1.採用課題|なぜ今「若手が採れない」企業が増えているのか
「若手が採れない」と悩む企業が、ここ数年で急増しています。
その背景には、少子化による若年労働人口の減少だけでなく、価値観の多様化、働き方への意識変化など、複合的な要因が存在します。
まず、人口統計を見ると、総務省統計局の「労働力調査(2024年)」によると、15〜34歳の若年層人口は10年前より約200万人減少しています。これは「そもそも若手が少ない」という根本的な問題を意味します。
加えて、若年層は「自分らしい働き方」や「職場環境の快適さ」を重視し、大企業や都市部への集中志向が強まっています。その結果、特に地方の中小企業や中堅企業では、求人を出しても応募が来ない・来ても続かないという声が多く聞かれます。
さらに、採用活動における媒体の選び方が時代遅れになっている企業も少なくありません。従来型の総合求人サイトに頼るだけでは、ターゲット層に情報が届かないケースも増えています。
これらの課題に対し、今注目されているのが「年代別に求人サイトを使い分ける」という新たな採用戦略です。
2.年代別戦略|採用ターゲットを年齢層で分けるという発想
これまで多くの企業では、「誰でも応募OK」というスタンスで求人を出すケースが一般的でした。しかし現在では、年齢層ごとの価値観・行動特性を踏まえた採用戦略が成果を左右する時代になっています。
たとえば:
・20代~30代前半は、スマホでの手軽な応募や、企業のSNS・口コミをチェックする傾向が強い
・40代~50代は、転職に慎重であり、職場の安定性や待遇面を重視
・60代以上は、やりがいや社会貢献、無理なく働ける環境を重視する傾向がある
このような傾向を無視して一律の求人広告を出していては、せっかくコストをかけても「誰にも刺さらない」状況になりかねません。
そこで有効なのが、年代別に適した求人媒体を選ぶこと。求人サイトはそれぞれに集客層や特徴が異なっており、「どこに出すか」で応募者の質も数も大きく変わります。
3.若手向け|20〜30代が集まりやすい求人サイトはここ!
若手人材の採用では、20代〜30代前半の求職者に届くメディアを活用することが最も重要です。ここでは、若年層から特に支持されている定番の3サイトをご紹介します。
■ リクナビNEXT
・特徴:日本最大級の転職サイト。20代〜30代前半を中心に幅広い年齢層が利用
・強み:スカウト機能で受け身な求職者にもアプローチ可能
・補足:登録者数は約1,000万人以上(リクルート社/2023年)
■ マイナビ転職
・特徴:20代〜30代の若手社会人に人気。新卒・第二新卒からキャリアアップ層まで幅広く対応
・強み:「20代歓迎」や「未経験OK」などの特集が豊富で、若手向け求人が見つかりやすい
・備考:オウンドメディアやSNS連携も進んでおり、情報収集しながら応募できる導線設計が魅力
■ Re就活(りしゅうかつ)
・特徴:「20代・第二新卒」専門の転職サイト。若手のキャリア再スタートを支援
・強み:経験よりも人物重視の採用を掲げる企業が多い
・データ:登録者の約80%が25歳以下(学情/公式サイトより)
いずれも、若手人材の「キャリア初期の選択」に対応できる設計がされており、特に地方企業・中小企業にとっても有効な採用チャネルです。
4.ミドル層向け|40〜50代に強い媒体とは?中核人材の確保に
企業の中核を担う「即戦力人材」が多いのが、40代〜50代のミドル層です。この世代は業務経験やマネジメントスキルを持ちながら、安定志向が強く、転職にも慎重な傾向があります。そのため、信頼感があり、年代特化型の求人媒体を選ぶことがポイントです。
以下は、ミドル層の採用に適した求人サイトです。
■ ミドルの転職(エン・ジャパン)
・特徴:30代後半〜50代の経験者・管理職に特化した専門サイト
・強み:年収600万円以上の求人多数。業界・職種もハイクラス向け
・備考:登録者の9割以上が社会人経験10年以上(エン・ジャパン公式)
■ ビズリーチ
・特徴:即戦力ハイクラス人材向け。管理職・専門職のスカウト採用に強い
・強み:ダイレクトリクルーティングが基本。求人の質・応募者の質ともに高め
・注意点:企業側の利用には有料プランが必要
■ マイナビミドルシニア
・特徴:40代・50代を中心に、再就職・雇用延長後の再チャレンジ層を支援
・強み:定年退職者や早期退職者の再雇用を前提とした求人が多く、雇用のミスマッチが少ない
・補足:「週3日OK」「シフト自由」など柔軟な働き方の求人も豊富で、多様な人材ニーズに対応可能
ミドル層は「待遇」と「人間関係の安心感」を重視する傾向が強いため、求人原稿では社内の雰囲気、長期勤務の実績、社歴に関わらない活躍事例などを掲載することで、応募効果が高まります。
5.シニア向け|60代以上の採用に強い求人サイトの活用法
高齢者の雇用を積極的に進める企業が増える中、「どこに求人を出せばシニア層に届くのか?」という課題はますます重要になっています。
ここでは、60代以上の採用に特化した代表的な求人媒体をご紹介します。
■ シニアジョブ
50代以上の求職者に向けた専門求人サイトで、全国対応・多職種掲載が特徴です。
「70代・80代活躍中」「週2日OK」「未経験歓迎」など、年齢別・働き方別の絞り込みがしやすく、企業と求職者のマッチングの精度が非常に高い媒体です。
成果報酬型のサイトのため、リスクなくシニア採用にチャレンジできます。
■ キャリア65
65歳以上の人材に限定した、掲載無料・成果報酬型(最初の1名は無料)の採用支援サイトです。
人事担当者の負担を軽減するための導線設計や、応募対応のサポートも充実しており、初めてシニア採用に取り組む企業でも安心して活用できます。
無駄なコストをかけずに、経験豊富な人材を確保したい企業に向いています。
■ シニア求人ナビ
50〜60代を中心に、正社員・契約社員・パート・派遣など幅広い雇用形態の求人を掲載する総合型シニア求人サイトです。登録不要で閲覧でき、電話応募にも対応しているなど、シニアにやさしい導線設計が魅力。「週1日からOK」「ブランク歓迎」「70代も可」など、柔軟な条件設定が可能なため、企業側も多様なニーズに対応できます。コストは比較的低く、4週間3万円〜の掲載プランで、応募課金・採用課金も発生しない仕組みです。
これらの求人媒体は、「年齢が障害にならないこと」をしっかり打ち出せる設計がされているため、応募ハードルを下げ、マッチング率を高めるのに役立ちます。
大切なのは、年齢に対する偏見を取り払った求人原稿づくりと、応募後の迅速な対応です。
6.非正規雇用に強い!現場採用で活躍する求人サイト
採用ニーズが正社員だけとは限りません。アルバイト・パート・短時間勤務の非正規人材を採用する場合、スピード感や掲載費の効率が重要です。ここでは、現場採用に強い定番3サイトをご紹介します。
■ Indeed(インディード)
・特徴:国内最大級の求人検索エンジン。無料掲載が可能
・強み:アルゴリズムによる検索表示が強力で、多くの求職者に届く
・注意点:露出を増やすには「スポンサー求人」(有料)も検討が必要
■ バイトル
・特徴:10〜30代の若手アルバイト層に人気のサイト
・強み:「動画付き求人」や「制服あり」「髪色自由」など、応募者に刺さる要素をアピールしやすい
・備考:地方・飲食・販売業など、現場系職種に強みあり
■ タウンワーク
・特徴:紙媒体と連動した掲載網を持つ、知名度の高い求人サイト
・強み:地元で働きたい層に強く、求人への接触機会が多い
・補足:エリア特化のキャンペーンや特集企画も豊富で、露出を高めやすい
非正規人材を採用する場合は、スピーディーな掲載・応募対応と、現場でのミスマッチ防止が重要です。
「週3日勤務」「シフト自由」「短期可」などの条件提示も、応募者のハードルを下げるポイントとなります。
7.選び方のコツ|年代別求人サイトを使い分ける採用成功事例
「求人媒体はひとつで十分」と思いがちですが、年代別に求人サイトを使い分けることで、採用成果が大きく変わることがあります。ここでは、実際の企業事例を交えながら、そのコツをご紹介します。
■ 成功事例①:若手採用に失敗していた地方の製造業
ある地方の製造業では、若手採用のために大手総合求人サイトに出稿していたものの、1か月で応募0。そこで、「20代・第二新卒特化」のRe就活に切り替えたところ、人物重視の応募が10件以上集まりました。
ポイントは、「若手を狙うなら、若手がいる場所に出す」という基本戦略を徹底したことです。
■ 成功事例②:新規事業で経験者を求めていた中小企業
東京のIT系中小企業では、新規事業立ち上げに伴い、即戦力の40代〜50代をターゲットに求人を出したところ、ミドルの転職とマイナビミドルシニアを併用することで、短期間で2名のマネージャー候補を採用できました。
ミドル層は転職に慎重なため、信頼性の高い特化型媒体が効果的だったのです。
■ 成功事例③:店舗の人手不足をシニア人材でカバーした小売業
あるスーパーマーケットチェーンでは、アルバイトの若手応募が集まらず、業務に支障が出ていました。そこで、シニアジョブとキャリア65に求人を掲載したところ、65歳以上の応募が10件を超え、70代の元営業職員を採用。
結果、勤務態度が真面目で接客も丁寧と評判になり、シニア雇用の継続を決めたそうです。
■ 採用成功のコツまとめ
1.ターゲットの年代を明確にする
→「若手」だけでなく「30代後半」「60代前半」など絞るほど成功率UP。
2.媒体の特性を把握して使い分ける
→若手=Re就活/ミドル=ミドルの転職/シニア=キャリア65など。
3.年齢層ごとの応募ハードルに配慮した求人原稿を作成する
→若手にはやりがい、ミドルには安定、シニアには柔軟性と社会性を。
時代に合った採用を成功させるには、「求人をどこに出すか」以上に、「誰に、どの媒体で、どんな言葉で伝えるか」が大切です。
年代別の求人サイト活用は、採用活動の“無駄打ち”を減らし、効率と成果を両立させるカギとなります。
60代以上の採用をお考えなら、シニア特化の求人サイト「キャリア65」をチェックしてみてください!掲載無料・高マッチ率の求人サイトです。