1.【息切れのサインを見逃さない】年齢による変化と体調チェックのポイント
「最近、階段を上るだけで息が切れる」「散歩の途中で休みたくなる」。そんな小さな変化を「年のせい」で片づけていませんか?確かに加齢によって筋力や肺活量は徐々に低下しますが、単なる加齢ではなく、病気や生活習慣の影響で息切れが生じているケースも少なくありません。
息切れの背景にある可能性
70代の方で息切れを感じる場合、以下のような原因が考えられます。
・心疾患(心不全、狭心症など)
・呼吸器疾患(肺気腫、COPD、ぜんそく)
・貧血(鉄欠乏性など)
・筋力低下、運動不足
とくに、高血圧や糖尿病を持つ方は心臓や血管系に負担がかかりやすいため注意が必要です。
体調チェックのポイント
ご自身で日々確認できるチェック項目は以下の通りです。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
安静時でも息切れするか? | 心臓や肺に疾患の疑いあり |
少しの運動で疲れやすい | 筋力・持久力低下の兆候 |
むくみや動悸がある | 心不全や貧血の可能性 |
朝より夕方の方が疲れる | 慢性疲労や栄養不足の傾向 |
これらの症状が長引く場合は、一度医療機関での検査を受けることが大切です。
2.【まずはここから】日常生活でできる息切れ対策とは?
「運動は苦手」「忙しくて健康のことに気が回らない」――そんな方でも、日々の生活の中で取り入れられる“ちょっとした工夫”で息切れを軽減できることをご存知でしょうか?
ここでは、特別な道具や施設を使わなくても自宅でできる簡単な対策をご紹介します。
1. 正しい姿勢を意識する
年齢とともに背中が丸くなりがちですが、姿勢が悪いと肺が十分に広がらず、呼吸が浅くなります。意識的に背筋を伸ばし、胸を開くような姿勢を心がけるだけでも呼吸がラクになります。
2. 「呼吸筋」を鍛える
浅い呼吸を改善するには、横隔膜や肋間筋などの“呼吸筋”を鍛えることが有効です。
おすすめの呼吸法:腹式呼吸
・鼻からゆっくり息を吸い、お腹を膨らませる
・口から細く長く吐き出す
・1日3分×朝晩でOK
この呼吸法を続けることで、息切れしにくい体づくりにつながります。
3. 家事を“軽い運動”に変える
・掃除や洗濯時に腕や足をしっかり使う
・1日1回、買い物ついでに遠回りして歩く
など、生活動作の中に“運動”の要素を組み込むことで、自然に心肺機能を高めることができます。
無理なく、生活の延長で取り組める内容から始めることが、継続のカギです。
3.【無理なく体力をつける】シニアにおすすめの運動習慣3選
息切れしにくい身体をつくるには、継続できる運動習慣を持つことが重要です。しかし、無理な運動はケガや逆効果につながるため、シニア世代には「安全で負担が少ない運動」が適しています。
ここでは、70代でも取り組みやすく、息切れの改善や体力維持に効果的な運動を3つご紹介します。
1. ウォーキング(有酸素運動の基本)
毎日のウォーキングは、心肺機能の向上や血流改善に最適な運動です。
・1日20〜30分を目安に、無理のないペースでOK
・会話できる程度の軽い息切れが理想
・途中でベンチ休憩などを挟んでもOK
👟ポイント:足腰に不安がある方は、坂道や段差を避け、平坦な道を選ぶことが安全です。
2. 椅子に座ってできるスクワット
下半身の筋力を維持することで、疲れにくい・転びにくい身体を作れます。
・椅子に浅く腰かけ、立ち上がる→座るを10回×2セット
・足幅は肩幅に、背筋は伸ばして行う
💡習慣化のコツ:朝のテレビの前や、休憩時間に取り入れると自然に続きます。
3. 水中ウォーキング
もし近所にプールがあれば、水中運動はとても効果的です。
・浮力があるため膝や腰への負担が少ない
・水の抵抗により筋力、持久力アップに有効
・仲間と一緒に行えば、楽しさ+社会参加にも
厚生労働省も高齢者の運動として「水中歩行」や「ストレッチ体操」を推奨しています(※参考:e-ヘルスネット|厚生労働省)。
自分に合った運動を選び、「息切れしない身体づくり」をコツコツ続けることが大切です。
4.【食事も大切】息切れを防ぐための栄養と食生活のコツ
息切れ対策というと運動や姿勢ばかりに目が行きがちですが、実は「食事」も大きな影響を与える要素のひとつです。栄養が偏ると、筋力の低下や貧血などを引き起こし、息切れを悪化させることがあります。
ここでは、息切れ予防のために意識したい栄養素と、日々の食生活のポイントをご紹介します。
息切れに関わる3大栄養素
栄養素 | 役割 | 多く含む食品 |
---|---|---|
鉄分 | 酸素を運ぶヘモグロビンの材料。貧血防止に必須 | レバー、あさり、ほうれん草、納豆 |
たんぱく質 | 筋肉の維持・回復を助ける | 魚、肉、卵、大豆製品 |
ビタミンB群 | エネルギー代謝を助け、疲労感の軽減に | 玄米、豚肉、納豆、卵黄 |
これらを意識的に取り入れることで、体の“酸素を運ぶ力”や“動く力”が維持され、息切れしにくい状態を作れます。
食生活で意識したいポイント
・1日3食、できるだけ決まった時間に食べる
・インスタント食品に偏らず、野菜やたんぱく質を意識的にプラス
・水分補給も重要(脱水は息苦しさや疲労感の原因に)
高齢になると食欲が落ちやすいため、「少量でも栄養価が高い食事」を心がけましょう。たとえば納豆ご飯+味噌汁+卵焼きといった和食は、手軽で栄養バランスもよいメニューです。
5.【健康と仕事を両立させる】息切れしにくい働き方・職場の選び方
「働きたいけど、体力が持つか不安…」という声は、シニア世代の多くに共通する悩みです。しかし、息切れを感じにくく、無理なく続けられる仕事を選ぶことで、健康と収入の両立は可能です。
ここでは、シニアにとって「息切れしにくい働き方・仕事の選び方」のポイントを解説します。
息切れしにくい仕事の特徴
以下のような仕事は、70代でも比較的取り組みやすく、体力的な負担が少ない傾向があります。
職種例 | 特徴 |
---|---|
施設・マンション管理員 | 歩く動作中心でハードな作業が少ない |
シニア向けサポートスタッフ(見守りなど) | 会話・巡回中心で体力負担が軽い |
オフィス清掃 | 短時間&早朝など、ペースを調整しやすい |
軽作業(仕分け・袋詰め) | 屋内作業・同じ姿勢で作業しやすい |
働き方の工夫も大切
・シフト制や短時間勤務が可能な職場を選ぶ
・通勤が大変であれば徒歩や自転車圏内の職場を探す
・座り仕事と立ち仕事のバランスが取れる業務を選ぶ
また、就業前には一度、自分の「疲れやすさ」や「息切れする場面」を記録しておくと、仕事選びの参考になります。
職場選びで重視すべきこと
・周囲にシニア世代がすでに働いているかどうか
・体調に応じて相談しやすい職場風土があるか
・医療や福祉に理解のある企業かどうか
つまり、「働き方を変える」ことも、健康を守る息切れ対策のひとつです。
6.無理なく始めるための情報収集|信頼できる情報源を活用しよう
「息切れが気になるけど、どこに相談すればいいのかわからない」「どんな仕事が自分に合っているのか不安」――そんなときは、信頼できる情報源を通じて、必要な知識や選択肢を知ることが大切です。
健康と仕事の情報収集に使える主な方法
情報源 | 内容 |
---|---|
市区町村の広報誌・役所窓口 | 健康講座、就労支援、シニア向け求人説明会などの告知あり |
図書館や公共施設の掲示板 | 地元での講座、就業支援、セミナーの情報を掲載 |
ハローワークや地域包括支援センター | シニア向け求人や働き方相談に対応。窓口サポートも可能 |
テレビ・新聞・Webメディア | 健康情報、働き方のトレンドなどを手軽にチェックできる |
求人サイト(シニア向け特化型含む) | 体力に合った仕事や条件から検索しやすい。応募も簡単 |
情報は「誰が発信しているか」が非常に重要です。特に健康や仕事に関する内容は、自治体・医療機関・公的機関・信頼性の高いメディアなどからの情報を参考にすると安心です。
また、同世代の声を紹介する記事や体験談などを読むことも、心理的な安心感につながります。最近ではYouTubeやシニア向けのブログでも、体験ベースの働き方や健康法が紹介されており、気軽に視聴できる点も魅力です。
「働きたいけど不安」「息切れが心配」――そんな思いを1人で抱え込まず、正しい情報とサポートを活用して、自分に合った働き方・生活習慣を見つけていきましょう。
【まとめ】息切れに負けず、健康に働き続けるためにできること
年齢を重ねると、体力の衰えや息切れを感じる場面がどうしても増えてきます。ですが、「もう年だから仕方がない」とあきらめるのではなく、ちょっとした生活習慣の見直しや働き方の工夫で、体の負担を減らしながら“自分らしく”働き続けることは十分に可能です。
本記事でご紹介したように、正しい姿勢を意識したり、腹式呼吸を取り入れるだけでも呼吸が楽になり、日々の活動がスムーズになります。また、ウォーキングや椅子スクワット、水中運動など、無理なくできる運動を継続することで、筋力や持久力が維持され、息切れを感じにくい身体へと変わっていきます。
加えて、鉄分・たんぱく質・ビタミンB群などを意識した食生活は、内側からの体力サポートに欠かせません。特に高齢者に多い貧血や筋力低下を防ぐうえで、“食べて元気になる”ことも立派な息切れ対策です。
そして、再就職に向けて動き出すときは、無理なく働ける職場・仕事内容を選ぶことが何より大切です。「短時間」「近場」「負担が少ない」など、体調と相談しながら選ぶことで、長く安心して働き続けられる環境が手に入ります。さらに、茶話会やサロンといった地域の集まりに参加すれば、同じ悩みを持つ仲間との出会いや、健康・仕事に関する有益な情報も得られます。
今の自分の体と向き合いながら、「できることを、無理なく、続ける」ことが、70代からの働き方を支える最大の秘訣です。
経済的な安心だけでなく、健康、つながり、生きがいを得るためにも、今日からできる小さな一歩を踏み出してみましょう。
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