1．なぜ今、高齢者採用が注目されているのか
人手不足の深刻化と“経験豊富な人材”の再評価
日本社会は急速な少子高齢化に直面しており、企業の多くが深刻な人手不足に悩まされています。特に中小企業では若年層の採用が難しくなっており、「即戦力となる人材」を求める傾向が年々強まっています。
一方で、定年を迎えた高齢者の中には、健康で働く意欲があり、過去の経験やスキルを活かして社会貢献したいと考える人が増えています。これにより、企業はシニア人材の持つ「経験値」「安定感」「指導力」といった強みを再評価するようになってきました。
また、2021年に施行された「改正高年齢者雇用安定法」によって、70歳までの就業機会確保が努力義務とされたことも、高齢者採用を後押しする要因となっています。
📌【参考】厚生労働省『高年齢者雇用安定法の概要』（https://www.mhlw.go.jp/content/11700000/001245647.pdf）
シニア層の就業意欲と社会的ニーズの高まり
高齢者側にも「もう少し働きたい」「社会とのつながりを持ち続けたい」といったニーズがあります。実際、内閣府の「高齢社会白書（令和5年版）」によると、60歳以上の約7割が「働けるうちは働きたい」と回答しています。
こうした意欲あるシニア層の増加は、企業にとって大きなチャンスです。特に、
・定年後の再雇用制度を整えていない企業
・若手採用が頭打ちになっている企業
・教育、指導力に課題を抱える企業
にとって、シニア人材は重要な戦力となり得ます。
さらに、SDGsやダイバーシティの文脈でも、「年齢を問わない公平な雇用」は社会的評価を高める要素となっており、高齢者採用を通じて企業イメージを向上させる動きも広がっています。
2．採用コストゼロ？無料で求人掲載できるサービスとは
なぜ“シニア特化”の求人サービスが無料で提供されているのか
高齢者採用に特化した求人サービスの中には、「掲載費用が無料」というサービスがいくつか存在します。なぜこのようなビジネスモデルが成立しているのでしょうか。
その理由の一つは、「採用課金型」のモデルにあります。これは、求人を掲載する時点では一切の費用がかからず、採用が決まったタイミングで成果報酬を支払うという仕組みです。つまり、企業にとってはリスクの少ない“後払い”型のサービスと言えます。
特に高齢者向けの求人メディアでは、少子化で若年層の母数が減るなか、「シニアを活用したい」という企業側のニーズと、「まだ働きたい」という高齢者のニーズが一致しており、マッチングの機会が増えています。これにより、採用決定が一定の割合で見込めるため、運営側も採用課金型を成立させやすいのです。
高齢者採用における無料サービス活用のメリットと注意点
「無料で求人を出せる」と聞くと、「本当に大丈夫かな？」と感じるかもしれません。でも、実際にシニア特化の求人サービスには、企業にとってうれしい“掲載無料”の仕組みが整っています。
たとえば、シニアジョブやキャリア65は、初期費用も掲載費用もかからずにスタートできます。
採用が決まった場合のみ成果報酬が発生する「採用課金型」なので、「まずは求人を出して様子を見たい」という企業にもピッタリです。
さらに、キャリア65には最初の1名の採用が完全無料という嬉しい特典もあります。
初めてシニア採用に挑戦する企業にとっては、試しやすい選択肢になるでしょう。
💡ワンポイント：
シニア採用は、経験や落ち着きのある人材を確保できるチャンス。無料サービスを活用しながら、自社に合う人材との出会いを増やしていきましょう。
3．高齢者採用に特化した無料求人サービス3選
シニアジョブ
「シニアジョブ」は、シニア世代専門の求人サービスとして広く知られています。対象年齢は60歳以上で、年齢を理由に不利にならない環境でのマッチングを実現しています。掲載企業数や求人数も多く、幅広い職種に対応しているのが特長です。
企業側にとって嬉しいのは、初期費用・掲載費用が完全無料という点です。求人の掲載自体には一切の費用がかからず、採用が決定したときのみ成果報酬が発生する「採用課金型」となっています。
「採用の確度を高めたい」「まずはお試しで掲載したい」と考える企業にとって、リスクが少なく始めやすいサービスです。また、管理画面やサポート体制も整っており、人事担当者の業務負担を減らす工夫もされています。
キャリア65
「キャリア65」は、65歳以上の人材に特化した求人支援サービスです。こちらも「シニアを積極的に受け入れたい企業」と「働き続けたい高齢者」とのマッチングを支援しています。
最大の特徴は、1人目の採用まで完全無料で使えること。2人目以降は成果報酬が発生しますが、掲載自体はずっと無料なので、シニア採用の入口として非常にハードルが低いのが魅力です。
「65歳以上の雇用に興味はあるけど、実績がなくて不安」という企業でも、無理なくスタートできます。また、求人の出し方や年齢に配慮した職務内容の設計も相談できるため、初めてでも安心です。
自治体が運営するシニア向け就業支援サービス
多くの自治体では、地域の高齢者向けに就業支援を行っており、求人掲載も無料で可能です。代表的な例としては以下のような取り組みがあります。
・東京しごとセンター「シニアコーナー」（東京都）
┗ 55歳以上を対象に、就業相談・職業紹介・セミナー開催などを実施
https://www.tokyoshigoto.jp/senior/
・生涯現役支援窓口（ハローワーク大阪東など）
┗ 企業の高齢者雇用支援や求人掲載を無料でサポート
大阪市 生涯現役支援の紹介
・アクティブシニア就業支援センター（東京都）
┗ 都内9カ所に展開。シニア就業に特化した求人開拓や人材紹介
https://activesenior-tokyoshigoto.jp/
こうした自治体の支援を活用すれば、地域密着型で信頼性の高いシニア採用が可能になります。相談から掲載、紹介まで一貫して無料で利用できる点も魅力です。
4．シニア歓迎求人も探せる無料掲載サイト
ハローワークインターネットサービス
国が運営する「ハローワークインターネットサービス」では、全国の求人情報が検索・掲載でき、企業側は無料で求人票を作成・公開できます。特に年齢制限のない求人や、「シニア歓迎」のキーワードを含んだ求人も多く掲載されており、高齢者の応募も見込めます。
さらに、ハローワークに設置されている「生涯現役支援窓口」などを活用すれば、60代以上の求職者に対して積極的なマッチングが行われるため、“特化ではないが実質的に強い”というのが特徴です。
Indeed（無料掲載枠）
求人検索エンジン最大手の「Indeed」も、企業向けに無料の求人掲載枠を提供しています。登録すればすぐに求人票を作成でき、年齢不問・シニア歓迎などのキーワードで検索に引っかかる設定も可能です。
ただし、無料枠では上位表示されにくいケースもあるため、応募数を増やしたい場合は有料掲載も検討するとよいでしょう。まずは無料枠で反応を見たいという企業には、手軽に始められる選択肢です。
エンゲージ（en-gage）
リクルートが運営する「エンゲージ」は、採用ホームページの作成と無料求人掲載ができるサービスです。企業が自社の採用ページを無料で作り、そのまま求人も公開できるため、中小企業にも人気があります。
「年齢不問」「60代歓迎」などの表現も柔軟に設定できるため、シニア層にもアプローチしやすい仕様です。求人票のテンプレートや自動応募通知機能など、採用管理を効率化するツールも整っており、使い勝手が良い点も魅力です。
🔗 詳細：https://en-gage.net/
求人ボックス（無料掲載プランあり）
「求人ボックス」はカカクコムが運営する求人検索エンジンで、無料で求人を掲載できるプランがあります。採用課金型と併用も可能で、求人掲載時点では費用がかからないため、コストを抑えた運用が可能です。
求人票の内容は柔軟に設定でき、「シニア歓迎」などのタグを活用すれば、高齢者の目にとまりやすくなります。特化ではないものの、シニア対応にも一定の効果が期待できるサービスです。
5．高齢者採用を成功させるための3つのポイント
仕事内容の明確化と柔軟な勤務体系の設計
高齢者採用で特に重要なのは、「どんな仕事を、どのくらいのペースでやってもらいたいか」を明確にすることです。たとえば「週3日、午前中のみ」「力仕事はなし」「経験重視の業務」など、仕事内容と勤務条件を具体的に示すことで、マッチング率が一気に高まります。
また、シニア層の中には体力に自信がない方も多いため、フルタイムよりも短時間勤務・シフト制などの選択肢を用意すると応募が増える傾向があります。企業側も、無理のない働き方を提案することで定着率を高めることができます。
💡POINT：
曖昧な表現（例：「簡単な作業」）ではなく、「店舗内の品出し」「掃除業務中心」「来客時の受付対応」など、具体的に書きましょう。
ミスマッチを防ぐ応募要件の書き方
高齢者採用でよくある失敗が、「誰でも応募OK」としてしまうことによるミスマッチです。年齢制限を設けられない今、むしろ「歓迎する経験やスキル」を具体的に記載することが鍵になります。
たとえば：
・接客経験がある方歓迎（→シニアの販売経験者が応募しやすい）
・工場勤務経験がある方歓迎（→プラント・製造系のシニア人材に届く）
こうした一言があるだけで、求職者に「自分に合いそうな仕事だ」と伝わりやすくなります。また、求める人物像も「コツコツ取り組める方」など、能力より姿勢や性格にフォーカスした表現が有効です。
採用後のフォロー体制が定着率を左右する
せっかく採用できても、すぐに辞められては意味がありません。高齢者採用で成功する企業は、採用後のフォローにも工夫しています。
具体的には：
・初日にマンツーマンでの業務説明を実施
・職場のルールや雰囲気を丁寧に伝える
・定期的な面談で「不安や不満」を早期にキャッチする
特にシニア世代は「聞きづらい」「迷惑をかけたくない」と遠慮しがちなため、こちらから声をかける姿勢が大切です。小さな気遣いが安心感につながり、結果として長く働いてもらえる職場になります。
6．まとめ：無料求人サービスを活用して、高齢者採用をスムーズに
人手不足が深刻化する中、経験豊富で意欲ある高齢者の活用は、企業にとって大きなチャンスです。そして今は、採用コストをかけずにシニア人材との出会いを広げられる無料の求人サービスも充実しています。
特に、シニアジョブやキャリア65のような「掲載無料・採用課金型」の特化サービスは、初期費用がかからないため、“まずは試してみたい”という企業にもおすすめです。また、自治体やハローワークなどの公的支援も上手に活用すれば、地域に根ざした採用活動が実現できます。
求人を出すだけでなく、仕事内容の明確化や柔軟な働き方の提案、丁寧なフォロー体制も整えておくことで、高齢者人材の定着率は格段にアップします。
まずは1件から始めて、効果検証を
いきなり多くの求人を出す必要はありません。まずは1職種・1人からでも始めてみることで、自社に合う採用手法が見えてきます。「費用をかけずにスタートできる」というのは、試行錯誤するうえで非常に大きなメリットです。
求人媒体と並行して「社内の受け入れ体制」も見直しを
どれだけ良い人材が応募しても、受け入れる側の準備が整っていなければ、ミスマッチや早期離職につながります。シニア人材が働きやすい環境づくり（例：指示の出し方や体力配慮、コミュニケーションの取り方）も、今後の採用活動を成功させるカギになります。
まずは掲載無料の求人サイトからシニア採用を始めてみませんか？シニア人材に特化した求人サイト「キャリア65」で、経験豊富な即戦力と出会いましょう。
