1．なぜ地方では応募が来ないのか？人材不足の本当の原因
地方企業の多くが抱える「求人を出しても応募がない」という悩み。その背景には、単に“人手不足”という一言では片付けられない複雑な要因が潜んでいます。以下に主な原因を整理してみましょう。
1-1．若年層の流出と高齢化の加速
地方では、進学や就職を機に都市部へ移住する若者が後を絶ちません。国土交通省の「地域別人口動態（2023年）」によると、15〜29歳の年齢層では東京圏への一極集中が続いており、地方では人口そのものが縮小傾向にあります。
一方で高齢化は進行し、65歳以上が総人口の3割を超える地域も珍しくありません。このような地域では、そもそも働き手の絶対数が少ないという構造的な問題があります。
1-2．通勤や就業環境の物理的ハードル
地方では「職場が遠い」「交通手段が限られている」といったインフラ面での課題も深刻です。特に公共交通機関が少ない地域では、通勤できる範囲が狭まり、働ける職場の選択肢も限られてしまいます。
また、そもそも求人数自体が少ないため、求職者とのミスマッチも起こりやすい傾向にあります。
1-3．情報が届かない“求人の埋もれ問題”
地方企業の求人は、大手求人サイトでは都市部の求人に埋もれてしまい、求職者の目に留まりにくいという現象がよくあります。「良い求人なのに見られていない」状態では、応募が来るはずもありません。
特にシニアや地元密着型の働き手にとっては、紙媒体やハローワーク以外の情報源が限られている場合もあり、オンラインでの求人閲覧機会そのものが少ないこともあります。
このように、地方採用の難しさは「人口動態」「インフラ」「情報格差」など複合的な問題が重なって生じています。
2．求人サイト選びがカギ！地方採用の成否を分けるポイント
地方での採用活動において、求人サイトの選び方は“採用できるかどうか”を大きく左右します。ただ掲載するだけでは応募が来ない時代。では、どのようなポイントを押さえて求人媒体を選べばよいのでしょうか？
2-1．「地域名」で検索されやすい求人サイトを選ぶ
求職者は「○○市 アルバイト」「△△町 シニア 求人」など、地名を含めた検索ワードで仕事を探す傾向があります。地域ワードに強く、Google検索で上位に出やすい求人サイトを選ぶことが、地元求職者に情報を届ける近道です。
たとえば、「タウンワーク」や「ジモティー」は地域密着型の検索性が高く、地方採用と相性が良い媒体です。
2-2．地方ユーザーが実際に“使っている”求人媒体を知る
媒体の知名度が高い＝地方でも見られている、とは限りません。とくに高齢者やネット初心者にとっては、シンプルな構成や文字サイズ、電話応募のしやすさが重要視されます。
そのため、「シニアジョブ」「キャリア65」「はた楽求人ナビ」など、年齢層に合わせた設計がなされている求人媒体の方が、地元のシニア層には届きやすくなります。
2-3．無料掲載 or 成果報酬型で“継続できる”媒体を選ぶ
地方企業では、都市部と違って採用予算が限られていることが多いです。そのため、無料で掲載できたり、採用が決定したときだけ課金される成果報酬型媒体を活用するのが賢明です。
たとえば「Indeed」「求人ボックス」「エンゲージ」などは、無料掲載枠があるうえ、オプション次第で露出強化も可能です。まずは無料で試して、手応えを見ながら広告予算を調整する戦略が有効です。
このように、「誰に」「どこで」「どう伝えるか」を意識して媒体を選ぶことが、地方採用の突破口になります。
3．【ランキング発表】地方採用に強い求人サイトベスト10
本ランキングは、非正規雇用（アルバイト・パート・契約社員など）を前提とした地方採用に強い求人サイトを、実際の利用企業の声や各サイトの特徴をもとに選定しています。
採用ターゲット（若手～シニア）、地域密着性、掲載費用の有無などの観点から、地方の中小企業が採用成果を出しやすい順にキャリア65の独自視点でご紹介します。
【1位】ハローワーク（公共職業安定所）
・特徴：国が運営する公的就職支援機関。完全無料で利用可能。
・地方との相性：地域ごとの求人が豊富で、シニア層からの信頼も厚い。
・ポイント：職業相談や紹介状の発行など、地元での採用に不可欠なインフラ的存在。
【2位】タウンワーク
・特徴：紙×Webの融合メディア。若年層・主婦層にも強い。
・地方との相性：地方紙面の配布網により、地元での認知度が高い。
・ポイント：駅・コンビニなどで求人冊子が手に取れる設計も高評価。
【3位】ジモティー
- 特徴：地域掲示板型の求人掲載。エリア密着度が非常に高い。
- 地方との相性：地元住民へのリーチ力が高く、応募の即効性も◎。
- ポイント：電話・チャット応募ができ、高齢層にも使いやすい。
【4位】求人ボックス
・特徴：カカクコム運営の求人まとめサイト。無料掲載可。
・地方との相性：検索エンジンに強く、エリア×職種で上位表示されやすい。
・ポイント：SEO対策済の原稿設計が重要。
【5位】Indeed
・特徴：世界最大級の求人検索エンジン。無料掲載も可能。
・地方との相性：検索性が高く、求人内容によっては地方でも広く届く。
・ポイント：応募管理や効果測定機能も充実しておりPDCAが回しやすい。
【6位】エンゲージ
・特徴：採用ページ作成＋求人掲載を無料で提供。
・地方との相性：会社の魅力発信に向いており、求職者からの理解を得やすい。
・ポイント：応募後の管理機能やカスタマイズ性も強み。
【7位】シニアジョブ
・特徴：50歳以上の採用に特化した求人サイト。
・地方との相性：再就職意欲の高いシニア層にリーチしやすい。
・ポイント：職種ごとの年齢別応募実績データが豊富で、採用の参考にしやすい。
【8位】はた楽求人ナビ
・特徴：主婦・中高年・シニア層をターゲットにした求人サイト。
・地方との相性：柔軟な働き方を望む層とマッチしやすい。
・ポイント：勤務条件で検索がしやすく、ミスマッチが少ない。
【9位】バイトル
・特徴：若年層へのリーチに強く、動画求人など機能が多彩。
・地方との相性：スマホ利用が多い若年層を狙うなら効果的。
・ポイント：短期・高時給案件との相性が特に良い。
【10位】キャリア65
・特徴：完全無料＋成果報酬型（初回無料キャンペーンあり）。
・地方との相性：70代の応募実績も豊富で、高年齢層の活用に最適。
・ポイント：地元密着型のパート・軽作業との親和性が高い。
4．年代別に見る！ターゲットごとのおすすめ媒体とは？
地方採用では、誰を採用したいのか（＝ターゲット年代）によって、選ぶべき求人サイトが大きく変わってきます。
ここでは「若手・ミドル層・シニア層」の3つに分けて、それぞれにおすすめの求人サイトとその活用ポイントを紹介します。
4-1．若手採用を狙うなら｜タウンワーク・バイトル・ジモティー
20代〜30代の若手層を採用したい場合、スマホ対応やアプリ展開に優れた媒体が有効です。
・タウンワーク：駅やコンビニで紙媒体を配布しており、認知度が高く信頼性も◎
・バイトル：職場動画やリアルタイム更新など、視覚的に伝わるコンテンツが豊富
・ジモティー：地域に根ざした求職者にリーチ可能。地元志向の若年層に届きやすい
これらの媒体は、「時給」「通勤距離」「シフトの柔軟さ」などを重視する若年層の行動パターンにマッチしています。
4-2．ミドル世代（40代〜50代）には｜求人ボックス・エンゲージ・Indeed
安定志向かつ再スタートを意識した40代・50代には、情報量が多く、企業の詳細が伝わる媒体が効果的です。
・求人ボックス：職種や地域、雇用形態の細かい条件検索に強い
・エンゲージ：企業ページの作成機能により、求職者に安心感を与えやすい
・Indeed：職務経歴にマッチした仕事の表示精度が高く、自動検索に強い
この層は「仕事内容」「安定性」「職場環境」の詳細まで確認したうえで応募を判断する傾向があります。
4-3．シニア層（60代以上）には｜シニアジョブ・キャリア65・はた楽求人ナビ
60代以上のシニア層にアプローチするには、シニアに特化した媒体を活用するのが最も効果的です。
・シニアジョブ：60代以上の応募実績が豊富。職種別データで戦略的に使える
・キャリア65：70代まで視野に入れた設計で、地方の高齢者にも届きやすい
・はた楽求人ナビ：シニア向けに特化しつつ、家庭との両立希望者にも好相性
この年代は「身体的負担が少ない」「自宅近くで働ける」「週2〜3日勤務が可能」といった条件を重視するため、求人内容の見せ方や検索条件が合っている媒体選びが重要です。
このように、ターゲットの年齢層に応じた求人サイト選びは、採用成功への近道です。
5．応募数アップのコツはここに！地方採用で成果が出る運用ポイント
「求人を出したのに応募が来ない…」そんな悩みを抱える地方企業は少なくありません。しかし、ちょっとした工夫や運用の工夫次第で、応募数は確実に伸ばすことが可能です。ここでは、地方採用で実際に効果のあった運用ポイントを紹介します。
5-1．求人タイトルと冒頭文で「誰に向けた仕事か」を明確にする
多くの求職者は求人一覧をスマホで高速スクロールしながら見ています。そのため、タイトルと冒頭文で「対象者が自分だと分かること」が極めて重要です。
NG例：倉庫内作業スタッフ募集
→ OK例：シニア歓迎！週3日〜OKの倉庫内軽作業＠○○市
「シニア歓迎」「未経験OK」「短時間勤務」など、検索キーワードやターゲット属性を明示することで、目に留まりやすくなります。
5-2．写真・動画・マップを活用して“職場の雰囲気”を可視化
地方では「職場が自宅から遠いのでは？」「人間関係が不安」といった理由で応募を躊躇する求職者が多い傾向があります。
そのため、以下のような可視化要素が効果を発揮します。
・実際の職場写真
・従業員インタビュー動画
・Googleマップの埋め込み（通勤距離が把握しやすい）
見える化によって不安が減り、応募意欲が高まるという声は多くあります。
5-3．応募しやすい“電話応募”や“履歴書不要”の導線設計
特にシニア層においては、「スマホ応募の手順が分からない」「履歴書を書くのが面倒」といった理由で応募を見送るケースがあります。
・電話応募OK（時間帯明記）
・履歴書不要で面接OK
・LINE応募対応
このようにハードルを下げる設計をするだけで、応募率が2倍近く上がることも珍しくありません。
5-4．応募後の「即レス対応」で取りこぼしを防ぐ
地方では、1人の応募者の貴重さが都市部以上に高くなります。応募が来たら、できるだけ当日中、遅くとも翌営業日には返信することが非常に重要です。
遅れれば他社に流れるリスクも高く、「選ばれる前に捨てられる」ことになりかねません。
担当者のレスポンス体制も、応募数を支える大切な運用のひとつです。
求人媒体の選び方に加え、“伝え方”と“対応力”を工夫することが成果の鍵となります。
6．高齢者採用を検討する企業へ｜法的注意点と支援制度まとめ
地方の人材不足を補ううえで、高齢者の雇用拡大は重要な選択肢のひとつです。
とはいえ、シニア層を雇用する際には、年齢に関わる法律や制度の理解が不可欠です。ここでは、60歳以上の雇用における法的なポイントと活用できる支援制度をまとめてご紹介します。
6-1．高年齢者雇用安定法とは？
「高年齢者雇用安定法」は、企業に対し、60歳以降の雇用確保措置を義務づけている法律です。
特に中小企業でも以下のいずれかの対応が求められています。
・65歳までの定年引き上げ
・定年制の廃止
・定年後の再雇用制度（継続雇用制度）
令和3年の法改正では、70歳までの就業機会確保を“努力義務”とする内容も追加されており、今後はさらに対応の幅が問われるようになっていきます。
参考：厚生労働省「高年齢者雇用安定法の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/11700000/001245647.pdf
6-2．高齢者雇用に使える助成金制度
高齢者を雇用する企業に対しては、国や自治体から助成金・補助金制度が提供されています。代表的なものは以下のとおりです。
■ 65歳超雇用推進助成金（厚生労働省）
・対象：70歳までの雇用確保措置を導入する企業
・内容：最高160万円（導入方法により異なる）
・ポイント：制度改定・就業規則の変更なども対象となる
■ 特定求職者雇用開発助成金（生涯現役コース）
・対象：60歳以上の高齢者をハローワーク等経由で雇用した場合
・内容：最大60万円（1年あたり）
・ポイント：非正規採用でも支給対象になる場合あり
これらは事前申請が必須のため、採用前に必ず確認しましょう。
6-3．雇用契約や業務内容で気をつけたい点
高齢者雇用では、年齢に起因するトラブルを未然に防ぐため、以下のような点に配慮した雇用設計が求められます。
・勤務時間や勤務日数は柔軟に（週2〜3日でもOK）
・業務量や負荷を事前に明文化し、説明責任を果たす
？契約更新の条件や終了タイミングは明示する（特に有期雇用）
高齢者は就業意欲が高い一方、健康や家庭事情などで退職リスクもあるため、定期的な面談やヒアリング体制を整えておくと長期就業につながります。
法的知識と制度活用を組み合わせれば、高齢者の雇用は“リスク”ではなく“戦力”となります。
まとめ｜地方採用は「媒体選び×年代対応×運用工夫」がカギ！
地方での採用活動は、「求人を出せば応募が来る」時代ではありません。
人口減少・高齢化・情報格差といった地域特有の課題に対応するためには、適切な求人媒体の選定に加えて、採用ターゲットごとの工夫や運用の最適化が欠かせません。
特に非正規雇用においては、
・地域ワードで見つけられやすい求人サイトを選ぶこと
・若手／ミドル／シニアと年代別に媒体を使い分けること
・タイトルや応募導線の改善など、実践的な運用ノウハウを持つこと
が成果の分かれ目になります。
さらに、高齢者採用を視野に入れることで、地元で働く意欲のある経験者を活用できる可能性が大きく広がります。法制度や助成金も活用し、地域密着型の持続可能な採用戦略を構築していきましょう。
地方でシニア人材を採用したい方へ。シニア人材が多数登録中の掲載無料求人サイト「キャリア65」はこちらからご覧ください。
