1．70代でも働ける時代に！シニアの仕事探しが注目される背景
人生100年時代といわれる現代において、70代になっても元気に働くシニアが増えています。厚生労働省の「令和5年版 高年齢者雇用状況等報告」によると、70歳以上で働いている人は約400万人を超え、年々増加傾向にあります。これは、もはや「70代＝引退」という固定観念が崩れつつある証拠です。
働くシニアが増えている現状
その背景には、定年後も働きたいという前向きな意欲が見られます。厚労省の調査では、60歳以降も働きたいと考えている人の割合は約8割に達しており、その中でも70代で「何らかの形で働きたい」と答える人も多数います。こうした意識の変化は、社会全体の高齢化が進むなかで、シニアの労働力が貴重な存在として見直されていることにもつながります。
経済的不安や健康意識の高まり
年金だけでは生活が不安という理由で仕事を探す人も多いですが、それだけではありません。70代の多くの人は「健康のために体を動かしたい」「社会と関わり続けたい」といった思いを持っています。実際、働くことで生活リズムが整い、身体を動かす機会が増えることで、健康維持にもつながるという声も多く聞かれます。
また、仕事を通じて若い世代と交流したり、自分のこれまでの経験や知識を役立てられることにやりがいを感じるシニアも少なくありません。「誰かの役に立てる」「必要とされている」という感覚は、年齢を重ねた今だからこそ、より大きな意味を持つのです。
2．70代におすすめの仕事とは？無理なく続けられる職種一覧
70代からの仕事探しでは、「無理なく続けられること」が何より大切です。年齢に応じた体力や生活スタイルを尊重しながら、自分の得意なことや経験を活かせる仕事を選ぶことで、長く安心して働くことができます。ここでは、70代におすすめの職種を3つのタイプに分けて紹介します。
体に負担が少ない仕事
長時間の立ち仕事や重い物を持つ作業は、70代には大きな負担となる場合があります。体に無理のない範囲で働ける仕事としては、以下のようなものが人気です。
・マンションや施設の管理員
・ビル、日常清掃
・施設や病院の受付、案内業務
これらは比較的静かな環境で、1日4～5時間の勤務が多く、体への負荷が少ない点が魅力です。また、丁寧な対応や気配りといった「人柄」が活きる職種でもあります。
短時間・週数日の勤務が可能な仕事
「週2～3日だけ」「午前中だけ働きたい」といった希望が通りやすい仕事も、シニアに人気です。
・家事代行スタッフ
・配送サポート（軽作業中心）
・農作業の手伝い（季節限定あり）
最近はこうした短時間勤務の求人も増えており、求人検索サイトで「シニア歓迎」「短時間OK」といった条件で検索すれば、希望に合う仕事が見つかることも多くなっています。
経験やスキルを活かせる仕事
「せっかくの経験を活かしたい」と考える方には、以下のような職種もおすすめです。
・警備員（経験不要の現場も多数）
・シニア向けPCサポートや講師
・自治体主催のボランティアや地域活動のリーダー役
特に人材不足の現場では、年齢よりも「人柄」や「経験」が重視されるケースが増えています。「誰かの役に立てる」という充実感が、働く意欲につながるのも大きな魅力です。
3．仕事探しを成功させる3つのコツ
70代での仕事探しは、若い頃とは異なる視点が必要です。体力や生活スタイルに合わせた働き方を前提に、自分に合った仕事を見つけるには、いくつかの“コツ”を押さえておくことが大切です。ここでは、70代の仕事探しを成功させるための3つのポイントをご紹介します。
自分に合った条件を整理する
まず大事なのは「自分がどんな働き方を望んでいるのか」をはっきりさせることです。例えば以下のような条件を明確にしておきましょう。
・週に何日働きたいか？
・1日あたり何時間なら無理なく働けるか？
・通勤時間の上限はどのくらいか？
・屋内／屋外、どちらの仕事が良いか？
・体を動かす仕事か、座ってできる仕事か？
このように優先順位を決めておくことで、求人情報を見る際に迷うことが少なくなり、自分にぴったりの仕事が見つかりやすくなります。
情報収集は複数の求人媒体を活用
現在は、紙媒体だけでなくインターネット上でも多くの求人情報が得られます。以下のような媒体を併用すると、より多くの選択肢から仕事を探すことができます。
・ハローワーク：地元の求人に強く、職員のサポートも受けられる
・シニア向け求人サイト：60代以上を対象にした仕事が豊富
・地域の掲示板や広報誌：近隣の求人情報が見つかることも
・知人からの紹介：人手不足の現場では口コミ採用も活発
複数の情報源を比較することで、「思わぬ良い仕事」に出会えることもあります。
家族と話し合って無理のない働き方を選ぶ
シニアの仕事探しは、本人の意思だけでなく、家族の理解や協力も大切です。特に体調や家庭の事情を考えると、無理のない働き方を選ぶことが健康維持にもつながります。
「ちょっと外に出るだけで元気になるよね」といったポジティブな声かけや、「週3日なら私も安心だよ」といった家族の言葉が、安心感やモチベーションにつながることも多いものです。
仕事を始める前に、働く時間や頻度について家族と話し合い、共通の理解を持っておくことで、安心して再就職に踏み出せます。
4．70代の仕事探しに役立つ求人サイト・支援サービス
シニア世代の求人は、探し方を工夫すれば意外と多く見つかります。特に最近では、70代の就業を支援するための求人サイトや公的サービスが充実しており、「年齢で断られるのでは？」という不安を払拭してくれる場面も増えています。ここでは、70代におすすめの代表的な支援サービスをご紹介します。
ハローワーク・自治体の支援
最初に相談すべきは、地域のハローワーク（公共職業安定所）です。ハローワークでは60歳以上の方向けに「生涯現役支援コーナー」や「高齢者専門相談窓口」を設けており、求人紹介だけでなく、職業相談や再就職支援セミナーも行っています。
また、自治体によっては、シニア向けの仕事を地域ぐるみで紹介しているところもあります。たとえば「地域活動支援員」や「見守りパトロール」など、地域密着の仕事が定期的に募集されています。
シニア向け専門求人サイト
以下のようなインターネット求人サイトでは、年齢に制限を設けず、シニア歓迎の仕事を数多く掲載しています。
・シニアジョブ
70代の採用実績も豊富で、初期費用・掲載費は無料。ただし、採用時に成果報酬が発生する「採用課金型」です。
・キャリア65
65歳以上をターゲットとした求人サイトで、企業が無料で掲載可能。ただし、2人目以降の採用時には成果報酬が発生します。
・求人ボックス、Indeed、エンゲージ
幅広い年齢層に対応しており、「シニア歓迎」「60代・70代活躍中」などのタグで絞り込むことで該当求人を見つけやすくなります。
こうしたサイトはスマートフォンからも閲覧でき、応募も簡単です。ご自身やご家族がスマホに慣れていれば、非常に便利な手段となるでしょう。
シルバー人材センターの活用
各市区町村にある「シルバー人材センター」も有力な選択肢です。営利目的ではなく、地域の仕事（公園清掃、軽作業、講師など）を会員に紹介してくれる非営利団体で、登録料は年1,000～2,000円ほどと非常にリーズナブル。
5．働くことで得られる3つのメリット
70代で働くことには、経済面だけでなく、健康や生きがいにおいても多くのメリットがあります。「年齢を重ねたからこそ味わえる働く喜び」は、これからの人生をより豊かにしてくれるでしょう。ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介します。
経済的な安心感
第一に、多くの方が仕事を再開する理由としてあげるのが「収入の確保」です。70代になると年金が主な収入源となりますが、実際には生活費や医療費、家族への支援などで想定以上に出費がかさむこともあります。
週2〜3日のパートや短時間の業務でも、毎月数万円の収入があれば家計の足しになり、「老後資金が減り続ける不安」から少し解放される方も多いです。また、収入があることで気持ちに余裕が生まれ、趣味や旅行などへの意欲にもつながります。
健康維持と生活のリズムづくり
働くことで日々の生活に「張り」が生まれ、自然と規則正しい生活になります。外出する機会が増えることで、足腰の筋力維持にも効果があるほか、適度な身体活動は認知症予防にもつながるとされています。
特に「座りがち」「家にこもりがち」な生活は、健康リスクを高める要因になりやすいため、週に数日でも外に出て体を動かすことは、心身ともに大きなプラスになります。
社会とのつながりと自己実現
70代になると「社会から離れてしまった」という孤独感や、「自分はもう役に立たないのでは？」という不安を感じる方も少なくありません。そんな中で、仕事を通じて「誰かの役に立てる」「ありがとうと言ってもらえる」経験は、大きなやりがいや自信に変わります。
さらに、若い世代との交流が生まれたり、自分の経験を活かす場面に遭遇することで、「今の自分にもできることがある」と実感できるのです。これは、年齢を重ねたからこそ得られる“自己実現の喜び”とも言えるでしょう。
6．まとめ：70代でも“自分らしく”働ける選択肢がある
かつては「70代で働くなんて無理」と思われていた時代もありました。しかし今では、働きたいシニアにとって、多様で柔軟な選択肢が増えています。体力に配慮された仕事、短時間・週数日の勤務、経験を活かせる業務など、自分らしく働ける道は必ずあります。
70代での仕事探しは、「生活のため」だけでなく、「健康のため」「人と関わるため」「自分らしく生きるため」の手段でもあります。年齢を重ねることで身につけた経験や人間力は、職場にとっても大きな財産。年齢はハンデではなく、強みになり得るのです。
また、求人媒体の選び方や働き方のコツを押さえれば、無理なく充実したセカンドキャリアを築くことも可能です。まずは自分の気持ちと体に向き合い、「できること」「やってみたいこと」を明確にするところから始めましょう。
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