高齢者にぴったり!民生児童委員が選ばれる3つの理由と始め方

仕事

1.そもそも民生児童委員とは?役割と活動内容を解説

民生児童委員とはどんな存在か

民生児童委員は、地域住民の生活を支える「身近な相談相手」です。厚生労働大臣から委嘱され、地域ごとに配置される無報酬のボランティアですが、単なる“ボランティア”とは少し違います。

彼らは、高齢者や障がい者、子ども家庭に寄り添い、日常生活の困りごとや福祉サービスの相談を受け付けます。そして必要に応じて、行政や福祉施設、医療機関へつなぐ“橋渡し役”となるのが大きな役割です。


具体的な活動内容

主な活動は以下のようなものがあります。

高齢者の見守り活動
 一人暮らしの高齢者宅を定期的に訪問し、安否確認や生活相談を行います。

子育て世帯への支援
 育児に悩む保護者の相談に乗ったり、学校と連携して子どもの見守り活動を行います。

生活困窮者や障がい者への相談支援
 福祉制度や支援機関を案内し、必要なサービスへつなぐ役割を担います。

地域行事や防災訓練などのサポート
 自治会や町内会と協力し、地域全体の防災・防犯活動にも関わります。


民生委員と児童委員の違いと兼任制度

もともと「民生委員」は高齢者や障がい者の福祉を支援する役割、「児童委員」は子どもや家庭への支援を行う役割として分かれていました。しかし、現在は原則すべての民生委員が児童委員を兼任する制度となっています。

そのため、正式な名称は「民生委員・児童委員」となり、高齢者支援と子育て支援の両方を担う形が一般的です。


報酬・活動頻度・シニアでもできる理由

活動はボランティアであり、給与は支給されませんが、活動に必要な交通費や通信費などは「実費弁償」として支給されます。
全国民生委員児童委員連合会のデータによると、活動頻度は月に数回から10回程度。特に繁忙期を除けば、自分のペースで活動できるため、シニア世代でも無理なく続けられる仕組みとなっています。

また、民生児童委員は「時間に縛られない」ことも大きな魅力。自営業や兼業をしながら活動する方も多く、地域のためにできる範囲で貢献するスタイルが推奨されています。


【出典】
・全国民生委員児童委員連合会公式サイト:https://www2.shakyo.or.jp/zenminjiren/
・厚生労働省「民生委員・児童委員について」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/minseiiin/index.html


2.シニアに人気!民生児童委員が選ばれる3つの理由

理由1:地域とのつながりができ、孤立を防げる

定年後は職場での人間関係が途絶え、家族以外との交流が激減しがちです。とくに男性は「地域との接点がない」「話し相手が減った」と感じやすく、孤独感や社会的孤立が問題になっています。

民生児童委員は地域の“相談役”という立場で、顔なじみのご近所さんや地元の若い世代、子育て世帯との交流が自然と生まれます。特別な場を設けなくても、日常の「こんにちは」「元気?」という声かけが習慣になります。

また、地域行事や防災訓練などへの参加機会も多く、世代を超えたつながりが広がります。孤立を防ぎ、社会との関わりを持ち続けることで、心の健康を守る効果も期待されています。


理由2:人生経験を活かして若い世代の力になれる

70代の方々が長年積み上げてきた「仕事での経験」や「人生での知恵」は、若い世代にとって大きな財産です。民生児童委員は、そんな経験を活かして地域の子育て世帯や高齢者支援に関わることができます。

たとえば、若い親世代が抱える子育てや介護の悩みに対し、「昔はこうしたよ」とアドバイスするだけでも大きな支えになります。行政の制度やサービスにはない、温かみのある“経験からくる助言”が、地域で非常に重宝されるのです。

また、顔が見える距離感で人と関わるため、信頼関係が築きやすく「〇〇さんに相談すれば安心」と頼られる存在になれます。自分の経験が誰かの役に立つことで、自己肯定感ややりがいも大いに感じられるでしょう。


理由3:健康維持にも効果的な“ちょうどいい”活動量

民生児童委員の活動は、オフィスワークのように座りっぱなしでもなく、肉体労働のように体力を酷使するわけでもありません。「訪問」「声かけ」「地域行事のサポート」など、適度な外出や軽い歩行が中心です。

この“ちょうどいい”活動量が、シニア世代にとっては非常に良い運動機会になります。過度な負担はなく、生活の中で無理なく体を動かせるため、健康維持や生活リズムの安定にも効果的。

実際に、民生児童委員として活動するシニアの方からは「定期的に出歩く機会ができたことで、体調が良くなった」「毎日にハリが出た」という声も多く聞かれます。


3.民生児童委員になるには?応募から活動までの流れ

選任方法と推薦・公募の違い

民生児童委員になるには、まず「候補者」として選ばれる必要があります。選び方は大きく分けて2つ。

1.住民や自治会などからの推薦
地域で信頼され、「この人なら地域の相談役にふさわしい」と見込まれた方が推薦されます。昔ながらの方法ですが、現在でも多くの地域で採用されています。

2.公募での募集
近年は委員のなり手不足を背景に、市区町村が「公募」で広く人材を募集するケースが増えています。「民生児童委員 募集」と検索すれば、自治体のHPに募集要項が掲載されていることも多く、自ら応募することが可能です。

選任された候補者は、市区町村長の推薦を受けたうえで、厚生労働大臣から正式に「委嘱」され、民生児童委員として活動を開始します。


70代でも安心!求められる人物像と心構え

民生児童委員に求められるのは、特別な資格や難しいスキルではありません。むしろ大切なのは「人と接するのが好き」「困っている人の力になりたい」という気持ちです。

具体的には以下のような方が向いています。

・地域に根ざして活動したい方
・話をじっくり聞ける傾聴力がある方
・秘密を守れる誠実さがある方
・地域のことをよく知っている、もしくは知りたい方

活動は自分のペースで進められるため、70代の方でも無理なく続けられる環境が整っています。実際に現役で活動する委員の中には80代の方も多数在籍しています。


実際の活動事例と先輩委員の声

具体的な活動イメージを持つために、先輩委員の事例をご紹介します。

Aさん(73歳・男性)
「退職後、地域で何か役に立てることをしたくて始めました。月に数回の訪問活動が主ですが、地元の方とお話しするのが楽しい。体も動かすし、気持ちも元気になります。」

Bさん(76歳・女性)
「若いお母さんたちが子育てで悩んでいる姿を見て、昔の自分を思い出しました。『話を聞いてくれてありがとう』と言われたときは本当に嬉しかったです。」

このように、民生児童委員の活動は“特別なスキルがなくても始められる”一方で、“誰かの力になれる”やりがいが大きな魅力となっています。


4.まとめ:民生児童委員で“第二の働き方”を見つけよう

定年後、「働きたいけれど、若い頃のようなフルタイム勤務は難しい」「せっかくの経験を活かしたい」「地域とのつながりを持ち続けたい」と考える方は少なくありません。そんなシニア世代にとって、民生児童委員という選択肢は非常に魅力的です。

民生児童委員は、報酬を目的とした仕事ではありませんが、“地域のために役立つ”という大きなやりがいを感じられる活動です。しかも、活動頻度は自分のペースで調整でき、過度な負担がかからない“ちょうどいい働き方”ができる点も、シニアに人気の理由と言えるでしょう。

また、地域とのつながりが生まれることで、孤独感や社会的な孤立を防ぎ、心身ともに健康的な生活を維持する効果も期待できます。日々のちょっとした交流が生活にハリを与え、「まだまだ自分も社会に必要とされている」という自己肯定感にもつながります。

さらに、長年の人生経験を活かして若い世代を支えたり、困っている人に手を差し伸べたりすることで、自分自身の成長や学びにもつながるのが、民生児童委員という役割の奥深さです。

70代でも、無理なく、でも確実に“地域社会の一員”として活躍できる。そんな「第二の働き方」として、民生児童委員を検討してみてはいかがでしょうか。
「まだ働ける」「まだ役に立てる」――その実感こそが、定年後の生活を豊かにする最大の要素となるはずです。

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