1. 顔トレが「ほうれい線・たるみ」に効く理由|表情筋と血行の関係
年齢を重ねると、顔を支える表情筋は少しずつ衰えていきます。特に口まわりや頬の筋肉が弱ると、皮膚を持ち上げる力が減り「ほうれい線」や「たるみ」として目立ってきます。また、加齢により血行が悪くなると新陳代謝が低下し、むくみやくすみの原因にもつながります。
そこで役立つのが「顔トレ(顔のトレーニング)」。筋肉に適度な刺激を与えることで血流を改善し、ハリや弾力を取り戻すサポートができます。「表情筋に関する研究では、高齢者における『顔の運動』によって精神的健康や表情、舌圧の改善が認められたという報告があります(参考:岡本るみ子ら,2018『高齢者の精神健康における顔の運動効果について』)。
顔トレは、特別な道具を使わなくても「声を出す」「口を動かす」「頬を膨らませる」といった簡単な動きで始められるのが特徴です。運動が苦手な方でも取り入れやすく、毎日の習慣にすることで「見た目年齢」だけでなく、表情が明るくなることで人とのコミュニケーションにも良い影響を与えてくれるのです。
2. 毎日5分でできる!基本の顔トレ習慣
顔トレは「短時間・簡単・継続」がポイントです。長時間行う必要はなく、1日5分程度でも十分に効果が期待できます。ここでは、朝・日中・夜に取り入れやすい基本ルーティンを紹介します。
① 朝:むくみリセット&口角アップ(約1分)
朝起きて顔がむくんでいるときは、両頬に空気をためて「ぷくーっ」とふくらませ、左右に移動させましょう。これだけで血流とリンパの流れが促され、顔色が明るくなります。最後に口角をキュッと上げる動きを加えると、自然な笑顔のトレーニングにもなります。
② 日中:ながらでできる口まわり強化(約2分)
テレビを見ながら、料理をしながらなど「ながら」で行えるのがこのトレーニング。口を「い→う」と交互に大きく動かすことで、口輪筋や頬の筋肉がしっかり刺激されます。口角を意識して大きく動かすのがポイントです。
③ 夜:リラックスしながらフェイスライン引き締め(約2分)
夜のリラックスタイムには、首から顎にかけての筋肉を意識。顔を上に向けて口を「い」の形に広げ、そのまま「う」と突き出す動きを繰り返します。フェイスラインのもたつきを改善し、すっきりとした印象を保つサポートになります。
無理のない範囲で、毎日少しずつ続けることが一番大切です。日課に取り入れると「今日は顔トレをやらないと落ち着かない」と思えるようになり、自然に習慣化できるでしょう。
3. シニアにおすすめの目的別顔トレ(ほうれい線・フェイスライン)
顔トレは「気になる部分」に合わせてメニューを選ぶと、より効果的です。特にシニア世代が気になりやすいのは、口元のほうれい線と、顎まわりのフェイスライン。ここでは目的別の簡単トレーニングを紹介します。
① ほうれい線対策:ほっぺリフト
口を「お」の形にして頬を内側から吸い込み、5秒キープ。その後「ぱっ」と力を抜いて頬をふくらませます。この動きを10回繰り返すことで、口の横の筋肉が鍛えられ、シワが目立ちにくくなります。
② マリオネットライン対策:舌回し運動
口を閉じたまま舌を大きく動かして、上の歯茎→頬→下の歯茎→反対側の頬をゆっくりなぞるように回します。左右10回ずつ行うと、口まわりの筋肉がバランスよく動き、口角の下がりを防ぐ効果が期待できます。
③ フェイスライン引き締め:あご押し上げ運動
両手をグーにして顎の下に置き、軽く上に押し上げながら「いー」と声を出します。首から顎にかけての筋肉を意識し、10秒×3セット行うと二重あご予防にも効果的です。
これらは椅子に座ったままでも、テレビを見ながらでもできるシンプルな動きです。少しずつ毎日の習慣に取り入れることで、無理なく「顔の若返り効果」を実感できるでしょう。
4. 滑舌もアップ!発声を使った顔トレ「あ・い・う・え・お」
顔トレの中でも特に人気なのが、発声を組み合わせた「あ・い・う・え・お」体操です。これは単に口の周りの筋肉を鍛えるだけでなく、滑舌や表情の豊かさも改善できる一石二鳥の方法。接客や会話が多いシニア世代にとっても、日常生活で役立つ効果があります。
やり方はとても簡単です。
1.背筋を伸ばして座るか立つ。
2.口を大きく開けて「ア」と発声。頬をしっかり動かす意識を持つ。
3.次に「イ」で口角を横に広げる。
4.「ウ」は唇をしっかり前に突き出す。
5.「エ」は口を横に引き、目尻を上げるイメージ。
6.「オ」は口を縦に大きく開ける。
これを1セットとし、5回繰り返すだけ。朝の目覚めの時間や声を出す前の準備運動としてもおすすめです。
発声を伴うことで自然に呼吸が深くなり、酸素が脳に行き渡りやすくなるのもメリットです。顔や口の運動は、加齢による口腔機能の低下を防ぎ、嚥下や咀嚼などの機能を支える“オーラルフレイル”の予防に有効であると、複数の医療分野で注目されています(参考:日本歯科医師会「通いの場で活かすオーラルフレイル対応マニュアル」)。
毎日数分の「あ・い・う・え・お」顔トレで、口角が上がり、声も明るくなれば、人との会話がますます楽しくなるでしょう。
5. やりがちNG習慣と注意点|正しいトレーニングのコツ
顔トレはシンプルで誰でも取り入れやすい反面、やり方を間違えると効果が半減したり、逆に肌や筋肉に負担をかけてしまうこともあります。ここでは特に注意したいポイントを紹介します。
① 強すぎる摩擦はNG
顔の皮膚はとても薄くデリケートです。マッサージのようにゴシゴシこすったり、強く引っ張ったりすると、シワやたるみをかえって悪化させてしまう可能性があります。動かすときは「筋肉を意識して内側から動かす」ことを意識しましょう。
② 過度なトレーニングは逆効果
顔の筋肉も身体と同じく、疲労がたまります。毎日5分程度が目安で、やりすぎると筋肉が緊張してしまい、むしろ不自然な表情の癖がつくことも。短時間で効率的に行うのがポイントです。
③ 姿勢のクセに注意
猫背やうつむき姿勢のまま顔トレをしても、筋肉が正しく働きません。背筋を伸ばして行うことで、顎から首、顔全体にかけてスムーズに筋肉が動きます。
④ 体調や持病がある場合は無理をしない
顎関節症や歯の治療中などの場合は、一部の動きが負担になることもあります。違和感を感じたら無理せず中止し、必要に応じて専門医に相談しましょう。
こうした注意点を守れば、顔トレは安全に、そして効果的に続けられます。「頑張る」のではなく「気持ちいい」と思える範囲で取り入れることが、長続きの秘訣です。
6. まとめ|顔トレを続けて若々しい印象と健康をキープ
顔トレは、シンプルながらもシニア世代の美容と健康の両面に役立つ習慣です。ほうれい線やたるみ対策として表情筋を鍛えるだけでなく、血流を促進し、明るい表情や滑舌の改善にもつながります。
また、口や頬をよく動かすことは、嚥下機能や噛む力の維持にも直結し、オーラルフレイル予防の一環としても注目されています。これは単に見た目を若々しく保つだけでなく、「食べる・話す」という日常生活の楽しみを長く守ることにも役立ちます。
さらに、顔トレを続けることで「笑顔が増える」という大きな効果もあります。自然な笑顔は周囲からの印象を明るくし、人との会話や交流をスムーズにしてくれます。仕事やボランティア、趣味の場でもプラスの影響を与えるでしょう。
大切なのは「継続」。1日たった5分でも毎日続けることが、数ヶ月後には「表情が変わった」「若返った気がする」という実感につながります。鏡を見るのが楽しみになり、生活全体に前向きな変化をもたらすでしょう。
つまり顔トレは、見た目のアンチエイジングだけでなく、社会的なつながりや自分らしさを取り戻す大切な習慣です。気軽に始めて、長く続けることで、心も体も元気なセカンドライフを実現できます。
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