1.巻き爪とは?原因とシニア世代に多い理由
巻き爪とは、足の爪が内側に湾曲し、皮膚に食い込んでしまう状態を指します。正式には「陥入爪(かんにゅうそう)」と呼ばれ、軽度の痛みから炎症、化膿をともなう重度の症状まで幅広く存在します。
■ 主な原因
巻き爪は、以下のような要因で引き起こされます。
・靴の圧迫(つま先が狭い靴やヒール)
・深爪など不適切な爪の切り方
・外反母趾などの足の変形
・加齢による爪の乾燥や変形
・長期間の歩行、立ち仕事
特にシニア世代では「加齢による爪の変化」や「歩行機会の減少」、「視力や手先の衰えによる切りすぎ」が重なり、巻き爪になりやすい傾向があります。
■ なぜ高齢者に多いのか?
加齢により、爪の水分が減って硬くなり、柔軟性を失います。そのため、まっすぐ伸びるのが難しくなり、丸まって皮膚に食い込むようになります。また、靴の選び方や歩き方のクセも、長年の積み重ねで巻き爪を悪化させる原因になり得ます。
2.巻き爪が引き起こす身体の不調とその悪循環
巻き爪は単なる「足先の痛み」と思われがちですが、放置すると全身の健康にまで影響を及ぼす恐れがあります。特に高齢者にとっては、健康寿命を左右する大きなリスク要因にもなりかねません。
■ 歩行バランスの乱れ → 転倒リスクの増加
巻き爪による痛みは、無意識のうちに足の踏み出しや体重のかけ方を変える原因になります。すると左右のバランスが崩れ、足腰への負担が増加。結果として、以下のような悪循環に陥ります。
・歩行スピードの低下
・転倒やつまずきやすさの増加
・筋力低下によるフレイル(虚弱)の進行
特に内閣府の「高齢社会白書(令和5年版)」では、転倒が高齢者の骨折や寝たきりの原因の一位であることが報告されており(※1)、巻き爪を軽視することはできません。
■ 痛みや不快感が引き起こす心理的ストレス
巻き爪による痛みや炎症は、慢性的なストレスや不安にもつながります。「歩きたくない」「外に出たくない」といった気持ちが強くなり、社会との関わりが減少。これは、うつ症状や認知機能の低下とも関係する可能性があるのです。
■ 巻き爪が引き金になる「健康の連鎖的悪化」
一見小さな不調でも、高齢者にとっては連鎖的に体全体へ影響します。巻き爪はその代表例。放置しておくと…
1.足が痛くなる
2.歩かなくなる
3.筋力が衰える
4.外出が減り、社会との接点も減る
5.心身の健康が低下する
この「負のスパイラル」を断ち切るには、早期の気づきと対処がカギとなります。
※1 出典:内閣府「令和5年版 高齢社会白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html
3.巻き爪が仕事や日常生活に与える影響
巻き爪による影響は、健康面だけでなく、仕事や日常生活の質にも直結します。特に「まだ働きたい」「体を動かしていたい」と考えるシニア世代にとって、足の不調は大きな障害となり得ます。
■ 立ち仕事・歩行を伴う業務がつらくなる
たとえば施設管理員や清掃、配送など、身体を動かす仕事では「痛みをこらえながらの作業」が日常化しがちです。巻き爪によって思うように動けないと、次のような問題が発生します。
・仕事のパフォーマンスが下がる
・長時間の立ち作業が苦痛になる
・無意識の姿勢の崩れにより腰や膝にも負担が出る
結果として「この仕事はもう続けられないかも…」と感じ、就労意欲の低下につながる恐れがあります。
■ 家事や買い物にも支障が出る
巻き爪は、仕事に限らず日常生活の些細な場面にも影響を及ぼします。
・立ったまま料理をするのがつらい
・歩いて買い物に行くのがおっくうになる
・家の中での移動でもつまずきやすくなる
このように生活の中で「小さな困りごと」が増えていくと、自立した生活の維持が難しくなり、介護が必要になるリスクも高まります。
■ 痛みがストレスになり、活動量が減る
巻き爪の痛みは、仕事や日常の行動を無意識に制限させます。特に高齢者は「ちょっと休めば治るだろう」と放置しがちですが、これが活動量の低下と健康悪化につながります。
特に以下のような兆候が見られたら注意が必要です。
兆候 | 想定されるリスク |
---|---|
足の親指にズキズキする痛みがある | 歩行障害・転倒リスク |
靴を履くと爪の周囲が赤くなる | 炎症・化膿の可能性 |
仕事後に足の疲れが抜けない | 姿勢の乱れ・慢性疲労 |
「歩けるから大丈夫」は危険な思い込みです。少しでも違和感を感じたら、早めの対処を心がけましょう。
4.悪化を防ぐために!自宅でできる予防とケア
巻き爪は、適切なセルフケアと日常の工夫で進行を防ぐことが可能です。特に高齢者の場合、重症化すると治療にも時間がかかるため、早めの対処と予防が大切です。
■ 正しい爪の切り方を覚える
巻き爪予防の第一歩は「爪の切り方」です。間違った切り方は巻き爪の直接的な原因となります。
NGな切り方:
・深爪(特に角を丸く削る)
・爪の端を斜めに切る
・一気に短く切りすぎる
正しい切り方:
・スクエアカット(四角く切る)を意識する
・端を少し残して「角」を作る
・長さは指の先端と同じくらいを目安に
※難しい場合は、家族の手を借りたり、フットケア専門のサロンや医療機関に相談するのもおすすめです。
■ 靴選びの見直しも重要
シニア世代の足は年齢とともに形が変わるため、若い頃と同じ感覚で靴を選ぶと巻き爪を悪化させる恐れがあります。
靴選びのポイント:
・つま先に適度なゆとりがある
・足をしっかりホールドしてくれる
・クッション性、滑りにくさも確認
・可能であれば実際に履いて歩いてみる
市販の靴に加えて、インソール(中敷き)で微調整するのも効果的です。
■ 毎日の足チェックで早期発見を
痛みや腫れは、巻き爪が進行しているサイン。入浴後など、毎日足を見る習慣をつけましょう。以下のチェック項目を参考にしてみてください。
チェック項目 | 異常のサイン |
---|---|
爪の端が皮膚に食い込んでいないか | 巻き爪の兆候 |
爪の周囲が赤く腫れていないか | 炎症・化膿の可能性 |
歩いたときに違和感がないか | 姿勢・バランスの変化 |
■ 適度な運動も爪の健康につながる
意外に思われるかもしれませんが、「歩くこと」も巻き爪予防に有効です。足にしっかり体重をかけることで、爪が自然にまっすぐ伸びる力を助けてくれます。
ただし、痛みがある場合は無理をしないようにし、必要であればケアを優先してください。
5.巻き爪が続くときは病院へ!受診の目安と治療法
巻き爪は軽度であればセルフケアでも対応可能ですが、痛みや炎症が長引く場合は、迷わず医療機関を受診することが大切です。特に高齢者の場合、放置しておくと感染症や歩行困難につながるおそれがあります。
■ こんな症状があれば受診のサイン
以下のような症状がある場合は、市販の絆創膏や自己処置だけでは対応が難しく、医師による診察が必要です。
症状 | 受診を検討すべき理由 |
---|---|
爪の周囲が赤く腫れている | 細菌感染や化膿の可能性 |
歩くたびにズキズキとした痛みがある | 神経への刺激・炎症の進行 |
出血や膿が出ている | 皮膚の損傷が進行中 |
数週間たっても改善しない | 慢性化・根本治療の必要性 |
特に糖尿病や動脈硬化などの基礎疾患をお持ちの方は、傷の治りが遅く重症化しやすいため、早期の受診が重要です。
■ 受診先は「皮膚科」「整形外科」「巻き爪外来」
巻き爪の治療は、以下のような医療機関で対応可能です。
・皮膚科:炎症や化膿の治療に対応
・整形外科:歩行バランスや足の構造まで診てもらえる
・巻き爪外来(専門クリニック):最新の矯正治療にも対応
地域によってはフットケア外来や高齢者専門の皮膚科もあるため、「巻き爪+地域名」で検索してみると良いでしょう。
■ 主な治療法の例
症状に応じて、以下のような治療法が行われます。
治療法 | 内容 |
---|---|
テーピング療法 | 爪が皮膚に食い込まないよう固定する方法 |
爪矯正プレート | 専用のプレートやワイヤーで爪の形を矯正 |
外科的処置 | 重症の場合、部分的に爪を除去する手術 |
これらは保険適用となることも多く、金銭的負担も抑えられます。放置よりも早期対応の方が結果的に安くすむケースもあるため、「様子見」で先延ばしにしないことが大切です。
6.まとめ|足元の健康が「働く力」を支える
「足元の小さな痛みが、こんなに健康に影響を与えるとは思わなかった」
——これは、巻き爪を放置していた多くの人が感じる率直な声です。
巻き爪は、ただの足のトラブルではありません。放置すれば歩行バランスが崩れ、筋力低下や転倒リスクの増加、さらには外出機会の減少や社会との断絶まで引き起こす、“健康寿命”に直結するリスクです。
■ 健康でいれば、働き続ける選択肢も広がる
70代でも元気に働く方はたくさんいます。施設管理や清掃、配送など、身体を動かす仕事にチャレンジしたい方にとって、足の健康はまさに「土台」。痛みなく動けることで、以下のような好循環が生まれます。
・心身の健康が維持できる
・経済的な安心感が得られる
・社会とのつながりが保たれる
・日々の充実感や自己肯定感が高まる
■ 今からできることは、たくさんある
巻き爪は「早く気づいて、早くケアする」ことが何より大切です。今日から始められるセルフチェックや正しい爪の切り方、靴選びの見直しなど、小さな行動が将来の大きな差を生み出します。
そして、もし違和感を感じたら、我慢せずに医療機関へ相談する勇気も忘れずに。
■ 働きながら健康を保つことが、シニアの暮らしを支える
足元を整えることで、仕事への一歩も前向きになります。巻き爪を軽視せず、日々のケアを通じて「元気に働ける身体」を守っていきましょう。
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