なぜ警備員はシニアに人気?定年後の収入と健康を両立できる理由とは?

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定年を迎えたあと、「年金のほかにもう少し収入を得て家計にゆとりを持たせたい」「健康のために身体を動かしながら、社会とのつながりを持ち続けたい」と考える方は少なくありません。しかし、いざ仕事を探し始めると「未経験の職種でも採用されるだろうか」「体力的に無理なく続けられるだろうか」といった不安が浮かんでくるものです。

そうしたシニア世代の再就職・セカンドキャリアとして、いま高い人気を集めているのが「警備員」の仕事です。警備業界はシニア世代が主力として活躍しており、未経験から安心して始められる研修制度や、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が整っています。

この記事では、警備員がシニア世代に選ばれる理由から、収入と健康を両立できるメリット、体力に合わせた業務の選び方、そして長く快適に働き続けるためのコツまで詳しく解説します。

1. なぜ警備員はシニアに人気?定年後の再就職で選ばれる3つの理由

定年後の仕事探しにおいて、警備員は常に上位に挙がる代表的な職種です。多くのシニア世代が他業種から警備の世界へ飛び込み、いきいきと活躍している背景には、他の業界にはない3つの明確な理由があります。

同世代の仲間が圧倒的に多く、孤立せずに職場へ馴染みやすい

定年後に新しい職場へ入る際、「若い人ばかりの中で浮いてしまわないか」と心配される方は非常に多いです。しかし、警備業界においてはその心配は無用と言えます。警察庁生活安全局が公表している統計資料『警備業の概況』によると、全国の警備員数は約58万人にのぼり、そのうち60歳以上の警備員が全体の約4割、さらに65歳以上も約3割を占めています(※出典:警察庁『警備業の概況』)。

つまり、現場にいる3人に1人以上がシニア世代という計算になります。定年退職後に未経験で入社した同世代の仲間がたくさん働いているため、年齢を理由に引け目を感じたり、職場で孤立したりすることがありません。休憩時間に同世代同士で健康の話題や趣味の話を共有できるなど、心理的な安心感を持って働ける環境が整っています。また、企業側もシニア層が働きやすい職場づくりに慣れているため、体力面への配慮や丁寧なサポートを受けやすいのも大きな魅力です。


法定研修でゼロから学べるため、これまでの職歴を問わず挑戦できる

「これまで事務職や営業職、あるいは全く畑違いの仕事をしていたから、警備の知識なんてまったくない」という方でも、安心してスタートできる仕組みがあります。警備業界では、未経験者をいきなり現場に立たせることは法律で禁じられています。

具体的には「警備業法」および「警備業法施行規則」に基づき、新しく採用された未経験の警備員には「新任教育」として15時間以上の研修(基本教育および業務別教育)を実施することがすべての警備会社に義務付けられています(※出典:e-Gov法令検索『警備業法施行規則』第38条)。この法定研修では、警備に関する基本的な法律知識から、誘導灯の振り方、緊急時の連絡体制、さらには救命救急の基礎まで、座学や実技を通じてイチから丁寧に学びます。しかも、この研修期間中もしっかりと給与(研修手当)が支払われます。新しい知識やスキルを学ぶことで自分自身の成長を実感でき、自信を持って現場デビューを迎えることができます。


落ち着いた対応力や誠実さなど、シニアならではの人生経験が武器になる

警備員の仕事は、怪しい人物を取り押さえるような腕っぷしの強さが求められるわけではありません。本来の目的は「事故やトラブルを未然に防ぎ、利用者に安心感を与えること」です。そのため、現場で最も重宝されるのは、長年の社会人生活や人生経験を通じて培われた「誠実さ」「穏やかな物腰」「落ち着いた対応力」です。

たとえば、商業施設の駐車場で混雑してイライラしているドライバーに対しても、人生経験豊富なシニア警備員が丁寧な言葉遣いと柔らかい笑顔で案内することで、場の空気が和み、クレームやトラブルを未然に防ぐことができます。また、施設を訪れたお年寄りや子どもに優しく声をかけたり、道案内に丁寧に対応したりする姿勢は、若い世代にはすぐには真似できないシニアならではの強みです。これまで培ってきた人間力や協調性がそのまま評価されるため、自分の存在価値を再確認しながら誇りを持って働くことができます。


2. シニアが警備員として働くメリット|定年後の「収入・健康・やりがい」を両立

警備員の仕事は、単に「お給料をもらうための手段」にとどまりません。定年後の生活において多くの人が求める「経済的なゆとり」「心身の健康維持」「社会とのつながり」という3つの要素を、バランスよく満たしてくれるのが最大の特徴です。

年金受給や体力に合わせて、週2〜3日から収入をコントロールできる

定年後の就労で気になるのが、「どのくらい稼げるのか」「年金が減額されないか」という点ではないでしょうか。厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』および職業情報提供サイト『job tag』によると、警備員の賃金は正社員(フルタイム)の場合で月収20万円〜25万円前後、アルバイト・パートの場合は日給8,000円〜1万2,000円程度が一般的な目安となっています(※出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』および職業情報提供サイト『job tag(警備員)』)。

警備員の求人はシフト制が多く、「週2日だけ働いて月6万〜8万円を年金の足しにする」「しっかり週4〜5日働いて月15万円以上の安定収入を得る」など、家計の状況や体力に合わせて収入を柔軟にコントロールできます。また、日本年金機構が定める「在職老齢年金」の仕組みでは、老齢厚生年金の基本月額と給与(総報酬月額相当額)の合計が国の定める基準額(支給停止調整額:約50万円前後 ※年度により改定)を超えない限り、働きながらでも年金はカットされず全額支給されます(※出典:日本年金機構『在職老齢年金の計算方法』)。多くのシニアにとって、年金を満額受け取りながら無理なく家計を補填できる理想的な働き方と言えます。


「立つ・歩く」の適度な運動習慣が、足腰の衰えや生活習慣病の予防につながる

定年退職後、自宅にこもりがちになると、1日の歩数が極端に減って足腰の筋力が低下したり、生活リズムが崩れて体調を崩したりするケースが少なくありません。「健康のためにウォーキングやジム通いを始めよう」と思っても、一人で継続するのは意外と難しいものです。

その点、警備員の仕事は「姿勢よく立つ」「施設内を歩いて巡回する」「腕を大きく動かして車両を誘導する」といった全身運動が業務そのものに組み込まれています。厚生労働省が推進する健康づくり指針『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』でも、高齢者(シニア世代)が歩行や立位などの身体活動を日常的に維持することは、生活習慣病やロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防に極めて有効であると示されています(※出典:厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』)。決まった曜日に制服を着て出勤し、現場で適度に身体を動かすことで、お給料をもらいながら自然と健康的な生活リズムを維持することができます。


地域の安全を守り「ありがとう」と感謝されることで、社会とのつながりを実感できる

仕事を辞めて社会との接点が減ると、「自分は誰の役にも立っていないのではないか」と孤独感を抱くことがあります。警備員の仕事は、地域社会や人々の暮らしの安全を最前線で守る、非常に社会貢献度の高い仕事です。

たとえば、通学路に近い工事現場で子どもたちから「いつもありがとうございます!」「おはようございます!」と元気よく挨拶されたり、商業施設で困っている利用者を案内して「助かりました、ありがとう」と笑顔で感謝されたりする場面が日常的にあります。また、現場では若い世代のスタッフや工事関係者、施設の従業員と協力して業務を進めるため、世代を超えたコミュニケーションも生まれます。内閣府の『高齢社会白書』でも、就労を通じて社会参加を続けているシニアほど「生きがい」を感じている割合が高いことが報告されています(※出典:内閣府『高齢社会白書』)。人から必要とされ、感謝される日々の積み重ねが、精神的な充実感と高い自己肯定感をもたらしてくれます。


3. 【シニア向け】体力や希望に合う警備業務の選び方と比較

一口に「警備員」といっても、働く場所や業務内容によって体力の使い方は大きく異なります。ご自身の体力や希望するライフスタイルに合わせて最適な仕事を選べるよう、シニア世代が活躍している代表的な3つの警備業務を比較表にまとめました。

警備の種類主な勤務場所屋内 / 屋外体力負担の目安シニアにおすすめのポイント
施設警備
(1号警備)
オフィスビル、商業施設、病院、学校、官公庁など屋内中心★☆☆
(少なめ)
空調が効いた快適な環境で働ける。受付や出入管理など落ち着いた業務が多い。
交通誘導・駐車場警備
(2号警備)
道路工事現場、建築現場、スーパーや病院の駐車場など屋外中心★★☆
(中程度)
求人数が非常に多く採用されやすい。週1〜2日などシフトの自由度が高く身体を動かせる。
巡回・受付警備
(1号警備の一種)
マンション、小規模ビル、公園、工場など屋内・屋外★☆☆
(少なめ)
座り仕事(受付・モニター監視)と歩く仕事(見回り)のバランスが良く、短時間勤務も豊富。

それぞれの業務の特徴を詳しく見ていきましょう。


空調の効いた屋内で体力的負担が少ない「施設警備(オフィス・商業施設など)」

夏の暑さや冬の寒さが心配な方、落ち着いた環境で長く働きたい方に最もおすすめなのが「施設警備(1号警備)」です。オフィスビルや大型ショッピングモール、病院、ホテル、大学などの建物内に常駐し、施設全体の安全を見守ります。

具体的な仕事内容は、通用口での関係者や業者の出入管理(受付業務)、防災センターでの防犯カメラのモニター監視、そして定時の館内パトロール(施錠確認や不審物のチェック)などです。基本的には冷暖房が完備された屋内での業務となるため、天候や気温の変化による体力的負担が大幅に軽減されます。また、「座って行う受付・監視業務」と「歩いて行う巡回業務」がローテーションで組まれている現場が多く、ずっと同じ姿勢で立ちっぱなしにならない点も魅力です。丁寧な挨拶やきめ細やかな気配りが活きるため、男性だけでなく女性のシニア隊員も数多く活躍しています。


屋外で気分転換しやすくシフトの融通が利きやすい「交通誘導・駐車場警備」

「とにかく身体を動かして健康を維持したい」「自分の都合に合わせて働く曜日を自由に選びたい」という方には、「交通誘導警備・駐車場警備(2号警備)」が適しています。道路工事や建設現場の周辺で歩行者や一般車両を安全に誘導したり、スーパーマーケットや大型商業施設、病院などの駐車場で空きスペースへの案内を行ったりする仕事です。

この業務の最大のメリットは、圧倒的な求人数の多さとシフトの柔軟性です。未経験のシニアを積極的に採用している会社が多く、「週2日だけ」「平日のみ」「土日のみ」といった希望が通りやすい傾向にあります。また、工事現場の交通誘導では、予定よりも工事が早く終わった場合に「早上がりでも1日分の日給を全額保証(日給保証制度)」してくれる警備会社も多く存在します。外の空気を吸いながら適度に歩き、地域の人々と声を掛け合いながら働けるため、リフレッシュ効果も抜群です。


短時間勤務や見回り中心でシニアが無理なく続けられる「巡回・受付警備」

「いきなり1日8時間のフルタイムで働くのは体力的に不安がある」という方には、マンションや地域の施設、小規模なオフィスビルなどでの「巡回・受付警備」という選択肢もあります。

たとえば、オフィスビルや工場の夜間・早朝の「宿直・日直型の受付警備」では、来訪者が少ない時間帯に詰所で待機し、決められた時間に数回だけ建物の周りを見回るといった穏やかな業務が中心となります。また、学校や公園、商業施設の開店前・閉店後など、「1日4〜5時間だけ」の短時間シフトで募集されている巡回警備の求人も増えています。人混みや慌ただしい環境が苦手な方でも、自分のペースでコツコツと確認作業を行えるため、精神的なストレスが少なく、定年後のセカンドキャリアとして年齢を重ねても長く続けやすい仕事として人気を集めています。


4. シニアの警備員が直面しやすい壁と、長く健康に働き続けるための対策

魅力の多い警備員の仕事ですが、実際に働き始めてから「思っていたより大変だった」と後悔しないためには、シニア世代が直面しやすい課題とその対策をあらかじめ知っておくことが大切です。

足腰への負担や寒暖差は「最新装備(空調服・クッション靴)」と「こまめな休憩」で乗り切る

警備員の仕事で最も多く聞かれる悩みが、「立ち仕事による足腰の疲れ」と「夏場の暑さ・冬場の寒さ」です。特に屋外での交通誘導や駐車場警備では、アスファルトの上に長時間立つことや気温の変化が体力的な負担になり得ます。

しかし近年、警備業界ではシニア隊員の安全と健康を守るため、装備品の進化が急速に進んでいます。夏場には小型ファンが付いた「ファン付き作業着(空調服)」や冷却ベスト、冬場には発熱素材を使った「電熱ベスト(ヒーターベスト)」や高機能防寒着を会社負担で貸与してくれる企業が非常に増えています。また、足腰への負担を減らすためには、靴の中に衝撃吸収用のインソール(中敷き)を入れたり、着圧ソックスを活用したりするのがプロの知恵です。さらに、立ちっぱなしの際も「片足ずつ交互に重心をずらす」「休憩時間には必ず座って足首を回す・水分と塩分を補給する」といったセルフケアを徹底することで、身体への負担を劇的に減らすことができます。


年下の先輩や上司とも円滑に働くコツは「過去の肩書きを手放し、謙虚に学ぶ姿勢」

もう一つ、定年後の再就職でつまずきやすいのが職場での人間関係です。警備の現場では、指導してくれる教育係や現場の隊長、あるいは取引先の工事監督・施設担当者が、自分の子ども世代や孫世代にあたる20代〜40代の若い人であるケースが珍しくありません。

このとき、過去の職場での役職や経験にとらわれて上から目線の態度をとってしまうと、周囲との協力関係が築けなくなってしまいます。現場で周囲から信頼され、楽しく長く働いているシニア警備員に共通しているのは、「過去の肩書きを一度手放し、一人の新人として謙虚に学ぶ姿勢」を持っていることです。年下の先輩に対しても「いつも教えていただきありがとうございます」と敬意を持って接し、分からないことは素直に質問する。その誠実で穏やかな姿勢があれば、若い世代からも「頼りになる人生の先輩」として慕われ、世代を超えた心地よいチームワークの中で気持ちよく働き続けることができます。


5. シニア歓迎の警備会社を見極めるポイントと、採用される人の特徴

最後に、これから警備員の求人に応募するシニア世代の方へ向けて、「働きやすい警備会社を見極めるチェックポイント」と「面接で好印象を与えるコツ」をご紹介します。

求人票でチェックすべきは「シニアの在籍実績」「勤務地の近さ」「猛暑・防寒対策の支給品」

求人を探す際は、給与額だけでなく「シニアが無理なく働ける環境が整っているか」を以下の3つの視点でチェックしましょう。

1.シニア世代の在籍実績が明記されているか
「シニア活躍中」「定年退職後のスタッフ多数在籍」といった記載がある会社は、未経験者向けの丁寧な研修ノウハウや、体力に配慮した現場配置の仕組みが整っています。

2.自宅から通いやすい勤務地(直行直帰の可否)か
通勤時間が長いと、それだけで体力を消耗してしまいます。自宅の近くにある施設や、会社に寄らずに自宅から現場へ直接向かえる「直行直帰OK」の求人を選ぶと、毎日の負担が格段に軽くなります。

3.空調服や防寒着などの装備品サポートがあるか
待遇・福利厚生欄に「空調服貸与」「防寒具支給」「休憩室完備」などの記載がある会社は、隊員の健康と安全を第一に考えている優良企業である可能性が高いと言えます。


面接で重視されるのは「日頃の健康管理」と「挨拶・報連相がしっかりできる誠実さ」

シニア世代が警備会社の面接を受ける際、採用担当者が最も重視しているのは特別なスキルや職歴ではありません。見られているのは「健康に勤務を続けられるか」と「誠実なコミュニケーションが取れるか」の2点です。

面接では、「毎日ウォーキングを続けている」「規則正しい生活と睡眠を心がけている」など、日頃から自己管理・健康管理に気を配っていることを具体的に伝えると、採用担当者に大きな安心感を与えられます。また、面接の場での明るくハキハキとした挨拶、相手の話を最後まで丁寧に聞く姿勢、そして「新しい仕事を一からしっかり学びたい」という前向きな意欲を見せることが何よりのアピールになります。

※なお、警備業法の規定により、採用時には「身分証明書(本籍地の市区町村が発行する書類)」や「健康診断書」などの提出が求められます。これは法律で定められた欠格事由(破産手続中で復権を得ていない場合など)に該当しないかを確認する一般的な手続きですので、あらかじめ準備しておくと入社手続きがスムーズです。また、入社後に国家資格である「警備員検定」に挑戦すれば、資格手当による収入アップやさらなるやりがいにもつながります。


6. まとめ:警備員の仕事で定年後の収入と健康、充実した毎日を手に入れよう

警備員の仕事は、定年後の生活に「経済的なゆとり」「適度な運動による健康維持」「人々から感謝されるやりがい」の3つを同時にもたらしてくれる、シニア世代にとって非常に魅力的な選択肢です。

・同世代の仲間が多く、15時間以上の法定研修があるため未経験でも安心
・年金受給や体力に合わせて、週2〜3日や短時間など柔軟な働き方ができる
・屋内の「施設警備」やシフト自由度の高い「交通誘導、駐車場警備」など、自分に合う現場を選べる
・これまでの人生で培った「誠実さ」や「穏やかな対応力」が最大の武器になる

「自分の体力でもできるかな?」と迷っている方は、まずは週2〜3日の無理のないペースや、自宅近くの施設・駐車場の求人からチェックしてみてはいかがでしょうか。新しい制服に袖を通し、地域や街の安全を守る一歩を踏み出すことで、きっと毎日がより健康的で充実したものに変わっていくはずです。

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