65歳からの再スタート!社会とつながるための仕事選びのヒント

仕事

1.なぜ“65歳からの仕事”が注目されているのか?|背景と社会的意義

かつては「定年=引退」というイメージが一般的でしたが、今やその価値観は大きく変わりつつあります。背景にあるのは、日本の急速な高齢化と、それに伴う“人生100年時代”への突入です。総務省統計局の「労働力調査(2024年版)」によると、65歳以上の就業者数は約960万人を超え、過去最多を更新しています。特に女性の就業率の伸びは顕著で、「年齢に関係なく働きたい」と考えるシニア層が増えていることがわかります。

経済的な理由だけじゃない

シニアが働く理由は「生活費を補うため」だけではありません。社会とのつながりを維持したい、健康を保ちたい、自分の存在意義を感じたい——。こうした“非経済的な動機”が、働くことへの意欲を高めています。仕事は、日常にリズムを生み、目標や達成感をもたらす貴重な機会。とくに退職後に時間を持て余してしまった人にとっては、再び自分を必要とされる場所を見つけることで、心の安定にもつながります。


社会全体がシニアの活躍を後押し

一方、企業側も人手不足の深刻化により、経験豊富なシニア人材を積極的に採用する傾向が強まっています。厚生労働省の「高年齢者雇用安定法」により、65歳以降も働き続けられる環境整備が進んでおり、定年後も選択肢が広がっています。

つまり、65歳からの仕事は「仕方なく働く」のではなく、「新たな生きがいを得るための再スタート」として、今後ますます重要な選択肢となるでしょう。


2.再スタートを成功させるために大切な3つの視点

65歳からの仕事選びは、これまでのキャリアや生活スタイルとは違う「第二の人生」の入り口です。年齢に合った働き方を実現するには、以下の3つの視点が非常に重要になります。

1. 無理なく続けられる働き方かどうか

70代に向かう世代にとって、「体力に無理がないか」「通勤が苦にならないか」といった点は非常に大切です。週2~3日や短時間勤務など、生活とのバランスを取りやすい働き方を選ぶことで、長く健康的に働き続けることができます。最近では「シフト制」や「自宅近くで働ける求人」も増えており、柔軟な選択がしやすくなっています。


2. 社会とつながれる仕事かどうか

退職後に孤立感を抱く人は少なくありません。そのため、他者との会話や協力が求められるような仕事は、精神的な充足感につながります。たとえば、カスタマーサービスや受付、図書館スタッフなどは、人と関わる機会が多く、地域社会との接点を持てる仕事として人気です。「ありがとう」と言ってもらえる職場は、それだけでやりがいになります。


3. 自分の経験を活かせる職場かどうか

再スタートを機に新しい仕事に挑戦するのも魅力的ですが、これまでの人生で培ってきたスキルを活かせる職場は、自信と安心感を与えてくれます。たとえば、接客経験のある人であれば、店舗運営サポートや売場管理なども選択肢になりますし、事務経験があれば地域のNPO団体や小規模企業でのデータ入力業務なども検討できます。


「年齢を重ねたからこそ選べる働き方」を見つけるために、上記の視点を意識して仕事を選ぶことで、無理なく充実した日々を過ごせるようになります。


3.社会とつながれる!シニア世代に人気の仕事とは?

65歳を過ぎて働くことは、単なる収入源ではなく、「人と関わる喜び」や「社会とつながる安心感」を得る手段にもなります。特にシニア世代にとって、無理なく働けて、やりがいを感じられる仕事は、日々の充実感に直結します。ここでは、男女問わず人気の高い仕事を紹介します。

カスタマーサービス・受付業務

商業施設や公共施設の案内係、店舗のレジ対応など、人と接する機会が多い仕事です。複雑な作業が少なく、未経験からでも始めやすいため、再スタートにはぴったり。人の役に立つ実感が得られやすく、「ありがとう」と声をかけてもらえる機会も多いのが魅力です。


図書館、資料館の受付・事務スタッフ

静かで落ち着いた環境で働きたい人に人気なのが、図書館や資料館の受付・貸出業務です。本の整理や利用者対応といった比較的軽作業が中心で、知的好奇心の刺激にもつながります。地域住民との関わりもあり、社会との接点を保ちながら穏やかに働ける職場です。


福祉施設での補助業務

介護ではなく、福祉施設での配膳や見守り、清掃などの補助的な仕事もシニアに適しています。高齢者同士の共感が生まれやすく、コミュニケーションのハードルが低い点が特徴です。スタッフ同士の年齢層が近いことも多く、無理なく馴染める環境が整っています。


子育て支援・ベビーシッター

子育て経験のあるシニアに特に注目されているのが、保育補助やベビーシッターの仕事です。子どもと関わる時間が心の癒やしになるという声も多く、体力的な負担が少ない点もメリット。信頼感や落ち着いた対応が求められる職場なので、年齢や人生経験がむしろ強みに変わります。


これらの仕事に共通しているのは、「人との関わりがある」「適度な負担で働ける」「社会に必要とされている」という点です。無理なく、楽しく、誰かの役に立ちながら働ける選択肢は、年齢に関係なく存在します。


4.自分のスキルを活かす仕事の見つけ方|【事例】店長経験を生かすには?

長年働いてきた経験は、定年後の再就職でも大きな武器になります。たとえば、小売業の店長の場合、培った「人材管理」「売上管理」「接客対応」「トラブル処理」などのスキルは、さまざまな職場で求められています。ここでは、店長経験を活かしながら、自分らしく働ける仕事の見つけ方を紹介します。

経験が“強み”になる仕事を見極める

まず大切なのは、自分が持っているスキルを言語化することです。たとえば、

・接客、クレーム対応に自信がある
・アルバイトスタッフの教育やシフト管理をしていた
・売場のレイアウトや販促の工夫をしていた

といった経験は、業界を問わず活かせる要素です。こうしたスキルは、求人サイトの検索条件にもなっているため、自分の「できること」を整理するだけでも仕事選びがスムーズになります。


店長経験者におすすめの仕事

スーパーバイザー、エリアマネージャー補佐
 店舗運営の経験がある人は、チェーン店で複数店舗の運営をサポートする業務で活躍できます。

販売スタッフの指導係(パート)
 若手スタッフの育成役として、裏方で接客スキルやマナーを教える役割は高齢者に好まれる仕事です。

地域のコミュニティセンター運営スタッフ
 人とのやりとりやイベント運営が得意なら、地域活動の場でも重宝されます。


求人の探し方とコツ

求人サイトでは「経験を活かせる」「シニア歓迎」「主婦(夫)歓迎」などのキーワードで絞り込み検索をすると、適した職種が見つけやすくなります。また、ハローワークや地域の再就職支援窓口では、シニア層に向けた相談会や職業紹介も行われています。


「若い頃と同じ仕事は無理」と思い込まず、自分のキャリアを柔軟に再編集してみることで、再スタートの可能性は広がります。


5.65歳以降でも安心して働ける職場を選ぶポイント

再び働く意欲があっても、「体力が持つだろうか」「若い人の中でやっていけるかな」と不安になる方も多いはず。安心して長く働くためには、自分に合った職場を見極めることが大切です。ここでは、70代でも無理なく働ける職場を選ぶ際のチェックポイントを紹介します。

1. 年齢に理解のある職場かどうか

応募先の企業が「シニア歓迎」や「年齢不問」と明記している場合、その職場には高齢者の就労実績があることが多く、安心して働けます。また、実際の職場見学や面接時に、「同年代のスタッフがいるか」「年齢による配慮がされているか」を確認することもポイントです。


2. 仕事内容に無理がないか

体への負担が大きい立ち仕事や力仕事、長時間勤務は避けた方が無難です。具体的には以下のような働き方がおすすめです。

座ってできる仕事(事務補助・受付)
短時間、週2〜3日の勤務
マニュアルが整っていて、未経験でも安心して始められる仕事

こうした条件がそろった職場なら、初めての職種でも挑戦しやすく、長期で続けることができます。


3. 通勤がストレスにならない距離か

高齢になると、移動だけでも負担に感じることがあります。職場はできるだけ自宅の近く、または交通機関を使いやすい場所を選ぶことが理想です。求人情報に「勤務地多数」「自宅近くでOK」と記載があるものは要チェックです。


4. 働き方に柔軟性があるか

シニアにとって重要なのは「働きすぎないこと」です。シフトの融通が利く、急な体調不良にも対応してくれるなど、柔軟な職場環境であるかは、事前に確認しておくと安心です。


再スタートに年齢制限はありません。むしろ、体力や時間の使い方を意識できる70代だからこそ、持続可能な働き方を見つけやすいともいえるでしょう。


6.無理なく働き続けるために気をつけたいこと

シニア世代にとって、「長く続けられること」は仕事選びの大切な基準です。ただし、健康や体力に配慮しないまま働き始めてしまうと、かえって日常生活に支障が出てしまうこともあります。ここでは、無理なく働き続けるためのポイントを3つ紹介します。

1. 自分のペースを守る

若い頃と同じ感覚でフルタイム勤務を選ぶのはリスクがあります。仕事はあくまで「生活の一部」。週に数回、数時間からスタートし、自分にとって無理のないペースを見極めることが大切です。また、慣れるまでに時間がかかるのは自然なことです。焦らず、一歩ずつ慣れていきましょう。


2. 体調管理と休養を最優先に

70代になると、疲労の回復にも時間がかかります。特に立ち仕事や移動の多い職種では、こまめな休憩や水分補給を意識することが大切です。日常生活では、バランスの良い食事と睡眠を意識し、無理を感じたら早めに休む習慣をつけましょう。定期的な健康診断も、体調の変化に気づくための重要な手段です。


3. 一人で抱え込まない

シニア世代が再就職すると、「迷惑をかけたくない」「弱音を吐けない」と思いがちですが、それがストレスの原因になることも。困ったときは遠慮せずに周囲に相談しましょう。職場には年上の働き手をサポートする体制が整っていることも多く、何かあれば話しやすい環境づくりをしているケースもあります。


無理をせず、自分の「心地よい働き方」を見つけていくことが、長く充実した日々を過ごすための第一歩です。働くことで得られるのは収入だけでなく、社会とのつながりや、自分らしさを再確認する喜びでもあります。


7.まとめ|“働くこと”が人生に与えるプラスの変化

65歳を過ぎてからの仕事は、もはや“生活費を補うための手段”だけではありません。そこには、「社会とつながりたい」「自分の役割を感じたい」「誰かの役に立ちたい」という思いが込められています。そして、その思いに応える選択肢は、今の時代、確実に広がっています。

年齢に応じた無理のない働き方を選ぶことで、心身の健康を保ちつつ、生活にリズムと目的をもたらすことができます。また、再び仕事をすることで生まれる新しい人間関係や、ありがとうと言ってもらえる喜びは、シニア世代にとってかけがえのないものです。

これから仕事を探そうとしている方は、「年齢だから」とあきらめず、自分の経験や性格、体力に合った働き方を少しずつ見つけていくことが大切です。働くことは、人生にもう一度“前向きな流れ”を取り戻すきっかけになります。

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