書き方ひとつで採用率アップ!シニア向け履歴書・職務経歴書の書き方ガイド

仕事

1.なぜ“書き方”で採用率が変わるのか?

「年齢を理由に書類選考で落とされてしまうのでは…」そんな不安を抱えるシニアの方は少なくありません。しかし実際には、履歴書や職務経歴書の“書き方”を工夫するだけで、採用率が大きく変わることがあります。

シニア世代が陥りやすい書類の落とし穴

多くのシニアの方が長い職歴をそのまま時系列に並べたり、「一生懸命がんばりました」といった抽象的な表現で終わらせてしまいがちです。しかし、こうした履歴書は採用担当者から見ると、どこに注目すればよいのか分かりづらく、印象に残りにくい傾向があります。

また、「特に資格もないし…」と自信を失ってしまう方もいますが、実は社会人としての基本的なマナーや責任感こそ、企業が求めている資質であるケースも多くあります。


採用担当者が見ているポイントとは?

採用担当者が履歴書や職務経歴書を見るとき、重視しているのは以下のようなポイントです。

採用担当者が重視する項目理由
応募職種にマッチした経験業務の即理解・適応が期待できる
継続性・責任感短期離職を避けたいと考えている
コミュニケーション力や協調性職場での人間関係が重視されるため
志望動機や目的意識の明確さ働く意欲・姿勢が見えると安心感がある

つまり、年齢ではなく、「この人と一緒に働けそうかどうか」を見ているのです。


経験と人柄を“伝える力”がカギになる

履歴書や職務経歴書は、単なる経歴の羅列ではありません。「自分がどんな人間で、どんな思いで働きたいのか」を伝えるプレゼン資料のようなものです。

特にシニア層においては、「豊富な経験」や「責任感」「周囲との調和を大切にする姿勢」など、年齢を重ねたからこその強みがあります。
それをわかりやすく、採用担当者の目に留まる形で伝えることが、採用率アップへの第一歩なのです。


2.履歴書の基本|見落とされがちな3つの注意点

履歴書は、採用担当者にとって最初に出会う「あなた自身」です。内容がシンプルな分、小さなミスや違和感が目立ちやすく、印象に大きく影響します。ここでは、特にシニア世代に多い“見落とされがちな注意点”を3つに絞って解説します。


1. フォーマットの選び方と写真の重要性

まず基本中の基本ですが、最新の履歴書フォーマットを使用しているかを確認しましょう。市販の履歴書には「学歴・職歴欄が小さい」「希望職種が書きづらい」など、シニア向けには不向きなものもあります。パソコンで編集できるテンプレート(Word形式など)を使うと、自分に合った情報量にカスタマイズできるためおすすめです。

また、写真は「証明写真機で撮れば十分」と思われがちですが、清潔感のある服装・表情・髪型を意識することで、ぐっと信頼感が増します。最近はスマホアプリでも証明写真のように加工できるサービスがあり、便利に使えます。


2. 年齢・職歴の表現方法に工夫を

68歳での応募となると、年齢に引け目を感じる方もいますが、あえて「年齢」ではなく「経験年数」や「対応力」といったプラス要素で語ることが重要です。

例えば、

NG例改善例
「68歳ですがまだ働けます」「現場経験30年以上で体力にも自信があります」
「年齢のわりに元気です」「これまで無遅刻無欠勤で勤務してきました」

こうした言い回しで、年齢を「強み」として表現することが可能です。


3. 空白期間の記載はどうする?

定年後しばらく休んでいた、家族の介護をしていたなど、「空白期間」が気になる方も多いでしょう。しかし空白があること自体よりも、それをどう説明するかの方が重要です。

たとえば、

・「2021年4月〜2023年3月:家族の介護に専念」
・「2022年〜2024年:健康回復のため療養」

このように書くことで、採用側も「理由があるのだな」と安心できます。曖昧にせず、正直に・簡潔に説明することが信頼につながります。


履歴書は「第一印象」を左右する名刺のようなもの

履歴書は一見シンプルですが、実は応募者の誠実さ・準備力・自己理解が凝縮される大切な書類です。「細部に気を配れる人だな」と思ってもらえるように、丁寧な作成を心がけましょう。


3.社歴・職歴が多い人向け|“選んで書く”のが成功のカギ

シニア世代の多くは、長年にわたる勤務経験や転職歴を持っています。中には「仕事をたくさんしてきたのに、それが逆に書類で不利になるのでは」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、社歴・職歴が多いことは“伝え方次第”で大きな強みに変えられます


すべて書かずに“今に活かせる経験”を抜粋する

過去の全職歴をただ羅列するだけでは、読む側の負担になり、かえって印象がぼやけてしまいます。重要なのは、「この仕事に応募する目的に対して、どの経験が活きるか」を意識して必要なものを“選んで書く”ことです。

例えば、配送の仕事に応募するなら、

◯良い例:
「●●運送で3年間、軽トラックでのルート配送を担当。交通ルールを守り、納品ミスゼロを継続」

×悪い例:
「●●商事にて営業、▲▲製作所にて製造、■■電機にて管理業務…」

このように、「応募職種に関係のある内容に絞って紹介する」ことで、採用担当者に伝えたい情報がクリアになります。


時系列よりも“職種別”でまとめるのも有効

履歴書は時系列ですが、職務経歴書では「職種別」や「テーマ別」にまとめる方法もあります。

例:清掃・管理業務に応募する場合
・【清掃業務経験】
 2005年〜2008年:○○ビル管理 日常清掃を担当(1日6時間)
 2012年〜2015年:△△商事 トイレ・床清掃の指導も実施

・【施設管理経験】
 1995年〜2005年:□□工場 空調・照明の簡易点検を担当

こうすることで、「この人は掃除や管理に関して一貫した経験があるな」と評価されやすくなります。


企業が知りたいのは「これからの職場で活かせる経験や姿勢」

採用担当者は、「この人は今後うちの職場でどう活躍してくれるか」を重視しています。過去の職歴をただ書くのではなく、「その経験から何を学び、それが今の自分にどうつながっているか」を簡潔に示しましょう。

たとえば、

「接客の仕事を通じて、高齢のお客様への対応に自信がつきました。今後も相手に寄り添った応対を大切にしたいと考えています。」

このように、自分の経験が応募先にどんな価値をもたらせるかを意識することが、採用率アップにつながります。


4.職務経歴書のコツ|経験を“価値”として伝える方法

職務経歴書は、履歴書よりも自由度が高く、自分の“強み”をじっくりアピールできるパートです。特にシニア世代は、豊富な経験を「価値」として表現することで、採用担当者の印象に残る書類を作成できます。


過去の職歴は「実績」や「役割」で魅せる

ただ「どこで何年働いたか」を書くだけでは、あなたの魅力は伝わりません。そこで有効なのが、どんな役割を担い、どんな実績を残したかをセットで書くことです。

例1(施設管理の場合)

○○工業株式会社(2000年〜2015年)
・社員寮の設備管理を担当。
・日常点検・修理対応の他、外注工事の手配・立ち会いも実施。
・10年間、重大な設備トラブルゼロを継続。

例2(接客・販売職の場合)

△△ストア(2016年〜2019年)
・レジ対応と商品陳列を担当。
・高齢者への声かけや丁寧な接客が好評で、常連のお客様が多数。
・週5日勤務を無遅刻無欠勤で継続。

こうした「役割+成果」の組み合わせで書くことで、単なる職歴が“働く姿勢”や“信頼性”として伝わります


数字で語ると説得力がアップ

「正確で実直な仕事ぶり」も、数字で示すことで一気に説得力が増します

表現(改善前)表現(改善後)
「長く働いた」「10年間勤務」
「丁寧に掃除した」「1日8室の客室清掃を3年間継続」
「時間に正確」「週5勤務を1年間、無遅刻無欠勤」

特に体力・継続性・責任感といったシニアの強みは、数字で表現すると企業側も安心感を持ちやすくなります。


応募先に合わせた内容にアレンジする

職務経歴書は、応募先によって少しずつ内容を調整するのが理想です。すべての経歴を均等に書くのではなく、「この会社なら、こういう経験を評価してくれそうだな」という視点で、強調する内容を変えましょう。

たとえば、

・介護施設 → 人との関わり/安全意識/気配りが見える業務
・清掃業務 → 丁寧さ/継続性/作業スピードなどを具体的に
・配送業務 → 体力/交通マナー/地理感覚をアピール

応募先に応じて、過去のどの経験を前に出すかが重要です。


職務経歴書は「自分の経験を企業に届けるツール」

職務経歴書は、ただの職歴の記録ではありません。
あなたの過去が、応募先でどう活きるかを“提案する資料”です。
その視点を持って書くことが、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる第一歩になります。


5.シニアにありがちなNG例と改善ポイント

履歴書や職務経歴書の内容は、「経験が多い=評価される」とは限りません。特にシニア世代の方が書類選考でつまずきやすいのは、伝え方に時代のギャップや“自己流”が出やすい点です。ここでは、よくあるNG例とその改善ポイントを紹介します。


NG例①:抽象的な表現で終わっている

悪い例:
「一生懸命働いてきました」「まじめにコツコツやってきました」

一見悪くなさそうですが、採用担当者は「それで、どんな仕事をしていたの?」と疑問に思います。熱意や姿勢だけでなく、具体的な内容や結果をセットで伝えることが重要です。

改善例:
「5年間、商業施設の日常清掃を担当。ミスやクレームがなく、常に清潔な環境づくりを心がけました」


NG例②:昔の成功体験を長々と書いてしまう

「バブル期の営業実績」や「20代の頃の表彰歴」など、古すぎる実績は今の応募先には響きにくいことがあります。たとえ立派な経験でも、それが今の職場で活かせるかどうかが大切です。

改善ポイント:
過去の実績を紹介する場合は、「今の自分にも活かされている」という視点を加えると効果的です。

例:
「営業時代に培った“相手の話を丁寧に聴く姿勢”は、現在の接客業でも役立っています」


NG例③:“自己流”の書き方にこだわりすぎる

「若い頃からこの形式で書いている」「自分のスタイルを大事にしたい」など、“自己流”を貫いてしまうと、採用担当者にとって読みづらくなったり、時代に合っていなかったりすることがあります。

履歴書・職務経歴書のスタイルは年々進化しており、特にパソコンでの応募が主流の今、読み手への配慮(フォント、余白、見出しの使い方など)も評価対象になります。


NG例④:アピール不足で自信が伝わらない

「高齢だから」「特別な資格もないし…」と遠慮してしまい、実は魅力的な経験を持っているのに、それを書類で伝えきれていないケースも非常に多いです。

改善ポイント:
小さな実績や習慣でも、「継続してきたこと」「人から感謝されたこと」は立派なアピール材料になります。

例:
「10年間、町内のゴミ当番を継続。地域の環境美化に貢献」
「勤務先で“無遅刻無欠勤”を5年以上達成」など


NGを避けるだけで、書類はグッと伝わりやすくなる

「言いたいことはあるのに、うまく伝わらない」
そんなもどかしさを感じている方ほど、ちょっとした表現の工夫で大きく印象を変えることができます
自己流にこだわらず、“読み手に伝える”という視点を大切にしましょう。


6.書類通過率を高めるためにできるひと工夫

履歴書や職務経歴書が「丁寧に書けていること」は最低条件です。
その上で、“もう一歩”採用率を上げるには、ちょっとした工夫と確認作業が大きな差を生みます。
ここでは、すぐに取り入れられる3つの実践ポイントをご紹介します。


1. 第三者チェックと添削のすすめ

自分では気づきにくいミスや、読みにくい表現を見逃さないためには、誰かに見てもらうのが一番です。信頼できる家族や知人にお願いするのも良いですし、ハローワークやシニア向け就労支援窓口では、無料で履歴書添削をしてくれるサービスもあります。

✅ ワンポイント:
「自分では“伝えたつもり”でも、他人には伝わっていないことが多い」
文章を客観的にチェックしてもらうことで、表現が一気にクリアになります。


2. 手書き or パソコン作成、どちらが良い?

最近はパソコンで作成した履歴書・職務経歴書の方が、企業側の受け入れもスムーズです。理由は、読みやすく、データ管理しやすいから。

とはいえ、「字が丁寧」「自分らしさを出したい」などの理由で手書きにこだわりたい方も問題ありません。ただしその場合は、

・修正液はNG。間違えたら書き直す
・読みやすく、文字の大きさを揃える
・黒ボールペンを使用(シャープペンや鉛筆はNG)

どちらを選んでも、「丁寧に仕上げているか」が最も大切です。


3. 応募前に確認したいチェックリスト

応募直前は、見落としが起きやすいタイミング。以下の項目を確認しておきましょう。

✅ チェックポイント内容
写真は3ヶ月以内に撮影したものか?服装・表情も清潔感があるかチェック
西暦・和暦が混在していないか?どちらかに統一する
誤字脱字はないか?特に社名や数字に注意
空欄が多くないか?志望動機欄などは“空白”にしない
内容が応募職種に合っているか?汎用的すぎると印象に残らない

これらの項目を1つずつ確認するだけで、採用担当者に「きちんと準備している人だ」と好印象を与えることができます。


ほんの一手間が、通過率アップのカギになる

書類選考では、「内容の良さ」だけでなく、「準備の丁寧さ」も評価の対象になります。
少しの工夫と確認で、書類の質は大きく向上します。せっかくの経験を無駄にしないためにも、最終チェックを大切にしましょう。


まとめ|“書き方次第”で道は開ける!

定年後にもう一度働くという選択は、収入の確保だけでなく、社会とのつながりや自分らしさの再発見にもつながります。そして、その第一歩が履歴書・職務経歴書。
年齢やブランク、職歴の多さを不安に思う方も少なくありませんが、書き方次第で、それらはすべて“強み”に変えることができます。


シニア世代こそ、伝える力が大切

あなたがこれまで積み重ねてきた経験は、他の世代にはない貴重な財産です。ただ、それを相手に伝わる形に変換しなければ、埋もれてしまいます。

・適切なフォーマットを使い
・伝えるべき内容を取捨選択し
・読み手(採用担当者)を意識した表現を使う

このような工夫を取り入れるだけで、書類の印象が大きく変わり、選考通過率が確実に上がります。


迷ったら「自分の強み」を書き出してみよう

・人との付き合いが長い
・責任感をもって仕事を続けてきた
・決まった時間に通勤できる
・体力にはまだ自信がある
・初めての仕事でも丁寧に覚えられる

このような一見当たり前のことが、実はシニア人材に求められている“価値”ある特性です。
履歴書・職務経歴書は、「年齢を気にせず、自分の魅力を再確認するチャンス」と捉えてみてください。


書類作成から、未来が変わる

再就職の第一歩は、ただの紙ではなく、新しい未来への扉です。
あなたの“過去の経験”と“これからの意欲”を、丁寧に、そして前向きに伝えていきましょう。
それが、あなたの次のチャンスにつながります。

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