1. 「なんとなく不調」を見逃さない!シニアに検脈が必須な理由
年齢を重ねると、「なんとなく体がだるい」「ちょっと疲れやすい」といった曖昧な体調不良を感じることが増えてきます。しかし、その裏には心臓の働きの変化や血流の乱れといった、見過ごせないサインが潜んでいることがあります。
こうした“見えにくい異常”をキャッチするために役立つのが「検脈(けんみゃく)」です。検脈とは、自分の手首に指を当てて脈拍のリズムを確認する、誰でも自宅で簡単にできる健康チェックです。
特に70代以降は、脳梗塞の原因にもなる「心房細動」などの不整脈を発症しやすくなりますが、自覚症状がないケースも珍しくありません。定期的に検脈をすることで、こうした重大な病気を未然に防ぎ、「元気に働き続けるための体調管理」を自分自身で行うことができるのです。
2. 命を守る安全ルール!首の検脈はNG、必ず「手首」で測る
検脈を行うにあたり、シニア世代が絶対に守るべき医学的な「安全ルール」があります。それは、「首(頸動脈)で脈を測らない」ということです。
シニア世代の首の血管には、加齢による動脈硬化でプラーク(血栓の塊)が溜まっていることがあります。首の脈を指で探って強く押さえてしまうと、このプラークが剥がれて脳に血流として飛んでいき、その場で「脳梗塞」を引き起こす危険性があります。また、首の神経を刺激して急激に血圧が下がり、失神して転倒する恐れもあります。
ご自身の安全を守るため、検脈は必ず「手首(橈骨動脈:とうこつどうみゃく)」で行うのが鉄則です。
3. 【実践編】親指はNG!正確に「1分間」測る検脈のコツ
安全で確実な手首での検脈方法をご紹介します。ポイントは「親指を使わないこと」と「必ず1分間測ること」です。
1.親指以外の「3本の指」を使う
親指にはそれ自体に太い血管が通っているため、親指で測ると自分の指の脈と手首の脈が混ざってしまい、正確なリズムが分かりません。必ず、人差し指・中指・薬指の「3本」を揃えて軽く当てましょう。
2.血圧計の数字だけでなく「自分の指」で確認する
家庭用の血圧計にも脈拍数は表示されますが、脈が飛ぶ不整脈が起きている場合、機械は正確な回数やリズムを拾いきれません。「トントンというリズムが一定か」「途中で脈が飛んでいないか」をご自身の指で確認することが最も確実です。
3.時計を見て「1分間(60秒)」数える
15秒で測って4倍にする計算方法では、ランダムに飛ぶ不整脈を見逃してしまいます。リラックスして座り、時計の秒針を見ながらしっかりと60秒間数えましょう。
4. 脈が早い・遅い・飛ぶ?結果から知る体からのサインと対処法
安静時の脈拍の正常な範囲は、一般的に「1分間に60〜100回程度で、リズムが一定」であることです。毎朝決まった時間に測る習慣をつけると、ご自身の「いつもの状態(正常値)」が把握しやすくなります。もし「いつもと違う」と感じたら、以下の表を参考に対処しましょう。
| 脈の状態 | 体からのサイン(可能性) | おすすめの対処法 |
| 早い(頻脈) 1分間に100回以上 | 脱水、発熱、貧血、疲労など | まずはコップ1杯の水分を取り、深呼吸して休みましょう。それでも続く場合は内科へ。 |
| 遅い(徐脈) 1分間に50回未満 | 薬の副作用、心臓の働きの低下など | 息切れやめまいを感じる場合は、迷わず早めに医療機関(循環器内科)を受診しましょう。 |
| リズムが不規則 飛ぶ・バラバラ | 心房細動(不整脈)、自律神経の乱れなど | 自覚症状がなくても、脳梗塞のリスクを減らすために一度かかりつけ医に相談すると安心です。 |
※急激な動悸とともに「胸の痛みや圧迫感」がある場合は、心筋梗塞などの疑いがあるため、ためらわずに救急車を呼びましょう。
5. 自分の脈を知ることは、長く元気に働き続けるための第一歩
「まだまだ社会と関わって働きたい」という前向きな思いを実現するためには、心と体が元気であることが何よりの資本です。検脈は、特別な道具も費用もかからず、毎日数分でできる最高のお守りになります。
ご自身の体のリズムに耳を傾け、「今日は脈も安定していて調子が良いな」と確認できれば、安心して仕事や趣味に打ち込むことができます。もし小さな異常に早く気づくことができれば、重症化する前に治療ができ、結果的に長く健康に過ごすことができるのです。
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