「クリーンピック」って何?ごみ拾いが“スポーツ”になる新しい社会貢献のカタチ

生活

1.クリーンピックとは?|世界で広がる“スポーツ型ごみ拾い”の魅力

クリーンピックとは、街中のごみを制限時間内に拾い集め、その量や種類でポイントを競う“スポーツ型ごみ拾い”です。単なる清掃活動ではなく、ルールや競技性を取り入れることで、ゲーム感覚で楽しめる新しい社会貢献として注目されています。近年は日本だけでなく、海外でも「スポーツボランティア」「街づくり型スポーツ」として広がり、地域イベントや企業のSDGs活動にも採用されるようになっています。

特徴は、誰でも気軽に参加できること。特別な体力や技術は必要なく、必要なのは軍手とトング、そして歩ける体があればOK。運動量としては「ゆっくりしたウォーキング+軽いスクワット動作」が続くため、高齢者の健康づくりとしても相性がよいと言われています。

またクリーンピックは、参加者同士が自然に声を掛け合うため、世代を超えた交流が生まれやすい場でもあります。高齢者の参加が増えている理由のひとつはここにあり、地域の人や若い世代と無理なくコミュニケーションがとれる「居場所」として活用されているのです。

社会貢献としての側面も魅力で、自分の拾ったごみが目に見えて街をきれいにするため、達成感を味わいやすいのも特徴です。
「運動」「交流」「社会貢献」が一度にでき、なおかつ参加ハードルが低い ― これが、シニア世代に支持されている最大の理由と言えるでしょう。


2.なぜシニア世代に人気?|健康づくり・仲間づくり・生きがいが手に入る理由

クリーンピックは、シニア世代との相性がとても良い“ゆるスポーツ”です。運動量がほどよく、激しい動きが少ないため、体力に不安がある方でも無理なく参加できます。拾う・しゃがむ・歩くといった基本動作は、足腰の筋力維持に効果的で、1時間の活動で軽いウォーキングと同程度のエネルギー消費になるといわれています(※参考:一般的な歩行の消費カロリー基準より)。特に下半身の衰えを感じ始める60代・70代にとって、日常生活動作を維持する良いトレーニングになるのが魅力です。

さらに人気の理由は、仲間づくりにつながること。参加者は子どもから若い社会人、シニアまで幅広く、「地域をきれいにしたい」という共通目的を持って集まります。自然と会話が生まれ、「また来週も参加しよう」と継続する人も多く、孤立しがちな定年後の生活に新しいつながりを生み出してくれます。

また、クリーンピックは参加するだけで「地域の役に立っている」という実感が得られるため、生きがいの回復にもつながります。
特に定年退職後は「社会との接点が減った」「誰かの役に立っている感覚が薄れた」と感じる人が多いですが、クリーンピックはそれを自然に取り戻してくれる活動です。

そして、ゴミの種類を判断したり、効率の良いルートを考えたりと、軽い“脳トレ要素”もあります。体を動かしながら頭も使うため、認知機能の維持にも役立つとされ、健康全体に好影響があります。

「体力づくり」「仲間づくり」「生きがい」——この3つが同時に満たされる点こそ、シニア世代からクリーンピックが支持される最大の理由なのです。


3.どう参加する?|クリーンピックの基本ルールと準備するもの

クリーンピックは、初めての方でもすぐに参加できるほどシンプルな競技です。参加方法は主に「地域イベントに申し込む」「ボランティア団体が主催する回に参加する」「企業や自治体の清掃活動に加わる」の3つ。どれも事前申し込みだけでOKで、参加費が無料のものも多く、シニア層でも始めやすいのが特徴です。

■ クリーンピックの基本ルール

各イベントによって細かい違いはありますが、基本ルールは共通しています。

1.制限時間内に街中のごみを拾う
2.ごみの種類ごとに加点方式(例:ペットボトル=3点、タバコ=5点 など)
3.拾った量・種類の点数で順位を決める

    チーム戦の場合は、仲間と声をかけ合いながら効率よくごみを集めるため、自然とコミュニケーションが生まれます。個人戦の場合でも、「あそこにごみが多いよ」「この袋は重いから交換しようか」など、参加者同士の交流が活発になります。


    ■ 必要な持ち物

    基本的に主催者が用意してくれるケースが多いですが、自分で準備しておくと安心です。

    ・トング(長めのものが腰に負担が少ない)
    ・軍手(すべり止め付きが◎)
    ・動きやすい服装、歩きやすい靴
    ・ウエストポーチ(両手が空くと便利)
    ・飲み物(特に夏場は必須)
    ・日除け帽子、タオル

    ごみ袋やビブス(ゼッケン)は主催側が配布することが多く、手ぶらでも参加できる場合もあります。


    ■ 安全に楽しむためのポイント

    シニア世代が参加する際は、以下の点を意識するとより安全に楽しめます。

    ・無理な前かがみ姿勢は避け、しゃがむか片膝をついて拾う
    ・重いごみは無理せずチームメンバーに声かけを
    ・夏は熱中症対策を徹底し、休憩をこまめにとる
    ・初参加の場合は短時間のイベントから慣れていく

    クリーンピックは、競技とはいえ「楽しむこと」が一番大切です。慣れてきたら、友人を誘って参加したり、イベントをはしごしたりする人もいます。


    4.クリーンピックをどこで探す?確実に見つかる5つの方法

    クリーンピックに参加したいと思っても、「どこで探せばいいの?」という疑問はよくあります。ここではシニアの方でも見つけやすい、安全で確実な探し方を紹介します。


    ■ 1)公式サイトやイベント検索サービスで探す

    クリーンピックは、全国でイベント化が進んでいるため、以下のようなサイトで最新情報をチェックできます。

    地方自治体のイベントページ(「◯◯市 清掃イベント」「〇〇市 クリーンピック」など)
    地域ボランティアセンターの掲示板
    スポーツイベント検索サイト(例:スポーツエントリー)
    環境NPOの活動告知ページ

    地域ごとに更新されるので、最寄りのクリーンピックが見つけやすいのが特徴です。


    ■ 2)Facebook・X(旧Twitter)などSNSの“地域活動”グループ

    最近はSNSで開催告知を出す団体も増えています。
    特に、

    ・「◯◯市 ボランティア」
    ・「◯◯区 清掃活動」
    ・「クリーン活動 メンバー募集」

    などのグループは、地域密着型で初心者が参加しやすい傾向があります。


    ■ 3)民間の清掃ボランティア団体から参加する

    クリーンピックを定期開催している団体も多く、参加すると継続的な案内が届きます。

    ・環境保全を中心としたNPO
    ・“ゴミ拾い×スポーツ”を掲げる団体
    ・商店街 / 企業の地域貢献チーム

    初めて参加する場合は、こうした団体の公式SNSやホームページから申し込むと安心です。


    ■ 4)企業・商業施設・商店街のイベント

    最近はSDGs推進の一環として、企業や商店街が主催するクリーンピック型イベントが増えています。

    例:
    ・スーパーやショッピングモールの清掃イベント
    ・商店街の「みんなできれいにしよう」デー
    ・企業の地域貢献ボランティア

    日時がはっきり決まっているため、参加しやすいのがメリットです。


    ■ 5)自治会・町内会のクリーンデーに参加する

    自治会で行われる「クリーン活動」「美化活動」も、クリーンピックと同じ形式が増えています。
    地域の人とつながりやすい上、距離も近いためシニアには最も参加しやすい方法です。

    自治会の掲示板や回覧板で案内が出ることが多いので、チェックしてみましょう。


    5.仕事につながる?|クリーンピックをきっかけに広がるシニアの働き方

    クリーンピックに参加することで、単なるボランティア活動にとどまらず、「仕事につながる」可能性があることをご存じでしょうか。特にシニア世代の場合、地域や企業との接点が増えることで、思いがけない働き方のチャンスが広がることがあります。

    ■ 1)清掃・環境関連の仕事に自然につながりやすい

    クリーンピックに参加していると、地域の清掃事業者・自治体担当者・商店街の関係者と出会う機会が増えます。実際にイベント中に声を掛けられ、

    ・「平日の朝に街の清掃を手伝ってくれませんか?」
    ・「マンションの共用部清掃の仕事があります」

    といった紹介がされることもあります。

    特にシニアの中には、“無理のない軽作業で人の役に立ちたい”というニーズが強く、クリーンピックはそれを実現する入口になりやすいのです。


    ■ 2)施設管理・公園管理など、経験が活かせる仕事と相性が良い

    クリーンピックはごみの種類を見分けたり、危険物を判断したりと、「環境維持の基礎知識」を自然に習得できる活動です。施設管理や公園管理の仕事では、この知識がそのまま活かせるため、クリーンピック参加者が採用で有利になるケースもあります。

    また、元メーカー勤務のように現場経験がある方は、安全管理や周囲への配慮などのスキルが評価されやすく、現役時代の強みを活かした働き方に発展しやすい点もメリットです。


    ■ 3)コミュニティリーダーとしての活躍の場が生まれる

    クリーンピックは継続参加していると、地域から「頼られる存在」になりやすい活動です。

    ・イベントスタッフのお手伝い
    ・初参加者へのサポート
    ・コース設計や安全チェック

    など、役割の幅が自然と広がり、地域活動の中心となることも珍しくありません。

    このような立場になると、NPO・地域企業・自治会からの依頼が増え、謝礼金が支給される活動に発展することもあります。


    ■ 4)「活動履歴」が仕事探しでアピール材料になる

    シニアの採用現場では、過去の職歴以外に「社会参加」「人柄」「地域貢献」も評価対象になることが増えています。履歴書の備考欄に、

    ・クリーンピック参加
    ・地域清掃活動〇年
    ・SDGs関連ボランティア

    と記載することで、「継続力」「協調性」「地域への理解」が伝わり、面接でのアトラクト(魅了)効果が高まります。

    クリーンピックは“楽しみながら社会に関わる入口”でありながら、“仕事への第一歩”にもなり得る非常に相性の良い活動なのです。


    6.60代からでも安心!クリーンピックを続けるためのコツ

    クリーンピックは、年齢に関係なく続けやすい“ゆるスポーツ”ですが、60代以降のシニア世代が長く楽しむためには、いくつか意識しておきたいポイントがあります。無理をせず、安全に、そして楽しく継続するためのコツをまとめました。

    ■ 1)道具選びは「体に優しい」ものを

    トングは短いものより、長めのタイプ(80cm前後)を選ぶと腰への負担が軽くなります。しゃがむ回数を減らせるため、膝に不安がある方でも安心です。
    また、手袋は滑り止め付きがおすすめ。濡れたペットボトルや缶を掴むときに安全性がぐっと高まります。


    ■ 2)開始前の“軽いウォームアップ”がケガ予防に

    特に朝のイベントに参加する場合は、筋肉が固くなっていることが多いため、5分程度の準備運動を取り入れるだけでケガのリスクが減らせます。
    首・肩・太もも・ふくらはぎを軽く伸ばすだけでも効果的で、活動後の疲れの残り方が大きく変わります。


    ■ 3)無理せずマイペースで歩く

    クリーンピックは「競技性がある」とはいえ、あくまで自分のペースで楽しむことが大切です。
    時間内に多く拾おうとして早歩きになると、転倒リスクが高まります。60代以降は、“距離より安全” を意識した歩き方がポイントです。


    ■ 4)夏場は熱中症、冬場は防寒対策をしっかり

    シニアにとって気温変化は体に大きな負担になります。

    ・夏:帽子 / こまめな水分補給 / 日陰での休憩
    ・冬:手袋 / ネックウォーマー / 防風性のある上着

    など、季節ごとの対策を万全にして参加すると安心です。


    ■ 5)一緒に参加する“仲間”をつくる

    クリーンピックは、ひとり参加もできますが、継続のコツは「仲間をつくること」。
    友人・夫婦・地元のサークル仲間と参加すると、楽しさが倍増し、継続率が一気に上がります。「来週も一緒に行こう」という声かけが、自然な習慣づくりになります。

    また、イベント主催者や常連参加者とのつながりも、心の支えになり、「居場所ができた」と感じられる要因になります。


    ■ 6)体調に不安がある日は無理しない

    シニアが長く続けるために最も重要なのは「休む勇気」です。
    体がだるい、少しふらつく、といった日は参加を見送りましょう。無理して続けると、疲労が蓄積して逆に継続が難しくなります。

    クリーンピックは“頑張りすぎないスポーツ”。健康づくり・交流・生きがいづくりのために、ゆっくり長く続けることこそ、60代以降の継続の秘訣です。


    7.まとめ:クリーンピックで“健康”も“役割”も手に入るシニアライフへ

    クリーンピックは、「健康維持」「社会参加」「仲間づくり」「生きがい」の4つを同時に満たしてくれる、シニア世代にとって理想的な活動です。特別な道具もスキルも必要なく、歩く・拾うといった生活動作の延長でできるため、体への負担も少なく、運動不足になりがちな定年後の生活にちょうど良い刺激を与えてくれます。

    また、街をきれいにするというシンプルな目的は、誰にとっても分かりやすく、達成感が得られやすいのも魅力です。
    「ありがとう」と声をかけられることも多く、社会の役に立っている実感が心に活力を与えてくれます。さらに、若い世代や地域のさまざまな人と交流する機会が増え、孤立を感じやすいシニア期の“新しい居場所”としても機能します。

    そして何より、クリーンピックは新しい仕事のきっかけにもなり得ます。
    地域の清掃業務、公共施設の管理、環境NPO活動など、活動を通じて広がるつながりが次のキャリアを生み出すこともあります。「働きたい」「体を動かしたい」「誰かの役に立ちたい」というシニアの思いに寄り添いながら、自然と新たなステップを後押ししてくれるのです。

    クリーンピックは、ただの“ごみ拾い”ではありません。
    あなたの健康と心、生きがい、社会とのつながりをつくる「未来の生活習慣」と言える活動です。
    無理なく始められるので、まずは近くのイベントに気軽に参加してみてはいかがでしょうか?
    きっと、これからの毎日がもっと前向きに、もっと豊かになるはずです。

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