高齢者雇用の助成金活用で実現する、コストを抑えた効果的な採用戦略

【企業向け】シニア採用

1.はじめに:深刻化する人手不足と採用予算のジレンマ

近年、多くの企業で労働力不足が深刻な経営課題となっています。特に若手人材の採用競争は激化の一途をたどっており、求人広告費や採用代行費などのコストは年々高騰しています。「人手は欲しいけれど、採用にかけられる予算には限りがある」というジレンマを抱えている企業は少なくありません。

帝国データバンクの調査(※1)によると、正社員の人手不足を感じている企業の割合は50%を超えており、慢性的な人材不足が浮き彫りになっています。このような状況下で、限られた予算内で効率的に人材を確保するための解決策として、現在「シニア人材の採用」と「国や自治体の助成金の活用」に大きな注目が集まっています。助成金を正しく活用することで、採用にかかるコストを大幅に削減しつつ、企業の成長を支える優秀な人材を迎え入れることが可能になります。

※1 引用元:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査


2.なぜ今、シニア人材なのか?企業にもたらす大きなメリット

採用活動において、シニア人材へターゲットを広げることは、企業に多くの恩恵をもたらします。ここでは、大きく3つのメリットを解説します。

競合が少なく「採用しやすい」

若手人材の獲得は大手企業から中小企業まで多くの企業が競い合っており、内定辞退や早期離職も頻繁に発生します。一方でシニア層は、働く意欲が高く健康であるにもかかわらず、年齢を理由に採用を見送られるケースがまだ存在します。そのため、シニア採用に積極的な姿勢を示すだけで、他社との競合を避けながら、意欲的な人材からの応募を比較的容易に集めることができます。母集団形成がしやすい点は、採用担当者にとって非常に大きな利点です。


即戦力となる豊かな経験とスキル

長年社会で活躍してきたシニア人材は、専門的な業務スキルだけでなく、ビジネスマナーや対人折衝能力、課題解決能力といった汎用性の高いスキルを身につけています。そのため、入社後の基礎的な教育や研修にかかる時間とコストを大幅にカットできます。新しい環境にも柔軟に適応し、これまでの経験を活かしてすぐに現場の戦力として貢献してくれる可能性が高いです。


高い定着率と職場の活性化

シニア人材は「長く安定して働きたい」「社会に貢献したい」という思いが強いため、定着率が非常に高い傾向にあります。せっかく採用してもすぐに辞めてしまうといった採用のミスマッチや再募集のコストを防ぐことができます。また、様々な経験を持った世代が職場で共に働くことで、若手社員への指導役としての効果や、異なる視点からのアイデア創出など、組織全体に良い刺激と活性化をもたらします。


3.採用コストを大幅に抑える!高齢者雇用で活用できる主な助成金

シニア人材の採用や定着を後押しするために、様々な助成金制度が用意されています。ここでは代表的な3つの助成金を比較・解説します。まずは以下の表で全体像をご確認ください。

助成金名主な対象者・条件支給額の目安(中小企業の場合)
特定求職者雇用開発助成金60歳以上の高齢者等をハローワーク等の紹介で雇い入れる最大60万円(※短時間労働者は40万円)
65歳超雇用推進助成金定年の引き上げ、定年制の廃止、継続雇用制度の導入など制度内容や対象者数により数十万円〜数百万円
トライアル雇用助成金経験不足等の求職者を原則3ヶ月間試行雇用する月額最大4万円(最長3ヶ月)

※支給要件や金額は変更される場合があります。必ず厚生労働省の最新情報をご確認ください。

1. 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

60歳以上の高齢者をはじめ、就職が困難な方をハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介経由で継続して雇用する労働者として雇い入れた場合に支給される助成金です。採用にかかるコストを直接的に補填できるため、非常に使い勝手の良い制度です(※2)。

※2 引用元:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)


2. 65歳超雇用推進助成金

新たにシニアを採用するだけでなく、自社で働く社員が65歳を超えても活躍し続けられるよう、就業規則を改定して定年の引き上げや廃止を行った企業に対して支給されます。企業の労働環境整備を支援する目的があり、人事制度の見直しとセットで検討すると効果的です(※3)。

※3 引用元:厚生労働省「65歳超雇用推進助成金


3. トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

「面接だけでは自社に合うか不安…」という企業におすすめの制度です。原則3ヶ月間の試行期間を設け、その間の賃金の一部が助成されます。この期間を通じて、適性や能力を見極めた上で本採用へ移行できるため、採用のミスマッチを未然に防ぐことができます(※4)。

※4 引用元:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)


4.助成金申請の具体的な流れとステップ

助成金は「採用した後」に申請すれば無条件でもらえるものではありません。正しい手順を踏む必要があります。ここでは基本的な申請の流れを解説します。

ハローワーク等の利用と対象者の採用

多くの助成金では「ハローワークや国が認めた民間の有料職業紹介事業者等からの紹介であること」が要件となっています。自社のホームページからの直接応募や、友人からの紹介(リファラル採用)では助成金の対象外となるケースが多いため注意が必要です。募集を出す段階で、利用する経路が助成金の要件を満たしているかを確認しましょう。


計画の策定・提出から支給申請までのフロー

助成金の種類によっては、採用や制度導入の「前」に計画書の提出が求められます。一般的な流れとしては、①事前の計画提出(必要な場合)、②対象者の雇い入れ・制度の実施、③一定期間(半年など)の雇用継続、④支給申請書の提出、⑤審査を経て支給決定、となります。申請期限を一日でも過ぎると受け取れなくなるため、スケジュール管理が非常に重要です。


5.助成金をスムーズに活用するための重要なポイントと注意点

助成金を確実に受給し、トラブルを防ぐために押さえておくべきポイントを解説します。

申請のタイミングと事前準備

助成金の申請には、出勤簿(タイムカード)や賃金台帳、労働条件通知書など、法定帳簿の整備が不可欠です。未払い残業代がないか、最低賃金を下回っていないかなど、日頃の労務管理が適正に行われていることが大前提となります。採用が決まってから慌てないよう、日頃からこれらの書類を正確に管理する体制を整えておきましょう。


労働条件や就業規則の見直し

「会社都合による解雇」が直近(半年以内など)にある場合、多くの助成金は申請できません。また、雇用保険や社会保険の適正な加入も必須条件です。助成金をもらうためだけの形式的な採用ではなく、法令を遵守した適切な労働環境を提供できているか、事前に就業規則等の見直しを行っておくことが成功のコツです。


6.助成金活用と併せて実践したい、効果的な採用手法

助成金を活用する準備が整ったら、次は実際にどうやって優秀なシニア人材に出会うかが課題となります。ハローワークを利用して条件を満たすことも重要ですが、より多くの意欲的な人材に効率よくアプローチするには、シニア層に特化した求人サイトとの併用が非常に効果的です。シニア向けの求人サイトであれば、初めから働く意欲の高いシニア層が集まっているため、自社の魅力をピンポイントで伝えることができ、採用活動のスピードアップに繋がります。


7.まとめ:助成金を賢く活用し、優秀なシニア人材の確保を

人手不足の解消には、採用ターゲットの見直しが欠かせません。シニア人材の雇用は、豊富な経験を取り入れ、組織を活性化させる大きなチャンスです。また、国や自治体の助成金を正しく活用することで、採用にかかる経済的な負担を大幅に軽減することができます。

「何から始めればいいか分からない」「自社に合った人材に出会えるか不安」という場合は、まずはシニア層の採用に強みを持つ専門のプラットフォームを活用し、どのような人材がいるのか情報を集めることから始めてみてはいかがでしょうか。

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