1.なぜ今、バードウォッチングが健康習慣として注目されているのか
バードウォッチングは、近年「続けやすい健康習慣」として注目されている趣味のひとつです。その理由は、運動・脳の活性化・心の安定という3つの要素を、無理なく同時に得られる点にあります。
まず大きな特徴は、「歩くこと」が自然に習慣化できることです。バードウォッチングでは、決められた距離を歩いたり、速さを意識したりする必要はありません。公園や川沿いをゆっくり歩きながら、「あ、今鳴き声がした」「あの木の上に何かいるかも」と周囲に目を向けるだけで、結果的に適度な運動になります。体力に自信がなくても、自分のペースで続けられる点は、70代前後の方にとって大きな安心材料です。
次に、“探す・見分ける”という行為が脳を刺激することも見逃せません。鳥の姿や色、鳴き声を観察し、「これは前に見た鳥と同じだろうか」「季節によって種類が違うのかな」と考えることは、記憶力や注意力を使う行動です。難しい知識がなくても、「気づく」「比べる」「思い出す」といった小さな思考の積み重ねが、脳の活性化につながります。
さらに、バードウォッチングには心を落ち着かせる効果もあります。自然の中で空を見上げ、木々の音や鳥のさえずりに耳を傾ける時間は、日常の忙しさや不安から少し距離を置くきっかけになります。「今日は何羽見られたか」「名前はわからないけれど、きれいだった」といった小さな発見が、気持ちを前向きに整えてくれます。
このように、バードウォッチングは「頑張って健康になる」のではなく、楽しんでいるうちに健康につながっていくのが最大の魅力です。だからこそ、年齢や体力に関係なく、長く続けられる健康習慣として、多くのシニア世代に選ばれています。
2.歩く・探す・考える|バードウォッチングが心と体に与える良い影響
バードウォッチングが健康によいと言われる理由は、「歩く」「探す」「考える」という3つの行動が、無理なく日常に組み込まれる点にあります。特別なトレーニングや努力を意識しなくても、自然と心身を使う時間が増えていくのが大きな特徴です。
まず「歩く」ことによる身体への影響です。バードウォッチングでは、長距離を一気に歩く必要はありません。鳥を探しながら立ち止まったり、ゆっくり進んだりするため、足腰への負担が少なく、散歩感覚で続けられます。目的地を決めずに歩くことで、「今日はここまででいい」と自分の体調に合わせた調整がしやすく、運動が苦手な方でも安心です。結果として、外出の機会が増え、運動不足の解消につながります。
次に「探す」という行動は、集中力を自然に高めてくれます。木の枝の間や草むら、水辺などに視線を向け、「どこにいるだろう?」と周囲を観察することで、注意力が養われます。スマートフォンやテレビを眺める時間とは違い、五感を使って今この瞬間に意識を向けるため、気分転換やリフレッシュ効果も高まります。
さらに「考える」ことが、心の健康にも良い影響を与えます。「この鳥は昨日も見た種類かな」「季節が変わったから別の鳥が来たのかもしれない」といった小さな思考の積み重ねが、脳を活性化させます。正解を出す必要はなく、自分なりに想像するだけで十分です。この“考える余白”があることが、バードウォッチングの心地よさでもあります。
また、自然の中で過ごす時間は、気持ちを穏やかにしてくれます。鳥のさえずりや風の音に耳を傾けることで、日々の不安やストレスから一時的に離れることができます。「今日は何も特別なことはなかったけれど、外に出てよかった」と感じられる経験が、心の安定につながります。
このように、バードウォッチングは運動・脳の刺激・リラックスを同時に叶える活動です。頑張りすぎず、楽しみながら続けられるからこそ、健康習慣として定着しやすいのです。
3.70代からでも無理なく始められる理由|体力や経験に自信がなくても大丈夫
バードウォッチングは、「興味はあるけれど、体力や知識が心配」と感じている70代の方にこそ向いている趣味です。その理由は、始めるためのハードルがとても低く、年齢や経験を問わない点にあります。
まず、特別な体力が必要ありません。バードウォッチングは競争でも記録更新でもなく、「今日は少し外を歩いてみよう」という気持ちだけで成立します。長時間歩く必要もなく、近所の公園や自宅周辺を10分ほど歩くだけでも十分です。途中でベンチに座って休みながら観察することもできますし、「今日はここまで」と自分で区切れる自由さがあります。体調に波がある方でも、無理なく続けやすいのが特徴です。
次に、「知識がなくても楽しめる」点も安心材料です。バードウォッチングというと、「鳥の名前を覚えないといけない」「図鑑が必要なのでは」と思われがちですが、最初はまったく気にする必要はありません。「小さくて茶色い鳥がいた」「鳴き声がきれいだった」と感じるだけで十分です。名前がわからなくても、「見つけた」「気づいた」という体験そのものが楽しさになります。
また、道具についてもシンプルです。最初は双眼鏡がなくても問題ありません。肉眼で見える範囲の鳥を観察するだけでも、意外と多くの発見があります。慣れてきて「もう少し近くで見たい」と思ったときに、軽くて扱いやすい双眼鏡を選べば十分です。高価な機材を揃える必要がないため、始める際の負担も少なく済みます。
さらに、バードウォッチングには「正解がない」ことも大きな魅力です。うまく見つけられない日があっても問題ありません。「今日は鳥が少なかったな」と感じる日も含めて、自然の変化を受け入れる楽しみがあります。何かを達成しなければならない趣味ではないため、気持ちに余裕を持って続けられます。
このように、バードウォッチングは体力・知識・道具の面でハードルが低く、「できる範囲で楽しめばいい」趣味です。だからこそ、70代からでも安心して始められ、日々の生活に自然と溶け込んでいきます。

4.一人でも楽しめる、仲間がいるともっと楽しい|参加スタイルはいろいろ
バードウォッチングの良いところは、一人でも始められ、必要に応じて仲間とも楽しめる点にあります。その日の気分や生活リズムに合わせて参加スタイルを選べるため、無理なく続けやすい趣味です。
まず、一人で楽しむ場合の魅力です。時間や場所を自由に決められるため、「今日は少しだけ外に出たい」「人と話す気分ではない」という日でも気軽に楽しめます。静かな時間の中で鳥の姿や声に集中することで、自分自身と向き合う穏やかなひとときを過ごせます。誰かに合わせる必要がないため、気疲れせず、自分のペースを大切にしたい方には一人でのバードウォッチングが向いています。
一方で、仲間と一緒に楽しむバードウォッチングには、また違った良さがあります。複数人で観察すると、「あそこにいるよ」「さっきとは違う鳥かもしれない」と情報を共有でき、発見の幅が広がります。自分では気づかなかった鳥を教えてもらえることも多く、自然と学びにつながります。会話をしながら歩くことで、外出そのものが楽しくなり、継続のきっかけにもなります。
また、仲間がいることで安心感が生まれる点も見逃せません。特に初めての場所や少し遠出をする際には、「一緒に行く人がいる」というだけで不安が和らぎます。体調の変化に気づいてもらえたり、困ったときに助け合えたりする関係が自然と築かれていくこともあります。
バードウォッチングは、「必ず誰かと一緒でなければならない」趣味ではありません。一人で静かに楽しむ日もあれば、誰かと一緒に賑やかに過ごす日があってもいいのです。この柔軟さが、長く続けられる理由のひとつです。自分に合った距離感で人と関われるため、社会とのつながりを無理なく保つことができます。
5.観察会・サークル・イベントに参加するメリット|初心者こそ得られる安心感
バードウォッチングは一人でも楽しめますが、観察会やサークル、イベントに参加することで、安心感と楽しさが大きく広がるのも事実です。特に始めたばかりの方にとっては、「参加すること自体」が続けるための大きな支えになります。
まず、最大のメリットは**「わからなくて当たり前」という空気の中で学べること**です。観察会やサークルには、経験豊富な人もいれば、初参加の人もいます。鳥の名前がわからなくても、双眼鏡の使い方に自信がなくても問題ありません。「あの鳥は何ですか?」と気軽に聞ける環境があり、知識を押し付けられることも少ないため、プレッシャーを感じにくいのが特徴です。
次に、一人では気づけない発見が増える点も魅力です。複数人で観察すると、視点が増えます。「私は見逃していたけれど、あの人は気づいていた」という場面も多く、自然と観察力が養われます。また、同じ鳥を見ても感じ方が違うため、「そんな見方もあるんだ」と新しい発見につながります。
さらに、観察会やイベントは外出のきっかけになりやすいという利点があります。「〇日に開催される」と予定が決まっていることで、家にこもりがちな日常から一歩踏み出しやすくなります。定期的な集まりがあると生活にリズムが生まれ、健康面でもプラスに働きます。
人とのつながりが自然に生まれる点も重要です。バードウォッチングという共通の目的があるため、無理に話題を探す必要がありません。「今日は何が見られましたか?」という一言から会話が始まり、少しずつ顔なじみが増えていきます。こうしたゆるやかな交流は、社交的な性格の方はもちろん、「人付き合いは少し苦手」という方にも取り入れやすい形です。
観察会やサークルへの参加は、「上達するため」だけでなく、安心して楽しみ続けるための選択肢のひとつです。最初は見学や単発参加でも構いません。自分に合う雰囲気かどうかを確かめながら、無理のない関わり方を見つけていくことが大切です。
6.どうやって探す?バードウォッチングのサークル・イベントの見つけ方
「観察会やサークルに参加してみたいけれど、どう探せばいいかわからない」という声はとても多く聞かれます。実は、バードウォッチングの集まりは身近な場所・身近な方法で見つけることができます。ここでは、初めての方でも探しやすい方法を紹介します。
まず取り組みやすいのが、自治体や公共施設の情報をチェックする方法です。市区町村の広報誌、公民館や生涯学習センターの掲示板には、自然観察会や環境学習イベントの案内が掲載されていることがあります。「自然観察」「野鳥観察」「里山散策」などの名称で募集されている場合も多く、初心者向けに配慮された内容が中心です。参加費が無料、もしくは少額である点も安心材料です。
次におすすめなのが、地域の公園や自然施設のホームページ・掲示物です。大きめの公園や湿地、自然公園では、定期的に野鳥観察会を開催していることがあります。管理事務所の掲示板や公式サイトを確認すると、開催日や申込方法が分かります。普段散歩で訪れている場所が、そのまま活動拠点になるケースも少なくありません。
インターネットを使う場合は、検索キーワードを工夫すると見つけやすくなります。
例としては、
「地域名+バードウォッチング」
「地域名+野鳥観察会」
「地域名+自然観察 サークル」
といった形です。SNSやイベント告知サイトで募集されていることもあり、写真や過去の活動内容を見て雰囲気を確認できるのも利点です。
また、一人で参加するのが不安な場合は、単発イベントから始めるのがおすすめです。定期サークルよりもハードルが低く、「まずは体験してみる」という気持ちで参加できます。参加してみて雰囲気が合えば、継続的な集まりに切り替えることもできます。
探す際に大切なのは、「上級者向けかどうか」を気にしすぎないことです。多くの観察会やイベントは、初心者の参加を前提にしています。わからないことがあっても問題ありません。「興味がある」「外に出るきっかけがほしい」という動機だけで、十分に参加する価値があります。
7.続けるコツは“がんばらない”こと|生活リズムに自然に組み込む工夫
バードウォッチングを長く楽しむために、いちばん大切なのは**「がんばりすぎないこと」**です。健康や生きがいのために始めたはずなのに、義務のようになってしまっては続きません。日常生活の延長として、自然に取り入れる工夫がポイントになります。
まず意識したいのは、「特別な時間を作ろうとしない」ことです。バードウォッチングは、早朝に遠くまで出かけなければならない趣味ではありません。買い物のついでに公園を少し回る、通勤や通院の帰り道で空を見上げるなど、普段の行動に少しだけ“観察”を足すだけで成立します。「今日は歩きながら鳥の声に耳を傾けてみよう」くらいの気持ちで十分です。
次に、「毎回成果を求めない」ことも重要です。鳥がたくさん見られる日もあれば、ほとんど姿が見えない日もあります。「今日は何も見られなかったから失敗」という考え方は不要です。外に出て季節や空気の変化を感じただけでも、その日は意味のある時間です。見られなかった経験も、次に楽しむための一部と考えると、気持ちが楽になります。
記録の取り方を工夫するのも、続けるコツのひとつです。ノートに詳しく書く必要はありません。「今日は小さな鳥を2羽見た」「鳴き声がきれいだった」といった一言メモや、スマートフォンで撮った写真を残すだけでも十分です。後から見返すことで、「意外と続いているな」と自信につながります。
また、無理のない頻度を決めておくのもおすすめです。「毎日やらなければ」と思うと負担になりますが、「週に1回くらい」「気が向いたときだけ」と決めておくと気持ちが軽くなります。体調や天候に合わせて休むことも、長く続けるための大切な選択です。
バードウォッチングは、頑張った人だけが楽しめる趣味ではありません。自分の生活リズムを大切にしながら、少し自然に目を向ける。その積み重ねが、無理なく続く健康習慣につながっていきます。
8.まとめ|バードウォッチングは健康とつながりを育てる“続く趣味”
バードウォッチングは、年齢や体力に左右されにくく、健康・心の充実・人とのつながりを同時に育てられる、非常にバランスのよい趣味です。特別な準備や知識がなくても始められ、「歩く」「探す」「考える」という行動が自然と日常に組み込まれていきます。
一人で静かに楽しむこともできれば、観察会やサークル、イベントに参加して仲間と交流することもできます。その日の体調や気分に合わせて関わり方を選べるため、無理なく続けられるのが大きな魅力です。特に、初心者向けの観察会や地域のイベントは、外出のきっかけや新しい人間関係づくりにもつながります。
また、「頑張らない」「成果を求めすぎない」姿勢を大切にすることで、バードウォッチングは生活の中に自然と根づいていきます。今日は鳥を見られなかったとしても、外に出て季節や自然を感じた時間そのものが、心と体にとって価値のある経験です。
退職後や働き方が変わったタイミングで、「何か新しいことを始めたい」「健康的に社会とつながっていたい」と感じている方にとって、バードウォッチングは最初の一歩としてとても取り入れやすい選択肢です。小さな発見を楽しみながら、自分らしいペースで続けていくことで、毎日の生活に穏やかな充実感が生まれていくでしょう。
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