60代からの地方副業|シニア世代が“もうひとつの収入源”を見つける方法とは?

仕事

1.なぜ今「地方副業」なのか?シニア世代に広がる新しい働き方

定年後も働きたい人が増えている背景

近年、定年を迎えたシニア世代が再び働くことを希望するケースが増えています。その理由として大きいのは、年金だけでは生活費をまかなうのが難しいという「経済的不安」です。総務省「高齢者の生活と意識に関する調査(令和5年版)」によると、60歳以上の約6割が「今後も働きたい」と回答しており、その主な理由として「生活費のため」「健康維持のため」「社会とのつながりの維持」が挙げられています。

また、健康寿命の延伸により「まだまだ元気に働ける」と考える60代も増えています。昔に比べて高齢者=“引退”という固定観念は薄れ、「人生100年時代」における第2・第3のキャリアを模索する動きが活発化しています。


地方ならではの副業ニーズとは?

地方では、少子高齢化や若者の都市部流出により、働き手不足が深刻化しています。そのため、短期・スポット的な仕事や、高齢者の知識・経験を活かせる仕事に対してもニーズが高まっています。特に農業、漁業、観光業、地場産業などでは「人手が足りない」「繁忙期だけ手伝ってほしい」といった声が多く、シニアの副業人材を受け入れる土壌が整いつつあります。

都市部ではなかなか見つからない“地域密着型”の働き方が可能であり、自分のペースで社会と関わりながら収入を得るチャンスとして「地方副業」が注目されているのです。


2.60代からでも挑戦しやすい!地方副業の具体例

農作業サポートや観光地の短期バイト

地方の副業として代表的なのが、農作業の手伝いです。特に繁忙期である春・秋には、収穫や出荷作業に人手が必要となり、60代以上の経験豊富な人材が歓迎されることも珍しくありません。1日数時間〜週2・3回といった柔軟な働き方が可能で、体を動かしながら働ける点も健康維持につながります。

また、観光地では宿泊施設や飲食店の繁忙期に短期スタッフを募集することが多く、フロント、配膳、清掃などシニアでも無理なくこなせる仕事もあります。


地域に根ざしたスキルシェアや講師業

元店長、営業職、技術者、看護師など、これまでの経験やスキルを地域で活かせる副業もあります。たとえば、自治体主催のパソコン教室で講師をしたり、高校のキャリア教育に参加したりといった形で、知識や経験を“伝える側”として活動するシニアが増えています。

「得意なことを教える」「地域に貢献する」ことができ、報酬だけでなくやりがいや社会とのつながりも得られるのが大きな魅力です。


漁業・水産加工のサポート業務

海沿いの町では、早朝の魚の仕分けや箱詰め、加工補助などの短時間・軽作業が多く、体力に自信があれば60代でも十分対応可能です。とくに水産加工の現場では、手作業が中心の工程が多く、地元の人とチームで協力しながら作業するため、地域に溶け込みやすい副業のひとつと言えます。


温泉地や高原で働くリゾートバイト

「自然の中で暮らしながら働く」というスタイルに惹かれる方には、リゾート地での住み込みアルバイトもおすすめです。食事・住居付きで生活費を抑えつつ、接客や清掃などの仕事に従事できるため、貯蓄目的にも向いています。観光客とのふれあいもあり、人との関わりを楽しみながら働けるのもメリットです。


テレワークで地方企業のサポートも可能に

地方の中小企業や団体では、事務作業や電話対応、データ入力といった業務をオンラインで外部に委託するケースが増えています。インターネット環境があれば、自宅で副業に取り組めるため、移動の負担がないのが最大の魅力です。

特に、これまでパソコンを使った業務経験がある方にとっては、定年後のキャリアを活かす好機になります。


3.副業で得られるのは“収入”だけじゃない

新しい人間関係と生きがい

地方副業の魅力は、単なる収入だけにとどまりません。新しい職場や地域での仕事を通じて、今まで関わることのなかった人たちと出会い、新たな人間関係を築くことができます。

特に地域密着型の副業では、農家や地元企業、観光施設などでの仕事が中心となるため、地域の人と自然に会話を交わしながら働く機会が増えます。こうした交流は、「社会の一員として役に立っている」という実感をもたらし、孤立感を防ぐ大きな支えとなります。

人とのつながりを持つことは、精神的な健康にも好影響を与えるとされており、孤独や不安を感じやすい定年後の生活にとって、非常に重要な意味を持ちます。


生活にハリが出る副業の心理的メリット

副業を始めることで、毎日の生活に“目的”が生まれます。「今日は〇時から仕事」「週末は収穫の手伝い」など、生活にリズムが生まれ、日々の過ごし方にもメリハリが出てきます。

また、達成感や感謝の言葉をもらうことで、「まだ自分は社会の中で役に立てる」という自信を取り戻す方も多いです。
これは、特に退職後に「自分の居場所がない」と感じていたシニア層にとって、精神的な復活のきっかけとなります。

副業を通じて得られる“やりがい”や“充実感”は、お金以上の価値があります。実際に副業を始めたシニアの多くが、「働き出してから元気になった」「毎日が楽しくなった」と語っており、地方副業は心身の健康にもつながる新しいライフスタイルだといえるでしょう。


4.地方副業を始める前に知っておきたいポイント

体力や移動手段の確認

地方での副業は、自然を相手にするものが多く、都市部のオフィスワークとは異なる“体を使う”仕事が中心となるケースがあります。農作業や漁業、水産加工などは長時間の立ち作業や屋外での活動が伴うため、体力に不安がある場合は事前に仕事内容をよく確認しましょう。

また、地方では公共交通機関が限られているため、自家用車での通勤が必要になることもあります。自動車の運転が難しい場合は、徒歩圏内や送迎のある仕事、もしくは在宅でできるテレワークの副業を選ぶと安心です。


契約内容や報酬のトラブルに注意

副業といえども、仕事である以上、契約や報酬に関する取り決めは非常に重要です。とくに短期や日雇い形式の仕事では、口頭での約束で済まされるケースもあり、後で「話が違う」となるトラブルも発生しがちです。

募集要項や雇用条件、交通費の有無、保険の加入状況などは、事前にしっかり確認し、できれば書面で契約内容を残しておくのが理想です。副業を紹介する自治体やハローワーク経由の案件であれば、一定の信頼性があるため、初めて副業に挑戦する方にはおすすめです。


自分に合う副業を見極めるコツ

「せっかく副業を始めたのに、体力的に続かなかった」「人間関係が合わず、長続きしなかった」…こうしたミスマッチを防ぐためにも、最初に“自分に合った副業の条件”を明確にしておくことが大切です。

以下のような視点で整理してみましょう。

・働ける時間帯や頻度(例:週2回、午前中のみ)
・自分が得意なこと、過去の経験(例:接客、力仕事、PC作業)
・通勤できる範囲(例:自宅から車で30分以内)
・目的(例:収入を増やしたい/社会とつながりたい)

これらの条件に合致する副業を選ぶことで、無理なく継続でき、充実した働き方を実現しやすくなります。


5.地方副業の探し方|シニア向けの情報収集術

地元のハローワークや市民講座を活用

まず最初に活用したいのが、地元のハローワークです。高齢者向けの求人情報を定期的に更新しており、「60歳以上歓迎」や「週2〜3回勤務可」といった柔軟な条件の副業も多く掲載されています。職業相談員に希望条件を伝えることで、自分に合った仕事を紹介してもらえる可能性が高まります。

また、自治体や地域の福祉団体が主催する「市民講座」や「シニア向けの仕事セミナー」などでは、地元企業や農家、NPOとのマッチング機会も用意されています。こうした場では、仕事の説明を直接聞いたり、現場見学ができたりと、安心して副業を始めるきっかけになります。


シニア向け求人サイトや自治体支援もチェック

インターネットを使える方であれば、シニア専門の求人サイトも有力な情報源です。たとえば「キャリア65」「シニアジョブ」「マイナビミドルシニア」などは、60代・70代を対象にした求人を数多く掲載しており、地方での働き口を探すのにも役立ちます。

さらに、近年では地方自治体が独自に「移住+副業」や「地域おこし協力隊」などを推進する動きもあり、地方での暮らしと仕事を同時に叶えるサポート制度も増加しています。
たとえば、静岡県や長野県、島根県などでは、都市部在住者向けに「短期就労付きお試し移住プログラム」を実施しており、交通費や滞在費が一部補助されるケースもあります。

副業を始めたいと思ったとき、複数の情報源を比較しながら探すことが大切です。リアルな紹介(ハローワークや知人の紹介)と、デジタルな情報(求人サイトや自治体のホームページ)を組み合わせることで、自分にとって最適な“働き方”が見つかりやすくなります。

自分に合った地方副業を見つけたい方へ。60代から始められる求人が満載のシニア向け求人サイト「キャリア65」はこちら!

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