健康のために働く!シニア世代が始める「身体を動かす仕事」おすすめ10選

仕事

はじめに

定年を迎えた後も「健康のために働く」という考え方が、いまシニア世代の間で注目されています。これまでの「働く=収入のため」だけでなく、「働くこと自体が健康づくりにつながる」という新しい価値観です。特に身体を動かす仕事は、日常生活に自然な運動を取り入れられる点で、運動習慣を維持したいシニアにぴったりです。

厚生労働省のデータによると、日本人の平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約12年とされています(厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」2023年)。つまり「長生きしても、その間に体の不調や介護が必要になる期間がある」ということです。この差を縮めるために大切なのが、日常的な身体活動。無理な運動ではなく、仕事を通じて体を動かすことで、無理なく継続できる「健康習慣」になるのです。

さらに、働くことは単に体を動かすだけでなく、社会とのつながりを保ち、精神的な充実感をもたらす効果もあります。「収入+健康+人とのつながり」を同時に得られるのが、シニア世代にとっての大きな魅力といえるでしょう。


1:なぜ「健康のために働く」のか?シニア世代に広がる背景

かつて「定年=引退」というイメージが強かった時代から、「定年後も働き続ける」ことが当たり前になりつつあります。その理由のひとつが「健康維持」です。実際、内閣府の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(2022年)」によると、60歳以上で働く理由として「生活の糧を得るため」よりも「健康のため」「生きがいのため」を挙げる人が年々増加しています。

働くことが運動習慣につながる点も見逃せません。例えば、毎日歩いて通勤する、現場で立ち仕事をする、荷物を運ぶといった行動は、自然な筋力維持や心肺機能の強化に役立ちます。ジムに通うのが難しくても、「仕事=運動」と考えることで、無理なく継続的に体を動かすことが可能です。

また、社会とのつながりを持ち続けられることも大きなメリットです。人との交流が減ると孤独感が強まり、心身の不調につながることがあります。働くことによって人と関わり、役割を持つことで、生活のハリや目的意識を保ちやすくなります。

このように「健康のために働く」という考え方は、経済的な必要性だけではなく、心身の健康と生きがいの両方を得る新しいシニアライフスタイルとして広がっているのです。


2:身体を動かす仕事のメリットとは?

「健康のために働く」という視点で特におすすめなのが、日常的に体を使う仕事です。身体を動かす仕事には、シニア世代にとって多くのメリットがあります。

1. 生活リズムが整う

定年後の生活では、時間の自由度が高い一方で、生活リズムが不規則になりがちです。身体を動かす仕事をすることで、出勤時間や作業の流れが日常のリズムを作り、規則正しい生活につながります。特に午前中から体を動かす習慣は、夜の睡眠の質向上にも良い影響を与えます。


2. 社会参加・仲間づくりにつながる

身体を動かす仕事は、清掃スタッフやマンション管理人など、人と接する機会が自然と増えます。仲間や住民との挨拶や会話が生まれやすく、孤立防止や地域社会とのつながり強化につながります。内閣府の「高齢社会白書(2023年)」でも、社会的つながりを持つ高齢者ほど健康状態や生活満足度が高いと示されています。


3. 経済面の安心感

身体を動かす仕事は比較的求人数も多く、未経験から始められるケースが多いため、シニア世代でも挑戦しやすいのが特徴です。週数日や短時間勤務も可能で、年金を補う収入源として無理なく続けやすい働き方といえます。収入の安定は精神的な安心感につながり、生活全体を前向きにしてくれるでしょう。


4. 健康寿命をのばす効果

何より、体を動かすことがそのまま健康維持につながります。厚生労働省の調査では、1日8,000歩以上歩く人は生活習慣病の発症リスクが有意に低いと報告されています(厚生労働省「健康日本21(第二次)」)。無理な運動ではなく、仕事を通じた「自然な活動量の増加」が長寿社会における理想的な健康法といえるでしょう。


3:シニアにおすすめの「身体を動かす仕事」10選

ここでは、68歳前後のシニア世代でも無理なく始められ、健康づくりと収入を両立できる「身体を動かす仕事」を具体的に紹介します。

1. 警備員

建物や施設の巡回・立ち仕事が中心で、歩く習慣を自然に取り入れられます。夜勤のある勤務先もありますが、昼間の常駐警備なら体への負担も少なく、シニアに人気の仕事です。


2. 清掃スタッフ

オフィスビルや商業施設、公園などでの清掃業務は、体を動かしながら働ける代表的な仕事です。道具を持って歩く、掃き掃除や拭き掃除をするなど、全身をバランスよく動かせます。


3. 配送・軽作業スタッフ

宅配便やスーパーの配送補助、倉庫での仕分け作業などは、軽い荷物を持ったり歩き回ったりする仕事です。体力を維持しながら短時間勤務ができるので、シニアにも始めやすい選択肢です。


4. 農作業サポート

収穫や苗植え、雑草取りなど、農業は全身を使う作業が多く健康維持に効果的です。季節ごとの短期アルバイトも多く、田舎暮らしや地域との交流を楽しみながら働けます。


5. 介護助手

介護現場では、入浴や食事の介助よりも「移動の見守り」「掃除」「お話し相手」といった補助業務を担うシニア採用が進んでいます。人の役に立ちながら体を動かすことで、やりがいと健康維持を両立できます。


6. 家事代行スタッフ

掃除や洗濯、料理などの生活サポートを提供する仕事です。普段の家事スキルをそのまま活かせるため未経験でも始めやすく、日常動作で自然に体を動かせるのが特徴です。


7. 設備・建物管理

電球交換や点検・巡回など、建物を維持する仕事は「歩く・運ぶ」といった軽度な運動が含まれます。以前の職務経験(工場勤務や施設管理)を活かせるケースも多く、シニア世代に人気があります。


8. マンション管理人

清掃や簡単な修繕、住民への案内対応などを担います。体を動かしつつ、人と交流する場面も多いので、健康だけでなく生活に張り合いを与えてくれる仕事です。


9. 学校・施設の用務員

備品運びや校内点検、簡単な修理などが中心です。地域の子どもや教職員との交流もあり、体を動かしながら人とのつながりを感じられる環境です。


10. ベビーシッター

子どもの世話は、抱っこや遊びなど体を動かす場面が多い仕事です。安全管理を第一にしながら、子どもの成長をサポートするやりがいも大きく、体と心の健康づくりにつながります。


4:仕事を選ぶときの注意点

身体を動かす仕事は健康維持に効果的ですが、シニア世代が安心して長く続けるためには、いくつかのポイントに注意することが大切です。

1. 体力レベルに合っているか

自分の健康状態や体力に見合わない仕事を選ぶと、ケガや疲労の原因になりかねません。例えば、重い荷物を扱う配送業務は腰や関節への負担が大きいため、無理をせず軽作業や巡回中心の仕事を選ぶのが安心です。


2. 勤務時間と通勤の負担

フルタイム勤務は体力的に厳しいと感じる人も多いため、週2〜3日や午前中だけなど、自分に合った勤務スタイルを選ぶと続けやすくなります。また、長時間の通勤は体への負担が大きいため、自宅から近い勤務地を選ぶことも重要です。


3. 労働条件や安全環境の確認

シニア向けの求人の中には、雇用形態や待遇が十分に整備されていないケースもあります。契約内容や労働時間、保険の有無などを必ず確認しましょう。また、清掃や警備など現場で働く場合は、事故防止のための安全対策が整っているかどうかもチェックポイントです。


4. やりがいとのバランス

健康のためだけでなく「人の役に立ちたい」「社会とつながりたい」といったやりがいも大切にすることで、働き続けるモチベーションになります。実際、厚生労働省の「高齢者の就業実態(2023年)」でも、シニアが長く働く理由のひとつに「やりがい」が挙げられています。

無理なく続けられる条件を整えることで、仕事は「負担」ではなく「健康を支える習慣」となります。


5:健康のために「働き続ける」工夫

せっかく健康のために始めた仕事も、無理をして体を壊してしまっては本末転倒です。長く続けるためには、「働きながら健康を守る工夫」を日常に取り入れることが大切です。

1. 適度な休養とストレッチを習慣に

立ち仕事や歩く仕事では、足腰や肩に負担がかかります。勤務前後に軽いストレッチを取り入れたり、休憩中に深呼吸や足首回しを行うだけでも、血行促進と疲労軽減につながります。特にシニア世代では、「働きながら休むリズム」を意識することが重要です。


2. 新しい仲間と交流して心も元気に

仕事を通じて得られる人とのつながりは、健康維持の“もうひとつの要素”です。職場の同僚や地域の人たちとのコミュニケーションは、孤立を防ぎ、ストレス軽減や認知症予防にも効果があります。実際に、国立長寿医療研究センターの報告でも、社会的つながりが豊かな高齢者ほど健康寿命が長いことが示されています。


3. 食事と睡眠のバランスも意識

体を動かす仕事では、エネルギー消費が多いため、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。特に、筋肉維持に必要なたんぱく質(肉・魚・豆類など)を意識的に取り入れることが大切です。また、規則正しい睡眠は疲労回復の基本。仕事で適度に体を動かすことが、結果的に質の良い眠りにもつながります。


4. モチベーションを保つ工夫を

「誰かに喜ばれる」「感謝される」という実感は、働き続ける原動力になります。小さな達成感を積み重ね、自分なりの目標を持つことで、日々の仕事がより前向きで充実した時間になります。

働くことを“健康習慣”と捉えることで、心も体もいきいきとした毎日を手に入れることができるのです。


まとめ|働きながら健康寿命をのばすシニアライフへ

「健康のために働く」という考え方は、単なるブームではなく、これからのシニアライフの“新しい常識”になりつつあります。身体を動かす仕事は、自然な運動習慣を維持できるだけでなく、社会とのつながりややりがいを感じられる点でも大きな魅力があります。

また、健康維持のために無理な運動を始めるよりも、「仕事を通じて体を動かす」ほうが続けやすく、生活リズムも整いやすいという利点があります。自分の体力やライフスタイルに合った仕事を選ぶことで、経済的にも精神的にも充実した毎日を送ることができるでしょう。

これからの時代、シニアが元気に働くことは、社会にとっても大きな価値です。
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