住宅改修費助成(要支援・要介護者向け)

手すりの設置や段差解消など、自宅のバリアフリー改修を行う際に、上限20万円(自己負担1〜2割)まで支給される制度です。工事前の申請が必要で、手続きはケアマネジャー等の支援を受けるのが一般的です。


【3】特別障害者手当・障害者控除

高齢者であっても一定の障害が認められれば、所得税や住民税の軽減、さらには特別障害者手当(月額27,980円 ※2024年度)を受給できる場合があります。

出典:厚生労働省「障害福祉関係手当


【4】臨時特別給付金(生活困窮世帯向け)

コロナ禍や物価高騰などの影響に対応するために、低所得世帯を対象に一時金が支給されることがあります。これは定期的ではありませんが、過去にも1世帯当たり10万円などの支給がありました。


【5】老人福祉手当(自治体による)

たとえば東京都では、75歳以上の高齢者に年1回の祝い金(例:敬老祝い金)を支給するなど、独自の福祉制度を設けている自治体が多く存在します。内容や金額は地域ごとに異なります。


【6】加給年金(老齢厚生年金の加算)

老齢厚生年金を受給している方が、65歳未満の配偶者や一定年齢以下の子どもを扶養している場合に支給される加算金です。支給額は配偶者が年額22万4,700円(2024年度)で、対象となる子どもがいる場合はさらに加算されます。


【7】年金生活者支援給付金(低所得の年金受給者向け)

これは、老齢基礎年金や障害年金、遺族年金を受給している人のうち、所得が一定以下の人に対して支給される給付金です。年金だけでは生活が厳しい高齢者にとって、経済的支援となる制度です。


これらの制度の多くは、「該当していても申請していなければ受け取れない」ものばかりです。次章では、働くシニアに向けた就労支援制度をご紹介します。


3. 働くシニアも対象!就労支援で受け取れるお金とは

再就職やパート勤務など、働く意欲のあるシニア層を支援する制度も多数存在します。特に就労意欲を支える給付金や助成制度は、年金だけでは不安な老後の経済基盤を支える大きな助けとなります。


【1】高年齢求職者給付金(雇用保険)

65歳以上で離職した人も、条件を満たせば「高年齢求職者給付金」を一時金として受け取ることができます。これは雇用保険に6か月以上加入していた人が対象で、退職後にハローワークで求職登録と申請を行えば、1回限りの支給を受けられます。

支給額は雇用保険加入期間と退職前の賃金により異なり、数万円〜十数万円程度が相場です。


【2】生涯現役支援コース(特定求職者雇用開発助成金)

企業側が60歳以上の求職者をハローワーク経由で雇用した場合、企業に対して助成金が支給される制度です。企業の受給ではありますが、「60歳以上歓迎」の求人が増える要因になっており、就職しやすい環境づくりにも寄与しています。


【3】シルバー人材センターによる収入補助

各市区町村に設置されている「シルバー人材センター」では、60歳以上の登録者が地域で短期・軽作業の仕事を請け負える仕組みがあります。収入は週2〜3日の稼働で月数万円が相場ですが、社会とのつながりと収入確保の両方を得られる点が評価されています。


【4】在職老齢年金の仕組み

65歳以上でも働きながら年金を受け取ることは可能ですが、一定以上の収入があると年金の一部が減額される仕組みが存在します(※2025年以降、緩和・見直しの方向性あり)。この制度を正しく理解しておくことも、就労の可否や働き方を決めるうえで重要です。


【5】再就職手当(65歳未満対象)

60歳代前半で退職し、雇用保険の失業給付を受給する前に再就職した場合に支給される制度です。以下の条件を満たせば、支給残日数の最大70%相当額が一時金として受け取れます。


【6】高年齢雇用継続給付(60~65歳対象)

定年後に再雇用や継続雇用で働き続ける60~65歳の方が、賃金が60歳時点と比べて75%未満に減少した場合に受け取れる給付金です。ハローワークに申請することで、毎月の給与の最大15%(上限あり)が支給されます。


これらの制度を活用することで、「働きながらも公的な支援を受ける」という選択肢が可能になります。続いて、さらに視野を広げて自治体の独自支援策を見てみましょう。


4. 生活を助ける制度はまだある!各自治体の独自支援に注目

国の制度に加えて、各市区町村が独自に用意している給付金・助成制度も見逃せません。特に高齢者を対象とした支援は、地域ごとにきめ細かく設計されており、「生活の足しになる」「助かった」と実感する声が多く寄せられています。


【1】敬老祝い金・長寿祝金

多くの自治体では、70歳・75歳・80歳など節目の年齢を迎える高齢者に対し、祝い金や記念品の贈呈を行っています。たとえば東京都墨田区では、75歳以上の方に対して年1回、3,000円〜10,000円相当の商品券や現金が贈られます。

支給条件や金額は自治体ごとに異なるため、地元の区役所・市役所の高齢福祉課で確認を。


【2】高齢者の交通費助成

都市部を中心に、高齢者向けのバス・地下鉄料金の割引や無料パスの交付が行われています。例えば東京都の「シルバーパス」は、年間1,000円または20,510円(所得に応じて)で都営交通・一部民間路線が乗り放題になる制度です。


【3】ゴミ出し支援や買い物代行

高齢者単身世帯や要介護者を対象に、日常生活の支援(ゴミ出し代行、買い物・通院同行など)を無料または低額で提供している自治体も増えています。これは生活支援体制整備事業の一環で、介護保険外でも利用できるのが特徴です。


【4】水道料金・入浴券の割引

たとえば大阪市では、65歳以上の高齢者に対して年間一定回数まで公衆浴場の無料入浴券が配布されているほか、寒冷地の一部では冬季の水道料金が減額される制度もあります。


こうした地域独自の支援制度は、市区町村の公式ホームページや広報誌、地域包括支援センターなどを通じて発信されています。次の章では、それらをどう調べるかについて詳しく解説します。


5. 自分に合った支援制度を調べる方法とは?

「給付金があるのは分かったけれど、どれが自分に該当するのか分からない…」
そんな悩みを抱える方は少なくありません。ここでは、シニア世代が自分に合った支援制度を効率よく調べる方法を紹介します。


【1】市区町村のホームページを活用する

まずはお住まいの自治体の公式サイトを確認しましょう。
多くの市区町村では「高齢者福祉」「生活支援」「給付金」「お知らせ」などのページに制度情報が集約されています。特に「福祉・介護」カテゴリの中に高齢者向けの給付・助成情報が掲載されていることが多く、定期的にチェックする価値があります。

検索のコツ:

(自治体名) 高齢者 給付金
(自治体名) シニア 支援制度

といったキーワードでGoogle検索するのも効果的です。


【2】地域包括支援センターに相談する

全国の市町村には、「地域包括支援センター」が設置されています。ここでは介護・医療・生活支援・金銭面の制度などについて専門職が相談に応じてくれます。窓口対応だけでなく、電話でも相談できるところが多く、「制度が複雑でわからない」という方の最初の相談先としておすすめです。


【3】厚生労働省・総務省などのポータルサイトを活用

厚生労働省「法令・くらしの安心」ポータル
https://www.e-gov.go.jp/laws-and-secure-life

e-Gov(イーガブ)制度・手続き検索ページ
https://shinsei.e-gov.go.jp/recept/procedure-search/

これらのサイトでは、キーワードを入力して制度の概要や申請方法を簡単に検索できます。「給付金」「シニア」「生活支援」などの用語を入力するだけで、関係する制度が一覧で表示されます。


【4】社会福祉協議会・シルバー人材センターでの情報提供

地域に根差した団体として、社会福祉協議会やシルバー人材センターも情報提供の窓口となっています。独自の支援メニューを持っていることもあるため、こちらもあわせて確認すると安心です。


支援制度は年々変化しており、最新情報をキャッチアップすることが重要です。


6. 医療・介護・保険料の負担を軽くする制度も活用しよう

高齢者にとって、毎月の医療費や保険料の支払いは家計を圧迫しやすい大きな負担です。そんな中で、国や自治体では収入が一定以下の高齢者に対して、保険料やサービス利用料を軽減する制度を複数設けています。


【1】国民健康保険料の軽減

所得が低い世帯に対して、国民健康保険料が7割・5割・2割の3段階で軽減される制度があります。年金暮らしの世帯や、非課税世帯などが対象となり、保険料が大幅に抑えられることもあります。


【2】医療費の自己負担限度額の緩和(高額療養費制度)

高齢者の場合、月ごとの医療費に上限が設けられています(例:70歳以上、一般所得者の場合は月57,600円)。それでも負担が大きい世帯には、「低所得者区分」によって上限額がさらに引き下げられる措置が取られています。


【3】介護保険料の軽減

介護保険料も、住民税非課税世帯を中心に最大で9段階の軽減措置が設けられており、年間数万円単位の差が生じることもあります。これにより、年金収入だけでも保険料の支払いが無理なく行えるよう配慮されています。


【4】介護サービス利用料の軽減

要支援・要介護の認定を受けている人が介護サービスを利用する際の自己負担割合(原則1割)も、一定の条件下でさらに軽減されます。特に生活保護受給世帯や、非課税の単身世帯は、施設利用料の食費・居住費の減額も可能です。


これらの制度は、あらかじめ申請が必要で、所得証明などの提出が求められるケースが多いですが、正しく活用することで医療・介護にかかる費用を大幅に抑えることができます。詳しくは、自治体の窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。


6. 申請に迷ったら?相談先とスムーズな申請のポイント

給付金や助成制度に関心はあっても、「申請が難しそう」「どこに相談すればいいかわからない」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか?ここでは、申請時に役立つ相談先と、手続きをスムーズに進めるためのコツを紹介します。


【1】まずは地域の窓口に相談する

高齢者向けの給付制度の多くは、市区町村単位で管理・運用されています。そのため、最も確実で早いのは住民票のある自治体の福祉窓口(高齢福祉課や保健福祉センターなど)に直接相談することです。

あらかじめ「相談したい内容」「どのような生活状況か」をメモにまとめておくと、職員とのやり取りがスムーズになります。


【2】地域包括支援センターを活用する

繰り返しになりますが、「地域包括支援センター」は高齢者の生活全般のサポートをしてくれる総合窓口です。要介護認定の申請、日常生活の困りごと、金銭面の相談などをワンストップで対応してくれます。

申請に必要な書類のチェックや、記入のサポートを行ってくれることもあります。


【3】書類準備の基本ポイント

多くの給付制度では、以下のような書類が共通して求められます:

・本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
・マイナンバーカード or 通知カード
・振込先口座情報
・収入証明書や年金通知書
・申請書類一式(役所窓口またはHPで入手)

不備があると審査に時間がかかるため、必要書類は事前にリストアップし、漏れなく準備しましょう。


【4】「もらい忘れ」を防ぐコツ

定期的に市の広報誌をチェック:新しい支援制度が掲載されることがあります。
身近な人と情報交換をする:地域の知人や近所の方の情報から、意外な支援を知ることも。
1人で悩まず、必ず誰かに相談を:不明点があれば、遠慮せず公的機関に連絡を取りましょう。


申請をためらう理由の多くは、「手続きの煩雑さへの不安」です。しかし、相談できる場所や手順を知っておくだけで、一気にハードルは下がります。


7. まとめ:賢く制度を活用して、安心の老後を手に入れよう

シニア世代にとって、「申請すれば受け取れるお金」は、老後の生活における大きな安心材料になります。しかし、こうした制度の多くは自動では支給されず、自ら調べて申請する必要がある「申請主義」に基づいています。

本記事では、以下のようなポイントをお伝えしました。

申請しなければ受け取れない支援制度が多数あること
国の制度に加えて、各自治体独自の支援策も充実していること
働くシニアを応援する助成制度もあること
自分に合った制度を調べる方法があること
申請の不安を解消するための相談先が充実していること

制度の内容は年々変化しているため、「今は対象じゃない」と思っていても、数ヶ月後には条件が合致するケースもあります。定期的に情報を見直し、生活の安定に役立つ制度を取りこぼさないようにしましょう。

「年金だけでは不安」「もう少し収入があれば安心」──そんなときこそ、公的支援制度の活用を第一歩にしてみてください。

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