まだ働きたいシニアに必須!検脈で知る“元気に働ける体”のつくり方

健康

1. 検脈とは?──シニアが知っておくべき基礎知識

そもそも検脈とは何をするもの?

「検脈(けんみゃく)」とは、自分の脈拍の状態を手で確認する行為を指します。これは病院での診察だけでなく、自宅でも誰でも簡単にできる健康チェック方法です。特別な道具を使わなくても、手首や首などの決まった部位に軽く指を当てるだけで確認できます。

私たちの脈拍(心拍数)は、心臓の働きによって体中に血液が送り出されるリズムを反映しています。そのため、脈を調べることで「心臓がきちんと働いているか」「異常なリズム(不整脈)がないか」などをある程度把握できます。


検脈から分かる体の状態とリスク

検脈で確認できるのは「脈の速さ(頻度)」「リズムの規則性」「強さ」などです。たとえば、

・安静時に脈拍が100回/分以上ある(頻脈)
・脈が突然遅くなったり止まったりする(徐脈)
・リズムが不規則になる(不整脈)

といった状態は、心臓病や自律神経の乱れ、脱水症状、感染症のサインである可能性があります。

特にシニア世代は、加齢により心肺機能が低下しやすく、こうした異常に気づきにくくなっています。定期的に検脈をすることで、重大な疾患の予防や早期発見につながります。


2. シニア世代にとって検脈が重要な理由

「なんとなく体調不良」を見逃さないために

年齢を重ねると「なんとなく体がだるい」「ちょっと疲れやすい」といった曖昧な体調不良を感じることが増えてきます。しかしその裏には、心臓の働きの変化や血流の乱れといった深刻な問題が潜んでいることもあります。

こうした“見えにくい異常”をキャッチするために役立つのが検脈です。例えば、不整脈があっても自覚症状がない人も多く、自宅で脈を測ってみて初めて気づくというケースもあります。特に「動悸はしないが脈が飛んでいる」と感じる場合は、心房細動などの不整脈の可能性があるため注意が必要です。

検脈は、毎日の「ちょっとした体調チェック」として習慣にすることで、こうした微細な変化に気づきやすくなります。


70代以降に増える健康リスクと脈の関係

70代になると、高血圧や心疾患、脳梗塞などのリスクが急激に高まります。これらの疾患の多くは血流と深い関係があり、脈の乱れとして現れることもあります。

たとえば、厚生労働省の統計(令和4年「人口動態統計」)によると、心疾患は日本人の死因の第2位であり、その多くが高齢者に集中しています。また、心房細動と呼ばれる不整脈は、加齢とともに発症率が高くなり、脳梗塞の原因となることもある病態です。

こうしたリスクを少しでも下げるためには、「異常を早く見つけること」が大切です。毎日ではなくとも、週に1〜2回でも脈を測る習慣を取り入れることで、重大な疾患の予防に役立つのです。

3. 誰でもできる!自宅での簡単な検脈のやり方

手首・首など部位別の測り方

検脈は特別な道具を使わずに、指先だけで簡単に測ることができます。以下は代表的な検脈の測定部位と方法です。

1. 手首(橈骨動脈)の測定
・利き手とは反対の手のひらを上にして、手首の親指側に人差し指・中指・薬指の3本を軽く当てます。
・脈を感じたら、そのリズムを15秒間数え、4倍して1分間の脈拍数を出します(例:15秒で18回なら、18×4=72拍/分)。

2. 首(頸動脈)の測定
・あごの下、のど仏の横あたりにある頸動脈に、指を軽く当てます。
・こちらも同様に15秒間数え、4倍します。

注意点としては、強く押さえすぎないこと。特に頸動脈は脳に近いため、強く押すと気分が悪くなることがあります。


正常な脈拍と異常の見分け方

脈拍の正常な範囲は、一般的に安静時で1分間に60〜100回とされています。ただし、70代以上の方ではやや少なめでも問題ないこともあります。

以下のような変化には注意が必要です。

状態脈拍の傾向可能性のある問題
頻脈100回/分以上発熱・脱水・心疾患など
徐脈50回/分以下(明確な自覚症状あり)不整脈・甲状腺機能低下など
不規則なリズム一定のリズムが崩れる心房細動や他の不整脈
強すぎる・弱すぎる脈が力強い、または微弱血圧異常、心臓ポンプ機能の低下など

もし「脈が飛ぶ」「急に遅くなる・早くなる」「左右でリズムが違う」といった違和感がある場合は、医師に相談することが大切です。

日々の検脈を記録しておくと、自分の“通常値”が分かるようになり、異常に気づきやすくなります。手帳やスマホのメモアプリなど、記録しやすい方法を取り入れてみましょう。


4. 検脈の結果からどう対処する?体調管理のポイント

脈が早い・遅い・不規則な場合の対処法

検脈によって「いつもと違う」脈のリズムに気づいたとき、慌てず落ち着いて状況を整理することが大切です。以下に主なケース別の対応方法をまとめます。

● 脈が早すぎる(頻脈)
→ 安静時に1分間の脈が100回を超える状態は注意が必要です。
【考えられる原因】:脱水、発熱、貧血、不安、心房細動など
【対処法】:
・水分補給や深呼吸で落ち着くか様子を見る
・何度も続く場合は循環器内科を受診

● 脈が遅すぎる(徐脈
→ 安静時に50回未満で、めまいや息切れがある場合は注意。
【考えられる原因】:加齢による洞不全症候群、薬の副作用、甲状腺機能低下など
【対処法】:
・自覚症状がある場合はすぐに医療機関へ
・無症状でも頻繁なら記録をとって相談を

● 脈が不規則(不整脈
→ リズムがバラバラ、飛ぶ、突然速くなるなどのパターンです。
【考えられる原因】:心房細動、期外収縮、自律神経の乱れなど
【対処法】:
・数日以内に内科または循環器科へ相談
・特に「脈が飛ぶ感じ+動悸+めまい」がある場合は早めに受診


医療機関を受診するべきタイミングとは?

脈拍の異常に気づいても、すべてがすぐに病院へ行くべき状態とは限りません。ただし、以下のような状況がある場合は、迷わず医療機関の受診をおすすめします。

・急激な動悸とともに胸の痛みや圧迫感がある
・脈が遅くてめまいや失神に近い感覚がある
・脈の乱れが数時間以上続く
・血圧計と合わせて脈拍が測定できない(非常に微弱な脈)

こうしたケースでは、心筋梗塞や重度の不整脈の可能性が否定できません。特に高齢者の場合、初期症状が軽くても進行が早い病気もあるため、「ちょっとおかしいな」と思ったら早めに医師の判断を仰ぎましょう。


まとめ:検脈を習慣化して、健康的に長く働こう

70代になっても「まだ働きたい」と思えるのは、心身が元気でありたいという強い意志の表れです。そうした希望を現実にするために欠かせないのが、日々の体調管理――そしてその第一歩となるのが「検脈」です。

検脈は、特別な道具も知識も不要で、誰でもすぐに始められる健康管理の習慣です。脈のリズムは、体調の変化や病気の兆候をいち早く教えてくれるサインでもあります。異常に気づいたとき、早めに対処すれば大事に至らずに済むことも多いのです。

今回ご紹介したように、自宅で簡単に検脈を行い、日々の状態を把握しておくことで、安心して働き続ける体づくりが可能になります。「まだまだ自分は役に立てる」と感じられる働き方を実現するには、自分の体と丁寧に向き合うことが大切です。

第二の人生を健康的に、そして充実して過ごすために、今日から検脈の習慣を始めてみませんか?

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